ブラックホールに入ってしまうと光ですら抜け出すことは不可能です。ロケットが地球の重力から脱出するには秒速11.2キロメートルの速度が必要です。時速に直すと時速4万320キロ。
光はそれよりも当然速く、秒速30万キロです。このスピードでもブラックホールの重力からは抜け出すことができないんです。
では、それを承知でロケットに乗ってブラックホールに飛び込んでいったらどうなるのでしょうか？
これは、不思議な現象が起こります。ロケットに乗ってブラックホールに飛び込んでいく人とそれを外側から観測している人とでは見え方が違ってくるんです。
まず、離れたところからロケットを見ている人には、ロケットがブラックホールに近づくにつれ速度が遅くなっていくように見えます。そして、「事象の地平線」といわれる「もうこの先近づくと逃げ出すことは不可能ですよ〜」というあたりに近づくとロケットが永遠に止まったように見えるんです。
一方のロケットに実際に乗っている人はどんどんブラックホールに近づいていくことになります。重力はどんどん強くなっていきますので周りの景色は青っぽく見えるようになり、すべての物が前後にひっぱられ細長くなっていきます。そして最終的には素粒子レベルまでバラバラになってしまうのです。
これらは、アインシュタインの相対性理論から導き出された現象ですので実際にどうなるのかは、誰も試したことはありません。
|
|
|
