『ペイ・フォワード[可能の王国]』(2000年・米)

監督:ミミ・レダー
主演:ケビン・スペイシー。ヘレン・ハント。ハーレイ・ジョエル・オスメント

中学1年の最初の日、シモネット先生がみんなに出した課題は「自分の手で世界を変える事」そしてトレバー少年が考え出したことは「ペイ・フォワード」まず自分が身近にいる3人に善意を施し、そしてそれを受けた人はその相手に返すのではなくまた別の身近な人3人にそれを贈るというものだった。早速彼はそれを実行に移す、まずはホームレスのジェリーに。彼を家に連れて帰り食事を与え、自分の小遣いをあげた。そして次に彼がしたのは社会科のシモネット先生と自分の母親をくっつけること。シモネット先生は顔にやけどの痕を持ち、社会に心を閉ざして生きていた。そして母親のアイリーンもアル中に苦しんでいた。シモネットとアイリーンも互いに惹かれうまくいくかのように思われたのだが・・・。自分の「ペイ・フォワード」がうまくいかないことに悩むトレバーだが、彼のその思いは意外なところへと広がっていた。
「ペイ・フォワード(先贈り)」なかなかいい考えです。ハーレイくん。かわいいね、上手いね。え?これからこの映画を観る人のために物語の結末をお話ならないようにして下さい。だって・・・。はいはい。そんなもん話しゃしないよ。もうんなもんどうでもいいのさ、σ(^-^)には。いやぁ、ケビン・スペイシーかっこいい。顔にやけどの痕があってもかっこいい。トレバーが家出をしてアイリーンと共に車で彼を探しに出かけたときの車での彼の優しい声。アイリーンの元へ意を決して出かけるときに必死に服を選ぶ姿のなんとかわいいこと。自分の過去を語るときの悲しい瞳。ああ・・・もうσ(^-^)の目にはスペイシー様しか映らなかった。かっこよすぎるよ。やっぱこの人上手いよなぁ。心と体に負った傷を見事に演じきっている。アイリーンとのベッドで自分のシャツのボタンをはずすのに躊躇する時のあのすがるような悲しく優しい目。あんな目でみつめられたらわたくしその場に立っていることすら出来ないでしょう。はぁ〜・・・よかった。え?映画の感想どうでもいいってことないだろって?いや、それは「先送り」とさせていただきます。チャンチャン。お後がよろしいようで・・・。

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『ボーイズ ドント クライ』(2000年・米)

監督:キンバリー・ピアース
主演:ヒラリー・スワンク。クロエ・セヴィニー。

1993年、ネブラスカ州リンカーンに住む20歳のティーナ・ブランドンは髪を短くカットし、男物のシャツにジーンズそしてジーンズの中にソックスを丸めて詰め込み、自分の本来の姿であるべき男として生活しようとしていた。しかし自分の本当の姿を知っているリンカーンではそれは不可能であったために、彼女・・・いや彼は町を出てフォールズ・シティにたどり着く。地元のバーで知り合ったキャンディス、ジョン、トムらと意気投合した彼はそのまま彼らと行動を共にし、ジョンが密かに思いを寄せるラナとの出会った時、彼は一目で彼女に惹かれてしまう。そこでの彼ブランドン・ティーナの生活は快適なものだった。彼の不思議な魅力に惹かれる女の子たち、彼を仲間として受け入れてくれるジョン。そしてラナとの恋。しかし女性の体と男性の心を持つ彼ブランドンの現実がフォールズ・シティでの快適な生活を奪うことになる。性同一性障害のティーナ・ブランドンに起こった実話を元にした映画です。
ブランドン役のヒラリー・スワンクが見事にチャーミングな男の子に見えるのがすごい。この映画の重要なポイントがぴたりとはまってます。しかしσ(^-^)はこの映画を観て非常に不思議だった。性同一性障害のブランドンがわからないというのではない。どうして車の窃盗とかの犯罪を犯さなければいけなかったのかがわからない。事件の事実は的確に捉えているのだと思う。だけど、なぜこの事件を題材にしたのかの理由がこの映画を観て何も伝わってこなかった。ブランドンを取り巻く周囲の人たちの狭量な心を捉えて何か言いたかったのか?漠然と事実を突きつけてどう考える?と言いたいのか?出来ればもっとブランドンを掘り下げてみて欲しかった。彼が犯罪を犯すのは女の体を持ちながら男として生きるためには仕方がなかったことなのか?どうしてもそのことがこの映画を観終わっても気になって仕方がなかった。

