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掲示板にカキコする
投稿日付: 2009年12月26日
タイトル: 外部リファレンスとPLL回路についての学術研究 (その4) dCS 992-2
別機体で計測
年の瀬でいろいろ忙しいところではあるが、この間に行なった実験結果だけは報告しておこう。
2009年10月9日の投稿は非常に重要で、何件かお問合せも頂いている。PLL Bnadwidthのパラメータは、たもその知るところでは、dCS992-2くらいしか装備されていないファンクションであるので、無論、そのユーザーからの問合せが殆んどではあった。その影響が大きいことを感じていたので、ぜひ再検証を行ないたいと考えていたのであるが、ようやく実現した。もう1台
992-2を入手したのである。
非常に残念なことではあるが、dCSの機体には一部に不正改造されている機体があるため、購入には慎重を期すべきである。この点は、ショップでも確認不可能なのでほとんど当てモノと考えた方が良いだろう。今回お譲り頂いた機体は、幸運なことに外部ルビジウムクロックと同期に成功した。
そこで、さっそく10月9日投稿と同じ計測を行なってみた。
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| こちらは、992-2単体での出力WordClockの計測である。通電時間は数時間程度で、これから更に収束してくると思われる が、Allan Jitterで40から50マイクロHzというのは並みの安定度というところ。 |
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| そして、こちらは外部ルビジウム発振器を接続した上で、PLL Bnadwidthのパラメータを段階的に上昇させた時のAllan
Jitterのプロットである。スタート時はデフォルトの250mHzで、今回は1段階づつ引き上げている。最高設定値の2Hzでは およそ10マイクロHzで収束した。 |
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結果は非常にクリアで満足できるものであった。(^^
別機体の992-2でも、たもそ製作の外部ルビジウムクロックに対して PLL Bnadwidthのパラメータに激しく反応したのである。上記画像で確認出来るが、PLL Bnadwidthをデフォルト値から上に変更することで、出力WordClockの Allan Jitterは段階的に低減していき、2Hzの設定で最小のJitterとなった。この状態では、Jitterは極めて安定しており高音質を期待させるものであった。
投稿日付: 2009年12月23日
タイトル: 課外活動報告と Mark Levinson 23.5L修理の件
久し振りの投稿である。しばらくご無沙汰になったことはお詫びしたい。オーディオを止めたのでもないし、ネタが無いのでもない。一言で言えば、もっと
デカいプロジェクト? を始めてしまったので更新するエネルギーが失われていただけである。
その新しいプロジェクトは、基本的にはオーディオとは無関係ではあるが、その延長線上には無論、オーディオも関わってくるのだろう。その関連では、取り敢えず
JBL S-143MTを導入してみたが、所詮、吊るしでは満足出来ない。まぁ、そちらもおいおい、新しい日記として投稿するかもしれない。
新しいプロジェクトは、たもそに大きな物を与え、そして、大事な器官を失わせてしまった。ウーム、こういうのを因果応報というのか?危うく宗教にでも入りそうになるような出来事もあったが、そんなことくらいではヘコタレないのだ!
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さて、今日は機材入院のご報告である。
数ヶ月前に、メインアンプ Mark Levinson 23.5Lを入手したのだが、当絵日記ではご紹介していなかった。というのも、どうも動作がイマイチでいずれは入院(メンテ)が必要だろうと踏んでいたからである。既に保有していた
Mark Levinson 23L のマイナーチェンジ版が 23.5L であり、中古相場も一段高く付いているものだが、お買い得な出物があったので手に入れたのである。
一応、正常動作品ということではあったが、たもそのシステムの中音域のドライバー駆動に
23Lと置き換えてみたところ、どうも定常ノイズが目立つのだ。圧倒的な能率を誇る
TD-4001 + ウッドホーンの組合せなので、全くの無音というのは無理な相談だが、23Lと比べると明らかにノイズレベルが高い。試聴位置でも分かる、ウーム、こりゃハズレか?
代理店のハーマン・インターナショナルに相談すると、そもそも 23.5Lは 23Lよりもノイズレベルは高く異常ではないという。しかし、経年から前段の回路が劣化している可能性があるので、おりを見てOHすることを勧められた。国内でメンテの心配がないのは、マークレビンソンの美点の一つである。機種を言えば、その場でこういう情報が得られるというのは技術者がシッカリしている証であろう。
その後、しばらくそのまま聴いていたのであるが、先月頃から左chだけシャットダウン時に盛大なノイズを出すようになってしまった。マルチの直結なので、こういう症状は心臓によろしくない。TD-4001のダイアフラムを飛ばしたら・・・・・恐ろしい。ということで、めでたく?修理に出すことにしたのだ。
古いオーディオ機材の輸送は心配なので、自分で深川のハーマンまで持っていった。前段の課外活動で負った怪我のせいで、車からアンプを降ろすことはままならない故、ハーマンに相談したら、駐車場まで台車で引取りに来てくれた。うーん、泣ける。1980年代のメインアンプの修理でここまでサービスして貰えると感動モノである。JBLもサポートは良いらしいが、流石ハーマン・インターだ!
投稿日付: 2009年10月 9日
タイトル: 外部リファレンスとPLL回路についての学術研究 (その3)
しばらく間が空いてしまったが、前回続き PLL Bnadwidth設定に関する計測実験についてレポートしよう。
計測内容は、dCS 992-2に外部ルビジウムクロックを同期させて、992-2の内部ファンクションである、PLL Bnadwidth のパラメータを変更した際に、出力WordClockの特性にどのような変化が見られるかを確認するものである。本来こうした計測は、同じ環境で何度か再計測を行なって再現性を確認する必要があるのだが、たもそとしては結果を見てスグに試聴したくなってしまったので、この計測は1回しか行なっていない。その点をご留意の上ご覧頂きたい。
dCS 992-2

テストベンチの乗せられた dCS992-2は既に外部ルビジウムクロックと同期が
確立している。今回は全て 44.1KHzのワードクロックで計測を行なった。
992-2のPCリモートソフトには、本体側では操作できない特殊なファンクションが幾つか備わっている。つまり、992-2の全機能を使用するにはPCリモートは必須というワケだ。但し、乱用は禁物で設定が自動的に保存されて電源を切っても戻らないので、操作を間違えると使い物にならなくなってしまうので慎重に取り扱う必要がある。
今回はその中の、【Master Clock Sync Option】メニューの【Slave Bandwidth】の項目を操作する。以下、画像及びキャプションでレポートしていく。
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| 左画像は、992-2の表示画面部で、赤ボタン【Master/Slave】がSlaveが点灯し、Sample
Rateの7セグLEDの左に【b】の 表示が出れば外部リファレンスに同期している状態を示す。 右画像は、PCリモートの該当タブでパラメータは、7.8125mHzから2Hzまでの間で設定できる。デフォルト値は250mHzで ある。今回は、一番低い設定から2段飛びで設定を変更していった。しかし、一番下の 7.8125mHzでは同期出来ず、 31.25mHz以上でないと使えないことが分かった。従って、そこから 2段ごとに125mHz、500mHz、2Hzと切り換えてみたの である。計測は動作中にパラメータを操作しながら連続して計測した。 |
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| こちらが、その結果である。こうした実験は本来もっと時間を掛けておこなうべきであるが、傾向が出ればそれで十分 だと考えていたので簡易計測とお考え頂きたい。 左画像は、ワードクロックの平均精度(mean)である。正確ではないが、時間軸で左から順に Bandwidth設定を切り換え ている。中心が目標周波数なので若干マイナス偏差ではあるが、精度についてはほぼ安定している。パラメータを変更 した直後は若干の乱れを生じるが直ぐに安定するようだ。見た感じでは Bandwidth設定値は、精度に大きな影響は与え ないようである。 続いて右画像は、ワードクロックの安定性(AllanJitter)である。画像では見難いと思われるが、一番左の数プロットは、 実はBandwidth = 2Hzの状態で、そこから一旦 31.25mHzに下げて、段階的に 2Hzに戻していったのだが、その様子が Allan Jitterではクッキリ再現されている。設定 31.25mHzに変更するとJitter値が大きく上昇、その後、設定を上げていくと 徐々にJitterが低下して、Bandwidth = 2Hzに設定すると Jitterは 約8マイクロHzまで低減している。 |
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計測実験の成果は予想以上であった。2つの計測プロット画面で分かる通り (フツーはよく分からないと思うが)
、Bandwidth設定値によって、精度に影響は少ない一方、安定性(Allan Jitter)には大きい影響があった。設定を最小値にすると、そもそも外部同期が確立しない。そして、設定可能な最大値
Bandwidth = 2Hzで、Allan Jitterは最小に収まった。当然、この組合せでは、Bandwidth
= 2Hzとするのがベストなのであろう。
しかし、それだけでは謎は解決しない。
Bandwidthが大きい方が出力クロックが安定するのであれば、もっと高い設定値も用意されて良いはずである。又、そもそもデフォが 250mHzというのはどうしてなのだろうか?Bandwidthを下げた方が音的に良い場合があるのだろうか?この辺りはまだ未解決である。しかし、この結果を見て、直ちに
992-2をシステムにインストールする決断を下したのは当然である。その結果が、8/31投稿の試聴記事である。
投稿日付: 2009年 9月14日
タイトル: 外部リファレンスとPLL回路についての学術研究 (その2)
今日は前回の続きだが、別の資料から引用しようと思う。
それは、992-2用に開発されたという、Timeload Chronosのマニュアルである。
Chronosはルビジウムクロックであり、純粋にリファレンス 10MHzクロックのみを供給するマスタークロックである。たもそのルビジウムクロックとほぼ同じものである。限定数が生産され既にディスコンである。その取り説には、なかなか興味深い記載があったのだ。
| ルビジウム原子周波数基準発振器 Chronos 取り扱い説明書 はじめに 当機器は992II等のクロックジェネレーターに接続して使用するためのもので、単体では音響用途にご使用になれませんのでご注意ください。 また、992IIの旧バージョンのものには、当機器と接続しても同期が掛からない可能性のあるものもありますので、お手持ちの992IIをご使用になる際には、お手数でも一旦弊社まで992IIを送付いただき調整および同期確認を行った後ご使用下さい。 |
| こちらは、クロノスの取り説の冒頭部である。何やら微妙な表現ではあるが、つまり、Timeloadに送って調整すると、たもそのような現象に遭遇するのではないだろうか?別のカタログのような冊子では、機体によって改造が必要な場合があるという表記もあった。 |
クロノスは事実上、dCS 992-2専用だったようだ。それで、こんな調整?もまかり通っていたのだろうか。たもその
992-2がどういう経歴なのか読み解くカギになりそうだ。もちろん、無事に外部同期が使えるようになったので、今となってはどうでも良いのだが。
・・・・・・・・・ なお、992IIのPC用リモートソフトを使用して設定を変更できる場合、外部入力端子に対するPLLのカットオフ周波数は2Hzに設定してください。 ルビジウム原子基準は992II内臓水晶の1000倍以上も高精度なので、PLL応答速度を速めたほうが時間精度が高められます。 通常この設定は弊社で初期調整の際に行います。ルビジウム原子発振器は、青ランプ点灯直後から高精度運転を開始しますが、長時間ランニングすることで、機器内部の温度が安定し、発振精度も安定します。 ・・・・・・・・・ |
| こちらは、クロノスの取り説の使用方法の一部である。これまた、ずいぶんと微妙な表現である。だが、重要なことが書いてる、「PLLのカットオフ を2Hzに設定する」 とある。 |
PLL回路に関連して重要なのがこちらの記述である。クロノスを接続する際には、992-2のPLLカットオフ周波数を 2Hzに設定すると良いと書いてる。2Hzと言えば、アレじゃないか?
