○○星まで地球から○光年。なんていう言い方をしますね。光年というのは、たとえば1光年であれば、光の速度で1年かかる距離ってことです。
しかし、この宇宙での距離の測定ってどうやってはかっているんでしょう。まさか、定規じゃはかれませんしね。
これには、ちょっと特殊な測定のしかたを用いています。
比較的近い星のはかり方
では、ためしに片目を閉じて指を1本、目の前に突き出してください。次に、閉じていた方の目を開けて、開けていた方の目を開けます。どうでしょう。1本突き出した指が左右に動いたように見えませんか?右、左、右、左・・・と目を片方づつ、開けたり閉じたりしながら指を見るんです。見え方違いますよね。
今度は、遠くのものに焦点を当ててください。窓から見える木でもいいですし、ビルでもいいです。同じように右、左と交互に目を開けたり、閉じたりします。すると、顔の前に突き出した指のときよりも左右に動く動きが少ないことに気づくと思います。
そうなんです。この見え方の違いは顔に近いほど大きくなり、遠いほど小さくなるんです。これを天体にも応用します。
ちょっと、難しいので下に図で表しますね。
地球は太陽の周りを公転しています。上の図のようにしてある星を観測すると角度に違いが出ることがわかります。この角度が小さい方が遠い場所にある星ってことです。ここまで観測できれば、後は計算で距離を求めることができます。
地球から太陽までの距離はおよそ1.5億キロなのでわかります。あとは、年周視差という角度がわかれば、高校生でならった三角関数で星から地球までの距離がわかるってことです。
ですが、この方法での距離の求め方にも限界があるんです。年周視差の角度が遠くのものほど小さくなっていくので、すごく遠い星では、角度が小さすぎてはかれないんです。図では、わかりやすいように大きな角度にしてありますが、実際の星はすごく遠くにあるので角度なんてほんのわずかなんですね。
上の方法での測定の限界は、およそ1.7万光年までといわれています。
では、それより遠い星はどうやってはかるのでしょう。
遠い星のはかり方
これは、星の明るさを利用します。暗闇の中、懐中電灯を片手に本を読んでいるとします。その懐中電灯を徐々に本から遠ざけていって見ましょう。どんどん暗くなり、本が読みづらくなっていくのがわかるでしょう。このように、明かりは遠ざけていけば暗くなるんです。星も同じでもともとの明るさが同じであれば、遠くの星ほど暗くみえるのです。
ですから、星のもともとの明るささえわかれば、その距離を測定することができるのです。
では、どのようにして星の明るさを測定するのでしょう。
「セファイド変光星」という星があります。これは、数時間から100日程度の周期で明るさを変化させる天体です。このセファイド変光星は、明るくなったり暗くなったりする周期が長いほど本当の明るさも明るいということがわかりました。
遠くの星の本当の明るさを知ることは非常に難しいんですけど、このセファイド変光星は、その明暗の周期で本当の明るさを知ることができます。
つまり、銀河などの距離を知りたければ、その銀河の中からセファイド変光星を見つけ出せばいいんです。そうすれば、「本当の明るさ」と地球から見える「見せかけの明るさ」から距離を求めるととができるのです。
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