『マッリの種』MALLI(1998年・タミル語)

監督:サントーシュ・シヴァン
出演:アイーシャー・ダルカール。ヴィシュヌ・ヴァルダン。バーヌ・プラカーシュ。

父は有名な革命詩人。兄は使命を完遂すべく自ら命を絶った英雄的闘士。そして幼くして家族を亡くしたマッリはジャングルの中にあるゲリラキャンプで暮らし、優秀なテロリストとして育つ。自らの任務に何の疑問も抵抗も抱かないマッリはVIP暗殺の自爆テロに志願する。任務のために初めて訪れた町で初めて普通の人たちと接するマッリの心が揺れ始める。やがて訪れる任務遂行の日・・・
歌も踊りもないインド映画ということであまり観る気のしない映画だったのだが、ジョン・マルコヴィッチ推薦。しかも彼がパトロンとしてこの映画を推しているということで密かにマルコヴィッチも好きな私はいそいそと出かけていった。この映画を絶賛するほど優れた感性を持ち合わせていないので、悪くはなかったよ・・・という程度の感想になってしまうのだけど、作り方としてはこの映画好きだな。テロリストを題材にしながら残虐シーンは皆無。大仰なセリフもなければシーンもない・・・淡々とした中に主人公マッリの心を映しているのがいい。映像もその物語を語りかけるんだ・・・と気付かせてくれた1本ですね。
余談ですが、この映画を観ている途中で「お・・・これはタミル語だ」と気付いた私はインド通?(笑)

2002年7月7日(動物園前シネフェスタ)

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『ドタバタ・ツインズ』CHAAL BAAZ(1989年・ヒンディー語)

監督:パンカジ・パラシャール。
出演:シュリデヴィ。ラジニカーント。サニー・デオル。

裕福な家に生まれた双子の姉妹の妹が幼児の頃家政婦によって誘拐されてしまう。それから20年。姉のアンジュは悪辣な叔父のために両親を亡くし、叔父夫婦に虐げられながらも弟のために我慢し、毎日を怯えながら暮らしていた。誘拐されてしまった妹のマンジュはスラムでダンサーとしてタクシードライバーのJugguとコンビを組んで逞しく生きていた。そんなある日お坊ちゃまでありながら車泥棒を退治したりと夜毎やんちゃを繰り返すスーラジと酒場で出会うマンジュ。すっかり意気投合する二人。その後アンジュに見合い話しが持ち上がり、なんとその相手はスーラジ。アンジュの家へ行ったスーラジは勿論アンジュを酒場で意気投合したマンジュだと思い込みすっかり結婚話に乗り気だが、その夜愛犬を殺されてしまったアンジュは家を逃げ出すことを決意。ところがそのことでアンジュとマンジュが入れ替わることに・・・。
『ドタバタ・ツインズ』ってなんちゅうタイトルだぁ?って思ってたのですが、この映画にはぴったんこの邦題ですな(笑)。本当にドタバタと面白い。アンジュを散々いじめ続ける叔父夫婦になんなんだこいつらぁ!!と怒りが沸点に差し掛かった頃にアンジュとマンジュがチェーンジ!で、マンジュがやってくれます。これでもか!というぐらいの逆イジメ(笑)。もう見ていて気持ちのいいことこの上ない(笑)。やはりインド映画は娯楽映画の王道を心得てますな。この映画では主役ではないラジニさんですが、おちゃめにかっこよくきめてくれてます。赤いマフラーが似合うのは仮面ライダーだけだと思ってたのですが、さすが我らがラジニ。よくお似合いです。主役のシュリデヴィはさすがの演技力で正反対のキャラの双子を見事に演じ分けてますし、ラストは娯楽映画はやはりこでなくっちゃっね。ハッピーエンド。ミュージックシーンカット。その他もどうやらカットされてるというなんとも寸足らずな内容での鑑賞だったのですが、それでも楽しかった。やっぱインド映画はいいですよぉ。

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『何かが起きてる』Kuch Kuch Hota Hai(1998年・ヒンディー語)

