『ラブ・オブ・ザ・ゲーム』

監督:サム・ライミ
出演:ケビン・コスナー。ケリー・プレストン。

ニューヨークのヤンキーススタジアム。ヤンキース対タイガース戦。マウンドにあがるのは選手歴19年のベテランピッチャー40歳のビリー・チャペル。タイガースにとっては今シーズンの消化試合だがヤンキースにとっては優勝を決定する試合。そしてビリーにとってはタイガース売却により来シーズンはトレードに出されるために引退を決する試合だった。ビリーの野球人生。5年前に知り合ったジェーンとの恋がこのゲームに織り込まれる。
ただ単純に野球選手の恋物語なのかと思っていたらこれが大間違い。ゲームのシーンがリアルで野球ファンにとってもおもしろい映画じゃないかなぁ。8回の裏。もう余力がないというビリーにキャッチャーのガスは「おれたちにまかせろ」という、そしてその言葉のとおりにピッチャーを守り立てる野手たち。作り物なんだけど本物の試合のように興奮しました。ただちょっとつっこませていただくと、メジャーリーグの有名スターが40歳で独身って・・・確かに女出入りは激しいよ。って感じは少し挿入されてましたが、ジェーンが私はグルーピーじゃないって当初気構えたのがなんだか肩透かしであまり意味のないような気がするほどビリーが真面目すぎてちょっと面白味に欠けるかな。ケビン・コスナーってなんか陰気なんだよなぁ。と常日頃思っているせいだろうか。

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『ランダム・ハーツ』

監督:シドニー・ポラック
出演:ハリソン・フォード。クリスティン・スコット・トーマス

マイアミ行きの飛行機事故が起こり、警察の内務調査室の巡査部長ダッチは、妻からの留守番電話から彼女がその事故に遭ったと確信し、彼女の行方を探すが、乗客名簿には妻の名前はなく下院議員のケイの夫チャンドラーの妻ということで飛行機に乗っていたことからダッチは真相を突き止めようとケイをたずねる。お互いの妻と夫の死により明らかにされた裏切りに動揺しながらもお互いに惹かれ始める二人のラブ・ストーリー。
なんだかちょっと強引な展開のような気がしないでもないですが、一風変わった大人のラブ・ストーリーという設定でいいんじゃないでしょうか。余計なことは考えないで観るべき映画ですね。考えると観てられないかも・・・(^^;) ラストがよかったです。ズルズルとハッピーエンドなんてことになったら「おいおい・・・」と最後に思い切りつっこみを入れたくなったかもしれませんが、イチからはじめる気配を含んだ終わりがσ(^-^)は気に入りました。ラストシーンのみ気に入った映画です。

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『ラン・ローラ・ラン』

監督:トム・ティクヴァ
出演:フランカ・ボテンテ。モーリッツ・ブライトブトロイ。

ローラの元に恋人のマニからの電話が入る。「助けてくれ、俺は殺される」。事情を聞くと組織の仕事であるブツを10万マルクの金に換えて、その金を運んでいたマニはなんとその10万マルクを地下鉄に置き忘れてしまい、ボスに会う12時までにその10万マルクがないと殺されてしまうというのだ。12時まであと20分しかない。恋人マニを救うためにローラは走る!
はじまってしばらくは何この映画?という感じで見ていたのですが、映画が進むにつれ面白い。タイムラグをうまく使ってるんですよね。しかも最初はなんなの?って思ってたローラとすれ違う人のコマ落としの未来の人生もなぜだか妙に面白く感じてくるんです。この映画σ(^-^)はノレましたね。で、次はどうくる?ってワクワクしながら観ることが出来ました。しかし、ローラはよく走るねぇ。σ(^-^)は基本的に運動全くダメなんで、いくら愛する人のためだとしても、あそこまで走れないね。全力疾走3分もたないだろうな。(笑)

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『リトル・ダンサー』(2000年・英)