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『ボーン・コレクター』

監督:フィリップ・ノイス
出演:デンゼル・ワシントン。アンジェリーナ・ジョリー。

ある日資産家の夫婦が行方不明となり、線路わきの土中に埋められた男性の死体がみつかりその夫の方だということが判明するが、彼の指が切られ、そこに妻の指輪がはめられ、まわりには意味不明な物的証拠が残されていた。ニューヨーク市警科学捜査班のポーリーは元同僚で4年前に事故で動かせるのは肩から上と、左手の薬指だけとなってしまい、寝たきりとなってしまった犯罪学者でもあるニューヨーク市警の科学捜査班の刑事リンカーン・ライムの元に捜査協力の依頼に行き、ライムによりこの事件は連続される猟奇殺人だとわかる。そしてライムの部屋が捜査本部のようになり、彼は死体の第一発見者であるパトロール警官アメリアの的確な証拠収集能力に気付き、次に起こるはずである残忍で忌まわしい殺人を阻止するために彼女を自分の助手に任命する。当初は専門外である自分がなぜここまでしなければいけないのかとライムに反感を覚えるアメリアだがやがて、彼に信頼をよせ、彼の手足となって事件解明に奔走する。
出来る捜査官がひとりで難事件を解決するのではないというつくりが非常に楽しませてくれました。登場人物すべてに人間臭さがあっていいですねぇ。アメリアもライムに見込まれて捜査にあたっていくのですが、できる警官なんだけど、その「できる」という部分に嫌味がないのがいい。アンジェリーナ・ジョリーのうまさなんでしょうか。看護婦のセルマもいいですねぇ。それと現場に残された紙片をパズルのように組み立てるシーンでライムが「パズルクィーン」と声をかけてセルマにまで手伝わせるのが「おれが、おれが」じゃなくって非常に好感が持てました。

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『僕のボーガス』

監督:ノーマン・ジェイソン
出演:ウーピー・ゴールドバーグ。ジェラード・ドバルデュー。ハーレイ・ジョエル・オスメント

サーカス団員の母親と二人暮しのアルバートは団員たちにもかわいがられ、いくつかの手品もマスターして楽しく暮らしていたがある日その母親が交通事故で亡くなり、サーカスに残りたいと主張するが、旅暮らしには連れて行けないと母親と同じ里親の元で育ったハリエットに引き取られることになる。そしてハリエットの元に向かう飛行機の中で彼は空想上の友人ボーガスと出会う。子供をどう扱っていいのかわからないハリエット。母親の死から立ち直れずハリエットとも馴染めないアルバート。この二人がボーガスを間に新しい家族として結ばれるお話。
これ1996年の作品なんですが、劇場でも大きな劇場ではかからなくって見逃し、レンタルビデオ屋に並ぶのを待っていたけど結局並ばなかった。(・・、)しかもビデオはもう廃盤になってるし。が、最近出来たレンタル屋でやっとみつけたんですよね。いい映画だと思うんだけどなぁ。とにかく優しい気持ちになれます。しかもアルバート役は『シックス・センス』でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたあのハーレイ・ジョエル・オスメントくん。いやぁ実にかわいい! 母親が亡くなって「ママはどこに行ったの?」なんてありふれたお涙頂戴じゃなくって、健気に「ママは悲しいのが嫌いだったんだ!」と涙をこらえるアルバート。かといってジメジメしてなくて、ファンタジックでσ(^-^)は好きですね。たまにはこんな映画観て心にはえてるトゲ抜いとかないとね。(笑)

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『ホワット・ライズ・ビニース』

監督:ロバート・ゼメキス
主演:ハリソン・フォード。ミシェル・ファイファー。

クレア・スペンサーは心優しき夫遺伝学の教授であるノーマン・スペンサーと幸せな日々を送っていた。しかし、娘のケイトリンがボストンの大学へ行き、家を離れて暮らすことになった日から彼女は娘がいなくなった喪失感を拭えずにいた。そんなある日ケンカの絶えない隣家の妻メアリーから夫が恐ろしいという告白を聞き、心配になったクレアは翌日隣家をたずねるが、家には人影はなく、その夜隣家の夫が何か大きなものを運び出す姿を目撃する。そしてその日からクレアの家で奇妙な現象が続き、恐怖におののくクレアはきっと隣家のメアリーが夫に殺害され、自分に助けを求めているのだとノーマンに訴えるが、ノーマンは娘のケイトリンがいなくなって精神的に疲れたせいだと思い、精神科医ドレイトンの診察を受けるように勧める。しかし家の中の心霊現象がおさまることはなかった。本当に隣家のメアリーの霊なのか?それともクレア自身が引き起こしているものなのか?
こういう映画はサスペンス・ホラーとでも言うのかな?ヒッチコックを意識したなかなか凝った演出の映画でしたね。σ(^-^)は『サイコ』とかは嫌いではないので、十分に楽しめました。怖がりのσ(^-^)にはちょっとキツイかな?というシーンもありましたが、この映画は映像よりも音が怖い・・・(^^;)。何度音でビビらされたか・・・。だからもしかしたら家でビデオでこれ見たら怖くないかも。凝った演出練りに練った脚本・・・というイメージが非常に強い作品なんですが、σ(^-^)としては観終わってちょっと疲れたなぁ。ホラ手品で右手でオーバーアクションしたり大きな花ちらつかせたりして客の目を惹いておいて左手でコチョっとタネしかけて「どうだぁ!」って感じで出来上がりを見せて客を驚かせるじゃないですか?あれでもし、右手で目を惹いてそしてまた左手でも目を惹いてそんでもってとなりのアシスタントまでもでっかい花もってきて目を惹いたとしたら、だからなんなんだよぉ!って感じで手品終わっちゃうような気がしません?なんだか妙なたとえですが、σ(^-^)にはこの映画そんな感じなんですよね。必要な目くらましと必要でない目くらましとでも言うのかな。あんなに目くらましいっぱいいらなかったんじゃないのかな?って。基本的な線だけでも十分に堪能出来る映画だと思うんですけどね。

