『ターザン』

監督:ケビン・リマ。クリス・バック
原作:エドガー・ライス・バローズ

船の難破で無人島に流れ着いた親子3人はその島で生活をはじめようとしていたが、豹に襲われ小さな赤ん坊を残して二人とも殺されてしまう。同じ頃子供を失ったゴリラのカーラは残された赤ん坊を見つけ、ボスのカーチャックに反対されながらもその人間の子をターザンと名づけ自分の子として育てる。ターザンは自分とゴリラたちの違いに悩みながらもすくすく成長していったある日島にやってきた学者のジェーンと知り合い、自分が人間だと知り、そして・・・
誰もが知ってる『ターザン』のディズニーアニメです。実写でも何本も作られていますが、もとの素材からすればアニメが一番ぴったりくるんじゃないですかねぇ。ターザンの動きがすごくいい。それにディズニーアニメの一番の魅力である登場人物の表情がこの作品でも見事に生きてます。自分と同じ種類である人間のジェーンと出会うシーンのターザンの動きに表情がすごくよかった。テンポもいいし、映像もすごくきれいだし、ただテンポが良すぎてあっけなかったですけど。(苦笑)

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『タイタンズを忘れない』(2000年・米)

監督:ボアズ・イェーキン
出演:デンゼル・ワシントン。ウィル・パットン。キップ・パルデュー。

1971年アメリカ、ヴァージニア州。公民権運動が起こり高校も統廃合され黒人と白人が同じひとつの高校で学ぶことになる。それによりフット・ボールチームも黒人と白人混合のチームとなり、コーチには新任の黒人ブーンが選ばれる。チームをひとつにまとめるための合宿に出発した彼らは当初互いに忌み嫌い打ち解けることなど無理なように思えたが、フット・ボールを愛し、同じ部屋で過ごし、厳しいトレーニングを共にすることで打ち解け奇蹟の快進撃を成し遂げる最強のチームに成長する。実在したフット・ボールチーム”タイタンズ”のお話。
人種問題という暗く重たいテーマが横たわっているものの、スポーツマンである若者たちのあどけなさひたむきさがあまり暗さを感じさせなかった。スポーツ映画としてさわやかな気持ちで観終えることができたな。結局は差別の根底にあるのはしたり顔の大人の狭量な心なのかも・・・。でも、それを大きく覆すことは出来なくても彼らがひとつのチームとして同じフット・ボールを愛する仲間として、相手を理解し信頼しあう同じ目標に向かい前進することで自分たちも変わり、他の人々の気持ちを序々にではあるけど変えたんですよね。だから「タイタンズを忘れない」なんですね。σ(^-^)もこの映画を観た以上は「タイタンズ」を忘れてはいけないな・・・なんて思います。

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『脱出』(1972年・米)

監督:ジョン・プアマン。
出演:ジョン・ヴォイト。バート・レイノルズ。ネッド・ビーティ。ロニー・コックス。

もうすぐダム建設のためになくなってしまうという河にルイス、エド、ボビー、ドリューの4人の男達がカヌーで河くだりをしようとやってきた。カヌーの経験のあるルイスとエドがそれぞれボビーとドリューを引率するという形で出発するが、先に出発したエドとボビーが岸にあがり休憩を取ろうとしたとき、銃を構えた二人組みの男がエドたちに近づき彼らに襲い掛かる。彼らに理由なんかはない。よそ者の二人をただいたぶりたいだけ・・・。木にくくりつけられるエド、暴行されるボビー。次にエドが標的になろうとしたその時、ルイスの放ったボーガンの矢が1人の男の体を突き刺す。逃げ出した1人を横目に、目の前の男の死体に立ち尽くす4人。警察に届けようと正論を吐くドリューに正当防衛なんかにはならない、このまま埋めてしまえばこの場所は湖の底になるんだというルイスに賛成するエドとボビー。そして4人は死体を人知れず埋る。これでこのままカヌーで下流まで下ればすべては終わる・・・そのはずが、これは終わりではなく始まりでしかなかった。
シューテツさんのHP「KUMONOS」の『再会したい隠れた名画』で知った一作で偶然にもレンタルでみつけ観る事にした作品です。観る前に観終わったあと後味の悪い映画であるという忠告を受けていたのですが、観終わったあと後味が悪いとか言う前に「う〜ん・・・」と考え込んでしまいました。これでいいのか?これで本当に終わりなのか?もしかしてこの後は絶対にあるんだけど、それは観た者がそれぞれに考えろという映画なのか?いや、そんな妙に説法じみた映画ではないんだろうな。きっと本当にこれで終わりなんだろう。普通の男たちがあるきっかけで自分の中にある兇悪性、残忍性を露呈させる、それを描いた映画なんだろう・・・。そう考えるとこれは男の映画とはっきり言い切れる映画のような気がする。なぜ?と言われると非常に説明しにくいのだけど、女には秘めた兇悪性や残忍性がないとか言うのではなく、これを観て彼らのおこす行動に納得いく女性は少ないんじゃないかなぁ?σ(^-^)が納得しなかっただけじゃない・・・って言われるとそれまでなんだけど・・・(^^;)・・・。