監督:スティーブン・ダルドリー
出演:ジェイミー・ベル。ジュリー・ウォルターズ。ゲアリー・ルイス。

1984年。イングランド北部の小さな炭鉱町に住む11歳の少年ビリーは、母を亡くし、炭鉱労働者の父と兄そして少しボケかけている祖母と4人暮らし。ある日いつものように嫌々通っているボクシングの練習用ホールにバレエ教室がやってきた。その日ひょんなことでズルズルとバレエのレッスンに引き込まれてしまったビリーはバレエの楽しさを知る。そしてそのレッスンでビリーにダンスの素質を見抜いたウィルキンソン先生は彼をバレエ教室に誘い、ビリーは翌日から父親に内緒でレッスンを始める。日に日にバレエにのめり込むビリー。しかしある日そのバレエのレッスンが父親にバレてしまう。バレエを父親に禁じられたビリーにウィルキンソン先生はロイヤル・バレエ学校のオーディションを勧めるが父と兄の反対にされ、怒りをダンスにぶつけるビリー。そのダンスを見た父親は息子の才能に気付き、彼の夢の実現の為なら何事も辞さない覚悟を決める。
炭鉱のストライキという現実的な貧しさを背景に11歳というこれからどれだけ輝くかわからない未来を持つ少年の夢とその夢をどんなことをしても叶えてやりたいという家族の愛情をコミカルに織り込んだ気持ちのいい映画です。主役ビリーのダンスは本当にすごい。見惚れましたし、ビリーの友達マイケルもなんとも素敵なキャラです。こういうキャラσ(^-^)大好きです。そしてボケかけたばあちゃんがこれまたいいんだな。ボケているようでいてもちゃんとビリーを応援している。頑固なだけのような父ちゃんも結構お茶目なキャラなのが笑わせてくれます。そしてラスト・・・。15年後のビリー。うぉ〜!!もっとみせてくれぇ〜!!なんであんなワンシーンだけなんだぁ!!映画代の1800円だけじゃ、アダム・クーパーのダンスはそんなにたくさん見せられませんってかぁ!?うぅ〜・・・。映画はよかったのにあのラストでなんだか消化不良になってしまった・・・。σ(^-^)って欲張り?(笑)

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『リトル・ヴォイス』

監督:マイク・ハーマン
出演:ジェーン・ホロックス。ユアン・マクレガー。マイケル・ケイン

やたらとケバくて身勝手な母親と二人暮らしの無口な少女LVは亡くなった父親が残したレコードを大切にし、いつも自分の部屋に閉じこもりレコードを聞き父親との思い出だけに浸っていた。ある日家に来た電話工事のLVと同じようにおとなしくてハトを愛する青年ビリーと心が通い始めていたとき、母親が連れ込んだ男プロモーターのレイ・セイはLVにいつも聞いているスタンダードナンバーの歌手と同じ声で歌うことが出来る才能があることを知り、無理やりに舞台に立たせ、「スター誕生だ!」とおおはしゃぎをするのだが・・・
主演のジェーン・ホロックスがLV同様スタンダードナンバーの歌手の歌真似が出来ることから作られた舞台の戯曲の映画化というだけあって、舞台のシーンは最高ですね。なんとも胡散臭いプロモーター役のマイケル・ケインもよかった。今まで観た彼の役どころとはかなりイメージが違ったのですが、彼が熱唱する「IT'S OVER」もよかったな。おぉ!マイケル・ケインが歌ってるよぉ!と思わず感動してしまいました。全体的にみるとちょっと物足りなさは感じますが、ま、マイケル・ケインの熱唱と舞台シーンの楽しさで帳消しと致しましょうかね。(笑)でもこれ観ながら思ってたのですが、マイケル・ケインと仲代達矢って似てません?

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『リベラ・メ』(2000年・韓国)

監督:ヤン・ユノ。
出演:チェ・ミンス。チャ・スンウォン。ユ・ジテ。キム・キュリ。

連続して放火とみられる不可解な火災が発生していた。消防隊員のサンウはその連続火災の中の1件で相棒を助けきれずに殉職させてしまったことに責任を感じ、その思いを払拭するためかのように危険を顧みず仕事に没頭する。そんなある日またしても火災発生の報を受けて出動しようとするサンウに1本の電話が・・・「邪魔をするな・・・」。そしてサンウら消防隊員をあざ笑うかのように犯人の仕掛けた発火装置により火の手が次々とあがる。
CGではなく本物の炎を使ったという火災シーンはさすがにすごい。でも冒頭の火災シーンはちょっと長すぎないかい?いくら力入れて本物の炎使って臨場感溢れるシーンを撮影したとはいえ、あんだけ長いと飽きちゃうよ。まずまず面白い作品ではあるんだけど、なんか犯人の犯行意図がみえにくいな。極悪非道の犯人にはしたくなかったのかな?それと後半の病院での火災に急行しようとするが車が渋滞していて消防車が動かないってシーン。消防車を降りて走っていく消防隊員たちに声援を送る沿道の人たち。「がんばれ!」なんて言ってないで車どかせよ!(笑)

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『流星』(1999年・香港)

