『サイダーハウス・ルール』
監督:ラッセ・ハルストレム
メイン州ニュー・イングランドにある孤児院。院長であり医者でもあるラーチの仕事は分娩と当時禁止されていた堕胎だった。堕胎された子は秘密裏に焼却炉へ葬られ、また、無事生まれた子でも母親に抱かれることもなくそのままその孤児院で新しい家族を待つことになる。そんな孤児院で育ったホーマー・ウェルズは過去に2度里親が見つかり引き取られていったが2度とも里親の意に添わず元の孤児院に戻されていた。そんな彼をラーチ院長は特別な子なのだと思い、父親のように愛情を注ぎ、自らの医術をも彼に習得させた。やがてホーマーは青年になり、ひとりで分娩手術すら行えるようになっていたが、ラーチ院長の意に反して堕胎手術だけは決して行おうとはしなかった。そんなある日堕胎手術にやってきたキャンディとウォリーに出会ったホーマーは彼らに外の世界のあこがれを重ね、彼らと共に孤児院を出ることを決意する。ウォリーの家のリンゴ園で働くことになったホーマーにはすべてが新鮮だった。はじめて見る海、ドライブ・シアター。ウォーリーが出征して残されたキャンディとの恋。孤児院ではラーチ院長はホーマーが帰ってくることを望み、彼に診察カバンを送るが、彼からの手紙で彼が恋をしていることを悟ったラーチ院長は彼がもう帰って来ないと悲嘆にくれる。ところがすべてが充実しているはずだったホーマーがラーチ院長がくれた診察カバンを使う日がやってくる。 |
『サウンド・オブ・ミュージック』THE SOUND OF MUSIC(1965年・米)
監督:ロバート・ワイズ
修道女になるべく修道院に入ったマリアは奔放で音楽好き。修道女には向いていないのではないかと考えた院長はこれもひとつの修行だと厳格はトラップ家へ家庭教師として赴くことを命じる。トラップ家の一筋縄ではいきそうにない7人の子供たち、そして軍隊のような規律で子供たちを指揮するトラップ大佐に始めは躊躇するマリアだが、持ち前の明るさと大好きな音楽でトラップ家に明るさと音楽を蘇らせる。やがて大佐との恋が芽生え、結ばれるがオーストリアにナチスが侵攻し、ナチスに抵抗するトラップ一家は亡命を決意する。この映画を知らない人はいないんじゃないかというくらい有名なミュージカル映画です。 |
『ザ・ダイバー』(2000年・米)
監督:ジョージ・ティルマン,JR. まだ、黒人差別が目に見えて色濃く残る時代。小作農の父から上を目指せと激励され希望を胸に海軍に入隊したカール・ブラシアを待っていたのは海軍に入隊しても黒人にはコックが雑役係しかさせてもらえないという現実だった。だが泳ぎが得意だった彼は運良く甲板兵になり、ダイバーの仕事を目の当たりにしダイバーになりたいという希望を持つ。しかしなんとかダイバー養成所にただ一人の黒人として入所した彼を待っていたのは過酷な差別だった。黒人ではじめてダイバーになった実在の人物カール・ブラシアの物語。 |
『ザ・ディレクター[市民ケーン]の真実』(1999年・米)
監督:ベンジャミン・ロス 1940年。演劇界の天才児と持て囃されているオーソン・ウェルズはRKOの社長に招かれ、ハリウッド進出を果たす。そして彼の記念すべきハリウッド第一作に注目が集まる中彼が題材に選んだのはハリウッドを影で牛耳る新聞王ハーストだった。このハリウッドではそれはタブーだと止める友人であり脚本家でもあるマンクを説得し、脚本を仕上げ極秘に撮影は進められた。やがて完成した『市民ケーン』が自分の私生活を暴露したものであるとしったハーストにより様々な公開の妨害が始まる。 |
『サンセット大通り』(1950年・米)
