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冥王星のクジラ模様


 冥王星というと2006年までは第9惑星として太陽系の仲間とされていました。しかし、太陽系の中では一番外側を周っているし(海王星より太陽に近づくこともありますが)、月よりも小さい・・・。

 技術が進んでよくよく探してみたら冥王星みたいな星は結構いっぱいあったんですけど・・・。などの理由で太陽系惑星から外されてしまいました。


 とはいえ、ちょっと前までは我々太陽系に住む仲間とされていた星。興味はありますし有名ですよね。

 そこで2006年にNASAが打ち上げた探査機ニューホライズンは9年の歳月をかけて冥王星に接近。最近になってやっと冥王星のいろいろなことがわかってきました。

 少し前までは冥王星といえばクレーターばかりの氷の塊のように思われてきましたが実際には氷河や氷の火山、またいろいろな物質や地形があり研究者たちを驚かせました。

 特に冥王星の外見的な特徴としてはクジラの模様の様だともいわれている褐色のクトゥルフ領域といわれる場所。幅およそ3000km、長さおよそ300kmに広がる領域なのですが、なんでここだけ色違うの?と不思議に思われてきました。

 最近になり東京大学と東京工業大の研究グループによる再現実験などで冥王星のクジラ模様の理由が突き止められました。

 冥王星と同じような場所にある天体に比較的多く含まれているアンモニアやホルムアルデヒドなどといった分子種を含む水溶液を温度や反応時間を変えて加熱。すると、50℃以上で数か月以上加熱された場合、冥王星にあるクジラ模様と同じ褐色の有機物が出来上がることがわかりました。

 つまり、冥王星のクジラ模様の場所は長時間、高温の状態が続いていた証拠。では、どのような場合に高温が長期間広い範囲にわたって続くことになるのか?

 それは天体の衝突に他ならないという結論にいたりました。

 月はどのようにできたのか?それは色々な説がありますが、ジャイアントインパクトという説が最も有力です。

 地球に火星ほどの大きさの惑星がぶつかって月ができたという説ですね。

 それとどうように冥王星にもジャイアントインパクトが起こったというのですね。冥王星にもカロンという冥王星半分ほどの直径をもつ衛星があります。地球でいうところの月が冥王星のカロンです。

カロン左上と冥王星右下(写真出典:NASA)

褐色の部分がクジラ模様といわれる場所


 遥か昔に冥王星にも巨大な天体がぶつかり、カロンをつくり上げた。その時の痕跡があのクジラ模様だったんですね。