監督:ジェイコブ・チャン。
出演:レスリー・チャン。エリクソン・イッブ。ティ・ロン。

証券会社のトップセールスマンだったウェイは、株の大暴落で今まで築き上げてきたすべてを無くす。そんな夜ウェイの家に1人の男の子が捨てられていた。それから4年。ウェイは船の掃除、荷物の配達など、いくつものアルバイトをしながらすくすくと育ったミンと共に貧しいながらも仕事に追われていた証券マンの頃とは全く違う充足感に包まれていた。そんなある日ウェイとミンが暮らす老人ホームの家主ランはテレビでリャン夫人の"こども未来基金"設立のニュースを見て、ホームの一角を託児所にすることを思いつき、その交渉をウェイに依頼する。やがてリャンとウェイ、ミンの奇妙な交流がはじまるが、ミンを捨てた母親がリャンであったことが明らかとなる。
チャップリンの『キッド』をモチーフとした映画だそうで、甘酸っぱい映画でした。でも、とにかくミンがかわいい!あんなに無邪気であどけない笑顔をされたらどんなに心にトゲを持った人間でもそのトゲが一本も無くなっちゃうんじゃないかと思わせるくらいかわいい。まるで天使です。そしてランに密かに恋する警官のルンがこれまたいい人なんだ。まずは球根。そして植木鉢。そして飼料。と順番に持っていくのがなんとも健気で・・・、一度に持っていかないのは何度もランに会いたいからだという魂胆がミエミエ(笑)。いいなぁこういう人。こういう映画はあまり何も考えず、心だけで観るといいですね。こうあったかく、ちょっと哀しい映画はね。

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『ロザンナのために』(1997年・米)

監督:ポール・ウェイランド。
出演:ジャン・レノ。マーセデス・ルール。

イタリアの小さな村でトラットリアを営むマルチェロの最愛の妻ロザンナは心臓を患いもう余命いくばくもなかった。死に面した彼女の最後の望みは幼くして亡くしてしまった娘のとなりに埋葬してもらうこと。ところがもう墓地は一杯であと三人分しか埋葬する場所がなかった。なんとしても妻の最後の望みをかなえてあげたいマルチェロは妻よりも先に死者を出すまいと、重病患者を必死に見舞い、献血までし、事故が起こっては死者が出ると交通整理にまで乗り出す。そんなマルチェロをますます翻弄するとんでもない事件が起こる。
アハハ・・・まさかこんな作品だったなんて。σ(^-^)はジャン・レノ主演のラブ・ストーリーだと思ってめずらしさのあまり手にしたのに。まっ、確かにラブ・ストーリーと言えば言えなくもないんだけど。でもジャン・レノってこういう飄々とした役やらせたら最高だなぁ。この妙にとぼけた味がいいんですよねぇ。舞台になってる街の景色もいいし、ストーリーもほんわかしたムードだし、余命いくばくもないはずの奥さんは元気だし・・・あれ?(笑)。

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『ロンドン・ドックス』(2000年・英)

監督:ドミニク・アンシアーノ。レイ・パーディス。
出演:ジュード・ロウ。ジョニー・リー・ミラー。レイ・ウィンストン。

郵便配達をしていたジョニーは仕事を辞め、南ロンドンを牛耳るマフィアのボスレイの甥で20年来の友人であるジュードにレイの組織で働きたいと頼む。ジュードは仕方なくレイの元へジョニーを連れて行き、渋るレイを説き伏せジョニーは組織の一員に。組織の一員になったことに張り切るジョニーだが、彼らは極力騒ぎをおこさず、カラオケに興じ日々を穏便に送る彼らの行動が面白くない。マフィアとはもっとダークな世界で抗争なんて当たり前、そんな考えのジョニーは自分一人勝手な行動をとり、そのことにより北と南の抗争が始まってしまう。それを内心喜ぶジョニーだが、レイの部下の一人が命を落としたことにより事態は急変。そしてジョニーを待っていたのは・・・
なんともふざけた・・・いや・・・おちゃらけた・・・おっとっと・・・面白い映画です。途中ちょっとだるくなっちゃったけど、ラストには納得。なんでもこの映画セリフとか即興で俳優さんがつけてたりするそうで、そう考えるとなかなか面白い。この妙におちゃらけたノリは好きだな。おまけに下ネタいっぱいだし(笑)。アラブ人になりすましてダイヤ入りのティアラ強奪しに行く前にバイアグラ飲んじゃって、そのあとみんな立っちゃってるシーンには思わず爆笑しそうになったけど堪えました。劇場であのシーンで爆笑なんてしちゃったら、白い目で見られちゃうもんね。おうちでビデオで爆笑しながら観るにはうってつけかも・・・。ちょっとブラックコメディっぽくていいですよ。でも、イギリスでもカラオケって流行ってるのかなぁ?