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『ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ』

監督:アナンド・タッカー
主演:エミリー・ワトソン 。レイチェル・グリフィス。ジェイムズ・フレイン

20世紀最高のチェリスト、「多発性硬化症」で夭折したジャクリーヌ・デュ・プレの姉ヒラリーが彼女の死後12年たって、執筆した原作をもとに映画化され作品。
音楽好きの母の影響で姉はフルートを、妹はチェロをそれぞれに習っていた仲の良い姉妹。はじめは姉のフルートが絶賛され、姉に追いつきたい姉と一緒にいたいという思いだけで必死にチェロに取り組む妹のジャッキー。やがてジャッキーはその才能を開花させ、姉を凌ぎ華々しく音楽界にデビューする。妹ジャッキーの成功を複雑な思いでみつめる姉ヒラリー。自分にはフルートの才能がないことを知り、ジャッキーへの嫉妬に苦悩するヒラリーを救ったのは指揮者キーファの愛だった。そして彼女は音楽を諦め普通の暮らしを選ぶ。一方ジャッキーはチェリストとしての最高の賞賛を浴びながらも家族から離れている孤独感に苛まれ、普通の暮らしを選んだ姉の幸せに嫉妬する。
残念ながらσ(^-^)は一人っ子なので分け合うという感覚がわからない。勿論姉妹愛なんてのも全くわからないのですが、この映画「ヒラリー」と「ジャッキー」という章に分けていたのが非常にわかりやすくてよかった。「ヒラリー」の章でジャッキーから送られてくる洗濯物になんて傲慢な女なんだという印象を抱き「ジャッキー」の章でジャッキーが洗って送り返されてくる洗濯物に我が家の匂いだと喜び枕もとにその洗濯物を広げて眠るシーンで「そうかぁ」と納得させられる。うまい作りです。精神的に追い詰められたジャッキーがヒラリーの元へ来て彼女の夫キーファと寝たいと言われ、最初は躊躇するが彼女のただならぬ様子に夫を説き伏せジャッキーの元へ行かせるシーンもそんなバカな。と思いつつもそんなに嫌悪感も覚えず映画を観終えた。・・・が・・・観終わって、ふと我に返りひねくれもののとめさんは考えた。なんだかヒラリーだけがいい奴してない?ジャッキーの才能に対する嫉妬はそれなりにあるものの、そんなにすさまじい嫉妬ではない。だけどジャッキーの方はヒラリーの夫まで共有したいと言い出す傍若無人ぶり、おまけに難病に侵されて夫は献身的な看病もそこそこに他に女作っておまけに子供まで?そして最後には夫が食事を与えるが食べないジャッキーに私が替わるわとヒラリーが食事を与えるとおとなしく食べたって? 死人に口なしだね。夫を共有したのも事実だろうし、ジャッキーの夫に女がいたのも事実かもしれない。だけどどうもジャッキーが難病に侵されてからのジャッキーの苦悩がスコンって抜けてるのが気になる。ま、原作読んでいないんでなんとも言えませんが、もしこの映画が原作に忠実なんだったら、妹の死後12年もしてなんでこんな本書いたの?とσ(^-^)は聞きたい。

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『光の旅人 K-PAX』K-PAX(2001年・米)

監督:イアン・ソフトリー。
出演:ケヴィン・スペイシー。ジェフ・ブリッジス。メアリー・マコーマック。

グランド・セントラル駅でスリに間違えられた一人の男が警察に連行される。スリの容疑は晴れたが彼はそのまま精神病院へ送られることになる。彼の名はプロート、K−PAX星から光エネルギーに乗ってやってきた異星人だと主張していた。彼の担当となったパウエル医師は妄想におかされているにしては理路整然と光旅行や宇宙についての説明をする彼に興味を覚える。しかもプロートは他の患者たちに接することで彼らの心を開き彼らの病状を軽くしていく。そんなある日プロートは7月27日にK−PAXへ戻ると言い出す。五年前の7月27日に地球に来たと言う彼の言葉を思い出したパウエル医師はその日が彼にとって重大な日だと直感し7月27日までにその日に彼に何が起こったのかを解き明かすべく奔走する。果たしてプロートは本当に異星人なのか?妄想病患者なのか?
この映画も今流行りの言葉「癒し系」なんてのでひっくくられてるけど、もうそういうのやめないかなぁ。なんかそんな言葉でひっくくられるとすごくつまんない映画みたいな気がしてくるんだよね。案の定劇場出た後そんな言葉に釣られてやってきたらしき中年のアベックが頭かかえてたよ。癒されたいとかただ感動したいとかだったらビデオ屋で毎日『一杯のかけそば』でも借りて観てたら。で、そんな奴らが「う〜ん、なんかわかりづらかったなぁ、そんなに感動しないしぃ・・・」なんてぬかすんだよね。え〜い!黙れ!おまえらにこの映画の良さがわかってたまるか!この映画のスペイシー様の魅力全開最高級の演技がわかってたまるか!ひょこたんひょこたんとかわいく歩く仕草。無表情でいながらあの純真無垢な穢れのない瞳。そしてその純真無垢な瞳のままで難しい宇宙理論を説明するなんて高等技。すごいぞ。なかなかできないぞ。どうしても難しい言葉並べると人間って偉そうな目になったり冷たい目になったりするのに、彼は穢れのない瞳のままでやってのけてるんだぞ。しかも今回の彼てっぺんはげなんだぞ(涙)。ま、スペイシー様抜きにしてもこの映画は私好き。ラストがいいな。「自然治癒力」という概念は私も好きだし、信じているしね。

