『憲兵とバラバラ死美人』(1957年/新東宝)
監督:並木鏡太郎。
昭和12年10月。仙台歩兵第四連隊の炊事用に使われている井戸から首と四肢が切断された女性の胴体が発見される。その死体は死後6ヶ月を経過し、妊娠までしていた。死体が発見された場所から軍内部の者の犯行は歴然としている。犯人探しに躍起になる仙台憲兵隊だが、軍は難航する捜査に東京から小坂曹長を事件解決のために派遣する。対立する仙台憲兵隊と小坂。やがて仙台憲兵隊は事件当夜井戸の付近で不審な行動をしていた恒吉軍曹を逮捕し、恒吉の情婦が行方不明になっていることから恒吉を犯人と断定、口を割らせるために拷問にかける。恒吉の犯行とは思えない小坂は恒吉が拷問で殺されてしまうまえになんとしても犯人をみつけなけらばならない。女の身元すらわからない状態にあせりながらも、死体の状況から冷静な推理を進め陸軍病院に目をつける。 |
『砂の器』(1974年/松竹) 監督:野村芳太郎。
昭和46年6月、国鉄蒲田操車場構内で60代と思われる男性の他殺体が発見される。捜査にあたる警視庁の今西刑事と西鎌田署の吉村刑事は被害者が前日蒲田駅前のバーで若い男と飲んでいたという情報を掴む。そしてそこのホステスが耳にした被害者の言葉「カメダ」と被害者が東北訛りで話していたという証言から人名、地名を洗い出すが手掛かりは何一つ得られなかった。8月になり被害者の身元もわからないまま西蒲田署の捜査本部は解散され警視庁の継続捜査へと移るが、継続捜査を続ける今西、継続捜査からはずされても尚事件が気になる吉村。二人の努力により事件は思わぬ展開を見せる。事件の線上に新進気鋭のピアニスト和賀英良が浮かび、それと共に悲しく過酷な運命が明らかになる。 2005年6月20日(梅田ピカデリー) |
『HINOKIO』(2005年/松竹)
監督:秋山貴彦。
交通事故で母を亡くしたショックからリハビリを拒否し、車椅子で父親とも口をきかずにただ自分の部屋に閉じこもり生活をするサトルのために、父親は自分の会社で開発している遠隔操作のロボットを与え、学校への代理登校をさせる。サトルの代わりに登校したロボットH-603は軽量化のためボディの一部に檜を使っていることからクラスメイトから「ヒノキオ」と呼ばれ、やがてクラスのガキ大将ジュン率いる三人組の仲間に入ることになる。その頃ネットゲームの「パーガトリー」がゲームの中で起きた事が現実に起きると話題になっていた。ゲームなんかより実際に行動する方が面白いというジュンに少しづつ外の世界に目を向けるようになるサトルだが・・・。 2005年7月11日(TOHOシネマズ泉北) |
『姑獲鳥の夏』(2005年/) 監督:実相寺昭雄。
昭和二十年代末の東京。雑司ヶ谷の久遠寺医院の娘、梗子が20ヵ月もの間身篭ったままでいるという噂が世間を騒がせていた。そしてその夫は一年半前に病院の密室から消えてしまったという。小説のネタにとこの事件に興味を抱いた小説家の関口巽は久遠寺医院の噂の妊婦梗子の姉である久遠寺涼子と出会ったことで深くこの事件に関わることとなる。 2005年7月18日(動物園前シネフェスタ) |
『女間諜暁の挑戦』(1959年/新東宝)
監督:土居通芳。
日華事変下の中国。2年間のスパイ訓練を終えた岸井は三津井雪らの「むらさき機関」に配属される。彼の役目は重慶スパイの首領と目される京劇スター晃彩に近づき彼らの正体を暴き動きを封じることだった。だがやがて二人は本当に愛し合うようになり、岸井は2度の失態を犯してしまう。そのことにより裏切り者として岸井の処置を命じられる雪もまた岸井を密かに愛していたのだった。 |