PLLカットオフ周波数 = PLL応答速度 = PLL Bandwidth
そう考えれば、視界が激しくクリアになる!
そして次は実験だ。
つづく
投稿日付: 2009年 9月12日
タイトル: 外部リファレンスとPLL回路についての学術研究 (その1)
G-03Xの計測実験が一旦終了したところで、再びあの難物に取り掛かろう。
うむ、それは dCS 992-2である。
不正改造部の修理が完了した 992-2が手元に戻り、外部ルビジウム・リファレンスクロックとの同期が確認されたところで、実は、ようやくスタート地点に着いたのである。つまり、初めに
992-2を手に入れて、リモートでの操作が確立したところである。既に悠久の時間が過ぎた気がする。
dCS 992-2へのこだわりとは何か?
それは、外部リファレンス同期のPLLパラメータを多段階に操作できるという機能である。他のどのマスタークロックにも装備されていない。この機能こそ、たもその垂涎であったのだ。992-2の【英文マニュアル ver.2.0x】 を手にした時、この機能を知った。これこそ求めていたものではないだろうか?しかし、肝心の
992-2に不具合があり、実証することができなかったのだ。
その重要な部分を簡単に紹介しておこう。
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| こちらは、992-2の英文マニュアルにのみ掲載されているリモート操作のセクションから、 Slave Bandwidthの設定に関する部分を抜粋した。説明部分には、General Technical Informationを参照せよとあるが・・・。 |
992-2の日本語マニュアル(Timeload版)には、英文マニュアルのごく基本的な部分しか載っていない。これは、プロ機を民生向けに販売したこと、リモート操作が必要なこと、日本語訳が面倒だったことなどが重なってこうなってしまったと推測されるが、やはり不親切であったと思う。日本語マニュアルで割愛されたのは、メモリ設定やリモートでの操作、そして技術解説章である。フツーにWordClockを取り出すだけなら、メーカー設定のままでも使用上差し支えはないが、dCSの技術の真髄を味わうには全く不足であったようだ。
上の引用部は、リモート操作プログラムの使用方法から抜粋した部分で、外部リファレンス使用時のPLL Bandwidthのパラメータ変更のタブである。この周波数が一体何を意味するのかよく分からないのだが、値は7.8125mHzから倍々で変化して最大
2Hzまで設定できるようだ。デフォルトではほぼ中央値の250mHzに設定されている。
説明では、General Technical Informationを読めと書いてあるので、そこに飛んでみよう。
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| そして、同じマニュアルのオマケらしき部分に掲載された、General Technical Information と部位より抜粋した。PLL Bandwidthの設定による、Jitterの値 が表になっている。 |
General Technical Informationには、PLL Bandwidthという項目があって、いろいろ書いてあるのだが相当難解である。下段の表からは、PLL
Bandwidthを変更すると、Timing Jitterが変化することが分かる。この辺がキモのようだ。文中にはGPSとかRubidiumとかキーワードが出てきている。
つづく
投稿日付: 2009年 9月 5日
タイトル: ESOTERIC G-03X マスタークロックジェネレーター (卒論編)
dCS 992-2と入れ替わりに G-03Xがラックから出てきたので、再び幾つかの計測を行なった。
今回の着目点は、外部リファレンス接続による出力WordClockの品位の変化である。ルビジウムクロックが高い精度と安定性を持った10MHzリファレンス・クロックを出力することは既に十分認識されている。しかしながら、実際にはマスタークロック・ジェネレータに接続して
WordClockに変換(逓倍分周変換ではない)しなければ、クロック同期機構を備えたオーディオ機器には繋ぐことができない。自作により外部リファレンスから直接WordClockを生成する方法もあるようだが、それだけではまだマスタークロックを代替するには至らない。
かねてより、マスタークロックによる WordClockの品位格差について、計測及び試聴によって比較してきた。マスタークロック単体での品位に加えて、ルビジウムクロックと同期させた場合が重要である。たもそがマスタークロックを何台も購入してきたのは、この点を検証することが最大の目的であったのだ。つまり、最高のマスタークロック・ジェネレータはどれなのか?
今回は、既に何度か計測実験を行ってきた ESOTERIC G-03Xに再登場頂いて、計測結果を検証しようと思う。なお、何度も申し上げていることであるが、計測結果にはタイムベースの誤差が含まれており、同じ被計測機材でも個体差を有することから、絶対的な結果を求めるものではない。しかし、同じ環境で計測した2台の被計測機材を相対的に比較することは可能である、という前提に立ったものである。
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| まずは、G-03X単体での計測を行なう。内蔵OCXOはエージングに数日を要するが。今回は12時間ほど経過したところで 計測を行なった。画像ではルビジウムクロックも写っているが接続していない。計測はWordClock 44.1KHzで行なった。 右手画像は安定性(Allan Jitter)の代表値(typical)で、SD=3マイクロHzというのは 7x10E-11となる。 |
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| こちらが計測結果、左手が平均誤差のプロットで、OCXOはエージング中と見られる。それでも、既に定格上回る精度に 入っている。面白いのは、水晶はエージング中にほぼ一定方向に周波数が変動することである。そして、右手は安定性 (Allan Jitter)である。44.1KHzに対してSD=3.5マイクロHzというのは、殆んど計測限界である。しかも、まだエージング中 にも関わらずである。 |
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G-03X単体での精度計測はこれが3回目になるだろうか。毎回素晴らしい結果が出ているので勿論偶然ではないだろう。他のマスタークロックでは決して得られない安定性を持っている。ハッキリ言って、これと比べたら
992-2などゴミである。
ところで、この計測結果をよくよく眺めると、大きな矛盾を感じざるを得ない。どこかで、「クロックの音質への影響は安定性が重要であって、精度は関係ない」
と説かれていた。たもそも基本的は、その通りだと思う。しかし、この素晴らしい安定性を示すクロックを精度の点からもう一度見てみると、一定のペースで周波数が上昇していることが分かる。音楽的に考えれば、ピッチが徐々に上がっていくことになる。それで良い音なのだろうか? ここに標準偏差の盲点がありそうだ。
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| 今度はルビジウムクロックを同期させて計測してみた。G-03Xの上に載っているのが自作ルビジウムクロック。そして、 右手は安定性(Allan Jitter)である。006というのは、SD=6マイクロHzを示している。 |
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| こちらが計測結果、左手が平均誤差のプロットで内蔵OCXOで計測したものよりもスケールが拡大(5マイクロHz/div) している。ルビジウムクロックを起動した時点から計測しているので、立ち上がりは誤差が大きいがロックしてしばらくする と、+/- 2マイクロHzという素晴らしい精度に到達する。これでおよそ 4.5x10E-11である。そして、右手は安定性(Allan Jitter)である。スケールは内蔵OCXOと同じである。見て分かる通り安定性は若干落ちている。 SD=9マイクロHz程度 と読み取れるが、これでは内蔵水晶の時よりも劣化していることになる。もちろん、エージングによって改善する可能性 はあるかもしれない。 |
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こちらは、普段聴いているルビジウムクロック同期による G-03Xの計測結果である。精度は申し分ない。ルビジウムクロックの定格精度が1x10E-11であるから、
WordClockレベルで 4.5x10E-11というのは既に限界だろう。起動からこの精度に到達するのに20分もあれば十分である。ところが、安定性(Allan
Jitter)を見ると少々落胆する。精度が圧倒的に良くなっているのに安定性は若干劣化していたのである。
もちろん、これでも十分高い安定性を持つクロックなのだが、内蔵水晶に負けるというのがちょっと悔しいのだ。これは、一体どうしてなのだろうか?
これが、たもそを悩ませるマスタークロックの謎なのである。
なお、試聴による比較では、明らかに外部ルビジウムを同期させた方が音に締りが出て、解像度、立体感と全ての面で向上する。これは、何度やっても同じなので
ルビジウムクロック無しで聴くということは殆んどない。
投稿日付: 2009年 8月31日
タイトル: プロ用マスタークロックジェネレーター dCS992-2 の謎 (試聴編)
さて、類稀なき経緯を辿ってようやく稼動可能となった dCS 992-2を試聴することにした。なお、ここまでに既に幾つかの計測と実験を行なっており、その結果、非常に期待出来る設定が見付けられたので、これを確認するために直ちにインストールしたものである。この実験や設定ついては、暫らく後に明らかにしていきたい。
dCS 992-2 Elgar 974

G-03Xと入替わりでインストールされた dCS 992-2。これで、デジタル系
は殆んどdCSに独占されてしまったことになる。G-0sも早く聴きたい
のだが最上段は高さが足りない。そうなると大幅なレイアウト変更が
必要になるので、当分はこのラインナップで聴くことになるだろう。
マスタークロックの定位置は現在ラックの最上段となっており、ここに 992-2をインストールした。その上の天板部にはルビジウム・クロックが設置されており、やや長めのテフロン同軸で10MHzリファレンスクロックを送っている。992-2からは、SACDトラポの Verdi Encore、DACの Elgar Plus、DDCの 974、そして、PCオーディオデバイスの Digifaceの4系統にWordClockを送り出している。今や同期機器は4台もあるのだ。
クロックマスターは Elgar Plusだけで、他は全てスレーブとして動作している。dCS機ではDSDモードでクロック同期させるには 44.1KHzしか選べないので、今回は全て 44.1KHzのWordClockを送り出している。メインは
Digiface = 974 = Elgar Plus の構成である。ここで、Purcell 1394を使わないところが非常に重要だ。もしかしたら、DAコンバーターも民生機の
Elgar Plusよりも、954-2や 955の方が良いのかもしれない。ディスコン機の方がお勧めだったりするのがオーディオの不思議なところである。
ラックに設置した 992-2にはルビジウム・クロックのリファレンスを送る。もちろん一発同期で気分良し。水晶発振器は、通電して3日くらいはエージンしないと本領発揮とはならないが、待つのももどかしく2時間ほどで音出ししてしまおう。
ム、深い、奥行き間が出ている。音の品位は G-03Xと大きく変わらない、というか、もうこれ以上良くはなりそうもない。しかし、比較するとウォーム感と奥行きの深さを感じ取れる。これはクロック精度やジッターレベルの差というよりは、キャラクターの差のようにも思われる。G-03Xの方がもっとシャープで高解像度だったと思う。
フムフム、クロックは奥が深いのぅ。
投稿日付: 2009年 8月28日
タイトル: プロ用マスタークロックジェネレーター dCS992-2 の謎 (因縁編)
えにしとは恐ろしいものである。邂逅編まで記して忘れたはずのアイツが帰ってきたのだ、その名は
dCS 992-2である。
帰ってきた! dCS 992-2

画像は初めにテストベンチに乗った頃の物を再掲。
今年初めの頃、たもそが購入したこの 992-2は、外部クロック同期不具合(原因は不正改造による)で返品された。その後、某修理店によって一旦は修理されたものの、販売店からは外部同期については動作未確認で保証できないと宣告されたため、たもそは引取りをあきらめた、といういわく付きの機体である。
その後、この制約条件付きで再度販売されて無事にどなたかの手に渡ったハズだったのだが、どういう訳か又店頭に並んだのである。たもそには馴染みのある機体であるから直ぐに気付いた。そして経緯を尋ねてみると、販売先から使いこなせないということで戻ってきてしまったという。フーム、どうしたものだ。
依然として外部同期は未確認だということで微妙ではあったが、既にこの件でやり取りしている店員さんは、もういわくつき過ぎなので値段はどうにでもするというので、こちらの言い値で買い取らせてもらった。どちらが店だか分からないやり取りであった。ということで、件の
dCS 992-2が、又たもその元に戻ってきたのである。(^^
これを因縁と呼ばずにはいられない。
届いたところで、さっそく動作チェックである。通常の動作は中古保証付きだが、もちろん問題はない。相変わらず本体だけでは使い難い機械だ。たもそが手放した時の設定は全てクリアされていた。さて、続いて手元の
GPSDO(HP Z3805A)を外部接続してみる。これは返品前でも同期できていたので、これが通れば改悪はなかったことになる。どうだ?
