『ノーバディーズ・フール』(1994年)

監督・脚本:ロバート・ベントン
出演:ポール・ニューマン。ジェシカ・タンディ。ブルース・ウィリス。

ニューヨーク州、雪に覆われた小さな町ノース・バス。恩師ミス・ベリルの家に下宿し、家族もなく、金もなく、定職もない60歳の土木作業員のサリーは、半年前に工事現場で痛めたひざの傷に悩まされながらも、自分に唯一の信頼をおいてくれているミス・ベリルの雑用をこなし、少しおつむの弱い仕事の相棒ロブの面倒を見、仕事をもらっている建築会社の社長カールに憎まれ口をたたきながら、夜はいつものバーで仲間とポーカーに興じ、毎週万馬券を夢みて同じ馬券を購入し、平凡な日々を送っていた。そんなサリーにこの冬は特別なことが起こる。昔に捨てた息子との再会、はじめて出会う孫。ミス・ベリルの発病。カールの妻トビーとの淡い恋。
とにかく素敵な映画です。σ(^-^)は大好きなんです。何がいいって何か特別なものをもっている訳でもない普通の人々がおりなす日常。それでいてそれぞれが本当にいい人で、不器用で・・・。しかも少しの悲しさを胸に秘めている。主人公サリーのポール・ニューマンがすごく素敵なんですよ。やんちゃでシャイで・・・。それにちょっと憎らしい建築会社の社長カールのブルース・ウィリスもいいですよ。この二人仲がいいんだか悪いんだか・・・。こういうのが案外本当の男の友情だったりするのかもしれませんね。それにこの作品はσ(^-^)の好きなジェシカ・タンディの最後の作品です。この作品でも彼女らしく気品があり、少しお茶目な素敵なレディーを演じておられます。出演者も登場人物もストーリーもすべてがσ(^-^)好みの大好きな作品です。σ(^-^)の夢でもあるんですよね。こういう小さな町でごくごく普通に自然に暮らすのが・・・。

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『ノッティングヒルの恋人』

監督:ロジャー・ミッチェル
出演:ジュリア・ロバーツ。ヒュー・グラント。

ノッティングヒルで旅行書専門店を経営するウィリアムが街角で偶然にぶつかってしまった女性に次第に惹かれ恋に落ちるというラブストーリーなんですが、ぶつかった相手がハリウッドの有名女優のアナというのがこれまたややこしいんですよ。(笑)
なかなかかわいくて素敵なラブ・ストーリーです。ただσ(^-^)はこの映画主演の二人だけにクローズアップするような作品だったらあまりおもしろくなかったかも。って 思います。脇に出てくるウィリアムの友人たちがいいんですよ。特にウィリアムの同居人のスパイクはもう最高。笑わせてくれます。彼がいなければσ(^-^)にとってこの映画は 単なる夢物語の恋愛映画という格付けになっていたかもしれませんね。
スパイクの登場シーンで彼が着ていたTシャツが妙に気に入ってしまった。(^^;)

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『ニューヨーク最後の日々』PEOPLE I KNOW(2002年・米)