『星になった少年』(2005年/)
監督:河毛俊作。
小川動物プロダクション。様々な動物に囲まれて生活する小川哲夢。彼は動物臭いと学校でいじめられていても、動物たちと過ごすことを楽しんでいた。そんなある日母の一大決心によりゾウのミッキーがやってくる。すぐにミッキーと心を通わせた哲夢はゾウに夢中になる。そして続いて子ゾウのランディがやってくるが、子ゾウの頃から訓練を受けているミッキーとは違い、ランディは言うことをきかなかった。落ち込む哲夢だったがタイのゾウ使いの学校の話を聞き留学を決意する。言葉も通じず生活環境も全然違う中で訓練を積んだ哲夢はやがて日本人で初めてのゾウ使いとなる。実在した、いつかはゾウたちの楽園を作ることを夢見てゾウたちと心通わせた一人の少年の物語。 2005年7月25日(TOHOシネマズ泉北) |
『亡国のイージス』(2005年/松竹)
監督:阪本順治。
東京湾沖で訓練航海中のイージス護衛艦いそかぜの中でとんでもない計画が進行されていた。艦長が殺害され、沖縄米軍基地から奪われたわずか1リットルで東京を廃墟に変えてしまう威力を持つ科学兵器GUSOHがいそかぜに某国の特殊工作員によって持ち込まれているというのだ。艦に新たに乗り込んだ如月行が特殊工作員だとされる。他の乗組員たちと距離を置いていた如月行を気にかけていた先任伍長の千石は幹部を説伏せ彼の説得に向かうが・・・。 2005年8月8日(TOHOシネマズ泉北) |
『妖怪大戦争』(2005年/角川映画)
監督:三池崇史。
今年10歳になるタダシは両親の離婚により、母親と一緒に鳥取にある祖父の家で暮らしていた。東京育ちのタダシは鳥取での暮らしに馴染めずクラスメートからもいじめられていた。そんなある日神社のお祭りでタダシは大勢の子供の中から世界の平和をもたらす正義の味方と伝えられる”麒麟送子”に選ばれる。とは言うものの手ぬぐいと赤飯をもらっただけで何も特別なことはなかったが、タダシの知らないところでとんでもないことが起こっていた。この世の怨みを一身に背負った魔人加藤保憲により人類壊滅計画が進められていたのだ。そしてタダシは”麒麟送子”としての本当の指名を帯びてしまう。 2005年8月17日(TOHOシネマズ泉北) |
『野良犬』(1949年/東宝)
監督:黒澤明。
暑い夏の日。射撃練習を終えた村上刑事は無造作に上着のポケットに入れていた拳銃を帰りのバスの中ですられてしまう。拳銃には7発の銃弾が装填されていた。必死に拳銃の行方を探す村上だが、すでに彼の拳銃は強盗事件に使用されていた。上司の計らいでその強盗事件の捜査にあたる署へ派遣された村上は、その署の熟練刑事佐藤と共に事件を追うことになる。 |
『豹(ジャガー)は走った』(1970年/東宝)
監督:西村潔。
南ネシア共和国でクーデターが起こり、大統領ジャカールは南ネシア共和国を出国し日本の米軍基地からアメリカへと亡命することとなるが、彼は革命政府から命を狙われていた。何としてもジャカールの暗殺を阻止しなければいけない日本政府は、元オリンピック射撃選手である警視庁警部の戸田を警護にあたらせる。彼の射撃の腕と洞察力は革命政府のテロリストの敵ではなかったが、彼は南ネシアと武器取引をしていた日本企業N物産の雇った殺し屋九条の存在を知る。優秀なシェパードのような戸田と、敏捷で獰猛な黒豹のような九条。シェパードと黒豹の一騎打ちが始まる。 |
『花嫁吸血魔』(1960年/新東宝)
監督:並木鏡太郎。