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『ダブル・ジョパディー』

監督:ブルース・ベレスフォード
出演:トミー・リー・ジョーンズ。アシュレイ・ジャッド

リビーは実業家の夫ニックとかわいい息子マティと何不自由なく暮らしていた。ところがその生活は一変する。夫殺しの容疑をかけられ無実の罪で投獄されてしまうのだ。そして収監されている刑務所の中で夫が生きている事実を知る。必死に無実を訴えるリビーに刑務所仲間の元弁護士マーガレットは刑を終えた後、夫を殺せばいい、夫殺しで服役したあなたには二重処罰の禁止(ダブル・ジョパディー)が適応され、再度夫殺しの罪に問われることはないのだと教える。そして6年の刑期を終え仮釈放となったリビーは保護監察官を振り切り、夫ニックと息子マティを探す。
σ(^-^)の好きなトミー・リー・ジョーンズが出ている、ストーリーもダブル・ジョパディーとなかなか面白そうだ・・・・と思っていたのが大間違いだった。罵詈雑言すらも出てこない。そもそも肝心の夫殺しの罪の設定があまりにも安直すぎ・・・そんなんで有罪になっちゃうの?だったらアメリカって冤罪だらけじゃない。しかも死んだふりしている夫はあっさり見つかっちゃうし、おまけにお金持ちにまでなっちゃってホテルのオーナーだって。それに何が悲しいって愛しのトミー・リー・ジョーンズ様・・・なんてふぬけた役なの?妙にしょぼくれちゃって・・・(・・、)。『追跡者』と同じ追う者なんだけど、全然ハリがない。
ハァ〜・・・。なんなのこれ!って腹さえたたない。よかった映画館まで行かなくて。これが脱力映画というものなのだろうか?

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『誰かがあなたを愛してる』(1987年・香港)

監督:メイベル・チャン
出演:チョウ・ユンファ。チェリー・チュン。ダニー・チャン。

香港から演劇の勉強のためにニューヨークへやってきたジェニファー。ニューヨークでの面倒を見てくれる予定になっている遠縁のサンパンはニューヨークで成功し、家も車も持っているというし、ニューヨークには長い間会えなかった彼氏もいる。期待と希望を胸に空港へ降り立つジェニファーだが、成功していると聞いていたサンパンは冴えない下品な男。おまけに車はドアが閉まらないオンボロで、着いたアパートも高架近くの電車が通ると揺れる汚いアパート。それでも彼氏がいるからと何とか落ち込む気持ちを押さえていたが、なんとその彼氏には新しい彼女が・・・。悲しみに塞ぐジェニファーをあれこれと気遣いなぐさめてくれたのは博打好きでけんかっぱやいやくざなサンパン。やがてジェニファーは失恋の痛手も癒え、ニューヨークの生活にも慣れてきた。そしてふと見るといつもそこにはサンパンがいる。このまま二人はうまくいくかと思われたが・・・。
ニューヨークへ来て、恋に恋する少女ジェニファーが大人の女に変わって行くのがすごくよくわかるストーリーです。ただただかっこいい彼氏にときめいていただけのジェニファーは、当初サンパンも面倒な女だと思うくらい見事にお子ちゃま。他の女を連れていた彼氏を目の当たりにしながらもイジイジと電話を待ち、初めて見つけたアルバイトのベビーシッター先でも一人では家に入れずサンパンの力を借りていた。そんな彼女がしっかりと大人に変わっていくのが表情とセリフに的確に表れているのがいい!大人になった彼女のセリフに女の気持ちが見事に入っている。そう、そうなんですよ。やっぱ男には甲斐性がなきゃ(爆)。もう一度言い寄ってきた元彼に、親には金はあるけどあなたには金を稼ぐことは出来ないと言い切り。心惹かれるサンパンは一緒にいると自分が自由でいられる。だけど結婚は・・・と躊躇する。そう・・・彼女がひっかかっているのは博打。それをクリアしないでそのまんま好きだって気持ちだけで突っ走ったらそれこそ演歌の世界になっちゃいますもんね(笑)。しかしそこんところをサンパンに気付かせるのはさすが女性監督ですね。ちょっぴり現実的で、ほのかに苦く甘いラブ・ストーリーでした。