2002年4月13日(三番街シネマ)

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『ハリー・ポッターと賢者の石』HARRY POTTER AND THE PHILOSOPHER'S STONE

監督:クリス・コロンバス
主演:ダニエル・ラドクリフ。ルパート・グリント。エマ・ワトソン。ジョン・クリース。

1歳の時、唯一の親類だからとダーズリー家に預けられたハリー・ポッターは11歳の誕生日を向かえた日一通の手紙を手にする。そこには『ハリー・ポッター殿 ホグワーツ魔法魔術学校に入学を許可されたことをお知らせします…』と書いてあった。今まで両親は交通事故で死亡たと聞かされ、ダーズリー一家にいじめられていたハリーははじめて、両親がホグワーツ魔法魔術学校出身の優秀な魔法使いだったことを知り、自らも魔法使いだと知らされる。そしてホグワーツ魔法魔術学校に入学したハリーを待っていたのは両親の死にまつわる”賢者の石”をめぐる冒険だった。
私はこの原作を全く読んでいないのだが、きっと原作にすごく忠実に描かれた映画なんだろうな。という印象を受けた。映像もきれいだし、物語だって決して面白くない訳ではない。だけど、なんだか物足りない。全般的にきれい事すぎるんですよね。いい子ちゃんはどこまでいってもいい子ちゃん・・・って具合にね。第2作、第3作と続くらしいですが、このあともずっとレンタルビデオでいいや。きっとこの作品は劇場まで足を運んでよかったと思うほど私には感動を与えないだろうな。ただこの作品に出てくる子供たち・・・かわいい。私は主人公のハリーよりドラコ・マルフォイ役の子の方がいいな。彼いいよ。ハンサムだし。10年後が楽しみだ(笑)。それとクイディッチのキーパー役の子もよかったなぁ。

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『プレッジ』THE PLEDGE(2001年・米)

監督:ショーン・ペン。
出演:ジャック・ニコルソン。ベニチオ・デル・トロ。ロビン・ライト・ペン。

雪の夜、一人の少女の遺体が発見される。暴行され凄惨な状態で発見された遺体。地元の警官は知り合いだからこの事実を両親に伝えることは出来ないと言う。仕方なく退職を6時間後に控えたジェリーは両親の元へ行き、事件を伝える。その時少女の母親から懇願され少女が作ったという十字架に誓うことになる。「必ず犯人を捕まえる」と・・・。その後目撃証言から知的障害を持つインディアンが逮捕され、彼の自殺により事件は解決されたかに思われたが、ただ一人ジェリーには納得がいかなかった。そして彼は退職後もただ一人事件を追う。少女の母親との約束を守るために・・・。
解決されたかに思われた事件に不審を抱き、ただ一人真実を明らかにするために捜査をするという話自体はよくあるパターンなんだけど、その捜査を進めるジェリーの心にあるのは刑事としての信念とか正義ではなく殺された少女の母親と交わした約束というのが深い。一つのことに囚われて人間というのは堅牢で脆い・・・。それがこの映画の重みであり面白味だと思う。エンドクレジットを長めながら呆然としてしまったのだが、決して後味の悪い映画ではない。チラシに書かれたショーン・ペンの言葉「私は論理よりも、運命についての物語が好きだ」が見事にこの映画を表していると思う。私は運命についての物語は嫌いじゃないんだけど、ヘタするとむずかしすぎてついていけない時がある(笑)。だけどこの映画はついていけた。名優ジャック・ニコルソンのおかげか・・・。ベニチオ・デル・トロもいいしね。この映画は「匠の技」!って感じがしましたね。

2002年9月21日(梅田ガーデンシネマ)

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『ビューティフル・マインド』A Beautiful Mind(2001年・米)