監督・脚本:ビリー・ワイルダー 売れない脚本家のギリスは車のローンが滞り、車を取り上げられようとしていた。家にやってきた取立て屋に車は友人に貸してあると嘘をつきなんとかその場を凌ぎ、映画会社へ脚本の売り込みに行くが断られ、借金まで断られてしまう。成す術もなく車を走らせている所を取り立て屋にみつかり逃げるギリス。そして彼が逃げ込んだ先は豪邸が立ち並ぶサンセット大通りにある一軒の屋敷。そこにはサイレント時代の大女優ノーマ・デズモンドが暮らしており、再起を夢見て自分で書いた「サロメ」の脚本の手直しをギリスに依頼する。手直しをしたところでどうにもならない脚本だとわかりながら金になると考えたギリスは手直しを承諾するが、そのことにより現実に背を向けて生きているノーマの人生に巻き込まれるギリス。やがてノーマの世界に嫌気がさしギリスはノーマの目の前で現実の世界の扉を開けるが・・・ |
『三人の妻への手紙』(1949年・米)
監督・脚本:ジョゼフ・L・マンキーウィッツ
子供たちの野外キャンプの付き添いで出かける3人の元に「いずれかのご主人と駈落ちします」という手紙がそれぞれの主人といわくのある町一番の美女アディから届いた。今すぐにでも事実を確かめたい彼女たちだったが、すでにキャンプ場へ向かう船は出港し一日彼女らはそれぞれの思いに駆られる日を送る。軍で夫と知り会い結婚したデボラは除隊し、町に住むようになり農家出身の自分の身分を卑下し、自分に自信が持てずに過ごしていた。リタは教師である夫よりも稼ぎがあり、仕事中心で夫のことを顧みていなかった。ローラメイは貧しさから脱却したくて金目当てに結婚したが、それだけでは割り切れないものを抱えていた。日頃から彼女たちの心にまとわりついていたアディという存在。それがこの一通の手紙で大きくなり、帰り道を急ぐ彼女たちを待っていた真実は・・・ |
『桑港<サンフランシスコ>』(1936年・米)
監督:W・S・ヴァン・ダイク。 サンフランシスコでクラブを経営するブラッキーは神を信じないやくざな男。そんな彼が雇い入れたのはオペラ歌手志望の牧師の娘メアリー。やがて彼女に惹かれはじめるブラッキー、しかしメアリーは彼に惹かれているものの彼の粗野な愛に馴染めず、彼の心を計りきれずにいた。そのため彼女はオペラ座のオーナーであるバーリーの引き抜きに応じる。そしてバーリーは彼女を自分のものにするために金と権力を使いブラッキーの店を封鎖する。そんなこととは知らずブラッキーに心を残しながらもバーリーとの結婚を決めたメアリーがバーリーの企みを知ったときサンフランシスコを大地震が襲う。 |
『ジェラシック・パーク3』(2001年・米)
監督:ジョー・ジョンストン 恐竜たちが生存する「サイトB」のあるコスタリア沖にあるイスラ・ソルナ島近くで少しでも恐竜を見ようとパラセイリングを楽しんでいた12歳の少年エリックと彼の母の友人ベンが消息を絶った。どうしても息子達を助けたいエリックの両親は冒険好きな事業家だと偽り、あの島をよく知る古生物学者のグラント博士を訪れあの島上空を回るツアーの案内を依頼する。上空を廻るだけならと依頼を受けたグラント博士を乗せた飛行機は博士の意に反して島へ着陸する。しかし実際の恐竜の恐怖に慌てた彼らが離陸しようとした時操縦を誤り飛行機は林の中へ突っ込み大破してしまう。エリックを探しながら自分たちの脱出ルートを探す彼らに次々と襲いかかる恐竜たち。 |
『死刑台のメロディ』(1970年・伊)
監督:ジュリアーノ・モンタルド 1920年。アナーキストや共産主義者。社会主義者への強行な取締を行っていたアメリカで実際に起こった冤罪事件を元にしたもの。イタリア移民のサッコとヴァンゼッテイはアナーキストで警察の捜索を逃れるために反政府ビラを別の場所に移動しようとしていたところ警察に捕まり、銃の不法所持で逮捕される。アナーキストであるための尋問であると思った二人は嘘の供述で何とか逃れようとしていたが、いつしか二人は身の覚えの無い強盗殺人事件の容疑者にされてしまう。事実に関係なくアナーキスト、イタリア移民である二人をどんなことをしても有罪にしたい検察と判事、それに戦いを挑む弁護士。そしてサッコとヴァンゼッティ。しかし彼らの行く先は電気椅子だった。 |
『史上最大の作戦』(1962年・米)
監督:ケン・アナキン。ベルンハルト・ヴィッキ。アンドリュー・マートン。エルモ・ウィリアムズ