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『ダンサー』(1999年・仏)

製作:リュック・ベッソン。
監督:フレッド・ギャルソン。
出演:ミア・フレイア。ガーランド・ウィット。

土曜日の夜、あるクラブの次々と曲を替えるDJのテクニックに対抗するダンサー。DJ対ダンサーのバトルに連勝を続け、見ているものを熱狂的な虜にさせるダンスを披露する1人のダンサーインディア。彼女はダンスが心から大好きで踊ることに最高の喜びを感じている。言葉を話せない苦悩を忘れるために、言葉の代わりの自己表現として彼女は自分のすべてをダンスにぶつけているかのように踊る。ある日体の動きと音を連動させる研究をしているアイザックは友人に無理やりに連れてこられたクラブでインディアのダンスを目にし、行き詰まっていた研究の突破口を開く。そして完成した装置の名前は「インディア」まさしくインディアのための装置と言えるものだった。アイザックの要請で実験に協力することになったインディアは自分のダンスが音を奏でるこの装置にのめり込む。言葉が話せないからとオーディションに落ち、ダンサーとしての未来を阻まれたインディアにとっては開かれた未来そのものだった。
冒頭のクラブでのインディアのダンスシーンは本当にすごい。DJの奏でる音楽にちょっとインド音楽も入ったりして、σ(^-^)としては非常にうれしく楽しいシーンからはじまった。ぐっと身を乗り出し、このあと一体どんな展開、どんなストーリーなんだとワクワクしていたのだが・・・。ありゃりゃ?そんな方向にいっちゃうの?あの装置が出てきてからなんだか訳わかんない映画に変わっちゃったって思うのはσ(^-^)だけ?言葉の話せないダンサー。しかし彼女のダンスは天性のもので踊るために生まれてきたかのような女性。ダンスで言葉が話せないという障害を乗り越えられるかと言えばそうはいかない現実。これだけでものすごい感動作を期待していたのに・・・。なんだかなぁ〜・・・。それに、あのヘンな装置つけないで踊ってるインディアのダンスの方がσ(^-^)は好きだな。

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『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000年・デンマーク)

脚本・監督:ラース・フォン・トリアー。
出演:ビョーク。カトリーヌ・ドヌーブ。デビット・モース。

主人公セルマはチェコからの移民。女手ひとつで息子ジーンを育てながら工場で働き、警察官のビルに借りているトレーラーハウスでつつましく生活していた。そんなセルマの唯一の楽しみはミュージカル。アマチュア劇団でミュージカルの稽古をしたり、仕事仲間のキャシーと映画館でミュージカル映画を観たり、そして苦しいときつらい時彼女は空想のミュージカルの世界に浸るのだった。そんなある日ビルから破産しそうだが、浪費家の妻リンダには話すことが出来ないのだと秘密を打ち明けられる。ビルに同情したセルマは自分の秘密、自分は遺伝性の病でもうすぐ失明する、そしてそれはジーンにも遺伝しており、手術しないと治らないので、彼には自分と同じ運命を辿らせないために父親に送金していると嘘をつきお金を貯めているのだということを教える。二人はお互いの秘密を誰にも話さないと固く約束するが、この秘密が二人の人生を大きく変えてしまうことになる。
これはミュージカル映画だそうだ。こんなに暗いミュージカル映画は後にも先にもこれ一本だけだろうな。いや、決して貶しているわけでなはない。こんな作り方もあるのかとただただ感心しているんです。好きとか嫌いとか、いいとか悪いとか、そんなことはどうでもいい映画であるということ。観終わって観ておく必要性を感じた作品です。いい意味でも悪い意味でもね。