監督:ダン・アルグランド。
出演:アル・パチーノ。キム・ベイシンガー。ライアン・オニール。ティア・レオーニ。

ニューヨークのベテランパブリスト(政治家や芸能人をクライアントに持ち、彼らをアピールするための宣伝企画をする一方でスキャンダルのもみ消しなどをする仕事)のイーライは、30年もこの街で昼夜を問わない仕事に明け暮れていたが、体力と気力は彼の限界にきていた。漠然と引退を考えながらも自らが企画した難民救済のパーティーの準備に奔走する。そんなとき長年のクライアントである映画俳優のケアリーから女性スキャンダルのもみ消しの仕事を頼まれる。仕方なく依頼を受け、警察に拘留されているケアリーのお相手の女優を引き取りに行き、飛行機に乗せれば彼の仕事は終わり・・・のはずだったが・・・。
アハハ・・・私またこの映画を勘違いして観にいってしまいました(^^;)。「第一線で活躍してきた彼は人生に疲れきっていた。死んだ弟の未亡人との未来を夢みるが・・・」というストーリー紹介にすっかりラブストーリーだと思ってしまったんですねぇ・・・はぁ〜。なんともブラックな映画でした。救いようのないラスト。ま、人生って本当はこうかもしれませんね。いやぁ、しっかしすっごい久しぶりに映画の中でライアン・オニールを見ることが出来ただけでもよかったかも(笑)。去年だったかな?アカデミー賞に彼が出てきたの。あのときのデブデブぶりには本当にびっくりしましたが、さすがに映画に出るとなるとシェイプアップするようですね。でもこの映画の彼なかなか面白い役でしたよ。いい味だしてました。ヨレヨレのアル・パチーノもやっぱこの人うまいよなぁ・・・って思いましたが・・・物語自体は・・・私にはわかりません(笑)。

2003年7月13日(敷島シネポップ)

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『女房の殺し方教えます』How To Murder Your Wife(1964年・米)

監督:リチャード・クワイン。
出演:ジャック・レモン。ヴィルナ・リージ。テリー・トーマス。

売れっ子漫画家のスタンリーは独身だが、一緒に暮らす執事のチャールズが彼に献身的に尽くしてくれているので何不住のない生活を送っていた。ところがある日パーティーのアトラクションでケーキから出てきた女性に酔った勢いで結婚を申し込んでしまう。しかもその場に判事もいたためにそのまま結婚は成立。翌朝酔いが醒めたスタンリーはその女性フォードに事情を説明するが、なんと彼女はイタリア人で英語がほとんどわからないうえにイタリアでは離婚はありえないという。実体験を元に漫画を描いていたスタンリーの漫画はいつしかハードボイルドから女房に振り回せる情けない亭主というコメディに変貌。そこで漫画の主人公だけでも元の生活に戻すことを決意した彼は漫画の中で妻殺しを実行するが・・・
この映画はむか〜し、テレビの洋画劇場で2,3回観た事があって、ずっともう一度観たいと思ってた作品なんですよ。まさか新しく出来たレンタル屋でこの作品に再会するとは・・・うれしい。小学校や中学校の頃にこの作品を観て、もう一度観たい作品にインプットしている私もなかなか変な奴だとは思いますが、とことん女をコケにしながら、最後には・・・という作りがすごく面白いんですよ。そしてこの映画の見所はなんと言っても、実体験を元にしてしか漫画を描かないスタンリーが漫画で女房を殺してしまったものだから、実際にも妻殺しで逮捕され、裁判にかけられる。そこですっかり女房の尻に敷かれたハロルドが弁護士だと勝ち目がないと悟った彼がなんと自ら自分の弁護のために証人としてハロルドを証人席に座らせ、チョークでボタンを書き「さぁ!このボタンを押せば誰にも知られることもなくあなたの妻をこの世からいなく出来る!」世の男性の心を代弁するかのようなこのシーン。本当にこのシーンは見事です。そして一言添えるとするならば・・・この映画を観て怒るような女なら一緒にならないことですね(笑)。

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『ネコのミヌ−ス』MINOES(2001年・オランダ)