第2次世界大戦の勝敗を決した連合軍によるノルマンディー上陸作戦。作戦決行を今か今かと待ちわびる連合各軍の兵士たち。しかし天候はなかなか回復しない。ドイツ軍もこの天候では上陸はしてこないだろうとタカをくくっていた6月6日。まさに史上最大の作戦、ノルマンディー上陸作戦は決行される。 |
『自信売ります』(1947年・米)
監督:ジャック・コンウェイ
女性をくどかせても、仕事をさせてもピカ一のビクター・ノーマン通称ビックは陸軍を除隊し、元いた街ニューヨークへと戻ってきた。彼の現在の所持金は50ドル。35ドルで誠実そうにみえるネクタイを買い、広告会社への面接へと出かける。その会社は大手スポンサー”ビューティーソープ”で成り立っているため社長以下全員が”ビューティーソープ”の社長にビクビクしている。おまけにその社長は傲慢でワンマン。その傲慢な社長にビクつく周囲をよそにビックが次々と辣腕を振るっていくサクセス・ストーリーにからむ二人の子供を抱えた未亡人ケイとのラブ・ストーリーという2本立て。 |
『シビル・アクション』
監督:スティーブン・ザイリアン
勝てる裁判しかしないという敏腕弁護士のシュリクマンは、ラジオの法律相談に出演中にかかってきた電話によりニューイングランドの田舎町で15年間に8人もの子供が白血病で死亡しているという環境汚染の話を聞き、はじめは金にならないと断るつもりだったが、現地に赴きこれは金になると判断。裁判をすすめるうちに金と割り切っていたはずの彼は正義に固執したために狡猾な企業側弁護士にしてやられ膨大な調査費用により破産してしまう。 |
『シビル・ガン 楽園を下さい』(1999年・米)
監督:アン・リー。 1861年。アメリカのミズーリ州。リンカーンが大統領に就任してからいくつもの南部の州が連邦を離脱するなか最後まで中立を守っていたこの州にも戦禍は色濃く立ちこめはじめていた。ドイツ系アメリカ人であるジェイクは父親から北軍のいる州へ行けと命じられるが、自分は南部の男だとはね付ける。そしてその夜幼馴染のジャックの家が北軍に襲われ、ジャックの父が殺される。やがてジャックとジェイクの二人は故郷を離れ、“ブッシュワッカー”と呼ばれる南側のゲリラ部隊に所属するが、戦況は南軍にとっては芳しくないものとなり、南部の誇りと尊厳を貫くという崇高な志を持って戦いに参加したジェイクだが、戦闘を続けるうちにこの戦いの裏側に気付き苦悩する。 |
『ジャンヌ・ダルク』
監督:リュック・ベッソン
15世紀英国に国土の半分を奪われたフランス。英国軍に姉を殺されたジャンヌは神のお告げにより自らを「ロレーヌの乙女」と名乗り祖国フランスのために王の戴冠式を実現させるのが自分の使命だとシャルル7世の前に現れ、その言葉通りにオルレアンを開放し、ランスでの戴冠式を実現し、なおもパリに進撃するが英国軍に囚われ、宗教裁判により火刑にされる。 |
『終電車』LE DERNIER METRO(1981年・仏)
監督:フランソワ・トリュフォー。
1942年ナチス占領下のパリ。11時以降の夜間外出は禁止されていたため終電車には人が溢れていた。そして夜の寒さを防ぐため人々は劇場へと足を運んだ。モンマルトル劇場は主宰者であるルカ・シュタイナーの彼がユダヤ人であるために国外へ亡命、彼の妻であり女優であるマリオンがかわって経営していた。今度新たに上演されるのは「消えた女」新人俳優ベルナールを迎え、舞台稽古が続けられる。ドイツ兵を嫌い、利用し、それぞれの事情を背景に・・・ |
『将軍の娘/エリザベス・キャンベル』(2000年・米)
監督:サイモン・ウエスト
ジョージア州陸軍マッカラム基地で女性大尉であり、なおかつマッカラム基地を指揮する将軍の娘でもあるエリザベス・キャンベルの全裸死体が発見された。陸軍の犯罪捜査部のポール・ブレナーが捜査に乗り出し、彼女が基地内のほとんどの男性と関係を持っていたことが明らかになるが、さらに捜査をすすめるうちに彼女の過去に起こった軍という閉ざされた社会故に隠蔽されてしまったとんでもない事件が発端になっていた。 |
