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光の速度はどうやって測ったの?


 光の速度といえば、一般的に秒速30万キロメートルといわれていますね。もうちょっと正確にいえば、秒速2億9979万2458メートルです。まぁ、ほぼほぼ30万キロメートルですね。

 ですが、この光の速度っていったいどうやって測定したのでしょうか?

 実は、17世紀から光の速度を観測する実験は行われてきました。初めて光の速度を測定することができたのはデンマークのオーレ・レーマーという天文学者です。

 では、どうやって光の速度をはじき出したのか?

 オーレ・レーマーは、木星の周りを周るイオという衛星に着目しました。この衛星は木星を1周するのにおよそ42.5時間かかります。高性能な望遠鏡で木星を見ると木星を周っているイオが木星の陰に隠れて見えなくなる時間があります。この周期が42.5時間ということですね。



 しかし、地球と木星は離れたり近づいたりしています。イオが一定の速度で木星の周りを42.5時間で周っていたとしても木星と地球が離れている時は、木星、地球間を走る光の距離が長くなるため地球から見るとイオが次に木星の陰に隠れるまでに42.5時間よりも長い時間掛かることになります。


 逆に地球と木星との距離が近づくと光が空間を進む距離も縮みますのでイオが木星に隠れるまでの時間が42.5時間よりも短くなります。

 これにより実際、木星と地球がどれくらいの距離が離れるとイオが木星に隠れるまでの時間がどれくらい変わってくるのかを調べ速度が割り出せるというわけです。

 1676年にオーレ・レーマーは光の速度を秒速約21.4万キロと導き出しました。まぁ、実際は秒速30万キロほどなのでちょっとズレてますけどね・・・。

 時代は進んで19世紀。この頃には、地上で初めて光の速度を観測することに成功します。フランスの物理学者アルマン・フィゾーという歯車のような装置を使い観測します。

 

 実際には、8.6キロメートルほどの筒のようなものの中に上の図のような装置を設置します。歯車の間を通っていった光が鏡に反射して戻ってくるわけですが、歯車を回していれば歯車の凸の部分で遮られて光が見えなるなる時がありますね。それを利用しました。回転速度の変化によってどれくらいの速度で回転すると光が歯車を通過できなくなるのか?歯車の数と回転数、回転速度によって光の速度が導き出せるというわけです。1849年にフィゾーが求めた光の速度は秒速約31.3万キロ!実際の速度とめちゃ近い!

 そして、1950年頃になると電波を使った方法で光の速度が正確にわかるようになります。

 速さ=波長×振動数(周波数)

 上のような式により光の速さを求めることができるのです。振動数は1秒間で光の波が振動する回数です。

 つまり、波長と周波数がわかれば正確に光の速度がわかるということ。1970年代には光の速は2億9979万2458メートルでほぼ決定ということがわかり、1983年に国際的な会議で光の速度が2億9979万2458メートルと定められるのでした。