2020/9/6

うさちゃんとおとーちゃんの

『楽しいながらも貧しい我が家』

 

 


『リクエスト』

 

 

今日はおかーちゃんからのリクエストに応えよう。

「珍しいわね。おかーちゃんがリクエストするなんて。

いつもだったらおとーちゃんが作ったの、我慢して食べてるのに。」

我慢してるのか? まずいのか? 一応味見してるけどなあ。

「まあ、食べれないことないわよ。おとーちゃんを甘やかすといけないから。」

甘やかしてくれ♪おだててくれ♪ 

「いや!!」

だろうな・・・。

「でも、何をリクエストされたの?」

実は料理ではない。

「ぢゃ、なんなの?」

労働をリクエストされた。

 

 

 

 

『今年はもうお出かけしないだろうから、うさちゃんとめーめちゃんを

きれいきれいしてあげて♪』

って。

「・・・おでかけできないのね?」

まあ、用心にこしたことはないから。 それに先立つものも・・・。

「びんぼー!!」

 


 

 

うさちゃんの場合は、頭からかぶるか、足からはくか、難しいとこなんだけど。

「なにっさー!!」

どっちにしても、うさちゃんの体をちょっと変形させないといけないしね。

「変形・・・・・・。」

 

 

 

 

おかーちゃんが『こわい!!』って言うからおとーちゃんがやらされてるだが。

「覚えてろー!!」

意外と立派な尻尾がついてる。

「ちゃんと『サンアロー』のタグもついてるわよ。」

で、『ぬいぐるみのクリーニング屋さん』でふきふき。

 

 

 

 

お!でも、なんとなくきれいになってないか?

「まあ、なんだかさっぱりしたわね♪」

「めーめちゃんも♪」

よかった♪よかった♪

「ぢゃ、今度はあたしが、しかえ・・・お返ししてあげるわ。」

い、いま、仕返しって言おうとしなかったか?

「気のせい、気のせい。 よっしやー!!」

なんなんだ?

「コロナで床屋行くのもやだな、って言ってたでしょ?」

ハサミとかマントとかの消毒がちゃんとできてるとも思えないしね。

「1000円だから仕方ないんぢゃないの?」

今、1200円もするぞ。

「ぢゃ、やっぱりこれよ!!」

 

 

 

 

だ、大丈夫なのか? 理容師免許は持ってるのか?

「そんなもん、あるわけないぢゃない。」

だよな。 その頭、どうしたんですか? って聞かれたら

うさぎに虎刈りにされました、とでも答えるか。

 

 

 

 

「大丈夫よ。 虎刈りになるようだったら、丸刈りにしてあげるわ。」

それは・・・まあ、いいか。

「2回やれば、元とっておつりがくるわよ。」

お、それは助かるな。

「ううん。おとーちゃんは毎回、いつもの床屋代をあたしに払わなきゃ。」

え?



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