監督:カラン・ジョハール。
出演:シャー・ルク・カーン。カージョル。ラニー・ムカルジー。

愛する妻を失って8年。今でも亡き妻ティナを忘れらずにいるラフルは、毎年娘の誕生日にと妻が書き残した手紙を受け取る娘のアンジャリがうらやましくもあった。ところが8歳になったアンジュが受け取った手紙には、ティナとラフルの学生時代のことが書かれ、そしてその頃ラフルのベストフレンドだったアンジャリを探して、二人の鞘を戻して欲しいと書かれていた。早速アンジャリは祖母にそのことを伝え、なんとかアンジャリの居場所をみつけるが、彼女にはすでにフィアンセがいた。
学生時代の男の子みたいなカージョルがかわいい!『DDLJ』でシャールク、カージョルのカップルを見ている私は、どうみてもこちらの方がベストカップルに見えてしまい、「なんでティナなんだ!?」とストーリー展開を全く無視した突っ込みしちゃいましたよ(笑)。しかし何が驚いたってアンジャリのフィアンセ役のサルマン・カーン!まさか彼が出てくるとは思いもよりませんでした。何でも公開時にもサルマン・カーン出演は伏せられていたとか・・・。彼が出てきてなんだか観てて特しちゃった気分になるから不思議です。そしてフィアンセ役がサルマン・カーンだとわかると娘のアンジャリ余計なことするんじゃないよ!ってなっちゃった。私ならシャールクよりサルマン・カーンだなぁ。まぁ物語上致し方ないんですが・・・。それにしてもこのサルマン・カーン演じるフィアンセ。いい男なんですよねぇ。明るくてお茶目で優しくて・・・。引き際を心得た男はやはりかっこいいです。でもこういう明るくてハッピーエンドなインド映画は一番落ち着きますね。

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『時に喜び、時に悲しみ』Kabhi Khushi Kabhie Gham…(2001年・ヒンディー語)

監督:カラン・ジョハール。
出演:アミターブ・バッチャン。シャールク・カーン。カージョル。リティック・ローシャン。

財閥のライチャンド家の家長ヤーシュと妻ナンディニには二人の息子がいた。長男のラーホールと年の離れた次男ローハン。仲のいい夫婦、そして兄弟、親子。長男のラーホールは生後まもない頃子供のいないライチャンド家へ引き取られたのだが、血のつながりがないことなど全く関係なく、互いを愛しみ合う本当の家族だった。ところがある日父ヤーシュが決めた相手とは別の下町の娘アンジャリを愛してしまったラーホールは、ヤーシュの逆鱗に触れ、ヤーシュの「やはり血の繋がりのない他人なんだ」という言葉に傷つきアンジャリと共に家を出る。それから10年。寄宿学校から戻ったローハンは祖母からラーホールのいなくなった本当の理由を初めて知り、ラーホールとアンジャリの行方を捜し出し、壊れてしまっている家族の再生を誓う。
一般の劇場での公開はなかったんですが、映画祭なんかでかかってて、なかなか評判がよかったので、すごく観たかった作品なんですよねぇ。で、ちゃちい、ふざけた日本語字幕ではなくちゃんとした字幕で観られる(ただしパソコンで)ということで購入しちゃいました。さすがにインド映画は長いんで、休みの日にでもゆっくりと・・・と思っていたのですが、字幕ってどんな感じなのかな?と試したのがいけなかった(笑)。そのまんまズルズルと3時間30分観てしまった。評判通りにいいですわこの作品。ラーホールが惚れる下町の娘アンジャリがあまりにも、ドタドタ、バタバタと、そら、父ちゃんが家風にあわんって言うわな。といういかにも・・・な性格にあっけにとられちゃいましたが。(^^;) ま、わかりやすくていいですわ。わかり易いと言えば子供の頃ブクブクだったローハンが10年経ってむちゃくちゃかっこいい兄ちゃんに変わってるっていうのも、ラーホールがローハンだと気付かないという設定のためなんだろうなぁ〜ってわかりやすすぎ(笑)。家族の再生、家族の絆、家族のあり方。インド映画ならではの描き方なんですが、そこには日本人がすっかり失くしてしまったものがあるような気がして、ふと憧れを感じてしまう。3時間30分とインド映画の中でも少し長い作品なんですが、物語の流れがすごくわかりやすくて、自然で、ムダのない作りだったような気がします。
あ・・・そうそうこの作品のローハン役のリティック・ローシャン、かっこいい!なんて甘くて端整な顔なんだろう。おまけにビシッとしまった体型。なんでもサルマン・カーンに鍛えた方がいいと助言された結果だとか・・・。いいですわ彼。今後要チェックですな。