【b 10nn】
キタッ!GPSでの同期は維持されている。良い感じだ。
そして今度は、たもそのルビジウム クロックを予め暖機しておいてから、外部同期BNC端子に繋いでみた。どーよ?
【b 10nn】
ウォッ! キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
一発でルビジウム クロックと同期確立したのだ。
某修理店の腕は確かだったのだ。そして、一旦は返品、販売されたのに ・・・・・
又、たもその元に戻ってきたのだ。
これをえにしと呼ばずに何と ・・・
しかも、相当お安くなって再ゲットできた。
投稿日付: 2009年 8月24日
タイトル: ESOTERIC G-0s ルビジウム マスタークロック (基板端子直結入力)
前回の計測に比べて、今回は一段と深堀りした実験である。だんだんフツーではなくなるのだ。
既に紹介した通り、G-0sの内部基板上にはたくさんのBNC端子が付いており、いろいろ無駄な信号が出入りしている。電源周りについても同様で不要な回路に電源が供給されているが、ピュアな観点ではこれらはなるべく切り離したい。そこで、ターミナルで接続されている端子をドンドン切り離して、必要な回路だけが動作するようにいじってみた。もちろん、この段階では完全な復元性を維持しており改造ではない。
先年、ダイナミックオーディオの店長もここに手を入れたようだが、全くこの基板を見ていると要らないものが沢山繋がっているので、ついつい取り外したくなるのだ。まず、内部
Xtal関連の信号線と電源、それから、特殊な100KHzクロック線、更にたもその場合は、内部Rbの信号線と電源回路も切り離してしまった。これでは、もはや
G-0sではなく、只の G-0である。(^^;;
もちろん、取り外したケーブル類は復元性を維持するためにラベルやマーキングを施しておく。
ここで一番問題となるのは、内部端子に接続するためには、天板を開けておかねばならないことである。今回は実験段階なので、あまり気にせず天板を開けたまま、ないしは半開きの状態で計測を行なった。
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| 初めは常時通電されているGPSDOの10MHz信号を入れてみる。天板はオープンのまま、メイン基板のEXT端子に直結 してやった。これで、内部の同軸ケーブルを1段パス出来るのでピュア度UPである。初めから、メイン基板上にEXT端子を 設けてくれれば良さそうなものだが、G-0sは本来、外部マスターを必要とはしない機材なので仕方がない。 |
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| 前回とほぼ同じ条件で計測した88.2KHz WordClockのプロットチャートである。平均誤差(MEAN)はより少々改善した。 一方、安定性(AllanJiiter)の方は、殆んど変わらないが少なくとも悪化はしていないようだ。ワイヤリングの程度では あまり影響はないのだろうか。 |
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まずは、GPSDOから。
結果は画像のキャプションの通りである。殆んど変化はないようだ。もちろん、絶対的な水準は精度、安定性とも抜群で、これ以上改善しようがないWordClock信号である。
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| 今後は外部ルビジウムの10MHzを繋いでやる。天板を少し開けたポジションで設置してみた。画像では天板が本体手前 に庇のように出ている。天板の隙間は右画像の通り、同様にExt端子に接続した。 |
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| 結果はこの通り、精度はなぜか外部Rbが一番良い。+/- 1μHzのレンジは殆んど計測限界である。一方、安定性の方は 前回よりも僅かに改善傾向が見られた。平均でσ= 5μHzというのは、内蔵Rbと同等であり、精度も合わせれば外部Rb が一番ということにはなる。但し、計測限界領域での微少な差は有意な格差と捉えると間違えであり、3つのリファレンス クロックはほぼ同等と判断して良いだろう。 |
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ある程度、内部基板端子への直結による計測結果の改善に期待していたのだが、残念ながらその差は僅かで、計測の度に変わるような微少な差しかなかった。これ以上、WordClockレベルで改善させることは難しいのだろう。
さて、計測はこの辺で一旦切上げて、肝心の G-0sの音を聴いてみたいのだが、実はまたまた別の機材が入ってきてしまい、試聴は又先送りになりそうな気配である。その内、落着いたら試聴レポートも行う予定なので、お待ち願いたい。
投稿日付: 2009年 8月14日
タイトル: ESOTERIC G-0s ルビジウム マスタークロック (内部Rbと外部入力計測)
今回は、G-0sを普通に計測した結果である。どこが普通なのかはおいおい分かるだろう。(^^
計測対象は、88.2KHz WordCLockで Aチャンネルのみ出力して ユニバーサルカウンター
SR620で計測した。3つのタイムベースを使った計測結果をレポートするが、それぞれ、G-0s内蔵Rb、外部ルビジウムクロック (たもそ謹製)、外部GPSDO(HP Z3805A)である。外部タイムベースは本体リアパネルのExt Inに接続して計測した。G-0sは事前に24時間以上通電しており、ルビジウムクロックは30分ほどの暖機、GPSDOは常時通電である。
計測は接続後、直ぐに計測を始めているので、精度が徐々に上がった結果もあるなど少々マチマチである。プロットチャートは、1secゲート、50回計測を一試行としている。計測結果は、平均誤差(MEAN)も安定性(JITTER)とも最少単位(1μHz)まで表示されているが、分解能の限界まできているので、数値の大小を比較することはあまり意味がないことをお断りしておく。例えば、JITTERでσ=2μHzと
4μHzでは内部誤差程度の差でしかない。1桁違って初めて優位な差と考えるべきである。
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| こちらは内蔵Rb(PRS10)での計測結果である。平均誤差が50μHzというのは、誤差およそ
6x10E-10となり、残念ながら 定格は満たさない。勿論、これは経年ドリフトなので再校正を掛ければ十分定格精度に復帰させることは可能だろう。 平均誤差(MEAN)のグラフから十分収束していることは確認できる。一方の安定性(AllanJitter)のチャートを見ると、 なかなか良好な結果であった。およそ σ=5μHzというのは、5.7x10E-11となり、素晴らしい安定性を見せる。 一般的には、タイムベース(精度を上げる為の10MHz発振器)に比べて、出力されるWordClockは、精度、安定性ともに 一桁くらい劣化するのが普通なので、G-0sのPLL回路はかなり優秀だと思われる。 |
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| 続いて、こちらは外部接続したルビジウムクロックに同期させたものである。予め精度を追い込んだルビジウムクロックは 起動から10分もあれば圧倒的な精度に到達する。代表値(Typical)の誤差は計測限界以下。平均誤差(MEAN)のチャート でも概ね +/- 1μHzに収まる。安定性も優秀で、Jitterチャートからおよそσ=6μHzと読み取れる。 内蔵Rbとの違いに触れておくと、モジュールのスペックは同等で、外部ルビジウムの方は電源が完全に独立している。 一方、ケーブル引き廻しはかなり不利である。ルビジウムクロックと G-0sの間と G-0s内の基板までの2つのケーブルが あるので内蔵Rbの方が有利だろう。 |
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| 最後に、外部タイムベースとしてGPSDOを接続したものをご覧頂こう。左上画像が
HP Z3805Aである。平均精度がやや 悪く見えるが、これは事前に計測器の内部誤差をキャンセルする為の補正を行なう前なので参考程度に見て頂きたい。 一方、安定性(AllanJitter)の方は、流石に優秀で内蔵Rbと同等であった。 |
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今回は、入庫後の G-0s単体での計測と兼ねて行なったので、計測条件などは厳密に合わせていない、まぁ、軽く測った結果とお考え頂きたい。この結果から言えることは、G-0sは、内部Rbでも外部リファレンス接続でも非常に優れたクロック安定性が確認され、WordClockを生成するPLL回路が非常に優秀なことである。コストの掛け方を考えれば、ある意味当然とも言えるのだが、初代機において既に十分成熟した機器であったと考えて良さそうだ。
であれば、直ぐにその音を聴いてみたいものだが、残念ながらしばらく試聴は先になりそうである。というのも、この筐体は現用の
G-03Xと比べて高さがあり、そのまま入れ換えることが出来ないのだ。かなり大規模なレイアウト変更をしないと、G-0sはシステムにインストール出来そうもないので、しばらく試聴はお預けとなりそうだ。
続いて今度は、天板を開けて直接メイン基板に外部クロックを注入して計測したみたい。また、不要な水晶発振器回路や100KHzクロックの配線は切り離して、よりピュアなセッティングで計測してみる積りである。
投稿日付: 2009年 8月 7日
タイトル: ESOTERIC G-0s ルビジウム マスタークロック (導入編)
例の dCS 992-2不正改造事件の後も、マスタークロックを手に入れようと探していた。それは、現用機の
G-03Xをいろいろいじるために、交代要員として必要だからである。一度 992-2が出てきたが、これは速攻でさらわれてしまったが、後で聞いたら知人だった。世の中が狭いのだ。一級のマニアと呼べるその方とは、以前からメールでやり取りさせて頂いているが、G-0も結構面白そうだということで G-0も探していたのだが、全然出てこない。
そんな時に、G-0sが出てきた。コイツも既にディスコンだが ESOTERICに頼めば最新の G-0Rbにアップグレード出来るので、あまり出回らないモデルである。値段は意外にお安いことが分かったのでゲットさせて頂いた。思惑外の買い物ではあったが、そもそもこの
G-0sの出現こそがルビジウム発振器をオーディオに持ち込んだパイオニアなのである、先祖返りの趣きもあって万感である。
しかし、それだけではなかった。G-0sは初代であるが既に完成されていたようなのである。そして、例によって ESOTERIC社の設計思想が実に深いことにまた気付かされたのであった。とても一回では報告できそうもないので、何回かに分けてレポートしていきたい。
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| 恒例の入庫時の記念撮影。大きめの解像度で保存しておくと意外と後で 役に立つことが多い。G-0sのフロントパネルは既に枯れた感が強いが、 イングレーブされた大きなロゴは押し出しがつおい。 |
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| こちらはG-0s リアパネルで、パッと見では素G-0とは見分けがつき難い。 3系統各2出力のワードクロックは他のモデルとも共通の仕様。 |
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| リアパネルのアップ画像。全ては10MHzに行き着くのか? ルビジウム発振器を搭載したG-0sに何故、外部10MHz入力端子が必要 なのか疑問ではある。 |
今回の機体は個人ユーザーから直に譲られたので、付属品、元箱は完備されており元箱は三重梱包箱であった。外観画像はやや今更感アリだが入庫時記念撮影をアップした。ここでの観察ポイントはリアパネルの外部10MHz入力端子だろうか。初代では外部10MHzの負荷インピーダンスは75オーム仕様だったと思うが、BNC端子も75オームになっている。内部基板の同軸端子も75オーム系で統一されていたが、果たして、内蔵ルビジウム発振器 SRS PRS10は本当に75オーム仕様だったのであろうか?