この先ネタばれあります。







映画がはじまってセルマを見ていて心の中で「阿呆や」ってポツリとつぶやいてしまった。そしてその後の展開では、思わずつぶやいてしまった一言がすべての鍵になり、この映画を悲劇だとは全く感じなかった。言葉が悪いので貶していると思われてしまうかもしれないのであえて言葉をかえるとするならば「ピュア」とでも言いましょうか(ちょっと強引な置き換えですが・・・)。人間生まれてすぐはみんな「ピュア」で生きていく中でいい意味でも悪い意味でも知恵をつけていって純粋な心だけの存在ではなくなる。そしてまたいい意味でも悪い意味でも生きる術をみつけていくわけなんですが、このセルマという女性はそれらの知恵、術を全くとりのぞいた人間ではないでしょうか?「ピュア」ではなくなった人間ならば自分の生きる術としてまわりの人間を言い方は悪いけどある種自分のためになる人間そうでない人間を選別する。もしセルマがそうしたとしたらきっと親切に優しくしてくれる友人キャシーに自分の秘密を打ち明けていただろう。だけど彼女は誰にも打ち明けなかった。純粋に自分の心だけで生きているから。では何故ビルに打ち明けたのか?それは彼の秘密を自分が知ったから。相手の秘密だけ自分が知っていてはいけないと感じたから。自分のお金を盗んだビルを殺してくれと頼まれたからと殺し、あのお金が自分のものであることを証明することは可能であったのに、秘密を守ると約束したからと打ち明けようとはしない。そう彼女の心には自分というものに対する欲や駆け引きは存在しないから。そして彼女が唯一自分の欲を出したのが出産だと思う。自分の病気が遺伝することがわかっていたが、どうしても自分の腕に赤ちゃんを抱きたかった。ただその理由だけで子供を産んだ。だからこそ彼女はたった一人で一生懸命働いて手術費を稼ごうとしていたのだ。キャシーが手術費を弁護士に回し、彼女を助けようとしたとき「ジーンには母親が必要だ」と訴えるがセルマはそれを拒否する。そうきっと彼女にはわかっていたのだと思う。自分の生に欲を出してはいけないことを・・・。そして彼女は自分の欲の代償をしっかりと自分で払った。もしお金が盗まれず、彼女が罪を犯すこともなく、無事息子の手術が成功していたら?・・・それでもラストは彼女の死で終わったのではないかな?なんてσ(^-^)は思う。

2001年1月3日(ヴァージンシネマズ泉北)

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『小さな目撃者』(2000年・米/和蘭)

監督:ディック・マース。
出演:フランチェスカ・ブラウン。ウィリアム・ハート。ジェニファー・ティリー。

父親の商談と観光を兼ねて両親とともにアムステルダムにやってきたメリッサは、ホテルの中で両親とはぐれてしまう。口がきけないために人に助けを求めることも出来ずにホテルの周りを入り口を探し歩いているとき偶然ホテルの裏手で殺人現場を目撃してしまう。犯人に気付かれ必死に逃げるメリッサ。なんとか無事犯人の手を逃れ、両親の元へは戻れたが犯人はまだ執拗にメリッサを追い続ける。
なんて頼りない警察なんだ・・・ってことはおいといて・・・(笑)。娯楽作品としてはなかなかのものじゃないかな。少女が口をきけないという設定だからなりたってるんだけど、このメリッサちゃんタダもんじゃぁない。強いしたくましいし、思わずメリッサガンバレ!って応援しちゃったよ。つっこみどころは確かにいっぱいあるんだけど、ラストにはパパ役のウィリアム・ハートのかっこいいシーンもあるし、異色のアクションムービーってことでいいんじゃないでしょうかね。
σ(^-^)は好きですよ。そういえばウィリアム・ハートのアクションってはじめて観るなぁ。

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『チキンラン』(2000年・英)

監督/製作/原案:ピーター・ロード。ニック・パーク
声の出演:メル・ギブソン。ジュリア・サワラ。ジェーン・ホロックス。

イギリスのトゥイーディー養鶏場のニワトリたちは経営者ミセス・トゥイーディーの強欲な経営方針の中、過酷な条件下で暮らしていた。そして日々この悪辣な場所からみんなを連れて逃げ出そうと脱出作戦を試みるジンジャーは、何度も失敗してはあきらめず新たな作戦を練っていた。そんなある日空から雄鶏のロッキーが養鶏場にやってきた。なんと彼はニワトリなのに空が飛べるのだ!?彼から飛び方を教わり空からの脱出に望みを託すジンジャーたち。ところがそんな中強欲な経営者ミセス・トゥイーディーはちまちまたまごを生産するよりは・・・とチキンパイでひと山あてることにして、とてつもない機械を導入してしまう。果たしてジンジャーたちの大脱走計画はどうなるのか?チキンパイにされる前に逃げ出せるのか?
いやぁ、面白い!『大脱走』が大好きなσ(^-^)にとってはなんともおいしい場面がいっぱい。前半は『大脱走』もどきの場面に大笑い。マックィーンが独房に入れられてキャッチ・ボールするシーンはあるは、トロッコにのって穴掘ってくシーンもあるは、これだけでもサービス満点という感じですよ。そして後半はなんとしても脱走を試みようとするジンジャーたちの大活躍がおもしろいし・・・。そしてラスト・・・「にわとりが先がたまごが先か?」世界共通の話なんですね(笑)。
『大脱走』のDVDが出てて買おうかどうしようか迷っていたのですが、この『チキンラン』のDVDとセットで購入することに決めました。確かにこの『チキンラン』だけでも十分に楽しめるんだけど、これはやはり『大脱走』を観てからみないとこの映画の楽しみは半減しますよ。

