宇宙の謎  

宇宙の謎ブラックホール>ブラックホールの発見

ブラックホールはどのようにして見つかった?


 ブラックホールというと何でも吸い込んでしまう黒い穴が宇宙空間に開いているようなイメージを持ちますね。しかし、実態は非常に密度の高い強力な重力をもつ天体のことです。

 このブラックホールは光でさえ抜け出すことが不可能であるため、だれも見たことはありません。



 じゃ、なんでブラックホールがあることが確認できたのか?

 その問題を解決したのがX線でした。ブラックホールにモノが吸い込まれるときに強力なX線が出ます。レントゲンなどでお馴染みですね。きわめて波長の短い電磁波のことです。

 宇宙のX線を観測していると強力なX線を観測することに成功しました。この強力なX線はどこから来ているのか?発生源をたどっていくと1971年に太陽の30倍もの質量を持つ天体が回っているあたりであると確認できました。しかし、この太陽の30倍もの質量をもつ天体が回っている中心部分に星らしいものが見つかりません。計算上では、中心部分に太陽の10倍以上の質量を持つ星がないと太陽の30倍の天体が回ることは不可能なはずですが、それらしきものが見つからない。

 この何もない空間から強力なX線を放出さえているのがブラックホールだったわけです。

 ブラックホールは周りを回っている星からガスを剥ぎ取って吸い込んでいきますが、そのガスが吸い込まれるときに摩擦によって高温になり、強いX線を出すんですね。この時に発見されたブラックホールが「はくちょう座X1」です。

 以来、太陽の数十倍の質量をもったブラックホールがたくさん発見されるようになっていきます。