また、初代機 G-0sは姉妹機の G-0と同時発売となったのだが、リアパネルには外部10MHz入力端子を備えている。(3枚目画像参照)
これがやはり謎である。G-0については、精度も低いし外部タイムベースを接続する可能性はあるかもしれない。しかしそれとて、G-0sへのアップグレード・パスが用意されているのだから、本来必要性は乏しい。
ましてや、G-0sである。こっちは世界初のオーディオ用原子時計内蔵マスタークロックとして登場したのである。発売時点で最高水準の精度を持つと謳われた機器に外部10MHz端子は違和感アリだ。商品説明上では、セシウムクロックなどの上位タイムベースの接続などに使用するとある。しかし、個人でセシウムクロックを運用することは相当難しい。考えられることは、G-0s用にESOTERIC製セシウムクロックの発売が計画されていたのかもしれない。或いは、GPSDOか・・・。しかしその後、それらしい機器は発売されていない。
しかし、この外部入力端子は、たもそには非常に関心をそそるのである。G-0を探していたのは、もちろん同じ理由である。
続いて、G-0sにはたもそのテストベンチに乗って頂いて、いろいろ計測などやってみようと思う。
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| いつものテストベンチ(作業台)に乗せられたG-0sクン。ちょっと迷惑そうな 表情ではある。ワードクロックは全て88.2KHzで計測した。 |
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| 動作チェックしたら、直ぐに天板オープン。開ければG-0との違いは明確に なる。電源トランス、電源部とメイン基板、Rb発振器と3つのセクションに 区切られた内部はG-25UやG-03Xに比べて物量投入されている。 肝心のSRS社 PRS10モジュールは右セクションの下に隠れている。これ では少し放熱性が悪いように見える。 |
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| メイン基板のアップ。中央下部に3つ並んだXtalが原発となる、44.1KHz、 48KHz、100KHzの発振器。一番上に並ぶ6つの金色端子はWordClock 出力端子である。上部右寄りの基板に直付けされたBNC端子は内蔵 10MHz水晶、内蔵10MHzルビジウム、外部10MHzの入力端子である。 この3つの端子は外部接続端子から短いBNCケーブルを介して接続する 構造で計測器の世界ではコンベンショナルな設計だが・・・。 |
まずは、動作チェックのためにテストベンチに乗ってもらった。計測は全てWordClock
88.2KHzで行なった。単体で内蔵ルビジウム・モードで計測したところ問題なし。クロック波形は G-03Xには及ばなかったが、まずまずであった。入庫時の動作チェックはこれで終了である。
続いて、天板を開けて内部をチェックする。上の2枚目画像が G-0sの内部全景で、3つのセクションに区切られており、左が電源トランス、中央手前が電源回路、中央奥がメイン基板、右がルビジウム発振器及び水晶発振器である。G-25UやG-03Xと比べると明らかに物量が投入されている。電源トランスはかなりの大きさでオーバースペックだろう。電源基板も大型でゆとりのある構成である。メイン基板には原発となる、44.1KHz、48KHz、100KHz各系列の水晶発振器が搭載されている。これ自体もパッケージは大型で良さそうだ。
メイン基板の終端はクロック出力用のBNC端子が直付けになっており、無駄のないレイアウトである。一方、その周囲には幾つかのBNC端子が上向きで基板に直付けされており、全てBNCケーブルが接続されている。このうちの左寄りの2つは、100KHz出力クロックの引出し線になっている。一方、3つ並んだBNC端子は受けになっており、右側のセクションから内蔵Rb(PRS10)、内蔵水晶、外部入力端子に接続されている。このような配線手法は、まさに計測器のそれであり、オーディオ機器では珍しい。
計測器が内部で同軸コネクタを使って配線されているのは、容易に設計変更できることや、スペックの異なるモデルで部品を共通化するのに便利なためである。G-0sも姉妹機 G-0や後継機 G-0Rbがあるので、それなりに意義はありそうだが・・・ちょっと不思議ではある。
2枚目画像に戻って、右側セクションを覗くと小さい基板が見えるが、これは内蔵10MHz
水晶発振器である。G-0sではフロントパネルのスイッチで、内蔵Rb、内蔵水晶、外部入力を切り換えることが出来る。しかし、この内蔵10MHz水晶はかなりショボイ。大きさからしてメイン基板の原発水晶よりも小さいパッケージで頼りない感じだ。恐らく、世界発のルビジウム発振器の効果を確認するために、わざわざ当て馬として搭載された悲劇の水晶と言えるだろう。余りにも無意味だった為か、G-0Rbでは取り外されたしまったのも頷ける。
観察はこれくらいで良いだろう。続いて、幾つかの計測を行なった。
つまり、G-0sの内蔵Rbと外部接続された10MHzクロックの計測比較するというのが目的なのである。
更に幾つか調べた結果、この G-0sの類稀な設計思想がもたらす恩恵によって、複数の外部クロックをホットチェンジ(通電したまま)で切換え試聴が可能なことが確認されたのである。これは素晴らしい実験マシンだったのだ。
つづく
投稿日付: 2009年 7月20日
タイトル: SPケーブル交換して・・・近況
全てのスピーカーケーブルを交換してしばらく聴き込んでいる。エージングは不要なハズだが、やはり練れてくると音も落着いて実力を現してくるようだ。結局、3wayマルチの全て異なるブランドのSPケーブルに交換した。従前は全て BELDENだったから、ある意味、画期的である。ここまでの結論は、今が一番良い音だと感じている。途中で機材も入れ換えたりしているので、ケーブルだけの効果ではないのはもちろんだが、この状態を維持することが大事に感じる音が出ている。
まず、定位が良い。ソースに拘らずに立体的な音の形を感じられる、これは素晴らしい。解像度やスピード感はこれまででも十分出ていたのだが、定位が決まると音が三次元的に聴こえるのだ。センターと左右の中間に定位する楽器は途中でブレない。こういう音が出ている時は、なるべくいじらないでドンドン聴くに限る。
たもそのオーディオシステム

現在のシステムはプリアンプは PassLabs ALEPH-Pでミッドの
アンプが Levinson 23Lになっている。その他は変わっていない。

全体への影響が大きいのはやはりプリアンプとミッドの
メインアンプであろう。23Lはかなり気に入っている。
アンプの後ろから伸びるのが、Ortofon SPK-4500
現状、唯一不満なのはやはり低域で、一番難しいところだろう。DF-45でいじると、いろいろな音が出るので面白いが、Jazzで合わせるとPopsでは今一になったり、まだ試行錯誤の途中である。それでも、定位の良さでカバーされるので十分聴ける。今回、この音が出るキッカケになったのは、SPケーブルだったのか?