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『ロード・オブ・ザ・リング』THE LORD OF THE RINGS(2001年・米)

監督:ピーター・ジャクソン。
出演:イライジャ・ウッド。イアン・マッケラン。ヴィゴ・モーテンセン。

かつて世界を征服しようとした邪悪な冥王サウロンはモンドールの滅びの山で自らの力を最強のものとする指輪を作った。しかし人間とエルフ族の共闘軍との戦いに敗れ葬られたサウロンの指から外れた指輪は人間の王国ゴンドールの王イシルドゥアの手に渡り彼を破滅させ数百年を経た今ホビット族のフロドの手にあった。そして蘇った冥王サウロンが指輪を求め動き出す。指輪をサウロンに渡してはならない。フロドの長い旅が始まる。
おもしろい!私はこれ大好き。原作は全然読んでないから楽しめたのかもしれないけど、さすがRPGの原点となってる作品だけにRPG好きの私を十分に魅了させてくれました。なんだか映画を観ながらもゲームのコントローラー握ってる気分でしたよ。すっかりお馴染みになったドワーフやエルフなんかが出てくるし、ミスリルの鎖帷子が出てきたときには「おぉ!」って感じでしたよ。ゲームではあんなに頑丈じゃないぞぉ!なんて思ったりしてね。約3時間という長さも全然気にならなかったし、ラストの「つづく」って感じの終りもはなっから3部作とわかっていたので気にならなかった。アラゴラン、ボロミアの二人は渋めでよかったし、エルフ族のレゴラスはきれいなお兄ちゃんだし、言うことなし。あぁ、早く第2部が観たいよぉ。

2002年3月21日(ヴァージンシネマズ泉北)

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『ロード・トゥ・パーディション』ROAD TO PERDITION(2002年・米)

監督:サム・メンデス。
出演:トム・ハンクス。ポール・ニューマン。ジュード・ロウ。

1931年。自分の父親のような存在のマフィアのボスルーニーの下で働くマイク(マイケル)・サリヴァンは二人の息子に自分の仕事を悟られないように、寡黙な父親だった。ある日父の本当の仕事が何なのかが知りたくて車に隠れていた長男のマイケルJr.は、父と一緒にいたルーニーの息子コナーの殺しの現場を目撃してしまうことになる。そのことにより、妻と次男がコナーにより殺されてしまう。生き残った長男マイケルを連れてシカゴへ向かうマイク。息子のようなマイクを失いたくないルーニーはこのままアメリカを離れてくれるように祈るが、妻と息子の仇を取ると言い切るマイクに苦渋の末殺し屋を差し向ける。
またまたこの映画でトム・ハンクスアカデミー賞候補か・・・なんて話を聞いていたので、ちょっと嫌な気がしてたんだけど、この映画だったら許す(笑)。この映画のトム・ハンクスはすごくいい。この人こんないい顔してたっけ?なんてファーストシーンで思っちゃった。息子を心から愛しているはずなのに、それをうまく伝えられない不器用な父親を見事に演じている。確かにこの人は本当にうまい俳優さんなんだけど、『フォレスト・ガンプ』以降これ見よがし・・・の感が私にはあったんですが、この作品でそれは見事に払拭されました。
そして、私がこの映画を観に行った唯一の理由のポール・ニューマン様。やっぱりあなたはすごい。あなたの演技には惚れ惚れします。雨の中車のドアに手をかけ立ち尽くす姿にはセリフはないけど、ルーニーの心の言葉がひしひしと伝わってくる。物語もいいし、映像もすごくきれいだし、映画の出来自体すごく最高の作品なんだろうけど、このトム・ハンクス、ポール・ニューマンという組み合わせがこの映画の良さを120%のものにしているんじゃないかな。毛を抜いてまで役作りしたジュード・ロウも忘れてはいけないのだが・・・、トム・ハンクス、ポール・ニューマンこの二人がうますぎたね。あまりインパクトがなかったような気がする。

2002年10月14日(ヴァージンシネマズ泉北)

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『レッド・ドラゴン』RED DRAGON(2002年・米)

