ニュートリノとは、素粒子の一種で「なんでも通り抜けてしまう」という特徴があります。
このニュートリノは、中性子が崩壊したときに放出されます。中性子とは、ふだんは原子核の中に収まっていますが、原子核を飛び出すと不安定となり、電子とニュートリノを放出して陽子となるんです。これをベータ崩壊といいます。
太陽や超新星からニュートリノは大量に放出されています。そして、なんでも通り抜けてしまうので私たちの住む地球や体も実は、たくさんのニュートリノが通り抜けているのです。
ただし、それを感じることはできません。とてつもなく小さな粒子なので感じ取れるようなレベルではないんですね。また、体に害があるわけでもありません。
では、なぜニュートリノは何でも通り抜けてしまうのか?
ニュートリノとは、電子から電荷をとったみたいなもんなんです。原子核っていうのは、プラスの電気をもっています。しかし、ニュートリノには電気をもっていないので原子核だろうが何であろうが素通りしていっていまうんですね。
しかし!このニュートリノも実は、ごくまれにぶつかることがあるんです。この瞬間を狙って研究者の人たちはニュートリノを研究しているんですね。
「カミオカンデ」というのを聞いたことがあるでしょうか?
2002年にノーベル賞を受賞した小柴昌俊さんらの研究でニュートリノに質量があることを発見した装置です。
この装置は、地下1000メートルに5万トンもの不純物を取り除いた超純水をいれます。ほとんどのニュートリノは当然のようにこの装置を素通りしていくわけですが、たま〜に装置のなかで水の分子とぶつかって電子やミューオンらに変わるものがあるんですね。そうするとチェレンコフ光という光が出ます。その光を観測するというわけです。
この観測の努力により、ニュートリノには、電子などに比べるとあまりにも小さいが質量があるということがわかりました。
このあまりにも小さな質量をもつニュートリノは素粒子の世界や宇宙をより深く知るためのヒントになると期待されています。
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