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『チャンドラムキ 踊る!アメリカ帰りのゴーストバスター』Chandramkhi(2005年・タミル語)

監督:P・バース。
出演:ラジニカーント。プラブ。ジョーティカー。ナヤンターラー。

精神科医のサラヴァナンは、親友センディルの結婚式のためにアメリカから駆けつけた。美しい妻との結婚。そして大きな道路工事の仕事も落札し、いいこと尽くめのセンディルは仕事上都合のいい場所ということである大きな館の購入まで決めていた。ところがその館は50年以上空き家となっており、しかもその館の2階には150年前横暴な王により、恋人と引き裂かれた挙句、目の前で恋人を惨殺され、自らも焼死させられたチャンドラムキという踊り子の霊が封印されているという。2階には近づかないように・・・そう厳命されて暮らし始めたセンディルと妻ガンガ。本家の人々。そしてサラヴァナン。ところが封印されていた2階の部屋をガンガが開けてしまう。やがて次々と起こる奇怪な現象。調査に乗り出すサラヴァナン=スーパースター ラジニカーント!
いやぁ〜、冒頭から一体これはどうなるのか?とすごく不安でした。(^^;) 派手は派手なんですけどねぇ、CG使いまくりで、今までの体張った感じのあったアクションシーンが、見事に台無し。あぁ〜・・・そうだよねぇ。いくら我らがラジニとは言え、アクションシーンはちときつい年齢だよねぇ〜。とふと寂しくなる。ま、そんなことは映画の出来さえよければグダグダ言う必要ないんで・・・と気を取り直して映画に集中するが・・・。なんなんですか?このドタドタ感は? えっと・・・センディルの工事の邪魔したライバル会社はラジニにコテンパンにやられてあれだけで終わりですかい?ふ〜ん・・・ま、ラジニを派手に登場させるためのものなのね。ま、いっか。で、本来ならば本家の長女と結婚しないといけないのに恋愛で別の女性と結婚してしまったセンディルに、なんで本家のあなたたちそんなにあっさりしてるの?。おまけにそれ以前にもセンディルの父が許婚と違う人と結婚したからと、30年から確執があるとか言いながら、なんか和気あいあいじゃないかい?私の気のせいかい?それでもなんだか意味深に一癖も二癖もありそうに行動する本家の姉に、ふむふむ・・・こいつが何か企んでるんだな。っておい!なんなんだよ!何かもうちょっと、ちゃんと企めよ!ミスディレクションを狙ってのキャラっていうのはわかるけど、意味深にカメラ映すだけじゃなんにもなんないじゃない!でもってなんでそんな中途半端に姉ちゃんにくっついてる妙な男がラジニ襲うんだよ!これが一番訳わかんなかったじゃないか! 面白いんだかなんなんだかわかんないままに映画の後半まできちゃったじゃないか!それなのに!なんでいきなり後半で面白くなるんだよ!コミカルなラジニも嫌いじゃないけど、後半のラジニ無茶苦茶かっこいいじゃないか!なんなんだよ!チャンドラムキをやっつけるために王に扮するラジニが激シブ!惚れ惚れしちゃったじゃないかよ!もう無理なアクションシーンなんていらない!激シブラジニで決めちゃってくれぇい!!結局私はこの映画楽しんじゃったんじゃないかぁ!!
ってことで結論。私はインド映画好きですよ。で、映画の良し悪しで言えばきっとヒンドゥー映画の方がいいでしょう。あっちの方が絶対にまとまってます。でもね、出来のいいヒンドゥー映画観るよりも、私はラジニ映画をきっと観るんだろうなと、この作品観てつくづく思いました。(^^;)

2006年10月30日(動物園前シネフェスタ)

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『ヴィーラ 踊るONE MORE NIGHT!』Veera(1994/タミル語)