監督:ロン・ハワード
主演:ラッセル・クロウ。ジェニファー・コネリー。エド・ハリス。クリストファー・プラマー。

精神を病みながらもノーベル賞を受賞した天才数学者ジョン・ナッシュと妻の物語。プリンストン大の大学院へ進学したジョン・ナッシュは、友人から変人扱いされ授業にも出ずに独自の理論を追求することに没頭していた。やがて完成した理論が認められウィーラー研究所への入所が叶い、政府からの依頼の暗号解読の仕事もこなすナッシュはアリシアという女性と出会い結婚する。しかし、政府の諜報員から依頼された機密任務のため日々追い詰められるナッシュ。そして妻アリシアの前に驚愕の事実が明らかにされる。
第74回アカデミー賞8部門ノミネート、4部門受賞。そして実話の感動作。ということでいや〜なイメージを抱いていたのだが、『シックスセンス』もびっくりの作りになっているとは思わなかった。ありきたりの作りのイメージでこの映画を観ていた私はルームメイトのチャールズが出てきた所で、変わり者であるジョン・ナッシュを変人扱いしないでちゃんと理解してくれる友人、そして妻・・・うん、うん、なるほどねぇ〜・・・なんて納得しちゃったりしてたんだが・・・。まさか・・・そうきますか・・・。これには参りました。単純思考の私はすっかりはめられてしまいました。はめられたからって訳ではないんですが、いかにもって作りの感動作ではなかったのがよかったな。ただ、事実が明らかになって、ジョン・ナッシュ自身が自分の病気と折り合いをつけてノーベル賞受賞に到るまでがちょっとあっけなかったかな。でも映画とは関係ないが、自分の病気と折り合いをつけたジョン・ナッシュってすごいなぁ。支えてくれる人があってのことだとは思いますがね。初めての人に声をかけられるシーンよかったな。まず返事をせずに側にいた生徒に「君にもこの人見えるかい?」って・・・。彼が天才的数学者だからってだけじゃないアメリカ人だからここまで・・・って気にもなりますね。

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『ブレッド&ローズ』BREAD&ROSES(2000年・英/独/スペイン)

監督:ケン・ローチ。
出演:エイドリアン・ブロディ。ピラール・パディージャ。エルピディア・カルージョ。

ロスに住む姉ローサを頼り、メキシコ国境を越え不法入国してきたマヤ。ローサの家に住みローサと同じビルの清掃会社で仕事を始めるが、ある夜、ビルのガードマンと清掃会社の管理人に追われる一人の青年サムと出会い彼を助ける。その後彼が労働組合の活動家であることがわかり、彼への憧れとどれだけマヤたち移民清掃員が不当な賃金で不当な労働条件で働かされているかという熱心な説得に心動かされ、彼と共に組合活動に傾倒していくが・・・。
う〜ん・・・ケン・ローチの作品だ。痛い(笑)。この人の作品って感動的ではあるけど、現実を描いているから(ドキュドラマというそうだ)痛いんだ。現実を描いていて痛い部分を持つ映画は確かに他にもあるんだろうけど、この人の痛さは刃物で切ったり刺されたりしたような痛さではなく、まっさらな紙で手を切るような痛さなんですよ。紙で手を切ったりすると傷は小さいけど結構痛いんだ。ズキズキと・・・。不当な労働条件に立ち上がり、権利を確保する移民労働者の話だ・・・とばかり思って観ていた私にはローサの告白は本当に痛かった。そしてそのローサの告白に苦悩し、自分の方法で解決してしまうマヤの行動も痛い。でも現実なんだ・・・そう、そこにあるのは紛れもなく現実。だけどラストシーンには人生いろいろあったって長いんだよ。なんて言われているような気がしたな。

2002年12月8日(梅田ガーデンシネマ)

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『バーバー』THE MAN WHO WASN'T THERE(2001年・米)

監督:ジョエル・コーエン。
主演:ビリー・ボブ・ソーントン。フランシス・マクドーマンド。スカーレット・ヨハンソン。

妻の兄が経営する床屋で働いているエド・クレインは、店の経営者である兄のおしゃべりに閉口し、ただ髪を切るという単調な仕事に飽き飽きしながら毎日を過ごしていた。デパートの帳簿係りとして働く妻との生活も単調そのもの。妻と上司がただならぬ関係にあることもエドにとっては別段さしたる意味もなかった。そんなある日閉店間際の店に飛び込んできた客の「ドライ・クリーンニンング」への投資話に惹かれたエドは、今の生活を変えられるかもしれないとその話にのる。そしてその話に必要な資金を妻と関係のある上司を強請ることで手にいれるが・・・。
主人公エドの語りで物語は流れる。淡々と進む物語を最初はボーッと観ていた。「つまらない?」とうっすらと思いはじめたときにはすっかりこの物語に乗せられていた。物語が急展開するわけではない。最初からの淡々とした流れそのままに進むのだが、見事に惹きつけられてしまった。あそこがこうなってこうだからこう面白い!とかってうまくいい表せないんだけど、面白い。ブラックっぽいといえばそうかなぁ・・・。人の裏と表、善と悪、そして嘘。白黒つけられない実生活のポイントが絶妙に散りばめられてる・・・っていうのかな?観終わったあと面白い!わっはっは!っていうんじゃないし、悲しいかわいそうって言うのでもない。観終わったあと泣き笑いの表情でエンドクレジットをながめる自分に気づくという微妙な映画だと思う。これ劇場では白黒だったそうなんだけど、私が借りたビデオはカラー。もしかしたら白黒の方がもっとよかったかもしれませんね。

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『ハンテッド』THE HUNTED(2002年・米)

