法令順守のための資格試験                                        岡森利幸   2007.5.8

                                                                      R1-2007.5.29

以下は、新聞記事の引用・要約。

毎日新聞夕刊2007/4/26まち面

三菱UFJ証券の米法人の前最高経営責任者(CEO)が米国での証券業務に必要な資格を取得していなかったとして、全米証券業協会の調査を受けている。

米国で証券会社などの業務を行うには、法令順守などの社内の内部管理を徹底するため、CEOらが法令に基づく「内部管理責任者」の資格を取得しなければならない。前CEOは多忙を理由に資格試験を受験しなかったと主張している。

 

この人が多忙を理由にしているということは、法令を知っていながら、それを自分の仕事の忙しさにかこつけて、つまり金儲けを最優先して考え、法令をないがしろにしていたのだ。法令など遵守する気がなかったのだろう。多忙を理由にするとは日本的な発想だが、米国でそれが通用するはずがない。

そんないい加減な人が責任者になるから、社内に法令順守が徹底されないのだ。その昔、日本人が欧米人に「エコノミック・アニマル」と呼ばれたことを私は思い出す。そう呼ばれていた人たちが、業務の第一線を退き、年代的に今では企業のトップクラスになっているからだ。本件とは直接関連ないことで、一般化しすぎる話だけれど……。

ともかく、日本企業の一部で法令に関する認識が低すぎると言わなければならない。個人の問題だけではなく、アメリカ法令を無視して、資格もない人をCEOに登用した親会社の問題が大きい。親会社の幹部たち全員が「内部管理責任者」の講習を受けたらどうだろう?

(え? 英語がろくにできないから、試験にパスしそうにないって? それがほんとの理由だったりして……)

 

 

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