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宇宙エレベーター


 宇宙エレベーターという発想をご存知でしょうか?地上から宇宙まで長〜いエレベーターでつなげてしまいロケットなど使わなくてもエレベーターで誰でも簡単に宇宙に行けるようにしようという考えです。

 なにそれ?無理じゃん!とお考えの方も多いと思いますが、現在の技術でもかなり現実味を帯びてきている発想なのです。

 もともと宇宙エレベーターという発想はかなり古くからありました。1895年に旧ソ連の科学者ツィオルコフスキーが「赤道上から高い塔を伸ばしていけば、ある時点で重力と遠心力は釣り合う」ということを自著の中で発表します。そして、同じく旧ソ連の科学者ユーリ・アルツターノフは静止軌道から上下にケーブルを伸ばしていけば宇宙エレベーターができるんじゃないか?という考えを公表します。

 しかし、当時の技術では、まるでSFの世界の話だったんですね。ケーブルを長く伸ばすっていっても途中で切れてしまったら意味がないですからね。相当、強い性質をもったものでなくてはならないわけです。さらに硬いだけのものでもダメ。普通の金属なんかではある程度まで長く伸ばせば、その金属の重さによって折れたり、倒れたりしてしまいますからね。軽くて丈夫な素材でも発見されなければ無理!って感じだったんです。

 しかし、1990年代に入ると「カーボンナノチューブ」というものが発見されます。カーボンナノチューブという炭素原子が網目のように結びつき筒状になった物質で直径は人間の髪の毛の5万分の1。それでいて強度はダイヤモンド並みというすごいもんが見つかったんです。

 おぉ、これなら宇宙エレベーターできるじゃん!となったわけですね。

 では、実際どのように宇宙エレベーターは造るのか?

 まず、静止軌道といえれる高度約3万6000キロメートルのところに静止軌道ステーションをつくります。静止軌道というのは、地球の重力で引っ張られる力と遠心力が釣り合っている場所をいいます。人工衛星なんかはこの静止軌道を維持して周っているんですね。さらに赤道上の静止軌道を周る人工衛星は地球の周期といっしょなので同じ地上の真上を飛び続けています。

 ですから、宇宙エレベーターをつくる際も赤道上から延びるエレベーターが望ましいんですね。

 さて、静止軌道上に静止軌道ステーションをつくったら、そこから下にケーブルを伸ばしていきます。しかし、下だけにケーブルを伸ばすと重力と遠心力のつり合いがとれなくなってステーションごと地球に落下してきてしまうので上にもケーブルを伸ばします。

 つまり、ケーブルを上下つり合いがとれるように少しづつ伸ばしていくわけです。やがて、地球にまでケーブルが届けば地上のアースポート(地上基地)に固定し、上の伸ばしたケーブルの先端にはバランスをとるためのカウンターウェイトを取り付ければ完成です。

人工衛星なども飛んでいる高度36000kmあたりに静止軌道ステーションを設置。
アースポートは赤道上に配置するのが望ましい。
バランスをとるために上にもカウンターウェイトを付ける。


 まぁ、実際は大気の影響なども計算し作り上げなければならないようですが、ロケットなどの比べてかなり低予算で宇宙旅行ができるようになるようですね。

 ただし、今から着工しても完成には25年くらいはかかるそうです・・・。