監督:フィンセント・バル。
出演:カリス・ファン・ハウテン。サラ・バンニール。テオ・マーセン。

人と話すのが苦手な新聞記者ティベは、猫の出産記事を書いて編集長に猫以外の記事を書かないとクビだと宣言されてしまう。なんとしても猫以外の記事を書かないとと悩むティベの前にヘンな女の子が現れる。彼女の名前はミヌース。なんと以前は猫だったというのだ。最初は信じられないティベだが、彼女が猫のネットワークを使って仕入れてきたネタは墓地に埋蔵された金貨の話。おかげでティベのクビはつながる。そこでティベはミヌースを住み込み秘書としてネコたちから情報を集めることに、もちろん謝礼は魚。かくしてティベは新聞社のトップ記者となり車まで貸与してもらえる身分に。ある日、動物友の会の会長に町一番の大工場の経営者で、町の名士でもあるエレメートが就任することに・・・ところがこのエレメートは猫仲間の間ではすこぶる評判が悪かった。そんな彼の悪事を暴きたいミヌース。そして事件が起こる。
これはネコ好き必見の超らぶり〜ファンタジーです。ネコたちが話すシーンでは口を動かすという小細工(CGというのか?)をしているものの、それ以外の動きはまったくの自然なのがいい。悪い奴をまんまと罠にはめて「やった〜!」と喜んで帰るミヌースの後ろをついて走るネコたちのちゃんとしっぽをピンとたててうれしそうに走っていく後ろ姿に感動しました。ネコってうれしいときしっぽを立てるんですよね。ネコたちもほんとうにこの映画の出演を楽しんでいるんだって思っちゃいましたよ。ミヌース役の女の子がすごくチャーミングだし、ネコだったんですよぉ〜という仕草がとても自然でこれまたかわいい。文句なしに素敵な映画でした。ネコ好きは特に楽しめるけどそんなにネコが好きでなくったって子供と一緒にさわやかに観れる映画です。絶対DVD買うぞぉ!

2004年5月17日(心斎橋シネマ・ドゥ)

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『ネバーランド』Finding Neverland(2004年・米/英)

監督:マーク・フォースター。
出演:ジョニー・デップ。ケイト・ウィンスレット。ジュリー・クリスティ。ラダ・ミッチェル。ダスティン・ホフマン。

1903年のロンドン。劇作家のジェームズ・バリは新作を発表するも舞台は失敗、酷評に晒されることに。その翌日、バリは散歩に出た公園でシルヴィアと4人の息子たちと出会う。幼い彼らの無邪気さに惹かれるバリ。そして中でも父親の死後、子供らしさを失い頑なに心を閉ざす三男のピーターに、興味を示す。彼らとの交流の中、バリは幼い頃自分が夢見たネバーランドを思い起こし、新しい作品の創作と彼ら兄弟との交流に夢中になる。やがて新作『ピーター・パン』が誕生するが・・・。
面白かった。空想に遊ぶ彼らの現実世界から空想の世界に展開する映像が面白い。この映画がいいのか『ピーター・パン』がいいのかわかりかねる部分も自分の中にはあるのですが、やはり『ピーター・パン』というのは永遠の名作なんでしょうね。劇中劇にさえ夢中になってしまった。そしてこの映画私の好きなパターンで登場人物に悪人がいないんですよね。で、これまた好きなパターンでみんな不器用ときている(笑)。で、中で誰が一番いいってそりゃ勿論ポーソスなんですけどね。彼いいですよぉ・・・あんな子欲しいな。え?ポーソスって誰だ?って、あの熊になりたがってるワンちゃんじゃないですか!彼の登場はすごく重要だと私は思うんですけどねぇ。きっと彼がいなければバリは子供たちとあそこまで交流出来なかったと思うな。私も彼とダンスがしたい!(笑)。子供は成長して大人になる。でもその大人になったとき「妖精はいる」と思ったらちょっと危ない人かもしれませんが、「妖精はいると思いたい」と思っていれば少しは優しく穏やかになれるのかもしれません。

2005年1月17日(TOHOシネマズ泉北)

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『ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女』(2005年・米)