監督:ブレット・ラトナー。
出演:アンソニー・ホプキンス。エドワード・ノートン。レイフ・ファインズ。ハーヴェイ・カイテル

FBIの優秀な捜査官であったウィル・グレアムは、"人食いハンニバル"と呼ばれた殺人鬼ハンニバル・レクターを命がけで逮捕したが、その事件により心も体も傷ついた彼はFBIを退官。今は郊外で妻と子供と3人で静かな日々を送っていた。そんな彼の元に元上司のクロフォードが2組の家族が異様な姿で惨殺された事件への協力を求めてきた。事件解明に乗り出すグレアムだが、状況は彼の手だけにはおえず、自らが逮捕することになったが共に事件の真相を解いていった相手でもあるレクターに協力を求めることとなるが・・・。
う〜ん・・・悪くはないんだろうけどねぇ。『羊たちの沈黙』以前の話ということで年齢的な外見の不具合には目をつぶったとしても、何か物足りなさがあるんだよね。この手の作品の面白味はプロファイリングの巧みさであり突き詰め方の面白さなんだけど、どうもそこが弱いような気がする。それにレクターの協力で解明する部分もあるんだけど、レクターとグレアムの中と外の対比がいまいちしっくりこないもんだから、なんかレクターなしでも解決出来たんじゃないかなぁなんて気にもなってくる。比べちゃいけないんだろうけど『羊たちの沈黙』の存在が大きすぎたか・・・。ラスト『羊たちの沈黙』にひっつけてるのがなんか面白かったけど。『羊たちの沈黙』を意識しないように作ったつもりが変に意識しちゃっておかしくなっちゃったのかな?この作品って以前にも『羊たちの沈黙』以前に映画化されてるんですよね。そっちのは観たことないんだけど一度観てみようかなぁ。

2003年2月11日(アポロシネマ)

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『猟奇的な彼女』MY SASSY GIRL(2001年・韓国)

監督:クァク・ジェヨン。
出演:チョン・ジヒョン。チャ・テヒョン。

小さい頃女の子のように育てられたせいか気が弱く、優しい大学生のキョヌ。そんな彼がある日電車で出会った女の子。外見はすごくキュートで彼好みなんだけど、この彼女泥酔状態でフラフラ。いきなりお年よりに席を譲れと若い兄ちゃんにくってかかり席を譲らせたかと思うと吐いちゃったあげくに彼に向かい「ダーリン」とつぶやいて倒れてしまう。周りの乗客から彼氏だと勘違いされたキョヌは仕方なく彼女を介抱することに・・・。それがきっかけとなって彼女に振り回される日々を送ることになるキョヌ。やることなすこととんでもない彼女に振り回されながらも、出会った翌日に見た彼女の涙に彼女の心の傷を知ったキョヌは少しでも自分が彼女の傷を癒せるなら・・・と彼女との付き合いを続けていた。そして彼女の傷はもう癒えたのでは?だったら自分はもう必要がない?という思いがキョヌの心をよぎったとき二人の関係に変化が訪れる。
最高のラブコメディですね。遊び心がいっぱい。彼女のとんでもなさはさることながら、それに絡むシチュエーションがすごく面白い。私が大ウケしたのは電車でガキんちょがいたずら書きした線を越えるとき右足で越えたらキョヌの勝ち、左足なら彼女。で、キョヌが勝ったらデコぴん。彼女ならビンタ。っていうゲームのシーン。なんで電車の中を軍人が行進するんだよ。おまけにこのままなら右足で越える。しかも団体。って時にいきなり線の手前で「足かえ〜」って号令かかるんだもん。もう最高。おかげでバシバシビンタされるキョヌ。ビンタの応酬でヘロヘロになったキョヌの目に映った次の乗客が右足にギブスをして松葉杖ついた人だし・・・どう考えたって右足では越えないよね(笑)。うますぎるよ。見事に笑いのツボついてるし、彼女とキョヌのラブストーリーの展開もかわいくてちょっとほろ苦くってすごくいい。これ観終わって映画館を後にするとき、そういえば自分もかつて「猟奇的な彼女」であった日々があったなぁ〜・・・と遠い昔を思い出しちゃったんだけど、大袈裟に描かれてはいるものの決して人事ではないんだよね。彼女が何故「猟奇的」なまでに過激なのか?きっと心の傷隠して、それをひたすら自分でも癒そうとして、そして自分の側にいてくれるキョヌが本当に癒してくれるのか。癒してもらえる相手なのか。確かめようとしているための行動だと思う。ドタバタのコメディっぽい流れの中にほのかにそれが感じられるもんだから面白くて大笑いしながらもちょっとせつない。私はこの映画大好きだな。

2003年2月26日(ヴァージンシネマズ泉北)

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『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』
THE LORD OF THE RINGS THE TWO TOWERS(2002年・米)