監督:スレーシュ・クリシュナ。
出演:ラジニカーント。ミーナー。ロージャー。

音楽コンテストに出場するために街にやってきたムトゥは、コンテストの主催者であるピラミッド社を訪れるが、出場申し込みは既に締め切られ門前払いされてしまう。いろんな手段を試みるも悉く失敗。ところが街のならず者ハリッチャンドラに絡まれるラミッド社社長の娘ルーパーを見つけ彼女を助けたことで念願のコンテストに出場し、見事に優勝まで勝ち取る。目当てだった優勝賞金を手に村へ帰ったムトゥはそのお金で母の借金を返し、結婚を誓ったデヴィの元へ急ぐが、彼女の家は跡形もなくなっていた。彼が街に出ている間に洪水が起こり彼女の家は流され、彼女も彼女の父も亡くなったという。デヴィを忘れられないまま人気歌手ヴィーラとして生活を始めた彼にルーパーとの縁談が持ち上がる。母の勧めでルーパーと結婚したヴィーラだったが、彼の心からデヴィは消えてはいなかった。しかし一途なルーパーの心を知りデヴィへの思いを断ち切ったとき・・・。
ってとりあえずあらすじ切っときましたが、インド映画にネタバレも何もあったもんじゃないかってことで・・・(笑)。でもとりあえず改行。





デヴィがさぁ生きてたんですよねぇ。洪水で流された先で助けられたんだけどショックで記憶を失くしてて、ヴィーラの歌をラジオで聞いて記憶が蘇ったんだと(笑)。ベタですよねぇ。でもって、こっからの展開にもうびっくり。デヴィは体が弱っていて、ちょっとのショックでも命に関わるってことから、既にルーパーと結婚してるってことは言えないし、ルーパーは、ショックで自殺してしまうかも・・・で、どうする!? 二重生活がはじまるんですよねぇ。怖いですねぇ。そんなのありなんですかねぇ。しかもデヴィをなんとかショックなく納得させよう作戦は、「神様は二人の妻を持っている作戦」なんなんでしょうか?神様がやってんだからいいって話はないと思うんですけど(^^;)。まぁ、この二重生活のドタバタは、笑いの王道って感じで気持ちよく笑わせていただきましたけどね。ラジニの作品で言うと日本をインド映画ブームにまでした『ムトゥ』や『アルナーチャラム』が一級品とすれば、この作品は二級品クラス・・・いや三級品かも。しかも今まで観たことがないくらにやたらと下ネタに走っているような・・・(^^;)。何よあの歌。なんなんですかあの歌詞は?一瞬呆然としてしまったよ。「先っぽ」に「入れ物」って・・・(^^;)。『寝ずの番』の歌よりもある意味すごくないかい?おまけにあの美しく可憐なミーナちゃんが「夜は激しいの」なんてセリフ言っちゃうし。しかも!この作品ラジニ様の肌の露出度が高い!ある意味ラジニファンにはうれしい作品なのかもしれませんけどね(笑)。 ちょっぴり下品でドタバタなコメディで・・・っていうのはいいんだけど、もうちょっとどうにかならなかったのかなぁ・・・(^^;)。私としては出来れば最後は二人ともに別れを告げて・・・なんてラジニにかっこよく決めて欲しかったな。

2006年11月6日(動物園前シネフェスタ)

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『ナヤカン/顔役』NAYKAN(1987年・タミル語)

監督:マニ・ラトナム。
出演:カマルハッサン。サランヤ。ジャナカラージ。ナーザル。

父親が労働運動の先導者だということだけで警官に殺された主人公ナヤカンは孤児となり、父親を殺害した警官を殺害し、ボンベイへとたどり着く。タミル人ということで貧しいタミル人たちが肩寄せ暮らすスラム街のリーダーに拾われ彼の子としてその町で成長する。町の人たちの役に立てるならと違法な密輸をする養父の背中を見て育った彼はやがて、悪事に手を染めながらも貧しい人たちを守るスラム街の「顔役」となる。
この作品が一体どういう作品であるかも調べずに、わざわざ特別上映するくらいだからきっといい作品なんだろうと、何ともいい加減なノリで観に行った。最初、なんとも暗く地味な展開に「もしかして観に来たの間違い?」というような気持ちになるも、地味ながらも重厚な作りにどんどん引き込まれていった。インド版『ゴッドファーザー』と言われることに大きく納得。主演のカマルハッサンの後半のマーロン・ブランド風メイクにはちょっぴり笑っちゃいますが、硬派な脚本は激シブです。ラストはああしか方法はないだろう、ああなるだろうな・・・とは思ってたんですが、その役目を彼に持って来るかぁ〜、巧い!と唸っちゃった。そして観終って初めてこの作品の監督がマニ・ラトナムだと知り、思わず大きく納得。好き嫌いはあるかもしれませんが、やっぱりこの監督はすごいわ。