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『ディープ・ブルー』

監督:レニー・ハーリン
出演:サフロン・バローズ。トーマス・ジェーン。サミュエル・L・ジャクソン

太平洋上にある研究施設アクアティカではサメの脳組織から抽出されるタンパク質がアルツハイマーの特効薬となる可能性があると研究が続けられていたが、研究の成功に固執する科学者スーザンによりDNA操作により高度な知能を持ったサメと化していた。そしてそんなサメたちがおとなしい実験動物のままでいるはずもなく、アクアティカが嵐に包まれた夜悲劇ははじまる。
おもしろかった。劇場で観たかったと悔やまれる映画でした。この派手さ、テンポのよさ。σ(^-^)は大好きです。愛だの友情だとかの余計な伏線もなかったし、いけ好かない名誉欲物欲の塊みたいなおっさんの科学者がこの恐怖のサメを作ったんじゃないのもよかった。(笑) よくあるじゃないですか、ヤな感じのおっさんが事の発端で最初の方で自分だけが助かろうとしてあっさりやられちゃうってパターン。(え?B級映画の観過ぎだって?)とにかくそのお定まりのパターンじゃないし、よく道化役っぽく使われる黒人のコックがこの映画ではなんとヒーローだし。コック役のLL・クール・Jがよかった。もしかしたら彼がこの映画の影の主役かもしれませんね。

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『ディープエンド・オブ・オーシャン』

監督:ウール・グロスバード
出演:ミシェル・ファイファー。トリート・ウィリアムズ。ウーピー・ゴールドバーグ。

ベスは3人の子供を連れて同窓会の会場へやってきた。会場となるホテルは同窓会のメンバーで賑わい混雑していたが、ベスが少し目を離した隙に次男ベンが突然いなくなってしまう。必死に探すベス。警察。協力を惜しまない同級生たち。しかしベンは見つからず、ベスたち家族に暗い影を落としたまま、9年の月日が流れた。ベンへの思いは消えないまでもなんとか立ち直りつつあった家族の前に12歳になったベンが現れる。
前半は最愛の我が子が突然にいなくなってしまったために悲観に暮れる母親を、後半は9年という長い月日に阻まれてしまった親子と兄弟を描いているのですが、生みの親よりもやはり育ての親という現実味が入っててよかったです。でも、ミシェル・ファイファーって結構わがままで勝手な女の役ってはまり役ですよねぇ。(^^;)それと9年のブランクにいきなり本当の親です。って言われてもどうしていいかわからずに苦悩する次男ベンの気持ちが個人的にすごくよくわかったんですよねぇ。いくら血がつながっていても、精神的にさえもつながっていない年月の重さはなかなか超えられるものじゃないですよ。

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『トイ・ストーリー2』

監督:ジョン・ラセター
声の出演:トム・ハンクス(ウッディ)。ティム・アレン(バズ)

アンディ少年が大事にしているカウボーイ人形のウッディと宇宙戦士のバズ。二人?とその仲間たちの冒険アニメの第2弾。
フリー・マーケットにだされてしまった仲間を助けようと果敢に表に出たウッディは無事仲間の救出を果たしたけれど自分が戻れなくなってしまった。そして運悪く、おもちゃ屋の主人に見つかり誘拐?されてしまう。なんとウッディはプレミア人形だったのだ。ウッディ救出に乗り出すバズと仲間たち。彼らは無事ウッディを救出できるのか?
実はσ(^-^)『トイ・ストーリー』劇場公開当時もビデオレンタルに並んでからも全く興味なかったんですよ。CGがどうこうというのにも興味がなかったですし、ストーリーも完全な子供向けだろうとタカをくくって見向きもしなかったのですが、テレビで放映されたときに何気なしに観て、まさかこんなに面白いとは思わなかった。そして『トイ・ストーリー2』観ない訳にはいきません(と言いつつさすがに劇場には行けませんでしたが・・・)。レンタルに並ぶのを楽しみに待って早速借りました。『トイ・ストーリー』も面白かったけど、前作から4年もたってるからCGも前作より格段すばらしくなってますし、ストーリーもいい!「I AM YOUR FATHER」って『スター・ウォーズ』じゃない!『ジェラシック・パーク』を思わせるシーンもあったし、楽しませてくれます。そしてエンドクレジットのNG集(?)。まるで頭からしっぽの先までしっかりとあんこのつまった鯛焼きのような作品です。