監督:ウィリアム・フリードキン。
主演:トミー・リー・ジョーンズ。ベネチオ・デル・トロ。コニー・ニールセン。

オレゴンの山中で連続殺人事件が起こる。高性能ライフルを持った二人のハンターがナイフで切り刻まれるという凄惨な事件だった。あまりに特殊な事件のためFBIは軍のサバイバル・テクニックの教官をしたこともあるトラッカー(追跡者)L.T.に協力を求める。現地に到着し、一人山中に入り追跡を開始したL.T.の前に現れたのはかつての教え子ハラムだった。元特殊部隊の精鋭だった彼は過酷な戦闘に狂気の世界へと追い詰められ、殺人鬼と化していた。自らが教えた技術のために殺人鬼と化してしまった教え子の姿に苦悩しながらもハラムを捕らえ彼の狂気を止めるのは自分しかいないと確信するL.T.は執拗に彼を追跡する。
なんて硬派な映画なんだ。とにかくかっこいい。渋い。師であるL.T.を父のように慕い、彼の追跡から逃れながらも、何かを求めているハラム。ハラムの罪を自らの罪と苦悩し、自らの罪の贖罪とハラムの心の求めのためにひたすらハラムを追い続けるL.T.。逃亡、追跡、このシーンだけで余計な御託は並べないながらも二人の心の葛藤が伝わってくるのがすごい。冒頭の狼を助けるL.T.のシーンとラストの彼が助けた狼をみつめるL.T.のシーン。この二つのシーンだけで追跡中の彼の心が読み取れるという作りもいい。男臭い、本当にかっこいい映画でした。L.T.というのがまた、強くて優しくて、寡黙で・・・といい男なんだ。そしてそんな役がトミー・リー・ジョーンズなんてもううれしすぎ(笑)。フリードキン監督ありがとう!と私は言いたい(笑)。

2003年6月2日(ヴァージンシネマズ泉北)

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『ホーリー・スモーク』HORY SMOKE(1999年・オーストラリア/米)

監督:ジェーン・カンピオン。
主演:ケイト・ウィンスレット。ハーヴェイ・カイテル。

インドを友人と二人旅行していたルースは、ヒンズー教の宗教団体に魅せられ、その導師ババと結婚すると言い出す。驚いた家族はルースの洗脳を解き、家族の元へ戻すため、洗脳を解く専門家であるP・Jという男を雇う。早速ルースを父が危篤だと偽りオーストラリアへ連れ戻し、P・Jの手に委ねる。3日間で彼女の洗脳を解くというP・Jはルースと二人家から離れた砂漠の小屋で向き合うが・・・
『ピアノ・レッスン』の監督、魂と肉体をさらけ出して生きる男女の葛藤。なんてうたい文句に釣られて出かけた私がバカだった。なんじゃ、こりゃ?ハーヴェイ・カイテル扮するP・Jの登場シーンには思わず『探偵マイク・ハマー/俺が掟だ!』のアーマンド・アサンテを思い出しちゃったよ。おまけにルースの家族はなんだかバカっぽく描かれててあらすじやうたい文句とは違ってコメディなの?って思っちゃったんだけど、ルースとP・Jが向き合うあたりからなんだかお話は妙になっていく。そしてラスト・・・フッ・・・。先着何名かにくれるチョコレートが結構量の多いやつだったんでそれでよしとしようか。(^^;)しっかし、これハーヴェイ・カイテルのファンだったら泣いてるだろうなぁ。それとケイト・ウィンスレット、もう少し痩せた方がいいんじゃない?

2003年6月8日(シネ・リーブル梅田)

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『英雄HERO』HERO(2002年・中国)

監督:チャン・イーモウ。
主演:ジェット・リー。トニー・レオン。マギー・チャン。チャン・ツィイー。

紀元前200年。戦乱の最中にある中国で着々と各地を征服し、領土を拡大している秦。その秦の王宮に一人の男が現れる。彼の名は無名。彼は秦王の命を狙う3人の刺客を倒したことで秦王に謁見を許されたのだった。秦王は過去に何度も命を狙われていたために無名が謁見を許された場所は秦王から100歩離れた位置。しかし一人目の刺客長空を倒した功績により王座まで20歩の位置へ。そして残剣、飛雪の二人を倒した功績により秦王まで10歩の距離までやってくる。その時彼が話した3人の刺客との戦いの物語の矛盾に気付く秦王。そして新たに語られる物語は・・・。
無数に飛び交う矢、秦王の大軍。予告編で見せつけられる大掛かりなシーンにすごく派手な映画だと思い込んでいたのですが、思っていたほど派手な映画ではなかったです。確かに映像は派手ですが、物語はどちらかと言えば地味ではないかな?「英雄」とは?と考えさせられる映画ですね。歴史大スペクタル!を期待していた人には肩透かしかもしれません。私も肩透かしをくらったと感じた一人ですが・・・(笑)。でも、この映画の映像は必見。すごくきれい。一説によると黒澤監督の『乱』だそうですが・・・(笑)。しかし、すごくよかった・・・とは私には言えない。『グリーン・ディスティニー』もそうだったのですが、私にはこの大げさなワイヤーアクションっていうのがどうも受け付けないようですね。こうピューって飛ばれちゃうとどうしても笑っちゃうんだな・・・。シュッ!とかヒュッ!くらいならいいんですけどねぇ。(^^;)

