ヒッグス粒子とは、簡単にいうと素粒子に質量を与える粒子のことです。
・・・と、いってもピンときませんね。
「質量」というと普通は「重さ」をイメージしてしまいますがちょっと違います。重さですと、地球で量った重さと月で量った重さでは違ってしまいますね。だいたい6分の1くらいの重さに月ではなってしまいます。
しかし、質量は月で量ろうが地球で量ろうがいっしょです。
では、素粒子にこの「質量」を与えるヒッグス粒子とはどういったものなのか?
そもそも、素粒子に関する理論はいろいろあるんですが、この理論では、素粒子自体に質量がないと考えた都合がいいことが沢山あったんです。しかし、実際には素粒子には質量はある。と、すると何かが素粒子に質量を与えていなければならないわけです。
そこで予想されたのがヒッグス粒子でした。
真空の中にはヒッグス粒子がぎっしり詰まっています。そこに他の素粒子をいれ動かそうとするとぎっしり詰まったヒッグス粒子のせいで動きにくい。この動きにくさこそが「質量」だとしたのです。
ヒッグス粒子というのはイギリスの物理学者ピーター・ヒッグスからとられています。そして、2012年にスイスのジュネーブにあるCERNによって新しい粒子が発見され、これがヒッグス粒子である可能性が高いとされているのです。
つまり、理論が先で発見が後なんですね。
このヒッグス粒子がなけらば星や銀河、もちろん地球や人間も存在していなかったといわれています。
宇宙が生まれて間もないころ、あらゆる種類の粒子は光の速度で飛び回っていました。そして、相転移と呼ばれる大進化によって素粒子は質量をもつことになるのです。
このおかげで粒子はゆっくりと減速できるようになり、宇宙では原子や分子が構成され、星や銀河が誕生することになります。
2013年には質量の起源の理解につながる機構の発見という理由でピーター・ヒッグスとフランソワ・アングレール、ヒッグス粒子の存在を予言した二人がノーベル物理学賞を受賞しました。
1964年にヒッグスによってはじめて予言されたわけですが、発見されたのは2012年ですからね。やはり、宇宙はまだまだわからないことばかりなのです。
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