『レディ・キラーズ』THE LADYKILLERS(2003年・米)
監督:ジョエル・コーエン。イーサン・コーエン。
ミシシッピ川のほとりに一人暮らすマンソン夫人のもとに、上品な紳士が訪ねてくる。彼はこの家に間借りがしたいと申し出て、教会音楽の研究をしていてその楽団の練習もしたいから地下室も借りたいという。敬虔なクリスチャンのマンソン夫人は教会音楽の研究をしているという言葉に彼を信じ間借りをさせることにするが、実は彼の正体は「教授」の異名を持つ泥棒だった。彼の狙いはミシシッピ川に浮かぶカジノ船の金庫。この家からトンネルを掘り船の金庫まで到達させるという計画だった。翌日から彼と仲間は演奏仲間を装い楽器を手に地下室へ。着々と進むトンネル工事だが、何も知らないマンソン夫人の存在が彼らの完璧なはずの計画が少しづつ狂っていく・・・。 2004年5月24日(TOHOシネマズ泉北) |
『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』 THE ASSASSINATION OF RICHARD NIXON(2004年・米)
監督:ニルス・ミュラー。
事務器具のセールスマンになったばかりの44歳のサム・ビックは、以前父の後を継いで兄が経営するタイヤ会社で働いていたがうまくいかず、妻からも1年前に別居を申し出られ3人の子供たちとも離れ一人暮らしていた。今度の仕事こそはとがんばろうとするサムだが、サムにとって会社の営業は利益をあげるために客を欺いている不誠実なものとしか捉えられず、いつしか会社への不審が募り、黒人の友人ボニーと共にタイヤの移動販売の会社を興すことを夢見て融資の申し込みをする。そして会社への不審は上司が「世界一の商売人」と皮肉るニクソン大統領に向けられ、一方的に送られてきた妻からの離婚解消の書類、申し込んでいた融資の却下。彼の希望がすべて断たれた時、彼はとんでもない決断をする。不器用でただただ誠実に生きたいと願うサム・ビックは1974年2月22日ワシントン、バルチモア国際空港にいた。 2005年6月20日(テアトル梅田) |
『力道山』(2004年・日韓)
監督:ソン・ヘソン。
第二次世界大戦中の日本。力士仲間から「金(キム)」と呼ばれる一人の力士。彼は朝鮮人ということで先輩力士から理不尽ないじめを受けながらも一人耐えていた。彼にはここで横綱になることだけが生きる道だった。タニマチで有名な興行主菅野の目に留まる一計を案じ「金」から「力道山」となった彼は相撲番付3位まで上り詰めるが、彼の目指す横綱への道は朝鮮人という理由により閉ざされてしまう。髷を切り、酒と喧嘩に明け暮れる日々。そんなある日偶然に出会ったハロルド坂田によりプロレスを知り、米国に渡りプロレスラーとなった彼は敗戦で打ちひしがれている日本人のために。外国人レスラーをやっつける日本人を見せたいと興行主たちを説伏せ日本でプロレス事業を始める。彼の言葉の通り日本人たちはプロレスに熱狂する。外国人レスラーを空手チョップでマットに沈める力道山は一躍日本のヒーローとなる。1963年12月この世を去った戦後の日本のヒーロー力道山の物語。 2006年4月3日(動物園前シネフェスタ) |
『ロッキー・ザ・ファイナル』ROCKY BALBOA(2006年・米)
監督:シルヴェスター・スタローン。
ヘビー級ボクサーとして、頂点に立ち、地位も名誉も手に入れたロッキー・バルボアは、現役を離れ、地元フィラデルフィアでイタリアン・レストランを経営し、今でも彼をヒーローと称える地元の人々に囲まれて過ごしていた。しかし愛する妻に先立たれ、息子も彼を避け彼の元に来ることは少なかった。孤独に苛まれる日々。そんなある日現チャンプのディクソンとロッキーのコンピューターでシュミレーションされた対戦が放映される。まだ終わってはいない。ロッキーは再びリングにあがることを決める。 2007年5月7日(TOHOシネマズ泉北) |
『ラスト、コーション 色|戒』Lust,Caution(2007年/米・中国)