2003年8月20日(アポロシネマ)

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『フリーダ』Frida(2002年・米)

監督:ジュリー・テイモア。
主演:サルマ・ハエック。アルフレッド・モリーナ。アントニオ・バンデラス。

1907年、革命前夜のメキシコに生まれたフリーダ・カーゴは18歳の時バスで大事故にまき込まれ瀕死の重傷を負い、ベッドで寝たきりとなり、彼女の希望は絵を描くこととなる。やがて何とか歩くことが出来るまでに回復し、人気壁画家ディエゴ・リベラと出会い、彼と結婚するが、ディエゴの女癖の悪さに苦しめられるフリーダ。事故の後遺症による体の苦痛と愛するディエゴの浮気による心の苦痛に耐えながら日々を送るフリーダは、その思いのすべてをカンバスに込める。まっすぐに自分とむき合いながら47才という若さでこの世を去った情熱の画家フリーダ・カーゴの物語。
私はこの映画を観るまではフリーダ・カーロという女性画家の存在など全く知らなかった。でも知っていたとしてこの人の作品を観て、すごい絵だ・・・と感じられただろうか?と考えると答えは「否」なんですよね。私は絵画への造詣は皆無に近いからかもしれませんが。でもこの映画で、彼女の生き方とあわせて彼女の絵を観ると、なんだかすごいものを感じる。生きている彼女の心がそこにある・・・という感じかな。そしてその絵活かした映像が素敵で、すごく面白い映画でした。この映画を通して知ったフリーダ・カーロという女性の生き方に心震えました。過酷とも言える人生なのに、彼女の口からは一言も呪いの言葉が出てこない。自分が今そこにいるのは、自分だからそこにいるのだ。「誰かがこうしたから・・・」「あの時こうだったから・・・」誰もが人生の中一度や二度・・・いやもっと多くつぶやいているだろうこうした言葉は彼女の人生にはない。彼女のように生きることは難しいかもしれない・・・でもこうした言葉だけでも自分の人生の中で封印したい。そう強く感じさせられました。

2003年9月7日(心斎橋シネマ・ドゥ)

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『パイレーツ・オブ・カリビアン』PIRATES OF THE CARIBBEAN(2003年・米)

監督:ゴア・ヴァービンスキー。
主演:ジョニー・デップ。オーランド・ブルーム。キーラ・ナイトレイ。

幼い頃、父親と共に船に乗っていたエリザベスは海に漂う少年を発見する。そしてその直後現れた燃え上がる船と海賊船。少年はウィル・ターナーと自分の名前だけを告げ意識を失う。その時少年の胸にドクロのマークのある黄金のペンダントをみつけたエリザベスは少年が海賊の一味だと捕らえられるのを避けるためにそのペンダントを隠す。それから何年もの月日がたち美しく成長したエリザベスはそのペンダントを取り出し身に着ける。そのことが合図になったかのように街を海賊たちが襲い、エリザベスは連れ去られてしまう。密かに彼女に思いを寄せていた鍛冶屋で働くウィルは、彼らの行き先を知っているという海賊ジャック・スパロウと共にエリザベス救出へと海へ漕ぎ出す。
なかなか楽しい娯楽活劇でした。ノリにのってるジャック・スパロウ役のジョニー・デップがいい。この役気に入ってるんだろうなぁ〜ってのがなんとなく伝わってくる感じがします。ただオーランド・ブルーム扮するウィルのエリザベスさえ助ければジャックがどうなろうと知ったこっちゃないという行動に「???」ってなっちゃったんでどうもイマイチ乗り切れなかった。いくらジャックを信用しきれていないからって、あれはどうかなぁ〜。まぁ、ジャックが案外人のいい奴だったので物語は成立しましたが、私だったら金輪際助けないな(笑)。ま、こういう細かいとこにひっかかる人ってあまりいないと思うからいいんだろうけどね。長さもあまり気にならなかったし、ラストのキリのない戦い(笑)のシーンはすごく面白かった。私はまたいつものごとくジョニー・デップよりジェフリー・ラッシュがよかったなぁ。

2003年9月23日(ヴァージンシネマズ泉北)

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『ポロック 2人だけのアトリエ』POLLOCK(2000年・米)