監督:アンドリュー・アダムソン。
出演:ウィリアム・モーズリー。ティルダ・スウィントン 。アナ・ポップルウェル。

第二次世界大戦下のロンドン。日毎激しくなる空襲にペベンジー家の4人兄妹は疎開のため、田舎の古い屋敷に預けられることになる。慣れない暮らしと厳格な女執事に躊躇う4人は退屈しのぎにかくれんぼを始める。そしてその時末っ子のルーシーはある部屋の中にあった幕の掛けられた衣装ダンスをみつけ、その中に隠れようと扉をあけ中に進んでいくとなんとそこは一面に雪が降り積もる森になっていた。その森は白い魔女により100年もの間冬に閉ざされたナルニア国だった。二人のアダムの息子と二人のイブの娘によりナルニアの長い冬は終わる。その言い伝えが彼ら4人兄妹が衣装ダンスの扉を開けこの世界へやってきたことで今現実のものになろうとしていた。
『指環物語』もそうだったのですが、こちらの『ナルニア国物語』も私原作は読んでないんですよね。でもこういうファンタジーものって大好きなんで絶対に見逃せないと思い劇場へ。それにしてもすごい時代になりましたよねぇ。こういう作品があっさりと素晴らしい映像として目の前に現れるようになるんですから。しかもこの主人公たち4人兄妹がいい!もう物語そのまんまに普通の子っていう雰囲気が物語を引き立てます。次男のスレ具合もなかなかなもの。お菓子につられて妙に小悪党っぽいところがよかったですよ(笑)。ただただ残念なのは、友人の子供と一緒に観賞ということで吹き替え版だったんですよねぇ。うっぅ・・・リーアム・ニーソンの声聞きたかったぁ。第2章でもアスラン登場するようですので、次回に期待か・・・とか言いながら字幕版も観に行ってしまいそうな気が・・・(笑)。

2006年3月27日(アポロシネマ)

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『ナイロビの蜂』THE CONSTANT GARDENER(2005年・英)

監督:フェルナンド・メイレレス。
出演:レイフ・ファインズ。レイチェル・ワイズ。

赴任先のアフリカで、英国一等書記官のジャスティンは、正義感が強く、スラムの医療の改善のボランティアに精力的に取り組む妻テッサの真直ぐさに押され気味ながらも幸せな生活を送っていた・・・はずだった。ある日ナイロビからロキへと旅立つテッサを見送ったのが彼女との最後の別れとなる。しかも彼女の死は事故ではなく他殺。テッサの死に疑問を感じたジャスティンは一体、自分の妻が何をしていたのか?何故殺されなければならなかったのかを調べ始める。妻の死により、妻の心がわからなくなってしまったジャスティンが事件を調べるうちに政府の陰謀と、妻の深い愛を知りことになる。
妻の死により事件に深く関わることになるジャスティンが、妻の生前の行動を追い、事件を暴いて行く様はサスペンスタッチで、すごく面白い。しかも、行動的で精力的な妻テッサと対照的に夫ジャステインが、頼りなさを残しながらも必死に事件を暴く姿もなかなか面白い。ヒーロー的じゃないのがリアルでいいんですよね。・・・が、しかし。全体的に私はこの映画乗れなかった。何がダメって、もうとにかく私は諦めるドラマはダメなんだよぉ〜!!ってことでとりあえずネタばれ改行。






友人から危険だからもう帰れと言われて「どこへ?」「僕の帰る場所はテッサなんだ。だからもう帰る場所はないんだ」ってなことを言うシーンで、思わず私はグーを握り締めていた。そしてラスト、彼はテッサの死の場所へ行き、彼女の元へ行ける結果を待つ。確かに妻の仇は討ったんだろう。だけどそれでいいの?だったら何のためにテッサは一番簡単な方法である夫を巻き込むことをせずに、面倒な策をとったんだ?そしてテッサの死はそれ故に導かれてしまったって言えなくもないだろう?危険を冒してまで守りたかったっていうテッサの気持ちは一体どうなるんだ?愛する人を失った苦しみと悲しみを背負って生きていくほどつらいものはないのかもしれないけど、やはり私は生きてこそ人だと思う。テッサがこのあと生きていたらしたであろうことを考えながら、テッサの明日を自分の明日になぞらえて生きてて欲しかった。

2006年5月29日(アポロシネマ プラス1)

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