太陽の構造
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太陽の構造ってどうなっているんだろう?そんな風に考えたことはあるでしょうか?
まぁ、何となくすんごい燃えてるなぁってことはわかりますね。あとは、めっちゃめちゃデカいってこともご存知でしょう。
太陽の大きさはおよそ140万キロメートルです。地球の109倍っていうからやはりデカいですね。地球との距離は1.5億キロメートル。さらに質量は地球の33万倍です。
太陽の表面温度は6000ケルビン。ケルビンってなんじゃ?って感じですね。日本で使われているのは摂氏ですね。水が凍る温度が0度で沸騰する温度が100度です。対してケルビン(K)は絶対零度(もうこれ以上どうやっても温度さがりませ〜んていう温度)が0ケルビン。摂氏に直すと-273.16度です。とはいえ、摂氏1℃上がったというのと1ケルビン上がったというのは同じなので
1000ケルビン=1000℃+273.16
つまり、6000ケルビンは、ほぼ6000℃ってことですね。
ちなみに太陽には黒点っていうのがあります。ほくろみたいに黒い点が太陽にあるんですけど、そこは4000Kくらいで表面温度よりちょっと温度が低いです。
さて、いよいよ内部構造を見ていきましょう。
まずは、コア。ここでの温度は1000万ケルビンを超える温度です。めっちゃ熱いですね。しかも、500mlのペットボトルが80キロくらいになっちゃうほどのものすごい密度になってます。そんなもんだから、もう原子炉状態なんですね。水素がヘリウム原子核に変わる核融合反応っていうのが起こります。水素原子核4個が融合してヘリウム原子核1個に変身するんですね。
でも、この水素原子4つより、ちょっとだけヘリウム原子核1つの方が質量が小さい。その失われた質量はどこにいっちゃうのか?それがエネルギーとして放出され、太陽の明るさの源(エネルギー)となっているんです。
1グラムの水素が仮に100%エネルギーに変換された場合のパワーは石炭1グラムを燃やした時の2500万倍というものすごいエネルギー。ちなみに太陽の中心部では毎秒400万トンの質量がエネルギーに換わっているという桁違い。ですから、太陽はあんなにも輝いているんですね。
でも、ここで疑問が湧いてきた!って人は鋭い。水素がヘリウムに変わるってことはいずれ水素が無くなってしまったらどうするのか? その通り!いずれ、水素は使い切ります。ただし、計算上は50億年後くらい。まぁ、当分、なくなんないですね。
さぁ、このコアの部分は半径10万キロほど。次に熱を表面に伝える50万キロの放射層があります。そして対流層。ここも10万キロくらいあります。この対流層は乱流状態。その為、音波が発生し太陽全体はいつも振動しているんです。この振動を解析すると太陽の内部構造が診断できるっていうわけ。日震学っていうんですけどね。まぁ、これで温度分布やら物質分布やら回転角速度分布なんかがわかります。
ちなみにコアの部分で生まれた太陽の明るさの源。これが外にでるまでに100万年かかります。といことは、我々が現在、太陽から感じている熱などのパワーはおよそ100万年前につくられたってことです。スゴイですね。
対流層の外側が光球。ここは厚みが500キロメートルほど。いきなり桁数が少なくなる・・・。つまり、太陽の規模からするとかなり薄い・・・。我々が肉眼で見ている太陽は、この光球です。
ここの光球の部分を望遠鏡で拡大してみてみると(普通の望遠鏡では見ちゃダメ)、ブクブクと沸騰しているように見えます。これを粒状班といい平均寿命6〜10分くらいんで変化していきます。また、黒点も見られます。太陽の表面にある黒い点ですね。温度が周りよりも低くいんですけど、磁力や紫外線、X線を出します。11年周期で黒点がいっぱいできたり、少なかったりっていう時期があり、いっぱい黒点ができる時を太陽活動極大期。あまりできない時を太陽活動極小期っていいます。
光球の外側にあるのが数千から1万ケルビンほどの彩層と呼ばれる大気層。ここでは、フレア(太陽面爆発)などさまざまな活動が起こります。
彩層のさらに外側が200万ケルビンのコロナという大気層です。最近では、太陽以外でもほとんどの恒星の周りにはコロナが存在することがわかっています。コロナの明るさは満月の明るさとほぼ同じくらいですので暗いんです。ですから普段は、太陽の明るさで見えませんが皆既日食の時なら見ることも可能です。しかし、最近では、X線でコロナを観測することができます。それによると黒点の周辺では明るく、北極、南極付近では暗いことがわかっています。
あれ?コロナの温度が200万ケルビン?コレ、桁を書き間違えたわけじゃありませんよ。太陽表面温度が6000ケルビンなのに何でコロナは200万ケルビンもあるの?普通に考えれば熱は中からでてきてるんだから、それより外側に行けば行くほど温度は下がるはず・・・。なのに何で?
実は・・・。
コレ、よくわかってないんです。人類の宿題ってとこですね。
ところで、中心のコアでつくられた太陽のエネルギーが表面に達するまでに100万年かかるというお話をしましたね。現在、私たちが太陽から受けている恩恵は100万年も前に太陽でつくられたものの恩恵なわけです。
しかし、星の中心で核融合が行われるときに生成される素粒子でニュートリノという目には見えないものがあります。このニュートリノはあらゆるものを通り抜けて直進するので太陽の中心でつくられてもすぐに地球にまでやってくるんです。だいたい8分くらい。
つまり、現在太陽から地球に降り注いでいるニュートリノを観測すれば100万年後の太陽と地球の関係がわかるってことなんです。たとえば、太陽からやってきたニュートリノが理論値より半分くらいしかなかったとします。となると、100万年後の地球は太陽から受けられる恩恵が現在の半分の可能性があるってことですね。ただし、ニュートリノは非常に観測が難しい素粒子ですので正確に観測するのには、まだ時間がかかるようです。
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