2018/6/10
うさちゃんとおとーちゃんの
『楽しいながらも貧しい我が家』
『田原坂』
「さあ、登るわよ!!」
登る、ってどこ?
「どこ? って、田原坂に決まってるぢゃないのさ!!」
頂上まで車でも行ける・・・。
「何言ってんのさ!! 当時は車なんてないわよ!!」
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「ほら、ちゃんと坂の入り口には駐車場付きの公園まであるわよ。」
ちょっと待て! 一の坂、ということは二の坂、三の坂とかあるんだな?
「でしょうね。」
い、いくつまであるんだろ?
「さあね。 九十九ぐらいぢゃないの?」
だめ。ギブ。
「うそよ。」
「のれんも出てるわ。」
のぼり、だ。
「そうとも言うわね。」
そうとしか言わん。
「走るわよ!!」
まてまてまて!! 走るのはおとーちゃんだ。
「ほら、着いたわよ。」
ふう。 危ないところだった。途中で倒れるかと思った。
って、まだ二の坂じゃないか!!
「先は長いわよ。」
しかし、今でこそ舗装までされて歩きやすいけど、当時は
もっと大変だったろうね。
「どっから敵が出てくるかわかんないしね。」
『ちぇすと!!』とか言いながら切りかかってきたり。
「銃で狙い撃ちされる可能性もあるわね。」
「今は平和にミカン畑ね。」
当時はどうだったんだろうね・・・ぜいぜい・・・。
「息、切れてるわよ。あたしなんか、こんなに元気なのに。」
あんたがっ!!
よし!! 三の坂。
「あと、九十六ね。」
え?
「うそよ。 ここが最後。」
ふう。
「英語、ハングル、繁体字、簡体字。」
ワールドワイドだな。
「今時の観光地はこうなのね。」
「♪馬上ゆたかな美少年♪」
・・・。
「どうしたの?」
何かおとーちゃんがイメージしてた美少年と違う・・・。
「いったいどんなイメージだったのよ?」
もう少し大きくて、凛々しい青年が。
「それぢゃ、美青年ぢゃないのさ。」
ああっ!! あそこに官軍や薩軍より強そうな兵士が!!
「子分♪子分♪」
なぜ、うさぎなんだ?
「うさぎ島の子分たちがそうだけど、あなうさぎは穴掘りも得意なのよ。」