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『トゥルー・クライム』

製作・監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド。ジェームズ・ウッズ。イザイア・ワシントン。

酒と女にだらしないが、凄腕の記者エベレットは以前市長のスキャンダルをスクープしたことにより、仕事を干されていた。そんなある日同僚の女性記者が担当していた死刑囚ビーチャムの最後の日のコラムを彼女が事故死したことにより任されることになる。早速彼が犯したと言う殺人事件の調査をはじめるが、証人の証言に疑問を覚え、ビーチャムに面会したことで彼の無実を確信し、自分の記者生命をかけて彼の無罪を証明しようとするが、死刑執行はその日の0時1分。エベレットに残された時間はあとわずかしかなかった。
ストーリーはすごく面白かった。ただビーチャムが犯人とされてしまった理由が安直といえば言えなくもないですが、細かいところを突っ込むとキリがないですからね。でもこの映画何がいけないって、イーストウッドが主演していることに思いっきり無理があるような気がする。監督だけして他の若い役者に任せればいいのに・・・(苦笑)だって、ベテラン記者という設定だけならまだしも、エベレットは同僚の嫁さんにまで手をだす女ったらし。しかも結婚して子供もいるんだけど、その子供も5歳くらいですからどう考えてもエベレットの年齢設定が50歳くらいまでなんですよね。イーストウッドの年齢じゃあ思いっきり無理がある。それにベットイン後のシーンでイーストウッドの上半身裸のシーンがあるんだけど、うわぁ・・・勘弁してくれぇ。って感じ。(^^;) 男でも女でも裸のシーンって言うのはある程度セックスアピールってのも入っていると思うのですが、このシーンにより一層彼の年齢を感じさせることになって男すらも感じることが出来なかった。60過ぎたら女ったらしの役をするなって言うんじゃなくって、それなりの年齢に見合った役ってのがあると思うんですよ。無理して若ぶった役するとかえって老いをさらけだしちゃってみじめなような気がします。

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『遠い空の向こうに』

監督:ジョー・ジョンストン
出演:ジェイク・ギレンホール。クリス・オーウェン。クリス・クーパー。ローラ・ダーン。

ソビエトが初めて人工衛星スプートニクの打ち上げに成功した日。アメリカの小さな炭鉱町コールウッドに住む一人の高校生ホーマー・ヒッカムはそのロケットに魅せられ、同じ高校の友人クエンティン、オデル、ロイの3人と共に「ロケット・ボーイズ」を結成して独学で自分たちのロケットを作り上げていく。
後にNASAのエンジニアになったホーマー・ヒッカム・ジュニアの実話です。
炭鉱の町に生まれて、スポーツで優秀である以外は炭鉱夫になることが当然とされていた少年たちが、ロケット作りにより、全米科学コンテストに出てそこで優勝すれば大学へ進む奨学金をもらえることを知り、自分たちの将来への夢、新しい可能性のために瞳を輝かせひたむきにロケット作りに打ち込む姿が感動的です。それに父と子の葛藤が横軸になっててすごく素敵な映画でした。舞台が1957年ということもあって、バックに流れる数々の50'sサウンドもよかったですよ。
とにかくσ(^-^)は文句なしに気に入りました。

2000年3月19日(OS劇場C・A・P)

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『特攻大作戦』(1967年・米)

