宇宙の謎  

宇宙の謎金星の謎>金星探査機「ビーナスエクスプレス」

金星探査機「ビーナスエクスプレス」


 2005年11月、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地からソユーズロケットで打ち上げられた金星探査機ビーナスエクスプレスは、2006年4月に金星周回軌道に到達。主に金星大気の精密な観測を主な目的とし、最新の観測機器が搭載されました。



 実は、このビーナスエクスプレスよりも先にいくつもの金星探査機が打ち上げられています。最初に金星探査機を送り出したのがNASAのマリナー2号です。マリナー2号は金星に3万キロメートルほどまで接近し、金星の大気の観測に成功。その後もマリナー計画は10号まで行われ、さまざまな発見をしました。

 また、ソ連でも1970年にべネラ4号が金星探査機として打ち上げられました。そしてベネラ9号により金星のモノクロ写真が初めて撮影され、ベネラ13号、14号ではカラー写真が撮影されます。

 1978年にはNASAの金星探査機パイオニア・ビーナスによるレーダーの高度計のデータから金星表面の最初の地図を作成することができました。

 また、1989年の探査機マゼランでは、レーダーよりも高性能な合成開ロレーダーにより、されに精密な地図を作ることに成功しています。

 しかし、金星探査機の活躍もここまで。その後は金星探査が行われぬまま10年以上の月日が流れました。

 そして、2005年のビーナスエクスプレスの登場となったわけです。

 ビーナスエクスプレスには、光学カメラ、赤外線を使い分子構造を調べるフーリエ分光計、紫外線・赤外線大気分光計、可視赤外線画像分光計などといった分光計を搭載。磁力計やプラズマ測定器なども最新の技術が搭載されました。

 このビーナスエクスプレスは2014年12月にミッションを終了。

 ビーナスエクスプレスの観測によって金星の自転の速度が徐々に遅くなっていることがわかりました。