2007年3月23日(動物園前シネフェスタ)

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『ナヴァラサ』Navarasa(2005年・タミル語)

監督:サントーシュ・シヴァン。
出演:シュエータ。クシュブー。ボビー・ダーリン。

13才の少女シュエータは、ある日大好きな叔父ガウタムの秘密を知ってしまう。問い詰めるシュエータにガウタムは、自分は生まれつき体は男だが心は女だったと告白し、間もなく始まるクーヴァガム村でのヒジュラの祭りで女として生きることを誓うのだと告げ、家を出ていく。しかしなんとしても叔父を連れ戻したいシュエータは叔父の後を追い、クーヴァガム村を目指してバスに乗り込む。
作中に登場するクーヴァガムの祭りは実際に毎年行われるヒジュラと呼ばれるインド特有のサード・ジェンダーたちの盛大な祭りで、この作品は、初めてこの祭りにカメラを入れたドキュメンタリーでもあるそうです。なんだかすごい祭りですね。しかもこの作品に出てくるサード・ジェンダーたち・・・ヒジュラはすべて本物。北インドからやってきたオカマキャラのボビーが作中で語る身の上話は自身の本当の話だそうです。性同一性障害の問題を描いていると言われてますが、どうもそのあたりは描き足りていないって気はしますね。これは叔父を探しに祭りにやってくるシュエータのキャラがイマイチだっていうのに尽きるかも・・・。まずこの叔父の話を知る前に自身が初潮を迎え、女になりまずは大人への第一歩。そして叔父の体は男だけど心は女なの・・・という今まで自分の中では存在しない考えを知り、旅に出たことで出会ったボビーの身の上話を聞き、たくさんのヒジュラたちを目の当たりにして、また一つ大人への道を一歩踏み出す成長物語に絡ませて・・・ってことなんでしょうが、もしかしたら作り手も性同一性障害の本当のところがつかみかねてて、シュエータの心の落着きどころがつけられなかったのかな?って気がします。私自身、性同一性障害については、どう理解していいのか?っていうのが本当のところなんで、自分がつけられない決着をこの映画に求めてたから、不完全燃焼っぽい気分が残るんでしょうね。

2007年5月27日(梅田ガーデンシネマ)

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『たとえ明日が来なくても』KAL HO NAA HO(2003/ヒンディー語)

監督:ニキル・アドヴァーニ。
出演:シャー・ルク・カーン。プリティ・ジンタ。サイフ・アリー・カーン。

ニューヨーク在住のナイナーは、父が亡くなり借財の返済に追われ疲れた母と父の死を母の責任にする祖母の毎日繰り返される喧嘩に疲れ笑顔を失くしていた。ある日向いの家にやたらと愛想がよくって陽気な男性アマンが越してくる。彼の陽気さに少しずつ変わってくるナイナーの家族たち。そして彼に翻弄されながらもいつしかナイナーも笑顔を取り戻し、彼を愛していることに気付くのだが・・・。

泣くぞ!と聞いていたので、タイトルから展開は読めていた。だって、泣くって聞いてこのタイトルじゃネタばれもいいとこでしょう?(笑) 確かにネタはベタだ。よくある話だよ。でも、それをこうも笑わせて、泣かせて、劇場じゃなくって完全にくつろいだ状態の家で観てたら、もうボロボロだよ。あぁ、でも泣いて笑って顔の筋肉いっぱい使うから案外美容にいいかもしれない(笑)。素晴らしいよインド映画は。しかもこの作品は物語の展開もいい。だれるところがないんですよね。しかもナイナーのお母さんの素晴らしいこと。なんかねぇ、昔の日本のお母さんを思い出しちゃいましたよ。優しくて強い!まさかこのお母さんにあんな話が隠されていたとは・・・。これ、もう一回観たい・・・。きっと何度観ても泣くんだろうなぁ。 物語もいいしミュージックシーンも最高だ。ただ観終わって誰もが突っ込むんだろうな・・・「そんなに踊っちゃいかんだろう」(笑)。