新しく組んだルビジウムクロックなのか? アンプなのか? 今となっては良く分からない。(^^;;
もしかしたらウーファーのSPケーブル交換の際にユニット・ディレイを設定し直したのが良かったような気もする。
投稿日付: 2009年 7月 4日
タイトル: ACROLINK 6N-S1040II きしめん型 スピーカーケーブル
前回紹介した Ortofon SPK-4500 Silver は、なかなか好印象でドライバー用に定着する気配である。購入する時点では極太ケーブルなのでウーファー用に良さそうだと考えていたのだが、先にドライバーで試して良い場合はそちらが優先する。ということで、改めてウーファー用のSPケーブルを検討した。同様に2芯太目というのが条件であるが、今度は
アクロリンクに目を付けた。ここも6Nや7Nなど高品位の太目の線材を得意としている。当然だが太目ほど単価がお高い。
で、やっぱり中古品を選ぶことになった。ケーブルは多少使い古しの方がエージングにより音は落ち着くし、簡単に壊れたりはしないものだから中古で十分である。その代わり、高いヤツを選ぶのだ。今回ウーファー用に手に入れたのは、ACROLINK 6N-S1400II である。メーター単価で5ケタの大物だ。出来れば 2.5mペアが欲しいのだが、2.0mペアを入手した。ウーファーならラック背面に配線できるので、2.0mでもなんとかイケるだろう。
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| 届いたケーブルを記念撮影する。6N-S1400IIは変わった外形で、麺類で いえばきしめん型である。ねじれないので取り廻しが良いとはいえない。 |
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| 6N-S1400IIのサイドロゴをアップにしたところ。中古なので所どころ文字が 擦れているが、店売りだとホコリまみれで変色しているのもあるから、中古 の方が程度が良かったりするのだ。 |
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| こちらは末端処理の様子でアンプ側である。短いケーブルをラックの奥で 接続することからバナナプラグを選択した。少し太いのでStudio Ref1の ポストでもしっかり接続できるようだ。画像ではイモネジで留めてあるように 見えるが、実は半田で固定している。何ヶ所も押し付けで留めるのは好き ではないのだ。 |
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| こちらはSP側の末端処理でYラグである。太いケーブルをポストにガッチリ 留めるには、これが一番良いだろう。もちろん、半田接合で仕上げてある。 |
2.0mペアだと、たもそのシステムではあまり余裕がない。ウーファーの場合はエンクロージャを手前に引き出してやらないとケーブルは取り付けできないので、長目のケーブルを使うかアンプ側は後で繋ぐことになる。それで、アンプ側は接続の簡単なバナナプラグ仕様とした。SP側は確実に固定できるYラグ仕様である。メンテ性を考慮しないとな。
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| こちらは久し振りの進工舎 4333型エンクロージャの裏面である。 ポストは記憶違いでかなり太いネジだったので、8mm専用のYラグ で問題なかったが、これも汎用性を保つため仕方がない。 |
何年振りかでウーファー・エンクロージャを引き出してSPケーブルを交換した。先にSP側を取り付けてエンクロージャを戻してから、ラックの奥でアンプ側を接続する。バナナプラグなら片手でも簡単にセットできるので便利ではある。ウーファーを動かしたので、必然的にホーン部の位置決めはやり直しとなる。これが面倒なので、何年もいじらなかったのだ。
さて、ホーン位置を決めてウーファーからの遅延距離を測ってチャンデバを補正する。殆んど変わりはなかったが1cmほど動いた計算になる。ケーブルは中古でエージング済みと考えて直ぐに試聴に入った。
音出しした途端に、帯域バランスの崩れを感じて低域をいろいろいじる。どうやら、SPケーブルを換えたことで低域が数dBも上がったようなのだ。もちろん耳での判断なのでアバウトである。低域を絞ってクロスも630Hzに変更したらバランスが良くなった。本当は他は変えずにケーブルだけ変更して比較しないと意味がないのだが、確実に低域のレスポンスが鋭くなり締まった音になっている。もうちょっとチャンデバでいじった方が良くなりそうだが、まずは成功と言えそうだ。
投稿日付: 2009年 6月26日
タイトル: Ortofon SPK-4500 Silver スピーカーケーブル (末端処理編)
ケーブルはカットしただけでは使用できない、末端処理が必要である。本来は裸線のままターミナルに繋ぐのが電気的には一番良いのだが、撚り線は解けてバラバラになり始末が悪い。そこで撚り線に半田を浸透させて固めるのが半田上げである。通常はこれで十分だが、機材と簡単に接続したい場合はラグ仕上げが必要となる。ラグの良い点は強固に締めることが出来ることだろう、また、太い線材の場合はラグを介さないと接続できない。このSPK-4500もそういうケーブルだ。
今回のケーブルは価格的にも相応の末端仕上げを施してやりたいということで、いろいろラグ部品を見て回った。最近はバナナプラグがけっこう流行っているようだが、これは、そもそも強固に接続出来ないので良いモノではない。また、たもそは古いアンプが多いので、バナナプラグ対応になっていないアンプもある。そこで、アンプ側はやはり基本のYラグ仕上げとすることにした。Yラグには又の幅によって、6mm系と8mm系がある。6mmのポストに8mmのラグで固定することは可能だが隙間ができてよくない。
ESOTERICなどは、6mm/8mmで別々に商品を提供しているメーカーもあるのだが、今時は8mm用が主流のようだ。しかし、古いアンプは殆んどが6mmポスト仕様になっているので汎用性も保つために、今回は6mm/8mm兼用のYラグを使用することにした。そして、素材や仕上げとケーブル固定方法から
オヤイデのSPYTを採用した。
一方、問題はスピーカー側である。マルチアンプシステムの場合、SPケーブルを沢山使うとともに、接続方法がいろいろになるという問題がある。ウーファーは箱に入っているので一般的なポストだが、ドライバー類はユニットに直接ケーブルを繋ぐことになる。これは、原始的なスプリング式ポストが多いのだ。コイツはなかなか厄介なシロモノで、細めの撚り線なら半田上げで問題ないが、線材が太くなると丁度良いラグがあまりないのである。
今回もこの点が末端仕上げの一番の悩みであった。あまりスプリング式に適合させると、今度はウーファーに使うとき不便になる。ケーブルの互換性もある程度は保ちたい。そこで、いろいろ試してみたのだが、2インチドライバーのTAD TD-4001については、特定のバナナプラグが丁度差し込めることが分かった。これは朗報!である。しかも、そのバナナプラグは先端をYラグに交換することも可能らしい。これならかなり互換性が保てるぞ!
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| こちらはアンプ側の処理で、オヤイデ SPYTを使用。下地処理、メッキの仕上げとも丁寧で日本メーカー製の良さがある。ケーブル接続部はカシメと半田仕上げの両用だが、たもそ的に半田仕上げに向くと考えて採用。半田はラグ全体を加熱して流すので、融点の低いKR-19RMAを使用した。SPK-4500の絶縁被覆はかなり耐熱性が高く、これだけの加熱にも変形は見られず高品質を窺わせる。 |
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| こちらは半田処理を終えて、スミチューブで被覆保護して完成したところ。アンプ側はポスト間隔が狭いことが多いので短めに仕上げてある。 |
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| こちらはスピーカー側の処理でちょっと特殊な端子を使用。先端のチップが取り外せる構造は便利か。本来は、イモネジ2本で固定する方式だが、敢えて半田仕上げを選ぶ。SPK-4500は芯線が太くて、わずかにコネクタの穴が狭かったので、ドリルでΦ4mmに拡張してから芯線を押し込んでイモネジの穴から半田を流し込む。端子の先端は穴が開いていることからタップリと半田が吸い込まれた。 |
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| 接合面は広く取れているので導通性は良いだろう。スミチューブで保護してから先端のバナナチップを取り付けて完成したのがこの画像。ドライバーTD-4001で使うことを想定して、外部被覆は130mmも剥いで仕上げてある。 |
加工の様子は画像をキャプションを参照願いたい。
完成したら、さっそくインストールして試聴である。ケーブル自身は中古なのでエージングは不要のはず、但し、末端処理で取り付けたラグ類は新品なので少し鳴らした方が良いと思われるが、直ぐに聴いてみた。
うーん伸びる伸びる、ボーカル(特に断りの無い限りボーカルは女性と達郎)の艶と伸びが断然良くなった。JAZZのサックスも同じように艶と伸びが加速する。それと、楽器類の存在感というか立体感が感じ取りやすくなった印象だ。ウーム、ケーブルいいなぁ・・・。でもヤバイなぁ・・・。機材と変わらない価格帯のケーブルも沢山ある。自重堂だ。
以下は、アクセサリー厨を戒めるためのオマケ画(^^
SPケーブル末端加工用部材箱

アクセサリーに近づいてはいけない教訓の一例。SPケーブルの末端加工
の部品だけでパーツケースを一杯にしてしまう、この蒐集癖が問題である。
これらの殆んどが予備的動機で退蔵される。それがイカンのだ。
投稿日付: 2009年 6月22日
タイトル: Ortofon SPK-4500 Silver スピーカーケーブル (切断編)
スピーカー・ケーブルを交換しようといろいろと物色しているが、どんなSPケーブルが良いのか?全然分からない。そこでイメージを決めて、それに近いものを幾つか購入して比較することにした。そのイメージは、太目の二芯でしっかりした被覆があり、素線は6N、7NのOFCやPCOCCなどのハイグレード線材を使ったものである。このイメージで、手始めに 古河電工 μ-R3があったのだ。
そして、更に探すとオルトフォンのケーブルが良い感じだった。そこで、色々見たのだが新品はちょっとお高い感じなので、中古も含めて物色していた。何度か取り逃がしたが、今回は粘ってゲットした。んー、元値も高いのだが、中古でこのメーター単価は驚異だ! 7.5mが2本出ていたので両方とも欲しかったのだが、残念ながら1本だけだった。たもその使うSPケーブルは基本
2.5m/chなので、これ1本だと無駄が出てしまうように見えるのだが、実はコイツは半端尺でも使い道がありそうだったので、1本でも良いのだ。(^^
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| 届いたSPK-4500は公称値7.5mを上回る実測長であったので少しお得か? 2.5mペアを切り出す予定であったが、少しマージンを取って2.7mペアを切り 出して残りは2.4m。3本になったところで撮影した。 |
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| SPK-4500のサイドロゴ部分をアップ。Silverはソリッドとプレーテッドの複合 構造らしい。極めて太い被覆ケーブルながら比較的取り廻しは容易。 |
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| 関心の高いと思われるコア部分のアップ。銀線と銀メッキ線の複合コアで 三重構造のコア。充填材は綿糸の束でアルミフォイルのシールド。フォイル のみのシールドなのであまり硬くはない。外部被覆は水道ホース並みの 太さがある。 |
ケーブルを記念撮影することは余りないが、中古でも結構なお値段だったので画像を掲載してみた。外観はΦ13mmの水道ホースそのものである。二芯だが中身は相当詰まっていて、当然ながら結構硬い。但し、オヤイデのTSUNAMIほどではなく、一応取り廻しは可能であった。届いた状態で実測すると長さが
7.8mほどあったので、ちょっと得した気分である。単価が高いのだから差額は大きい。
当初は2.5mを2本切り出して、残りは別に使う積りだったが、余裕があるので、2.7mx2で切り出した。これで残りは約
2.4mとなる。残りは、そう電源ケーブルに使うのだ。巷の情報では、コイツは電源ケーブルにしても非常に良いらしい。それで 1mくらいの半端尺でも使い道がちゃんとあるのだ。
当然、このままでは使えないので末端処理を行なうのだが、予想以上にコア(芯線)が太く、且つ微細な素線から構成されているようなので、末端処理も少し工夫が必要のようだ。その辺は、また次の機会に紹介できるといいのだが・・・。
投稿日付: 2009年 6月20日
タイトル: PASS LABS ALEPH-P MKII プリアンプ
オーディオのシーズン到来!である。
オーディオには旬があるのだ、それは6月と12月である。シーズンになると、まずショップがセールを実施する。在庫期間の長い中古品や展示品を大幅に値下げする。そしてオークション市場でも超高額品がガンガン出品される。普段は見掛けないようなハイエンド機材が大量に出てくるのがこの季節である。また、マニアしか買わないような珍品が出回るのも特長である。一方、買い手の懐も一応暖かいから普段売れないような物でも売れる。それがシーズンである。
たもそもあまり使用しない機器を徐々に処分する一方、出物がないかと辺りを徘徊し物色する。特にショップの値下げは予告無しなのでチェックが欠かせない。最近はオークションで買うよりもショップの方が多いくらいだ。但し、ネット適合性の弱いショップは、せっかくの情報が伝わっていないことも多い。
毎日チェックを欠かさずにいると良い物と巡り会う確率も高まるようだ。今回は久方ぶりのプリアンプである。レコードをいじらない者にはあまり重視されにくいのがプリアンプであるが、意外に音のキャラクターを決めているのがプリだったりする。現在の
KURELL KRC2は、音も操作性も機能も満足しているが機会があればいろいろと試してみたいと思っていた。
今回導入の機材は、PASS LABS ALEPH-P MKII である。
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| 入庫したところでさっそく記念撮影をする。見た目よりも大きいのが印象。 これで幅はほぼフルサイズあるのだ。フロントパネルには、入力切換えと 左右独立ゲインとマスターボリュームの4つしかツマミがない。セレクターか と思うほどのシンプルさである。 |
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| こちらはリアパネル。やはりこちらが大事だ。全ての入出力はバランスと RCAを備えており、入力は4系統、出力は1系統だがRCAと同時使用は可能 のようだ。必要な機能だけキチンと揃っている。 |
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| 動作確認をするためにラックにインストールしたところ。プリアンプは仮設で 使うというのは無理なので、正式にKRC2と入れ替えた。脚はゴム製で心許 ないのでステンレスのインシュレータの4点支持。 |
いつものようにサイトを巡回していると、あるところで狙っていた機種が出ている。「値下げ」じゃなくて「新規入荷」のようだ。しかもかなりお得な価格のようだ。即座に問合せを敢行して在庫を確保した上で、画像ファイルを送ってもらう。しかし例によって、いい加減なスナップ画像ばかり送られてきて辟易する。中古のネット通販は画像が最大の情報なのだから、もっとチャンと撮れよ!と思う。
仕方がないので、電話で状態を聞くと非常にキレイで欠点はないという。こういう店は依然として電話で応対する方が確実らしい。電話しながら、リモコンの機能やボリュームの方式など重要なチェックを行なう。言うまでもなく、プリアンプの最も大事な機能はボリューム調整である。これが今一だと使い続けることはできない。
マッキンのC42の最大の欠点はボリュームだった。ノッチが余りに細かいとボリュームの上げ下げに時間が掛かり過ぎてウザイのである。C42は細か過ぎた。C40はアナログボリュームでクリックノッチが粗くてとても良かったのに。他の機能としては、入力切換えとミュート機能も欲しい。ミュートはリモコンでボリュームを下げるのに手間が掛かる場合に必須である。但し、入力切換えで代替することも可能だ。
店の言うところでは、ボリュームを操作すると異様な音が出ますという、でもこれで正常だという。ヘェー、音が出るボリュームとは一体??想像もつかないが、電話で聞かせてくれるというので受話音量を最大にして聞いた。いきますよ、という掛け声の後に
・・・・ 「ガリガリガリ・・・・ ガリガリガリ・・・」 何だコリハ?
