2023/8/13
うさちゃんとおとーちゃんの
『楽しいながらも貧しい我が家』
『うさがお2023』
う〜さ〜ちゃ〜ん〜
「!! だれ?!! あんた、だれ?!!
あたしん家に勝手にあがりこんでんぢゃないわよ!!」
だれ?って、おとーちゃんじゃないか・・・。
「おとーちゃんはそんな顔ぢゃないわよ!!」
そんな顔って・・・。
「おとーちゃんはそんな小太り、違った、
こぶとりじいさんみたいな頬っぺたしてないわよ。」
それだよ〜それ〜。
「だから、あんただれよ?」
あんた、言うな!!
「ん?」
どこがおとーちゃんじゃない、と言うんだ?
「顔!! おとーちゃんはそんなしもぶくれぢゃないわよ。
左だけとか。」
そうか・・・おとーちゃんの顔をよく見てみろ。
「ぺっ、ぺっ。」
いや、それは悲しい。
「そういえばおとーちゃんにちょっと似てる?」
似てる、とういか・・・。
「おとーちゃんの親戚の人だったのね。
来るなんて聞いてなかったんでごめんなさいね。」
いや、違うけど。
「ぢゃ、お土産は?」
ないない。 これだったらあるよ。
「繭?」
脱脂綿をガーゼで包んだもんだよ。
「こんなもん、どうすんのよ?」
じっと噛みしめるんだ。
十 数時間前・・・。
先生!! ちょっと痛いです!!
「そうですか。麻酔を追加しましょう。」
その麻酔がもっと痛いです!!
ふう・・・
・・・先生!! 出血が止まりません!!
「あれ?静脈があったのかな?」
じゅわー。
「縫合しましょう。」
また痛い・・・。
「針と糸準備して。 保険用適用の。」
へえ、糸にも保険と任意があるんだ。
「なんとなくわかって来たわ。」
なにが?
「要は抜歯したら、頬っぺたが腫れたのね。
おかーちゃんから『あんた、だれ?』言われるほどに。」
あんた、だれ?はうさちゃんだ。おかーちゃんは・・・爆笑だぜ。
「わかるわ。」
あれ、時差で腫れるんだな。朝起きてびっくりだよ。
「我が家だから、というわけぢゃないのね。」
働く細胞たちが傷ついた部分を直そうと集まってくるんだって。
「一生そのままね。」
いや、いや、いや。 4日もすれば腫れも引くから大丈夫なんだって。
ところで。
「うさがお♪ うさがお♪」
台風とかあったんで、大丈夫かな?と思ってたんだけど、
さすがうさちゃんの名を冠した朝顔だな。
「あったりまえぢゃないのさ♪」