不機嫌な女優の本音                                                     岡森利幸   2007.10.8

                                                                     R1-2007.10.11

以下は、新聞記事の引用・要約。

毎日新聞夕刊2007/10/6夕刊とっておき・深よみエンタ

沢尻エリカ「女王さまキャラ」行き過ぎ、不機嫌の理由は、謎のまま

9月29日に都内の劇場で行われた映画「クローズド・ノート」の初日舞台あいさつで、主演女優・沢尻エリカは不機嫌極まりない態度に終始し、各方面からバッシングの嵐。

進行役の女性が撮影時のエピソードを尋ねると「とくにないです」「別に……」と、とりつく島もない。(進行役は笑ってごまかすよう言い方でその場を取り繕ったが、あきれた会場の観客からも失笑が漏れた。)

宣伝マン「かつてないほどキャンペーンにも協力してくれたが、疲れちゃったんでしょうか……」

少し前に映像作家(43)との熱愛が報道されたことの不満によるものという説や、交際が誰かに(とが)められたという説などが出ている。

女優として売り出し中だった沢尻エリカ(21)が、その不機嫌発言で大ブーイングを受けた。その後のテレビの報道番組でその様子が放送されたのを私が見たところ、まるで演技のような、ふてくさり方だった。

女優は人気商売であって、人前では常に演技することが求められる職業だ。いくら不機嫌でも、どんなに疲れていようと、客受けするような、それなりの演技をしていなければならない。だが、不機嫌さを舞台上で、大勢の観客の前で見せたことに、私は彼女の中の人間らしさを見出す。わざとらしい演技ではない、素顔の表情を見せたのだ。女優らしくないけれど、私はそんな彼女を非難するつもりはない。

なぜ不機嫌だったか、謎とされるが、私は、所属事務所との対立や確執があったと見る。彼女は急に仕事が増え、非常に忙しい状況にいたから、過労も一要因かもしれないが、それよりも男関係だろう。中年男との熱愛が世間に発覚したのだ。事務所の人間、おそらく責任者レベルの人間が、その舞台あいさつの数日前に彼女を呼び出し、彼女の自由奔放な素行を厳しく叱ったものだろう。

格上の、えらい人ほど、もってまわった言い方で、ネチネチと問い詰めるものだ。彼は、「女優のイメージが損なわれるから、男とつき合うな。付き合ってもばれないようにしろ」などと一言二言、注意すればすむものを、にらみつけながら長々とお説教したに違いない。懲罰的な意味合いもあったかもしれない。

優等生ならば、問い詰められても言い訳せず、「はい、はい」と言いながら、素直に従う振りをして聞き流したのだろうが、彼女はそんなに優等生ではなかった。いやみな言い方で自分の恋路に水を差され、その美貌ゆえにちやほやされてきただけに、エリカ様は本気で落ち込んでしまったと私は想像している。

 

こうした映画の初日舞台あいさつなどは、受け答えがあらかじめ決っており、映画のプロモーターや事務所のマネージャーなどが、発言内容をこと細かく指示しているものだ。そうでないとすれば、彼らの怠慢だろう。

「ああ聞かれたら、こう答えるのだ」という模範解答が示されていたのに、彼女はそれを完全に無視した。そんな模範解答よりも、彼女自身の言葉で、そのときの感情を表に出しながら答えたのだ。それが彼女の本音だろう。事務所のビジネスライクなやり方(金儲け主義的な)に反発し、自分自身をごまかすような、女優という職業に嫌気がさしながら……。

「別に……(女優でなくたっていいじゃん)」

 

 

一覧表に戻る  次の項目へいく

        誤って悪天皇と書いてしまった職員