地球では、はるか昔、およそ40億年前に生命が生まれたとされています。光すら届かない海底で当時は至る場所で熱い水が噴出していました。この高温高圧の熱水の周辺は化学反応が活発でこの場所こそが生命誕生の故郷だったのではないかと考えられているのです。
さて、この海底の熱水環境と同様の環境が土星の衛星であるエンケラドスにも見つかっています。・・・ってことは、このエンケラドスにも生命誕生の可能性が???
エンドケラドスという衛星は氷の衛星。しかし、内部には液体の海が広がり、氷の割れ目からは宇宙に水が噴き出しています。
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(写真:NASA/JPL-CALTECHより) |
土星探査機である「カッシーニ」がこのエンケラドスから宇宙に噴き出している水の中を通過したりして成分を調べたところ「ナノシリカ」という粒子が見つかりました。この粒子は岩石成分が熱水で溶けてその熱水が急冷することでできる粒子です。ということは、カッシーニには、このナノシリカができるほどの熱水がどこかに眠っているというわけですね。可能性としては、氷の下の水の中がもっとも怪しい・・・。
このナノシリカが生成されるには90度以上の熱水が必要。そこで日本の研究チームがエンケラドスの環境をシミレーションしたところ、エンケラドスの氷の下にある海中の熱水でナノシリカが生成されたと仮定し、それが氷の割れ目から宇宙に噴き出すまでは、長く見積もっても数年ほどしかかからないということがわかりました。つまり、カッシーニによって採取されたナノシリカ粒子は数年前まで氷の下の水の中に存在していたものであり、今もエンケラドスの氷の下にある海では熱水が噴き出ている場所がある可能性が非常に高いということなんですね。
ということは、40億年前の地球のように生命が誕生している可能性もあるかもしれないというわけなんです。
宇宙生物発見の日も近いかもしれませんねぇ。
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