2024/7/

うさちゃんとおとーちゃんの

『楽しいながらも貧しい我が家』

 

 


『うさちゃん最高!!』

 

 

「ぢゃ、帰りましょ。」

え? なんで?

「佐賀駅までの旅でした。終わり。 とか言うんでしょ?」

いや、違うぞ。 ここから旅の始まりだ。

「え゛え゛っ!!」

そんなに驚くこともないだろ?

「だってもう4年もどこも行ってないわよ。」

そういやそうだな。最後はどこだったっけ?

「おそらく出雲よ。」

ずいぶん昔のことのようだな。

「ずいぶん昔のことよ。」

ほら、そうこうしてるうちに博多駅に着いたよ。

「入場券だけで乗って来ちゃった、ってことはないでしょうね?」

大丈夫。ちゃんと買ってあるって。

 

 

「いたわ。九州新幹線『つばめ』。

これに乗るのね♪ どこ? 熊本? 鹿児島?」

違うよ。

「ええっ・・・やっぱりここまでなのね。 しょぼーん。」

自分で、しょぼーん、言うか。

「まあ、福岡も久しぶりだから、そこらへんうろうろでもいいわ。」

ほら、急がないと乗り遅れるよ。

「乗り遅れる、って地下鉄もバスも沢山あるわよ?」

こっち、こっち。

 

 

「あー♪ これは『のぞみ』♪」

『最高』って描いてあるよ。

「あたしのためにあるようなもんね。」

ん?

「うさちゃん!!最高!!」

さ、行こうか。

「・・・今日だけは大目に見てあげるわ。」

 

 

「どこよ?」

えーっと、ずっと後ろの車両だな。

「16両もあるから大変ぢゃないのさ。」

発車時刻になったら、とりあえず乗って、中で移動すればいいよ。

「次の小倉に着いちゃうわよ。」

どんだけ寄り道してんだよ?

「でも、社内販売はなくなっちゃったんでしょ?」

グリーン車はやってるらしいよ。

「それは無理。」

だよねー。

 

 

「ふう。やっと着いたわ。」

A席とB席だから・・・。

「あたし窓際!!」

おとーちゃんも時々替わってもらっていいかな?

「トンネル入ったらいいわよ。」

よし。いや、窓の外の景色ないし・・・。

でも、関門トンネルなんて、九州と本州を結ぶ名所にならないか?

「どうせ真っ暗ぢゃないのさ。」

ま、それはそうだ。

 

 

「すごい!! 人が並走してるわ!!」

駅を通過しているだけだ。

「各駅停車ぢゃないのね!!」

以前から格安『こだま』専用割引切符で乗ってたからね。

「うさぎ島辺りだとそれでも十分だったわよね。」

広島ぐらいまでだったら、ね。

「え?と言うことは・・・?」

さあ、どうだろ?

「もったいぶってんぢゃないわよ!!」

 

 

 

 



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