監督:ロバート・アルドリッジ
出演:リー・マーヴィン。アーネスト・ボーグナイン。チャールズ・ブロンソン。

ノルマンディ上陸作戦前夜、連合軍のライスマン少佐はドイツ軍士官たちが集まる別荘を襲撃するという作戦の指揮を命じられる。しかもその別荘には婦人の同行もあるために、その作戦は極秘とされ、少佐の指揮下に置かれるもの達は殺人や強盗などで軍事裁判にかけられ刑の執行を待つ12名。軍の規律など重んじるはずもない彼らを短期間で精鋭部隊へと訓練し、その特殊作戦を成功させなければならない。
『めぐり逢えたら』でトム・ハンクスが涙ながらにこの映画のことを語るシーンを観て、どうしても観たかった作品です。しかし、そんなに涙ながらに語るような感動は得られなかった(^^;)。娯楽作品としては面白かったですけどね。赤軍と青軍にわかれての軍事演習のシーンは最高でした。さすがならず者たちやることが違います。赤軍と青軍の腕章を付け替えたり、負傷兵に化けたりして敵軍の陣地をあっさりと攻略してしまう。クライマックスの本当の作戦よりもこっちの方が楽しかったな。本当の作戦のシーンはなんだか緊張感に欠けるような気がして・・・。なんとなくラストが読めちゃってるのがあったからかなぁ。でも、ドナルド・サザーランドが若くって、しかもなんかちょっとボーっとした役でかわいかったな。(笑)

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『隣の女』LA FEMME D'A COTE(1981年・仏)

監督:フランソワ・トリュフォー。
出演:ジェラール・ドパルデュー。ファニー・アルダン。アンリ・ガルサン。

小さな町で妻と一人息子と平凡に暮らしていたベルナールの隣家に夫婦が越してきたが、なんとその妻マチルドはかつてベルナールの恋人だった。最初は互いに知らぬそぶりをする二人だが、やがて二人の想いは過去の激しさに立ち戻り深く求め合うようになってしまう。
互いに愛し合い求め合いながらも、その感情の起伏の激しさにすれ違う二人の心。重なった瞬間そのまま時を止めてしまわなければどこまでも想いは巡り続ける?ここまで深い愛の物語は私にはわからない。悲しすぎるのか?美しすぎるのか?それさえもわからない。この物語にさしはさむべき言葉を私は持ち合わせてはいない。なんともむずかしい物語だ。

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『隣のヒットマン』The Whole Nine Yards(2000年・米)

監督:ジョナサン・リン。
出演:ブルース・ウィリス。マシュー・ペリー。ロザンナ・アークェット。

カナダで歯科医を開業しているオズは、悪魔のような嫁と義母にふりまわされ、義父の残した莫大な借金に追われる毎日を過ごしていた。とんでもない嫁と義母の行動に腹をたてながらも気が弱く人のいいオズは一言も言い返せない。そんなある日隣に一人の男が引っ越してくるが、なんと彼は裏切り行為によりシカゴのマフィアのボスに報奨金をかけられている凄腕のヒットマンだった。それを知ったオズの妻はシカゴに行き、発見料の交渉をしてこいと無理やりにオズを密告に行かせる。仕方なくシカゴに行ったオズを待っていたのは・・・
好きだなぁこういう展開。主人公オズのおまぬけぶりがまたいいんだ。なんでそんなに情けないんだ?とは思うんだけど、その情けなさがあまりにもうまくって見事に笑いを誘ってくれる。ブルース・ウィリス扮するヒットマンもいいんだ。まじめ〜な映画でまじめ〜に眉間にしわよせて演じている彼よりこんなちょっと遊び心のある映画でひょうひょうと演技している彼の方がやっぱり好きだな。ブラックコメディ好きの私には十分に楽しめる作品でした。歯科医として自分の腕を自慢するオズの痛みを少なくするんだというセリフにおれも痛みは少なくすると答えるヒットマン。こういうセリフまわしもいいだよねぇ。

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『トラフィック』(2000年・米)