監督:ピーター・ジャクソン。
出演:イライジャ・ウッド。イアン・マッケラン。ヴィゴ・モーテンセン。

前作で、仲間と離れ一人で指輪を捨てる旅に出ることを決意したフロドと最後まで一緒に行くとフロドから離れなかったサム。オークにさらわれてしまったメリーとピピン。そしてその二人を救うためにオーク達のあとを必死に追うアラゴルン、レゴラス、ギムリの三人。サルマンが支配するアイゼンガルドのオルサンクの塔。サウロンの王国モルドールの奥深くにあるバラド=ドゥアの塔。二つの塔の闇の勢力と3つに分かれてしまった旅の仲間達のそれぞれの戦いが展開される。
アラゴル〜ン!おぉ!ガンダルフ〜!キャー!レゴラ〜ス!ギムリったらもう!がんばれぇサム!いいぞメリー!やるねぇピピン!しっかりしろよぉフロド〜。以上。とめの感想終り。・・・って終わらせていいくらいにやっぱりこの作品は大好き。早く続きが観たい。待ち遠しいですね。そうそう前作ではなんだかすごく字幕にブーイングが出てたようですが、どうやらそのブーイングって並のもんじゃなかったようですね。字幕は前作と同じ方なのですが、字幕協力ということで別にお二人の名前が入ってました。思わずそれ見て笑っちゃった。さてさて今回の字幕はどうだったんでしょう?私には英語力がないんで、前作の時もそんなに気にならなかったし、今回も全く気にならなかったんですけどねぇ。

2003年3月2日(ヴァージンシネマズ泉北)

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『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』THE LIFE OF DAVID GALE(2003年・米)

監督:アラン・パーカー。
出演:ケヴィン・スペイシー。ケイト・ウィンスレット。ローラ・リニー

死刑廃止論者の元大学教授のデビッド・ゲイルは、元同僚の女性コンスタンスをレイプしたうえ殺害したという罪で死刑が確定していた。そしてその死刑執行前の3日間で自分の手記を書くようにと女性記者ビッツィーを指名する。彼が犯人だと確信しているビッツィーは当初この仕事には乗り気ではなかったが、彼の話を聞くうちに事件の核心に触れようと必死になる。そして最後の面会日、デビッドはビッツィーに言う「自分がなぜ死ななければならないのか、その答えを24時間で出してくれ」と・・・。
この映画はすごく面白い。だけどその感想を書こうとすると完全にネタばれになってしまう。たったひとつのシーンでも言ってしまうとこの映画の面白さが半減してしまうというくらい、細かく練り上げられた極上のサスペンスだ。ただ言えることはやっぱりケビン・スペイシーは巧い。女性記者ビッツィー役のケイト・ウィンスレットも少し生意気なキャリアの女性を好演している。もちろんコンスタンス役のローラ・リニーもすごい。緻密に練り上げられたサスペンスの醍醐味をそれぞれの俳優が自らの持ち場をしっかりと演じているためにこの映画には無駄がない。「死刑制度」を主題にして問題提起をしている社会派ドラマだと決め付けられて上映館が少ないのは本当にもったいないような気がする。

2003年7月27日(ナビオTOHOプレックス)

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『リーグ・オブ・レジェンド 時空を超えた戦い』
THE LEAGUE OF EXTRAORDINARY GENTLEMEN(2003年・米)

監督:スティーブン・ノリントン。
出演:ショーン・コネリー。シェーン・ウエスト。トニー・カラン。

1899年。ロンドンにある英国銀行が”ファントム”と名乗る鉄仮面の男が率いる近代兵器で武装した軍団に襲撃される。そして時を待たずして今度はドイツの科学者たちが彼らによりさらわれる。このことによりヨーロッパの国々は疑心暗鬼に陥り、一触即発の危機を迎えていた。世界大戦を避けるためにヨーロッパ列強による極秘の和平会議がベニスで行われることになっていたが、“ファントム”の次の目的がこの会議の妨害であることを察知した英国政府は伝説の冒険家アラン・クォーターメインをリーダーに超人的な能力をもつ5人を招集し、“ファントム”の妨害を阻止させることにする。かくしてクォーターメインを筆頭に、潜水艦ノーチラス号のネモ船長、透明人間のスキナー、吸血鬼のミナ、不死身の男ドリアン・グレイ、ジキル&ハイド、そしてそこにアメリカ諜報員のトム・ソーヤが加わった7人は潜水艦ノーチラス号でベニスを目指す。
なんともとんでもない物語ですが、細かいことは抜きにしてとにかく派手で面白かったからいいや。っていう映画でした(笑)。こんな大技な映画は久しぶりに観たな。話の辻褄はよーく考えるとあってるんだかあってないんだか・・・って感じなんですが、とにかく楽しい(笑)。超人同盟。本当にこんなメンバー集まったら怖いものなしだな。いろんな物語の主人公集めてきてるんだけど、こういうのって著作権なんてのにひっかからないのかな?しかも“ファントム”の正体は・・・だし(笑)。もうなんでもあり。しかもあのラスト・・・まさかパート2作るつもりなんでは?なんて思っちゃいましたよ。作れないことはないだろうな。本当になんでもありなんだもん(笑)。

2003年10月13日(ヴァージンシネマズ泉北)

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『ラストサムライ』THE LAST SAMURAI(2003年・米)