監督:エド・ハリス。
主演:エド・ハリス。マーシャ・ゲイ・ハーデン。ジェニファー・コネリー。

1941年、ニューヨーク。兄夫婦の家に居候している貧乏画家ポロック。彼はアルコール依存症と不安定な精神を抱えていたため、兄嫁にとっては厄介者でしかなかった。そんな彼の元に同じ画家であるリー・クラズナーという女性が訪ねてくる。彼女は彼の作品を見て、彼の才能を見抜き、彼と暮らし始める。彼の不安定な精神を支え、彼の売り込みに奔走する。実在したモダン・アート界の天才画家ジャクソン・ポロックと妻リーの出会いから別れまでの物語。
破天荒な天才画家と彼を支えた妻の愛情物語といった感じの宣伝文句で公開されてますが、果たしてこの映画ってそんな物語だろうか?確かにポロックを画家としてこの世に生み出したのは妻リーだろう。彼女なくしてはポロックは存在しなかっただろうし、彼の独特の創作技法も生み出されることはなかったかもしれない。しかしこの映画はその事実を根底に置きながらもポロックという画家の生涯を描いた伝記映画ではないだろうか?だから・・・なんて言うと言い訳っぽいんだけど、美術になんの造詣も持たず、ポロックという画家のことを知らない私が観てもなんだか「ふ〜ん・・・」という感じだけで、感動も感銘も受けなかったんじゃないだろうか?という気がする。決してつまらない映画ではないと思う。エド・ハリスのポロックなりきりの迫真の演技に、それに対抗するマーシャ・ゲイ・ハーデンの演技。これには凄まじいものが感じられるし、初監督のエド・ハリスの技量もすごいと思う。しかし万人受けする作品ではないんだろうなぁ・・・。2000年の作品でアカデミー賞の主演男優賞ノミネートに助演女優賞受賞なのに、公開が2003年という理由がなんとなくわかるような気がする。

2003年11月30日(三番街シネマ)

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『深く静かに潜航せよ』Run Silent, Run Deep(1958年・米)

監督:ロバート・ワイズ。
主演:クラーク・ゲーブル。バート・ランカスター。ジャック・ウォーデン。

第二次世界大戦中、日本の海域豊後水道では何隻もの潜水艦が日本軍により沈められていた。自らの潜水艦も日本軍にやられ、責任をとり待命していたリチャードソンは艦長が重傷を負って帰還したナーカ号の指揮をとれるように当局に働きかけ搭乗することになる。しかし艦長の後任は部下の人望も厚い副艦長であるジムだと信じていたナーカ号の乗組員たちはリチャードソン艦長に反感を抱く。当初豊後水道には行かないと言っていた艦長の戦闘訓練はまさしく豊後水道での日本の駆逐艦「秋風」を想定したものだった。やがて進路は豊後水道と発表され、遂にリチャードソン艦長の宿敵である「秋風」と対決することになるが・・・
潜水艦ものでは艦長と副艦長の対立ってなんだか決まりもののようですね。いや、あとに続く作品がこの作品の真似をしたのかもしれませんが・・・(笑)。でも、面白い。この映画のあらすじをちょっと読んだことがあって、それではなんだかクラーク・ゲーブルが悪役のように書いてあったので、珍しいなぁ・・・なんて思っていたのですが、なにがなにが・・・全然悪役なんかじゃない。それどころか、すごくかっこいい(笑)。この映画の頃は57歳。若い頃のやんちゃさはないですが、ぐっと渋みの増した感じで貫禄があって、もうかっこよすぎます。え?映画自体はどうだったんだって?そんなもんクラーク・ゲーブルがかっこいいんだから面白くないわけないでしょう(爆)。しかしこの映画ひとつ気になったことが・・・。あの日本兵役たちは一体何者なんでしょうか?アメリカ人にはわかんないだろうけど、日本人にはしっかりわかってしまうセリフの棒読み。もちろん前面に出てる人はちゃんとセリフしゃべっているんですけどね。とにかく笑っちゃいますよ。

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『ボビー・フィッシャーを探して』Searching for Bobby Fischer(1993年・米)

監督:スティーヴン・ザイリアン。
主演:マックス・ポメランツ。ジョー・マンティーニャ。ローレンス・フィッシュバーン。

7歳のジョシュはストリートチェスに興味を覚え、チェスの天才的な才能をみせ始める。父親のフレッドは息子の才能に驚き、やがて彼の才能をもっと引き出すべく本格的なチェスの教育を受けさせるために元チャンピオンのブルースにコーチを依頼する。70年代にアメリカ人で初めて世界チャンピオンとなった天才チェスプレヤー、ボビー・フィッシャーを目指しジョシュのチェス漬けの日々が始まり、ジョシュは全米の少年少女チェス・トーナメントを次々と制覇していく。しかし勝ち続ける日々の中ジョシュに強力なライバルが現れ、負けることへの恐れに萎縮してしまうジョシュは・・・。「第2のボビー・フィッシャー」と呼ばれた実在のチェス・プレイヤー、ジョシュ・ウェイツキンの物語。
ジョシュ役の少年の瞳が素晴らしい。そしてストリートチェスの迫力に圧倒される。面白い!しかもラストはすごく気持ちがいい。観ていてふと『ひかるの碁』を思い出してしまった(笑)。もしかしたらこの映画の影響も『ひかるの碁』に入っているのかも・・・。勝負の世界、勝たなければ意味がない。だけど、本当にチェスが好きなら勝つことだけに意味があるんじゃない。息子の才能に息子の躍進に自分自身がのめりこみ、彼の勝利を自分のものとしてしまっていた父親がそれに気付いたとき、ジョシュもまた自分のためのチェスを始める。チェスのシーンは子供たちが対戦しているのにもかかわらずかっこいい。なんだかチェスをしてみたくなっちゃいましたよ(笑)。でも将棋すらまともに出来ないからなぁ〜・・・(^^;)

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