監督:スティーブン・ソダーバーグ
出演:マイケル・ダグラス。ドン・チードル。ベネチオ・デル・トロ。キャサリン・ゼタ・ジョーンズ。

どう食い止めようとしてもメキシコ、アメリカ国境を越えていく麻薬。メキシコ州警察のハビエールとロマーノは連邦警察のサラサール将軍の依頼でメキシコ内部の2大密売組織のひとつオブレゴン・カルテルの逮捕に協力するが、もう一方の麻薬組織のボスマドリガルとサラサール将軍の繋がりを知ってしまう。一方メキシコ国境に位置するアメリカのサンディエゴではDEA(麻薬取締局)のおとり捜査により麻薬王カルロス・アヤラの逮捕にこぎつける。いきなり夫を逮捕されてしまった妻ヘレーナはこの時はじめて夫の本当の仕事を知ることになる。時を同じくして新しい麻薬取締連邦最高責任者に任命されたロバートは精力的に麻薬撲滅のための仕事に取り組む。まさかその麻薬が自分の家庭にまで及んでいるとは気付かずに・・・。
3つのストーリーが1本の映画になっているという構成。ドキュメンタリーを見ているような気にさせる映像も面白い・・・
が、しかし、メキシコ、サンディエゴ、ワシントンと舞台をわかりやすくするために替えている映像の色がσ(^-^)にはあだとなってしまった。あのメキシコのシーンで使われている色セピアっぽいカラー。あれダメでした。なんとあのせいで途中睡魔に襲われてしまった。映画が面白くないんではないんですよ。ただあの色が・・・(笑)。 どうやらあの色はσ(^-^)に催眠作用を及ぼすようです。さすがアカデミー助演男優賞というベネチオ・デル・トロのシーンだけに悔しい。眠ることなくちゃんと観ましたけどね。ほんとベネチオ・デル・トロ演じるハビエールはよかった。正義感あふれる熱血漢じゃないところが現実的だし、自分の身を守るために現実にある不正にある程度折り合いをつけながら仕事をする様がいい。マイケル・ダグラスもよかったですよ。苦悩する父親を上手く演じてましたし、が・・・σ(^-^)はあの娘大嫌いだ。娘のボーイフレンドも大嫌い。娘を探すロバートを麻薬の密売人の所へ案内してきたときの車でのあのセリフ。あれには思い切りムカついてしまった。ラストは3つのストーリーともうまくまとまっているんだけど、やはりワシントンのラストはいかにも・・・という感じがしてσ(^-^)はあまり好きじゃないです。ま、あの娘にムカついていたせいもあるんでしょうけどね。(^^;)

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『ドリブン』DRIVEN(2001年・米)

監督:レニー・ハーリン。
出演:シルベスター・スタローン。キップ・パルデュー。ティル・シュヴァイガー。

一線を退きテストドライバーとして過ごしていたジョーの元にオーナーのカールからチームに復帰しないかと連絡が入る。もう一度レーサーとして復帰できると喜んでサーキットに現れたジョーに課せられたのは天才的なドライビングテクニックで一躍トップ・ランキングに踊りでながら今は不調の新人レーサージミーのサポート役だった。
この映画のスタローンいい!「俺様」的なイメージは全くなくって、伝説的なレーサーでありながら栄光と挫折を味わい、未だ消えぬ傷を持つあの控えめな感じがすごくいい。彼が主役でありながら、なんか若手に主役を譲って自分は脇をしっかりと固めてますみたいな感じがしてこの映画のスタローンは好感度アップ!って感じですね。バート・レイノルズもいい感じで年とったなぁ。ストーリーはありきたりと言えなくもないけど、ドロドロしてなくってさわやか〜な感じで私は好きだな。嫌な奴も最後にはみんな笑顔でよかったよかったって、なんかインド映画みたいだし(笑)。でも、本当のレースでもあんなに何人もの人間がレース中にマイクでレーサーに話し掛けるのかなぁ?指示ならいいけど素人(兄貴や嫁ね)の「いいぞ!いけ!」みたいなのってうるさいだけじゃないのかなぁ?

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『トンネル』(2001年・独)

監督:ローランド・ズゾ・リヒター。
出演:ハイノー・フェルヒ。ニコレッテ・クレビッツ。クラウディア・ミヒェルゼン。

1961年。一夜にして東西に分断されたドイツ。そのことにより離れ離れとなってしまった愛し合う恋人たち・・・そして家族。東ドイツの水泳選手のハリーは先に西ドイツに渡った友人のマチスの手引きで西ドイツに渡ることが出来たが、東ドイツに残した妹が気がかりで仕方ない。そしてマチスも一緒に逃げた際に国境警備隊に捕えられた妻カロラが心配だった。そこで彼らは何としても愛するものたちを救い出そうとトンネル計画を思いつく。西ドイツから東ドイツへベルリンの壁の下145メートルのトンネルが掘られはじめる。
3時間の長さを感じさせない映画だ。中盤から後半にかけての展開がすごい。食い入るように観入ってしまった。そして登場人物すべてが素敵だ。人間味に溢れている。愛するものを助けたいという一心でトンネルを掘り進める彼らだが、誰一人としてヒーロー然としたキャラはいない。悲しみ、怒り、恐怖・・・それぞれの感情をしっかりと持ち合わせている等身大のキャラだからこそ、この映画にのめり込んでしまう。愛するものを救い出す感動的なスペクタル映画としてだけではなく、人の心を縛ってしまう国家・・・政治というものの恐怖まで垣間見ることの出来る映画だと思う。エンドクレジットで涙を乾かさないと席を立てない・・・そんな映画でした。

2002年6月11日(OS劇場C・A・P)

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