監督:アン・リー。 香港大学の学生だったワンはかつて香港で抗日に燃える演劇仲間たちと日本に味方する特務機関のリーダー、イー暗殺を企てた。イーの興味を惹くところまでこぎつけたワンだが、イーが突然上海に帰ったことで計画は破綻する。しかし日本占領下となった上海で、レジスタンス活動の組織の一員となったかつての仲間と共に、再度イー暗殺計画に加担することとなる。イーに近づき、彼の愛人になることに成功したワンだが、彼と重ねる危険な逢瀬は、心の均衡を保つには激しすぎた・・・。 この作品には全く興味がなかったんだけど、あまりにも評判が良すぎるので、これをはずしちゃまずいだろうと出かけた。 すごい。外さなくて正解でしたね。激しいセックス描写が評判のこの作品ですが、これなかったら全然意味をなさなくなってしまうんじゃないかなというシーンで、私はこんなに雄弁に物語りを語るセックスシーンは初めて見た。男と女の戦いは言葉なんかの駆け引きではなく「セックス」なんですよね。語り合えない二人は体を一つにすることで、お互いの心を探る。見つめあう二人の目がいい。トニー・レオンの細かい表情の変化がいい。巧いですねぇ。ワンが「部屋を借りて欲しい」と言ったときふと見せる優しい笑み。この笑みでやっと「あ、トニー・レオンだ」と納得出来た(笑)。いやぁ、なんかねぇ、この作品でのトニー・レオンって私の知ってるトニー・レオンじゃなかったんですよ。私の中ではなぜかアン・ソンギのイメージが被ってた。(^^; そうそう、微妙にこの映画でわかりかねるところがあったので検索したら、このレビューにあたった。完全ネタばれなんですが・・・。 http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview?ty=em&id=328445&rid=74&p=1&s=2&c=1&or=1&recom=1&t=7g.wHB&sk=WIjFDCuUt8OS_SgZAx62kv2l29k- これ読んでから、なんか自分の感想書くどころじゃなくなっちゃった。 見落としすぎです私(笑)。 麻雀のシーンでは、わざとイーがワンを勝たせてあげてるってのには気付きましたし、学生時代の彼女の誘いに乗らなかったのは見破ってたからだと言うのもわかったんですが、まさか○○○○○だったとは!?もう驚きです。 私はもう日本軍が終わりだと、自分のこの立場もいつまでも続かないと知っていたイーが滅びゆく自分の残りの時間を自分が心を奪われてしまった女と刹那的に過ごそうとしているのかと思ってたんですよね。ワンが自分を殺そうとするかしないかそのどちらかだけの結果しか思い描いていなかったんだと。所詮死ぬのは自分なんだと思っていたのにあのラストは辛すぎる・・・と。でもそれだとちょっとわかりにくい部分があったんですが、○○○○○ってことだと悉く納得いってしまう。そうかぁ・・・。これはDVD出たらぜひとももう一度見たい。出来れば吹き替えで。字幕よりわかりやすいでしょうしね。 2008年2月23日(TOHOシネマズ泉北) |
『レッドクリフ Part1』RED CLIFF Part1(2008年/米・中・日・台・韓)
監督:ジョン・ウー。 西暦208年。帝国を支配する曹操は、80万の大軍を率い劉備軍を攻め、わずか2万の兵の劉備軍は民を守るのが手一杯で、敗走するしかなかった。このままでは民と共に滅ぼされる運命の劉備軍の軍師孔明は、孫権軍と同盟を結び曹操に対することを進言し、孫権の元へと向かう。若き君主孫権は老臣たちの言葉に異を唱えることが出来ず、魯粛の導きで孔明は周瑜と会い、多くを語らずとも二人は信頼を深め、周瑜の計らいで孫権軍は劉備軍と同盟を結ぶことになる。そして"赤壁"で孫権・劉備軍は曹操軍を迎え討つことになる。 三国志はあまり詳しくないので、それぞれのキャラに対する思い入れがなかったんで、すごく楽しく観ることが出来ました。しかも単純に曹操をとにかく悪玉に仕立てた物語展開がわかりやすく、とにかく"赤壁"にポイントを置いたのも案外成功なんじゃないだろうかって気がします。でもPart1では「赤壁の戦い」一歩手前までなんですけどね。映像の迫力は言うことなし。物語もわかりやすくていい。でも何よりこの作品で驚いたのが金城武さん扮する諸葛孔明。最初孔明が金城くん?えー・・・って感じだったんですが、映画が始まってびっくり。いいじゃないですか。元々育ちの良さそうな顔をしてらっしゃるんで、こうして髪を結いあげてしっかりとお顔を見せてると、優しく物静かで聡明で上品で・・・という私が孔明に持つイメージそのまま。そして日本語セリフにはちょっぴり難ありな感じなんですが、これは中国語(吹き替えらしい)なので、その難もなかったし(笑)。 しかし、やはり私はこういう「漢(おとこ)」なお話は大好きだ。なかでもやはり私の心をとらえたのは関羽!かっこえぇー! 趙雲もかっこよかったけど。劉備の子供を背中にくくりつけ「参りますぞ」には、もうしびれました。物語はもちろん面白いんだけど、なんだか「いい男祭り」的なかっこいい男たちがゾロゾロ。うれしすぎます(笑)。 あー、4月のPart2が待ち遠しい。 2008年12月1日(TOHOシネマズ泉北) |