理解不能な音だが、もちろん操作している時だけしか出ないということなので購入することにした。後でネットで調べたが、該当するような情報は出ていないようだ、フーム。
さて、翌日にはブツは届いた。とても早くて良い対応である。さっそく開封して取り出すと、思っていたよりもデカイ。なんだこれは、フルサイズあるな。横幅は、たもそのラックスペース(500mm)で一杯一杯のようだ。接続は簡単なのでスグにインストールに入る。結構長く使った
KRELL KRC2を取り出す。そしてケーブル類を調整してラックに入れた。この段では余裕はあまりない。
そして通電して無事に起動。電源スイッチはないので、アイソレーション・トランスの
CSE T-200がスイッチ代わりだ。動作チェックの為、慎重に音出しする。ウム、大丈夫だ。そして件のボリュームを操作した。
「ガリガリガリ・・・・・」 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
なんだ、凄い勢いでガリガリする。ボリュームダイヤルはロータリーエンコーダー方式なのでグルグル廻るだけだが、もっと小刻みにガリガリするのだ。そして、何度か操作して気付いた。これは電磁リレーの音じゃないだろうか?それも同時に沢山動作しているようだ。つまり。ALEPH-Pのボリュームは沢山の固定抵抗をリレーで切り換えて変更する方式のようだ。モーターを使わないで固定抵抗を切り換える為にこの方式なのだ。しかし、無音のMOS
EFTリレーというのもあると思うのだが。
試聴インプレは書かないが、今のところそのレベルには達していない。全然ダメポな音である。
投稿日付: 2009年 6月19日
タイトル: あまり語られないアクセサリーの話
ちょっと更新が途絶えていたが、オーディオを休んでいたのではない。むしろ、いろいろいじったり、集めたり、試聴したりと忙しいと日記を書く方に意識が向かい難くなってしまうのだ。ある程度の余裕がないとHPの更新というのはできないものだ。
さて、この間、主にスピーカーケーブルを色々と物色していた。たもそは取替えオーディオ主義(注)なので、あまりアクセサリーには凝らない、というか凝らないように気を使っている。
元来はアクセサリー好きで、カメラでも車でもPCでも周辺機器の蒐集を始めるとトコトン集めるという習性を備えていることから常に散財の危険性をはらむ。そこをなんとか我慢してなるべくアクセサリー類には近づかないようにしている。
(Wiki: 取替えオーディオとは、主に機材を交換することで求める音に近づくことを目指すオーディオ道である。かつては機材の価格が高額で、下取りで買い換えると多大なコストが掛かっていたが、ネットオークション市場に発達により中古品の売買が活発になり、殆んどスプレッド無しで買い換えることが可能になったことから、頻繁に機材を入れ替えて音を探すオーディオ道を辿るユーザーが増えている。中古品ばかり買うのが特長。)
しかし、機材入替えが一巡してくると循環物色でどうしてもケーブルとか電源関係が気になってくる。まぁ、あまり我慢するのもよくないので、なるべく予算は抑えて、たまにアクセサリーの見直しを行なう。今回はスピーカーケーブルを総入替えすることにして、いろいろと物色中である。だいたい、マルチアンプ駆動のシステムを使っていると、やたらとケーブルを沢山使っているので、そんなに高いケーブルは使うことが出来ない。ほどほどの予算で何本か試してみるつもりである。
初めに入手したのは、古河電工 μ-R3というケーブルである。これはとっても安かった。長さの異なる中古の長尺ペアを手に入れたので、それぞれ二つに切って2ペアのケーブルとした。これを、中域ドライバーと高域ドライバーに繋いでみた。従前は
BELDENの安物ばかりだったのでちょっと期待して聴いたが、なるほど、これは改善した。ボーカルの歯切れが良くなり、解像度が上がっている、スピード感も良い方に変化した。(^^
フムフム、ケーブル面白いなぁ・・・。でも危険だなぁ・・・、高いのは幾らでも高いのがあるし・・・。
ウーファーのケーブルも交換する積りだが、エンクロージャの上にウッドホーンが載っている現在の構成では、頻繁にウーファーのケーブルを交換することは困難なので、今度、バッフル面にSP端子を設けて簡単にケーブルを交換できるように改造しようと考えている。
投稿日付: 2009年 5月23日
タイトル: レコーディングスタジオ向け ルビジウムクロックの製作
あるところを経由して、レコーディオングスタジオを主宰されている方からルビジウムクロックを製作を依頼された。そこは最近、Antelope OCXを導入してマスタークロックの効果を認識したところで、更にクロックのクオリティーを上げたいということでルビジウムクロックに関心を持ったのだそうだ。
当然、ルビジウムクロックの効果を知りたいだろうということで、一度、スタジオにルビジウムクロックを持参してデモを行なった。もちろん、それには
OCXとの同期リスク問題を解消しておくというこちら側の目的も含まれていた。デモでは、アップルのPCに接続された
Pro Tools 192にAESでクロックを送る環境で、1時間半ほど比較試聴された。ケーブルの抜き差しではなく、何かHDDに取ってあるソースの再生で比較されていたようだが、たもそにはやり方がよく分からずモニタールームの後ろで聴いていた。
ルビジウム有りと無しの事前説明は一切なく、聴いたことのないソース(無論オリジナルであろう)をモニターシステムで試聴したので、正にブラインドテストだったが、どうやら、後からプレイバックしたのが全てルビジウム有りだとたもそは感じた。定位感やアタック感が鋭さを増し、余韻が長い。まぁ、これなら納得するだろうという違いがあった。
主宰者、エンジニア共に納得した様子で、是非製作してもらいたい。ということで、オーダーを頂いた。プロ向けは評価も厳しく緊張するが、それだけやりがいがあるというものだ。今回は、次期新スタジオで使うということで、ラックマウント仕様の特注品である。
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| ラックマウント仕様の筐体は横幅が長く、たわみが生じるので、チャンネル材を横方向に這わせて補強する。電源基板は 基本回路は同じだが電解コンデンサ等を更に強化した仕様。 右画像では、電源部を完成させてリップルノイズを計測しているところ。トロイダル・トランスも特大を採用。 |
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| 左画像は、電源単体でのノイズ計測、DC24Vで 4.5mVなら十分ローノイズだろう。 右画像は、ほぼ完成したルビジウムクロック。筐体に余裕があるのでトランス周辺のクリアランスも十分取れている。 たもそ的には、ちょっと中がスカスカしていて、DCラインも長くなる点は好みではない。 |
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| 完成後、ベンチテストで優秀なジッターレベルであることを確認してから、たもそのシステムにインストールして、試聴及び 電源部のエージングを行なう。画像で見える白い電源ケーブルはオヤイデ PA23で、CSEの T-200というアイソレーション トランスに繋いでいる。クロック機材はアイソレーションを入れることでノイズのばら撒きを避けることが出来るので有効。 |
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ラックマウント筐体は何度か製作しているが、横幅が長過ぎて扱いにくい。重量のある大型トランスを使うので、そのままでは製作中に底面部材がたわんでしまうのだ。そこで、今回は長手方向にチャンネル材を入れて補強することにした。これで板材の振動モードも制御される?ので両得という狙いである。補強した底面部材にトロイダルトランスを載せてみたが、予想以上に強固で非常に安定した。これはなかなか重要な技術的収穫かもしれない。(^^
完成したルビジウムクロックは、テストベンチで精度チェック、再校正、ジッターチェックを行なって品位を確認する。そして、次はたもそのシステムにインストールして試聴と電源部のエージングを行なうのである。新品のリニア電源は、トランスもブリッジもコンデンサーもエージングが必要なので通常一週間程度は手元で試聴するのである。これは役得でもあるのだ。
投稿日付: 2009年 5月11日
タイトル: Marklevinson No.23L メインアンプ