『小説家を見つけたら』FINDING FORRESTER(2000年・米)
監督:ガス・ヴァン・サント
バスケットの得意なブロンクスの高校生ジャマールは、学校が終わると毎日友人たちとバスケを楽しんでいた。そのバスケットコートの近くにあるアパートの窓にはいつも外を覗いている者がいる。長い間外に出たのを誰も見たことの無い風変わりな人物でバスケ仲間たちは幽霊だと噂していた。ある日友人たちにそそのかされ、ジャマールはその部屋へ忍び込むが家人にみつかりあわててその部屋を飛び出す。しかも驚きのあまり自分のカバンをその部屋へ置き忘れてきてしまう。そのカバンの中には彼が誰にも内緒にしているもの創作ノートが入っていた。そう彼にはバスケの才能だけではなく文学の才能もあったのだ。翌日そのアパートの下に来たジャマールにそのカバンが投げ返されてきた。中身を確認したジャマールの目に入ったのは彼の創作ノートに書かれた批評だった。何度かその部屋を訪れたジャマールはその部屋の老人が処女作でピューリッツァー賞を受賞したが2度と作品を出版しなかった作家ウィリアム・フォレスターだということを知る。やがて世捨て人となった大作家の老人と16歳の黒人少年の師弟として、父子として、そして友人としての奇妙な交流が始まる。 |
『ショコラ』CHOCOLAT(2000年・米)
監督:ラッセ・ハルストレム。 フランスの小さな田舎の村。伝統と規律を守り自らが定めた不文律を破るものは何者をも認めないという厳格な村長レノ伯爵の治めるこの村に北風と共に赤いコートを着たヴィアンヌとアヌーク母娘がやって来た。閉店したパン屋を借りチョコレート・ショップを開くヴィアンヌ。期待と不安に恐る恐る店を覗く村人たちにヴィアンヌはそれぞれの人にぴったりのチョコレートを勧める。チョコレートにより心を開き明るくなっていく村人たちだが、カトリックの断食期間である四旬節にも関わらず教義に背きチョコレートを食べている村人たちの姿に危機感を募らせたレノ伯爵は村の戒律を守りぬくためにもヴィアンヌの店をなんとか閉店に追いやろうと村人のチョコレート・ショップへの出入りを禁じ、教会のミサでもチョコレートは悪だという説教を神父にさせるが・・・ |
『シラノ・ド・ベルジュラック』CYRANO DE BERGERAC(1990年・仏/ハンガリー)
監督:ジャン・ポール・ラプノー。
誰にも劣らぬ剣を誇り、詩人としても優れた文才を持つ近衛騎士のシラノは密かに従妹のロクサーヌに想いを寄せていたが、人並みはずれた大きな鼻のため自らの容姿にコンプレックスを持つ彼には打ち明けることが出来ずにいた。しかしロクサーヌの意中の人は同じ隊のクリスチャンだとわかり、シラノは愛する人のためにと文才のないクリスチャンの代わりに恋文をしたため二人の仲を取り持つことに・・・ |
『スターリングラード』(2001年・米/独/英/愛蘭)
監督:ジャン=ジャック・アノー 1942年9月。ドイツ軍の猛攻に陥落寸前のスターリングラード。上陸直後のソ連軍補充兵を襲う砲弾、幾重にも折り重なったおびただしい死体、そして恐怖に逃げようとする兵士を脱走兵だと簡単に撃ち殺してしまう上官たち。兵士たちの士気は日々衰える一方だった。そんな中司令部へ向かう途中敵の攻撃に遭い、死体の山に埋もれて身を隠していた共産党のエリート将校ダニロフは同じように身を隠していた若い兵士ヴァシリと出会う。そしてヴァシリはダニロフの目の前で冷静にライフルを手にし、ドイツ軍士官を次々に仕留めていく。日々衰えていく士気を高めるためには英雄が必要だとするダニロフはヴァシリ・ザイチェフを狙撃部隊に入れ、1人、また1人とドイツ人士官を倒していく彼の活躍を記事にし、彼を国民的英雄へと祭り上げて行く。しかしヴァシリの名前がドイツ軍にも知れ渡り、ヴァシリ暗殺のためにドイツ軍きっての狙撃手ケーニッヒがスターリングラードへ送り込まれる。 |