ニュー東京舞踏学校の白井藤子と玉木里枝・篠原英子・滝内喜代子・光武早苗は仲の良い友達だった。ある日、同じ学校の喜代子に内定していただった映画のヒロインに藤子が抜擢される。明るい未来に心弾ませる藤子。そしてそんな時友人早苗の兄貞夫からプロポーズされる。役を獲られた喜代子、密かに貞夫に好意を寄せていた玉木里枝は藤子への嫉妬をつのらせて行く。そして英子と付き合っていた芸能記者の大田基保も藤子への関心を示し、英子に別れを告げる。藤子への恨みに突き動かされた三人はピクニックで藤子を断崖に誘い出し彼女を突き落としてしまう。命はとりとめたものの女優として活躍出来ない傷を顔に負い、病床にあった母は未来を悲観し自殺してしまう。失意の中で母の遺書により山奥の陰陽師である影山家を訪れた藤子を待っていたものは・・・。 |
『いつか読書する日』(2004年/)
監督:緒方明。
坂道の多い田舎町。夜の明けきらない中、牛乳配達をする女性。彼女の名前は大場美奈子。もう50歳になる。牛乳配達が終わり朝食を食べ終ると今度はスーパーに出勤してレジを打つ。そしてクタクタになって一人の部屋で一冊の本を読み終えることなく眠りにつく。そんな彼女が心に秘めた思い。高校の同級生だった高梨槐多への思い。そして末期ガンの妻を自宅で看病をする高梨槐多もまた美奈子への思いを秘めていた。高校時代二人は付き合っていたが槐多の父と美奈子の母が自転車に二人乗りして交通事故に遭い亡くなったことで二人は疎遠になってしまうが、美奈子はその頃の思いを抱いて一人生きていた。そんな二人の心に気付いた槐多の妻容子はもう長くはない自分の最期の思いを美奈子に託す。 2005年9月19日(OS劇場C・A・P) |
『忍-SHINOBI-』(2005年/松竹)
監督:下山天。
長きに渡った戦乱の世は徳川家康により治められた。甲賀卍谷と伊賀鍔隠れ、戦うことだけを生きる術とする忍びの里にも平和な日々は訪れていた。そんな平和な日々に甲賀弦之介と伊賀の朧は出会い、互いに惹かれあい恋に落ちていた。しかしいくら平和な日々が訪れようとも二つの里は400年もの昔からいがみ合い争う敵同士であることにはかわりがなかった。運命を変えようとする弦之介と運命からは逃れられないと諦めようとする朧。そんな時家康の側近南光坊天海は乱世にこそ必要だった忍は平和な世では恐怖でしかないとその存在を壊滅しようと一計を案じ、両里より精鋭5人を選抜し戦い、先に駿府に到着した里の者のどちらか一方によって家康の世継ぎが選ばれるとの命を下す。互いの精鋭5人の頭領となった弦之介と朧は運命を賭けて駿府を目指す。 2005年9月26日(TOHOシネマズ泉北) |
『NANA』(2005年/)
原作:矢沢あい。
東京へと向かう新幹線で隣り合わせた、彼氏と一緒にいたい。それだけの理由で東京に向かう小松奈々と、歌で成功するという夢を抱えて東京に向かう大崎ナナ。雪で遅延となった新幹線の中で意気投合した二人は一度は東京駅で別れるが、互いに見つけた引越し先で偶然に再会する。同じ部屋が気に入った二人は一緒に暮らし始めることに・・・。趣味も生活も正反対の同じ名前と同じ歳の二人の友情と恋の物語。 2005年10月3日(アポロシネマ) |
『春の雪』(2005年/東宝)
監督:行定勲。
公爵家の令息松枝清顕は、幼い頃名門華族の綾倉家へ預けられ、綾倉家の令嬢聡子と共に育つ。時が経ち久しぶりに再会した二人だが、幼い頃に抱いた清顕への思慕を未だに持ち続ける聡子に対し、清顕は冷たく接する。やがて聡子に宮家との縁談が持ち上がり、聡子はなんとか清顕の心を推し量ろうと何度も手紙を出すが、清顕は悉くそれを退ける。ところが正式な婚約が発表され、天皇の勅許が降りたとき、清顕は聡子への思いを強め、強引に聡子へ求愛する。許されぬことと知りつつその愛を受け入れる聡子だが・・・。 2005年10月31日(TOHOシネマズ泉北) |