たもそのオーディオ機材選定には、狙って探すケースと、出てきた玉を受けるケースがある。狙ってもいないのに出てきたから買うというのは少しオカシイかもしれないが、次はこの辺が欲しいのだが良い出物がなければジックリ待つという潜在候補が沢山あるので、その内のどれかが出てきた場合を指しているのだ。
こういうのは、出た瞬間が勝負であって、状態、価格、店のサポートなど常日頃からワッチしていないと出物というのは手に入らない。よく、良品の堀出し物は無いというが、オーディオ機材に関してはそうでもない。稀に驚くような安値で良品が手に入ることがあるものだ。もちろん、安物買いの銭失いのリスクは常にあるので目利きが肝心である。現在はネットの時代であるから、実物を見なくても分かるようなネット目利きが必要である。
今回はしばらくワッチしていた個体が突如値下がりしたので緊急購入と相成った。Marklevinson No.23Lは、レビンソンのMADRIGAL AUDIO時代のモデルであり、No.29Lを保有するたもそとしては是非聴いてみたいモデルあった。
![]() 所謂、ナンバー2桁シリーズは、No.20-No.23-No.27-No.29 とあるが、実質的 には、No.23以下の3モデルが兄弟である。フロントのデザインは三機種とも 同じである。 |
![]() 中央のロゴ部分をアップした。ウーム、30年近く前に登場した時には、その カコ良さと値段にビックリしたものだ。このモデルの時代には既に創業者は 会社を離れてしまっていた。 |
![]() こちらはリアパネル。キャノン型バランス入力端子の上に小さなジャックが 付いているが、これが当時レビンソンくらいしか採用していなかったシングル エンドのCAMACコネクタである。普及しなかったのでトマソン的遺物である。 |
レビンソンは国内正規品と海外並行品ではモデル名が異なっている。こういう戦略はあまり感心しないが、中古品を探す時には簡単に見分けられるので実は便利だったりする。又、レビンソンはかなり古いモデルでも、いまだに普通に修理、OHが可能である。代理店がしっかりしているのか、メーカーの姿勢なのかはよく知らないが、中古品ばかり持っているたもそには信頼のおけるブランドであることには間違いない。但し、サポートが良いのは正規品であり、並行品とは差があるので中古品の相場にも差がついている。
今回入手したのは1年ほど前に修理OHを行なってからしまい込んだままだったという機体である。不思議と古いモデルの中にはOHした後で、全然使っていないという中古が結構ある。もちろん、実際にOH後未使用なのかどうかは確認できないのだが理由は分かる。オーディオ機器の修理やOHはかなり時間が掛かる、場合によっては1ヶ月以上というのもザラにある。当然その間、代わりの機材を入れるのだが、そちらの方が気に入ったり、調整が進んで慣れた頃に修理から帰ってきても、今更インストールする気が無くなってしまい、お蔵入りになるという訳だ。
さて、持ち帰った No.23Lは入庫時記念撮影を終えて、たもそのシステムにインストールした。
先ずは試しにということで、ドライバー(TD-4001)を鳴らすことにする。KSA-100と交替になるので、入力はRCAからバランスに変更になる。無論、レモピンは使わない。チャンデバ DF-45のケーブルは差し替えずに、空いているユニットを利用して接続した。バランスケーブルは
BELDEN 8422である。
帯域バランスは不明なので、KSA-100のバランスを写して音出ししてみた。
ん、ちょっとゲインが高いな。昔のアンプは音を良く聴かせるためか、定格よりも少しゲインを上げている機種があるようだ。こういうのは、ショップなどで比較する時に、切り換えて聴くと音がちょっと大きく聴こえるのでずるい戦法ではある。DF-45で低域と高域を少し持ち上げてバランスを取った。
うんうん、なかなか良いぞ!KSA-100のようなウォーム感は少なく、もっと繊細で解像度の高い音のようだ。響きもしつこくはないが十分伸びており滑らかである。そして、無音時の静寂感が圧倒的だ。流石に正規店でメンテされているだけのことはある。能率の高いホーン・ドライバーに直結しているのにホーンからは全くノイズが出ていない。完全に調整されているからか。
キャラクターの異なるアンプが入ると、手持ちのCDを改めて聴き直したくなるものだ。
夏場に向けてほどほどの発熱の名機を大事に使っていくつもりである。
投稿日付: 2009年 5月 6日
タイトル: RME Digiface用 10Vリニア電源製作
連休も今日でおしまいである。ちょっと淋しいが明日は木曜日なので立ち上がりは楽そうなので、それが救いだ。
たもその連休行事は近場中心であった。ちゃんと出掛けたのは千葉のマザー牧場くらいである。何を今更、幼稚園児の遠足のような所に行くのか?と思われるだろうが、これにはチャンと理由があって、マザー牧場は犬連れで堂々と入れる施設なのだ。犬も入場料を徴収されるのでちょっとツラいが、その代わりに広いドッグランが用意されており、犬用の水飲み容器などちゃんとサービスは受けられる。それだけではない、ここはジンギスカンのレストランが有名なのだが、テラス席なら犬同伴OKなのだ。これは珍しいと言えるだろう。そこには犬用のジンギスカンの皿まで用意されていてペットと一緒に賞味できるのだ。
ま、犬の話はこれくらいにして、本題に戻ろう。
前回の RME Digifaceの外部電源専用化改造に続いて、今回は、そのためのリニア電源の製作である。
Digifaceは入力された電源を元に内部のレギュレータ回路で 5Vを生成している。既に前段の整流平滑回路はバイパス化されているので、外部電源は、DC
9Vから12Vを必要とする。電圧が高いと発熱が増えるので、10Vくらいが適正電圧とした。消費電力は定格
5Wほどなので、電源容量は 30Wもあれば余裕だろう。
そこで、今回は50VAクラスのトロイダルコア・トランスを採用した。また、電源回路のコンデンサ類も25V耐圧で十分なのだが、将来他に転用する余地を残すために電源回路はいつも使っている50V耐圧を中心とした構成にした。この辺りで汎用性を持たせておかないと後で使わない機材ばかり増えてしまうのだ。
今回のポイントは、トランス二次側出力を2段階切換え式にしたところだ。低圧側は二次側が約15Vでこれを10V電源に使用する。高圧側は、二次側で約30V取れるので24V系の電源にもなるのだ。可変式のレギュレータを使用するので二次側30Vで全てまかなうことも可能だが、そうするとトランジスタ損失が大きくなり、無駄な放熱が増えるので切換え式としたのだ。但し、操作ミスを防ぐ為に、二次側電圧切換えスイッチは筐体内部に納める構造にした。
いつもとは設計が少し異なるので、現物合わせしながらの製作となった。
![]() 組立て途中の電源回路。トランスの二次出力をスイッチで切り換える構造。 安定化回路は別に作って実装済みである。ワニ口クリップは二次側電圧の 切換えをチェックしているところ。 |
![]() ほぼ完成したリニア電源。今回は汎用性のあるケースを採用したので 内部スペースはほどほどに余裕がある。トランスも僅か50VAなので カワイイ。正面に動作ランプを設置したが、これは暗くしか光らない。 |
![]() こちらは完成後のリアパネル。単体リニア電源はみんなこの配置になる。 加工で面倒なのはやはりIECインレット部分だ。 |
既に何台か製作しているので難しいところはない。段取りも良く2日ほどで完成した。途中で新たに追加した機能である二次側電圧切換え機構の部分は、安定化基盤に接続する前に出力電圧をチェックした。電源基板は部品も沢山使用しているので、なるべく壊さないようにしたい。たもそはヒューズというものが嫌いで、電源内蔵型の機器を製作する際は基本的にヒューズを入れない。
ちゃんど動作するように作れば、ヒューズの世話になることはまずないのだ。しかし、このように単体電源を製作する際は、必ずAC側にヒューズ回路を挿入する。それは、出力端子がどういう機器に接続されるか分からないし、単純にショートさせる可能性も十分あるからである。いつか誰かに譲ることも考えれば、安全回路は必要ということである。
さて、完成したDC10V リニア電源をさっそく Digifaceに繋いでやる。先に電源を繋いで起動してから1394ケーブルを接続する方が良さそうだが、実際はどちらでも動作するようだ。電源回路は全く出来立てホヤホヤなのでしばらく通電した方が良いのだが、我慢できずに直ぐに音出しした。
んっ!んんっ!良いぞ!S/Nが上がり、コントラストが強まった感じだ。音数も増えている印象で、低域の締りが一段改善した。全体的に切れ味が良くなったように聴こえる。やはり、音の入り口の電源は効果が大きいようだ。(^^)v
投稿日付: 2009年 5月 2日
タイトル: RME Hammerfall Digiface 再び改造だ!