2008年10月27日(シネマート心斎橋)

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『DON-ドン 過去を消された男-』DON(2006/ヒンディー語)

監督:ファルハーン・アクタル。
出演:シャー・ルク・カーン。プリヤンカ・チョープラ。アルジュン・ラームバル。

国際的麻薬組織のNo2である男ドン。組織壊滅のため躍起になる警察は、壮絶なカーチェイスの果て彼を追い詰める。車を乗り捨て逃げたドンを追い、山村の村に入ったデシルバ警視は瀕死の彼をみつけるが、警察には報告せず独自に彼を病院へ入れ、ドンと瓜二つの男ヴィジャイをドンの身代わりに組織へ潜入させる。

実はこれDVDで一度見ていて、大きなスクリーンでしっかりとした日本語字幕で観たい!ということで出かけたのですが・・・。いや、面白いのは面白いですよ。でも、やはりこういう大どんでん返し!なネタは鮮度も重要なようで(笑)。ネタわかってるだけに「えー!おぉー!」というワクワク度がなくなった分、ちょっと物足りなかったです。ハードボイルド的な物語なので、ミュージックシーンの物足りなさがネタわかってる今回だと余計に寂しくって・・・(^^; 初見の方には十分楽しめる面白い作品だと思いますよ。と言ってもレンタルに並ばないしなぁ・・・。 それよりもこれの元作品アミターブ・バッチャンの『DON』が観たい(笑)。

2008年10月29日(シネマート心斎橋)

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『オーム・シャンティ・オーム』Om Shanti Om(2007/ヒンディー語)

監督:ファラー・カーン。
出演:シャー・ルク・カーン。ディーピカー・パードゥコーン。アルジュン・ラームパール。

舞台は1970年代。いつかスターになることを夢見る脇役俳優オーム・プラカーシュ・マッキージャーは、スター女優シャンティプリヤーに憧れていた。いつも彼女の看板に話しかけるくらいだ。ところがそんなある日、シャンティ主演映画の火災現場の撮影で炎に包まれてしまったシャンティをオームは助ける。それがきっかけで親しくなる二人。高まるシャンティへの恋心を抑えられないオームは、シャンティの楽屋に近づき、プロデューサーのムケーシュとの言い争いを聞いてしまう。シャンティはムケーシュの妻だったのだ。失意の底へと落とされたオーム。ところが富豪の娘との結婚話が持ち上がっていたムケーシュはとんでもない計画を立てるのだった。 それから30年。スター俳優ラージェーシュ・カプールの息子オーム・カプールは大スターの道を歩んでいた。ある日30年前に悲しい事件のあった撮影所に行ったオームに、30年前に死んだもう一人のオームの記憶が蘇る。

映画界のバックステージものだそうで、作中には過去の作品のパロディやスターがたくさん出ているらしいのですが・・・(^^; わかんねぇ。それがわかったらもっと面白いでしょうが、そんなのわかんなくってもすごく面白い作品でした。輪廻転生。しかしここまではっきりと生まれ変わりってどうよ?ってな気がしないでもないですが(笑)。シャールクはさすが「キング・オブ・ボリウッド」ムッキムッキな肉体改造。すごいですよ。かっこいい。シャンティ役のディーピカー・パードゥコーンはなんと新人だそうなんですが、すっごくきれい。私の知っているインドの女優さんの中ではかなりスリムだし(笑)。ムケーシャ役の俳優さんはどっかで見たことあるなぁ・・・と思ってたら『DON』に出てた人だ・・・でも、それよりもなんか見たことあるような・・・あ!阿部寛さんに似てるんだ! そしてこの作品ですっごい豪華だと聞いていたミュージックシーンには、マジでびっくりです。さすがに全部はわかりませんが、私がわかっただけでもすごいメンバー。これ見ただけでもこの作品見た甲斐ありですね。 それにしてもいくらタダとは言え、会場は満席。しかも映画終了後に起こる拍手。いやぁインド映画はいつも熱いねぇ。

2009年1月12日(国立民族博物館 講堂)

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