『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005年/東宝)
原作:西岸良平。
短気な父則文と優しい母トモエ、1人息子の一平が暮らす鈴木オート。そしてそこに集団就職で青森からやってきた六子。鈴木オートの向かいにある駄菓子屋茶川商店の店主をしながら少年誌に細々と小説を執筆するしがない小説家茶川竜之介。竜之介が密かに憧れる一杯飲み屋のおかみのヒロミ。戦争で妻子を亡くしてしまった医者宅間。東京タワーの完成を間近に控えた昭和33年の東京下町。夕日町3丁目で織りなされる物語。 2005年11月7日(TOHOシネマズ泉北) |
『カーテンコール』(2004年/)
監督:佐々部清。
東京の出版社で契約記者として働く橋本香織は、清純派女優のスキャンダルをスクープする。これで正社員確実と喜んでいたのも束の間、写真を撮られた女優が自殺未遂を起こしたことで、福岡のタウン誌へ移動させられる。そこで「昭和30年代終わりから40年代中ごろまで下関の映画館にいた幕間芸人を探して欲しい」という葉書に目を留めた香織は下関にある映画館「みなと劇場」を取材することに。その芸人の名は安川修平。当時を知るモギリの宮部絹代から当時の話しを聞くうちに安川修平探しに没頭する香織は、やがて幕間芸人としてだけではなく、在日韓国人として安川修平とその家族の過去を知ることになる。そして物語は二組の父と娘の話しへと展開する。 2005年11月14日(シネ・リーブル梅田) |
『大停電の夜に』(2005年/)
監督:源孝志。
あまり流行っていないバーのマスター。キャンドルショップの女主人。出所したばかりの元ヤクザ。元ヤクザの恋人で彼から逃げ出し結婚した妊婦。不倫中のサラリーマンとOL。その妻。ホテルの中国人研修生。天体マニアの少年。入院中の人気モデル。数十年連れ添った老夫婦。それぞれがそれぞれの想いで迎えようとしたクリスマス・イブ。その夜突然東京中の明かりが消える。12人の登場人物が、何かを失くし、何かを得る一夜の物語。 2005年11月28日(アポロシネマ) |
『男たちの大和』(2005年/東映)
監督:佐藤純彌。
鹿児島県枕崎。漁師の神尾は内田真貴子と名乗る女性に乞われ、戦艦大和沈没地点まで船を走らせる。神尾は戦艦大和の数少ない生き残りだった。そして真貴子は当時神尾の上官であった内田二兵曹の娘だと言う。あの時死んだと思っていた内田が生きていた。神尾の心の中にあの時のことが蘇る。昭和19年の春、神尾たち特別年少兵を乗せた大和は、艦内で厳しい訓練を行い、やがてレイテ沖海戦で初の実戦を迎える。しかしこの時連合艦隊は事実上壊滅。そして昭和20年4月。大和は沖縄へ向け帰ることのない出撃をすることに・・・。 2005年12月26日(TOHOシネマズ泉北) |
『憲兵と幽霊』(1958年/新東宝)
監督:中川信夫。
田沢伍長の結婚式の日、田沢伍長の妻となった明子に心を寄せていた波島少尉は部下の高橋から残念でしたねと声をかけられる。しかし波島は最後までわからないと不敵な笑いを浮かべる。翌年その高橋から機密文書を失くしたと報告を受けた波島は自分が助かりたいのならその罪を田沢に被せるようにと高橋をたきつけ、田沢は無実の罪で銃殺されることになる。しかし実はその機密文書は波島が奪い中国のスパイへ売りつけていたのだった。田沢を亡き者にした波島は続いて田沢の母を自殺に追い込み、やがて明子を我が物にするが・・・ |