監督:エドワード・ズウィック。
出演:トム・クルーズ。渡辺謙。ティモシー・スポール。真田広之。小雪。

1870年代、南北戦争の英雄ネイサン・オールグレンはその後のインディアン討伐戦で味わった失望と悔いがから酒びたりの生活を送っていた。ある日彼の元に日本の政府軍に西洋式の戦術を教えるという仕事が舞い込み彼は日本へと向かう。日本に来ても彼のインディアン討伐での悔いに苛まれた心の傷は癒えることもなく、西洋化される日本に抗い、サムライとして生きる新たな少数派の討伐を命ぜられる。その最後のサムライ勝元盛次の軍が鉄道を破壊したとの連絡を受けまだ未熟な政府軍を率いて出陣したネイサンだが、勝元軍の威力に圧倒され政府軍は敗走、一人奮戦するネイサンの姿に何かを見た勝元は彼の命を助け村に連れ帰る。その村で過ごし、勝元と接するうちに彼の心のうちに刻まれた傷は消え、「武士道」に感銘を覚え、いつしか彼もサムライとして過ごすようになる。
この作品はハリウッド映画だけど、間違いなく時代劇だ。製作発表の記者会見の時からこの映画が上映されれば必ず観にいこうと決めていたが、心の中には結局トム君の「おれ、おれ」映画になっちゃうんじゃないかな・・・という危惧もあった。ところが先行ロードショーで観た人たちから聞こえてくるのは絶賛の声ばかり。そうなるともう観たくて観たくてたまらない。期待度満点での鑑賞。そして結果はその期待度以上にすごいものでした。トム君の自分のスタンスをわきまえた演技とこの映画に賭ける意気込みと努力の成果が見事に結実したと言える素晴らしい殺陣。そしてハリウッド映画だからと浮き足だつこともなく、日本の時代劇はこうなんだと堂々と渡り合った日本の俳優陣。いい加減な日本を描いてはならないというスタッフの意気込みまで感じ取れる。しかしこの映画を観てすごく驚いたのが渡辺謙さん、真田広之さんという二人の俳優がこんなにも大きかったんだということ。昔、三船敏郎さんがスクリーンに現れただけで画が締まるというようなオーラを発していたのと同じような感じを私は受けました。映画の面白さだけではなくいろんな意味で感動できる素晴らしい映画でした。ただ、ハリウッドでここまでの時代劇作られちゃったらもう日本で時代劇作りにくいだろうな・・・なんてことまで思っちゃった(^^;)。

2003年12月7日(ヴァージンシネマズ泉北)

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『ラブ・アクチュアリー』LOVE ACTUALLY(2003年・米)

監督:リチャード・カーティス。
出演:エマ・トンプソン。アラン・リックマン。ヒュー・グラント。ローラ・リニー。リーアム・ニーソン

新しく首相に就任し、首相官邸に入った途端一人の女性に一目ぼれしてしまうデヴィット。若いて美人の秘書ミアにアプローチをかけられふらつくハリーとハリーの行動に動揺する妻カレン。妻に先立たれ傷心のダニエルと片思いに悩む義理の息子サム。2年7ヶ月と3日間同僚を思い続けるサラと思われているカール。弟に恋人を取られてしまったミステリー作家のジェイミーと彼が一人過ごす南仏のコテージのメイドのオーレリア。かつての持ち歌をクリスマスソングにアレンジしてカムバックを果たそうとしているすっかり落ちぶれたロック歌手のビリーとマネージャーのジョー。親友のピーターと結婚式をあげたばかりのジュリエットに恋心を抱くマーク。スターの代役としてカメラの前に立つジョンとジュディ。全くもてないコリンはイギリスよりもアメリカだとアメリカのウィスコンシン州に渡る。総勢19人の愛の物語。
私の好きなリーアム・ニーソンとアラン・リックマンが出ているだけでもうれしいんですが、そのうえに私の好きな群集劇。いろんな人が出てきていろんな物語があって・・・しかもこれはすべてがラブストーリー。なんだか劇場をあとにする足元が軽くステップ踏んじゃいそうに明るく晴れ晴れとした気持ちにさせてくれる映画でした。しかし落ちぶれたロック歌手役のビル・ナイ、なんか『スティル・クレイジー』そのままじゃん(笑)。ま、それはそれで楽しかったのですが・・・。あと、思わず拍手しそうになったのがヒュー・グラント演じる英首相が米大統領との会談後の会見のシーンで「いじめっ子の友達はいりません!」と言ってのけたシーン。うちの国の偉いさんもこれくらい言ってくれないかなぁ(笑)。
日本での公開はクリスマスシーズンをはずれちゃってるんですが、これはクリスマスに見るともっといいかも。ぜひともDVDが出たら購入して、毎年クリスマスに観たい作品です。さわやかな気分になりたいときに引っ張り出してもいいかもしれませんね。

