2019/12/1
うさちゃんとおとーちゃんの
『楽しいながらも貧しい我が家』
『出雲市駅』
せっかくだからホームを散策。
「散策って言ったって、ホームなんだから看板と時刻表ぐらいしか
ないぢゃないのさ。売店もなさそうだし。」
いや、壁に描かれてる絵なんかが面白いよ。
「この列車は何?」
これは『あめつち』っていう、鳥取と出雲市間を走ってる観光列車だって。
「ふうん。 でも、左側のほうが気になるわね。」
『八雲』『うさぎ』『サメ』だな。
「子分♪子分♪」
雲雲雲雲雲雲雲雲雲。
「八雲ね・・・って、一個多いわよ。」
気付いたか。 絵はもっと多いから。
サメ・・・ワニ、かな? しっかりサメの絵だけど。
「なにっさー!! あたしに挑戦する気ー!!」
いや、でも、あのお話はどう考えてもあんたの子分が悪いだろ?
「あんた、言うんぢゃないわよ!!」
そっちかい。
子分なのか祖先なのかわからないけど。
「あたしは白くないから、別系統よ。」
あれは本当は『白兎』じゃなくて『素兎』っていう話もあるぞ。
「大体、神様のくせに酷いことするもんだわ!!」
まあ、神話でだって人間と同じように酷いことしてるもんな。
「所詮は二本足のやることよ。」
あんただって二本足で歩き、もとい、走り回ってるじゃないか?
「だから、あんた、言うんぢゃないわよ!!」
海にさざ波が立ってるのが、うさぎが海の上を跳びまわってるようにも
見えるらしい。
うさちゃん!! うしろ、うしろ!!
「あたしは志村ぢゃないわよ!!
って、大国さん、自分にひきつけといて後ろから襲わせるつもりね!!」
助けてやったのに、ひどいいわれようだな。
「おにーちゃんたちの悪さの罪滅ぼしをしただけよ。」
『助けてもらったのに、お返しをすることができません。せめて、あたしを食べて下さい。』
って言って、焚火のなかにみずから飛び込んで、可哀そうに思った大国さんが
月に送ってくれたから、月にうさぎが住むようになったのに。
「ぜんぜん違う話になってるわよ!!」
絵が描いてあったのは『出雲市駅』の入り口。
「もう大社一色ね。」