大震災関連の迷言集                                       岡森利幸   2011/12/24

                                                                  R2-2012/1/10

以下は、新聞記事の引用・要約。

毎日新聞夕刊2011/3/22 社会面

福島第1原発での放水作業を巡り、東京消防庁ハイパーレスキュー隊幹部に早期に放水を行うよう圧力をかける発言をしたとされる問題で、海江田万里経済産業相が陳謝した。

「速やかにやれ。やらねば処分する」と述べたとされる。

毎日新聞夕刊2011/3/28 総合面

イタリア科学界の権威、国立研究会議のロベルト・デ・マッティ副会長が東日本大震災を「神の善意の声であり、天罰だ」の発言に、反発する人々が批判している。

毎日新聞朝刊2011/3/29 総合面

原発事故の行方についての答弁で「神のみぞ知る」といった池田副経産相、無責任とも受け取れる発言をした。

毎日新聞朝刊2011/4/13 総合面

政府の節電対策の表題「電力需要ピーク期の西日本などへの家族旅行」について、『西日本』を削除し、修正した。

(『東日本へ行くな』という意味になるため、批判された)

毎日新聞朝刊2011/8/5 社会面

東海テレビ放送が、情報バラエティー番組「ぴーかんテレビ」でプレゼント当選者名の欄に

「怪しいお米、セシウムさん」

「汚染されたお米、セシウムさん」

などと書いたテロップを誤って流した。

毎日新聞朝刊2011/8/28 社会面

愛知・蒲郡市長「三陸に大津波の記録があるのに、家があるのはおかしい」と発言。

毎日新聞朝刊2011/9/7 社会面

武田邦彦中部大教授が読売テレビ番組で発言、「東北の野菜や牛肉は健康を壊す」

毎日新聞朝刊2011/9/10 一面

鉢呂吉雄経産相が原発の視察を終えた8日夜、報道陣の一人に近寄って防災服をすりつける仕草をし、「放射能をつけたぞ」

また、9日午前の閣議後会見で、視察した際の印象について、「残念ながら周辺市町村の市街地は人っ子一人いない、まさに死の町という形でした」

(その話を聞きつけた)野田首相「不穏当な発言だ。謝罪して訂正してほしい」

毎日新聞朝刊2011/10/14 総合面

社会人ラグビーの横河電気は活動を一カ月自粛することを決めた。9月25日、被災地の岩手県釜石市を本拠とする釜石シーウェイブスと対戦した際、スクラムの組み方を巡ってもめ、(スクラムを合わせようとしなかったので、いらだった横川電気の)選手の1人が「お前ら、震災で頭おかしくなったんちゃうか」と暴言をはいた。関東ラグビー協会は9日付で発言した選手を30日間の対外試合出場停止命令処分、チームを厳重戒告処分とした。

毎日新聞夕刊2011/10/12 社会面

大分の絶叫大会で県議が不適切発言,「セシウム牛はいりません!」

近藤和義氏「国を批判する意味合いを込めたが言葉足らずだったかもしれない」と釈明している。

毎日新聞夕刊2011/10/19 総合面

平野達男復興相が、犠牲になった友人を引き合いにして語った。「私の高校の同級生のように津波で逃げなかったばかなやつもいる」

毎日新聞朝刊2011/12/8 社会面

群馬大教育学部の早川由紀夫教授が「ツイッター」への書き込みで戒告処分を受けた。

「セシウムまみれの水田で稲を育てて毒米つくる行為も、サリン作ったオウム信者がしたことと同じ」

毎日新聞朝刊2011/12/28 国際面

12月27日付の韓国紙、中央日報は、東日本大震災発生当時の状況を報じた3月12日付の1面で「日本沈没」という見出しを付けたことが「災害に苦しむ日本人を傷つけた」として、当時の紙面を取り消すとする「反省文」を掲載した。

以上をまとめると、災害現場で一生懸命やっている人や被害者に対して批判的なことを言ってはいけないということだろう。ちょっとした言葉に傷つきやすい人がいるし、逆鱗に触れるようなことがあるので、あまり無神経なことを言ってはいけないのだ。しかしながら、『迷言』をはいた人たちは、それぞれ陳謝したり、懲戒処分を受けたりしている。中には、とんでもなく重大な事案になり、幹部の進退問題に発展したケースもあった。それが、私には奇妙に感じられる。人々には、ユーモアとして解する余裕すらないのだ。

この中で特に、「お前ら、震災で頭おかしくなったんちゃうか」の言葉は、いじけて元気のない人々にカツを入れる言葉としてぴったりだろう。私は気に入っている。

 

 

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