2004年2月9日(ヴァージンシネマズ泉北)

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『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』
THE LORD OF THE RINGS THE RETURN OF THE KING(2003年・米)

監督:ピーター・ジャクソン。
出演:イライジャ・ウッド。イアン・マッケラン。ヴィゴ・モーテンセン。

冥王サウロンが創った邪悪な指輪を捨てるため、ゴラムの案内で滅びの山を目指すフロドとサムだが、道案内のゴラムの目的はフロドの持つ指輪。唯一目障りなサムをフロドから遠ざけ、なんとか指輪を奪おうと画策する。一方、ローハンのヘルム渓谷でサルマン軍を破ったアラゴルン、レゴラス、ギムリ、ガンダルフの4人は、エントと共にオルサンクの塔を襲撃し、サルマンを塔に閉じ込めたピピンとメリーの2人と再会する。サルマンが残したパランティアの石からサウロンがゴンドールを襲うつもりだと知ったガンダルフはアラゴルンに狼煙を合図にゴンドールへ集結するように頼み、一足先にピピンと共にゴンドールへと向かう。冥王サウロンと指輪を捨てる旅の仲間達の最後の戦いがはじまる。
第1作、第2作とわくわくとしながら楽しんだ私はこの最終作が待ち遠しくて仕方なかった。第1作、第2作とも3時間とういう長さだったんだけど、なんとこの最終作は3時間23分とこれまたすごい長さに一瞬怯みそうになってしまった。ところがいざ劇場に向かい映画が始まると時間の長さなんて全然気にならず、3時間23分もスクリーンをみつめていたにも関わらず「え?もう終わり」なんて気になってしまった。さすがに座席から立ち上がると少しお尻は痛かったですが・・・(^^;)。
第1作、第2作はほんの小手調べ・・・と言っても過言ではないぐらいにすごい作品になってて、心底びっくりしましたよ。特に広大な山々に次々とあがっていく狼煙のシーンには思わず涙腺緩みそうになっちゃった。なんでもあとから聞くとこのシーンはCGとかじゃなくって、本当の自然の山をそのまんま利用して撮影しているとか・・・。だから余計にすごいんでしょうねぇ。前作ではガンダルフのかっこよさにしびれちゃったんですが、今作ではサムがすごくかっこいい。男前でしたぁ。アカデミー賞11部門受賞も納得の作品です。

2004年2月23日(ヴァージンシネマズ泉北)

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『恋愛適齢期』Something`s Gotta Give(2003年・米)

監督:ナンシー・メイヤーズ。
出演:ジャック・ニコルソン。ダイアン・キートン。キアヌ・リーブス。

レコード会社を経営するハリーは、63歳でありながら独身。しかもいつも何人もの女性と付き合い、しかもその女性たちはすべて30歳以下の美女ばかり。そんな彼が新しい彼女マリンと共に彼女の母親の別荘にやって来た。ところが運悪くマリンの母エリカと叔母ゾーイも別荘にやってくる。仕方なく4人で過ごすことにするが気まずい雰囲気の夕食後ハリーが心臓発作で倒れてしまう。大騒ぎで病院に運ばれるが、退院後もしばらくは車での長距離の移動は無理だと言われエリカと共に別荘で過ごすことに。はじめは険悪なムードだったハリーとエリカだかひとつ屋根の下で暮らすうちに互いに惹かれあうようになるが・・・
冒頭、ジャック・ニコルソン演じるハリーが30歳以下の美女しか相手にしないプレイボーイという設定に思わず「え〜っ!?」と心の中で叫んでしまいましたが、映画が進むうちになるほどね・・・と納得。なんだかこの人年とってからコミカルな演技が増えたような気がするんだけど、こんな俳優さんだったっけ?(笑)。なかなか面白いラブコメディでしたよ。ジャック・ニコルソンならでは・・・ですね。それにしてもこの邦題どうにかなんないんでしょうか?ジャック・ニコルソンが出ているラブ・コメディだからって『恋愛小説家』とセットになりそうなタイトルつけることないと思うんですけどねぇ・・・(^^;)。そうそうこの映画観てて思わず「おぉ!」と懐かしさに声をあげそうになったのがポール・マイケル・グレイザー。大好きでよく観てたんですよねぇ『刑事スタスキー&ハッチ』。年取って渋さが出て若い時よりかっこよかった。ハッチはどうしているんだろう・・・っと・・・この映画とは関係ないか(笑)。

2004年3月29日(TOHOシネマズ泉北)

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