2023/6/11

うさちゃんとおとーちゃんの

『楽しいながらも貧しい我が家』

 

 


『なまずあんかけ』

 

 

 

「おとーちゃん?」

なに?

「今日のお料理はいったいなに?」

何ってそのまんまだよ。

「なまず、っていったいどこから連れてきたのよ?」

連れて来た、っていうか、スーパーで買ってきたよ。

「珍味セールかなんかやってたの?」

いや、普通に冷蔵ケースに並んでたよ。

「そんなの・・・まあ、地方によって、とびうお(宮崎)が並んでたり、ほや(青森)みたいなのが

あったりするから地元限定であるかもね。」

いや、これは全国的に売られてるみたいだよ。

もっとも尾頭付きじゃなくて、切身で骨まで抜いてあったけどね。

「確かに骨抜きの方が料理もしやすいし、食べやすくはあるけど・・・。」

 

 

「これがなまず・・・。」

いや、それはボケすぎだろ。

「まあねー。」

白菜とキャベツだ。

「コイツ、本当にぼけてる・・・。」

コイツ、言うな!!

 

 

本物のなまずはこれだ!!

「えーっと、相談窓口の電話番号はどこだったかしら?」

なんか、高いサプリとか買わされそうだな。

「そろそろ本物が出て来ていいんぢゃない?」

そうだな。

 

 

「と、言いながらまだ引っ張ってるわ。」

あんかけの出汁にはこんぶがいいみたいだよ。

「さすがに昆布からは取らないのね。」

それは非常に高度な技だな。

「非常に高価にもなるわね。」

高価な失敗作は悲しすぎるな。

 

 

「これ・・・だったのね。」

パンガシウスが実はなまずだったのだ!!

「そういえば白身魚のフライとか言って具体的な魚の名前がない

のも多いわね。」

ホキとかメルルーサとかいうのも白身魚のフライに使われてるらしいよ。

 

 

玉葱、もやし、ピーマンを痛める。

「痛めちゃだめ!! 絶対!!」

もとい、炒める。

 

 

パンガシウスは一口大に切って、片栗粉をまぶして焼く。

「ポリ袋に切身と片栗粉を入れて振りまくるのね。」

振りまくらんでもいいけど。

「ああっ!! 口が開いてて、粉と一緒に飛んでいったわ!!」

惨事だな。

 

 

野菜炒めを昆布だしで煮込んで、片栗粉でとろみをつける。

「それにパンガシウスをトッピングね。」

うん。いいんじゃないか。

「自分で言ってるわ。」

 

 

 

 



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