GWのコア連休に入った。東名は激渋滞らしい。たもそは ・・・・・ 家で改造する。
この連休は、RME Digiface 改 用にリニア電源を製作する予定でいたのだが、事前にいろいろテストしてみると、どうやら前回の改造 (投稿日付: 2008年12月21日)ではダメな部分があったようなので、Digifaceの改造を根本的にやり直すことにした。目標は完全外部電源仕様である。
オリジナルの RME Digifaceは、PCIボード接続の場合は、IEEE1394ケーブルを通じてPCから給電する、一方、PCカード接続の場合は、電力的に不足するからか付属のACアダプターを使って外部DC電源で使用する。つまり、IEEE1394でもDCジャックでもOKという仕様なのだ。そこで、前回改造後は、このDCジャックにDC
12Vを供給して外部電源仕様で使っていたのだ。
しかし、どうやらそれだけでは完全には外部電源化されないらしい。両方に給電するとパラになっているようなのだ。これは不具合というより、メーカー予想外の使用方法なので仕方がない。そこで、この際、思い切って内部給電を完全に遮断して、外部電源専用に改造しようと考えたのだ。
これは、恐らく元には戻せない改造になるだろう、又、オリジナルの使用方法では使えなくなってしまう。そういう意味ではルビコン渡河である。
まぁ、既に同軸端子は不可逆的に交換済みなので、今更という気もするが・・・
(^^;;
IEEE1394端子周りを検査中

出力同軸端子交換と電源部強化改造済みのDigifaceを再度分解して、
今度は、PCとの接続に使われているのIEEE1394端子周りをチェック。
まずは、IEEE1394からの給電状態をチェックする。初めはケーブルの端子を改造して電源供給を遮断するつもりだったのだが、ケーブル側の1394端子がかなり改造しにくい構造だったので、基板側をいじる方が早いということになった。画像は
Digifaceのメイン基板を取り出して、単体で1394ケーブルを繋いで端子周りをチェックしているところ。
正規のIEEE1394規格で使用されているワケではないので、ピンアサインは実物でチェックする他ない。幸い、直ぐに給電端子は見つかった。シールドにグランドが落ちているのでチェックし易かった。後は、外部給電を見直すかどうかだが、この基板の電源部はどうも余計な回路が乗っていてノイズ対策的にも不要だったので、電源供給周りにも手を入れることにした。
![]() IEEE1394端子をチェックして給電端子を特定、基板上の接続点を強制的に カット。不可逆的領域改造に踏み込んだ図。 |
![]() こちらは外部DC入力部の基板改造。既にDCコネクタは抜去されている。 前回の改造で交換された平滑コンデンサも抜去して、ピンを植え込んだ。 手前の4つのチップはダイオードでブリッジを構成しているが無論不要。 |
![]() こちらは交換して新たに取り付けたDCジャック。キレイに装着出来たので、 改造されているとは気付かないかも。SPDIFのBNCはノンスタンダード。 |
![]() 交換されたDCジャックと基板上のピンを配線する。直接半田付けした方が 良いのだが、そうすると基板が取り外し不可能になるので、メンテ性にも 配慮しているのである。 これで、無用なブリッジ部をパスして、直接基板上の安定化回路に電源 供給出来るようになる。もちろん、安定化回路もパスした方が良いだろう。 |
改造の主要なポイントは、1394端子の基板側電源端子をカット、外部電源回路のブリッジ部をパスして安定化回路に直接給電、DCジャックを汎用の物に交換する、以上である。ブリッジをパスしたので供給可能な電源はDCのみとなり、生成する電圧が
5.0Vなので、およそ9V〜12Vが適正な電圧になる。電圧が高過ぎるとレギュレータが発熱するので良くないだろう。
DCジャックを交換したのは、外部給電の切換え回路らしきものがあり、常時切り離しにした方が良いのと、丁度合うDCプラグが見つからなかったというのも理由である。これで、物理的にブリッジをパスできる。又、前回改造で取り付けた平滑コンデンサは残しても良かったのだが、ココが丁度給電ポイントに適していたので、ピンを建てる為に無くすことにした。
改造後は基板だけの状態で外部給電と1394ケーブルで動作することを確認した後、元のシャシに納めて完成させた。
二度目の改造手術を終えてシャシに取り付けた RME Digiface

無事に再改造を終えたところ。パッと見では違和感のない仕上がりだが、実は相当強化されている。
改造を終えて、さっそく試聴してみる。電源はまだ製作していないので、以前、電解コンデンサを総入れ替えしてリフレッシュした
12Vスイッチング電源を繋いだ。
おぉ!いい感じだ。センターの定位が改善したように感じる。解像度が上がっているし分離が良い。もっと聴き込まないと判断できないが、良い方向に変化しているようだ。これに気を良くして、次は専用リニア電源を製作する予定である。
投稿日付: 2009年 4月28日
タイトル: dCS 974 DDコンバータ (発進編)
さて、連休が近づいてきた、というか実質的には連休に入っている。GWと正月の休みは、特に旅行にも行かずに機材のレイアウト変更とか大掛かりな自作など手掛けるのが慣例である。今回は、新入りの
dCS Verdi Encoreと dCS 974があるのでタップリ楽しめそうである。(^^
今日は 974のインストールのレポートである。
974はデジタル領域でのコンバータ(変換装置)なので、上流にデジタルソース(音源)、下流にはDACを接続する。今回は動作確認も兼ねているので、ソースはPCオーディオデバイス
RME Digifaceのみ接続して、出力は Elgar 1394に繋いだ。Digiface => 974 は SPDIFでBNCケーブルで接続。そして、974 => Elgar は SDIF-2でBNCケーブル3本を使って接続する。
ラックにインストールされた dCS 974

仮置きではあるが、Elgarの下段に設置した。ラックマウント仕様で足は貧弱なので、
スパイク型のインシュレータで支える。画像では3点支持だが、ケーブル配線時にガタつく
ので、今は4点支持に変更している。上に乗っているのは Digifaceである。接続相手次第
でどこにでも彷徨ってしまうが、小型なのでどこにでも置けるのがメリットである。
974は仮置きだがラック 3段目に設置した、ちょうど Elgarの下になる。そして、上流ソース機の Digifaceを 974の上に設置した。デジタル信号も短い経路の方が良いので、なるべく近所に集めるようにする。
974の設定は結構難しい。でも、取り説を読むのは面倒なので、テキトウにいじって
PCM 44.1kHz => DSDに設定できた。フィルターとかいろいろあるのだが、その辺は先のお楽しみである。Elgarに SDIF-2で繋ぐのだが、ここでハタと気付いた、ElgarにはWordclock/Inputが1つしかない。これはWordSyncとSDIF-2の兼用になっているようなのだ。
用意周到なハズだったのだが・・・・ (^^;;
![]() dCS974の表示パネル。画面は結構大きいのだが、基本的にテキスト表示 のみで、キチンと読まないとONなのかOFFなのかも分からない。 |
![]() ElgarがSDIF-2で信号をロックするとこういう表示になるのだ。本来あるべき パネル右側のインプット端子の表示は消えてしまい、ステータス表示として 【SDIF】と【DSD】の2つが点灯する。そして、中央のサンプリング表示部には DSDと出る。 |
974からBNC 3本を使って Elgarに繋ぐと、974から送られるクロックに同期してマスター動作することになる。974には G-03Xからクロックを送るから同期は問題ないが、クロックがディジーチェーン(数珠繋ぎ)になってピュアではない。Verdiを聴くとき、クロックだけは 974経由ということになるからだ。
んー、ちょっと考えたが、実験も兼ねて Elgarのクロック/Inは G-03Xから直のまま、974からは BNC 2本(CH1とCH2)のみを接続してみた。そして、Elgarの入力をSDIF-2に切り換える・・・・・、 ん? 、入力でSDIF-2というのは無いぞ?
何度かインプットをいじっていたら、[1394]の次が空なのに気付いた、ココがSDIF-2なのだ!
どうやら、これでロックしたようだ。Elgarはクロックを受けていると【SDIF】のランプが点灯したままになるので、気付かなかったが、なぜこれだけ左側に表示があるのだ。んー、理由が分からんが、これで良いのだろう。【DSD】ランプも点灯して、中央のサンプリング表示はDSDとなった。
設定完了したところで、さっそくPCからプレイしてみた。
んん?なんじゃ、今一だぞ。低域の締りがないし、音圧が弱い感じだ。これでは、元のPCMよりも悪い。通電して間もないからか?暖機が必要かもしれないので、一旦、放置しておいた。
半日ほど放置してから、もう一度プレイしたところ・・・、 おぉっ!キタキタ、DSDの音だ、低域が絞まってきた。でも、これだと、VerdiのDSD変換の方が良いかもしれない。大分エージングに時間が掛かるのだろうか?それとも、クロック周りの詰めが足りないのかもしれない。
投稿日付: 2009年 4月26日
タイトル: テフロン同軸ケーブル加工
dCS974が入って Elgarと SDIF-2で接続するとなると短尺のBNCケーブルが沢山必要になる。既製の1mでは長過ぎる、50-60cmくらいが丁度良い。長さも揃ってないとマズいので自作することにした。ケーブルは巷で評判の良いというテフロン被覆のUL規格の短いのが何本かあったので、これをBNC端子に加工することにした。
線材は詳細不明だが、THERMAX 19AWG 125C(UL)と書いてある。恐らく、50オームだと思うが、余りモノなので使ってみよう。久し振りの自作絵日記である。
![]() まずは被覆を剥いて下ごしらえから、線材は外形約5mmで3D-2Vに近い。 芯線は銀メッキ、二重シールドも銀メッキのようだ。 こうやって、予め締め付け部品やスミチューブを通しておくと失敗しない。 いつもは何かしら忘れるが、今回のこれは2本目なので準備万端だ。 |
![]() BNCコネクタはDDK製の物を使用。センターコンタクトは半田付けで銀メッキ 仕様。劣化の問題はあるが銀の方が抵抗は低い。シールドは折り返す。 |
![]() こちらは、たもその半田付けデスク、半田付けだけの為の作業場である。 半田コテやペンチ、ニッパなど工具類も半田付け用はここに出しっ放し。 狭いけれど専用スペースがあると便利である。 |
![]() 芯線をセンターコンタクトへ半田付けする。コンタクトには1mmほどの穴が 開いていて、そこに半田を流し込むのだが、それなりにコツがある。半田が 多過ぎるとコンタクトが太ってしまい失敗。 使用する半田はアルミット KR-19RMAで有鉛半田である。基板用は無鉛を 使うが、端子類はやはり低融点と濡れの良さでKR-19である。別に音が 良いからではない。 |
![]() 半田付けはセンターコンタクトだけで、後は機械的な締め付けだけだ。 接合部を熱シュリンク・チューブでカバーするのは、接合部保護というよりも シールド締め付けの際にハウジング部に付くキズを隠すという目的がある。 これで完成、ソリッドコアのテフロンケーブルは結構硬い。 |
テフロン同軸ケーブルを何本か製作して、dCS974のインストールに備えた。974を入れる上での最大問題はラックスペースである。何か出さないと入らないなぁ。
投稿日付: 2009年 4月25日
タイトル: dCS 974 DDコンバータ (到着編)
注文した 974は週末夜に届いた。新しい機材(中古だが)が入ったら、まずは記念撮影をするのが慣わしである。
この間、ググっていたら、dCS 974の日本語パンフを発見したので、アーカイブしてリンクを張っておいた。こういうのは、いつの間にか切れてしまうのでアーカイブが肝心である。
![]() 届いて開封したところで記念撮影しておく。フロントパネルで972-2との違いは、左寄りの 【DSD】のマークくらいか。 |
![]() こちらはリアパネで沢山の接続端子が並んでいる。プロ機なので 4系統ものAES端子が ある。SDIF-2やクロック関連も豊富。リモート用にRS232端子が付いているが取り説上では 現在無効らしい。 |
![]() 関心の高いSDIF-2関連部分を拡大した。一般的なSPDIF端子も一通り揃っているが、 SDIFの端子群はIn/Out/Clockなど合わせて8つのBNC端子を備える。 |
届いた 974はプロ機の中古なので、天板などにキズがありオーディオ的に美品ではない。しかしこの程度ならプロ・ワンオーナーというところだろう。フロントパネルは
dCSらしくシンプルで、ボタン8個とダイヤル1個だけである。ボタンの上側4つとダイヤルでMENUを操作して設定する。下側の4つのボタンは設定メモリの操作用である。
いつものことだが、どうも使い難い。せっかく用意されたメモリ機能も呼び出すまでの操作が多くてあまり使う気にはならない。表示盤はドットマトリックスのパネルなのだが、アイコンとかマークは使われず全てテキスト表示なので、設定時はよく画面を見ないととんでもない設定になることも。要するに使い方が分からないヤツは手を出せない仕組みなのだ。
リアパネルは端子がいっぱいあって、たもそ的には好きである。何に使うのか分からないがClock関連の端子がやたらと多い。992-2で使ったリモート端子が用意されているが、付属の取り説では「現在無効」となっていた。これが使えると、かなり便利な気がする。
次は、インストールの報告になるだろう。
投稿日付: 2009年 4月23日
タイトル: dCS 974 DDコンバータ (捜索取置編)
PCトラポをDSDアップサンプリングして Elgarに送るというのがかなり良さそうだということが分かったので、それならば専用のDSDコンバータを入れたらもっと良いんじゃないだろーか?という方向に気が行く。もともと、その可能性はシミュレートしていたので答えは明瞭である。dCS Percell 1394か dCS 972-2か 974だ。
dCSの製品は、ほんの僅かのバージョン違いでも機能が格段に変わっているので下調べが大事である。フツーに選ぶと
dCS Percell 1394ということになるのだが、ダメである。理由は簡単だがここでは控えておく。たもそに合うのは、プロ機の
972-2或いは 974になる。
この2機種の違いはよく分からない。調べようにも情報が乏しいのだ。もちろん世代的には
974の方が新しい。市場の在庫は 972-2はわりと豊富なようだが、一つ古い 972と混同していそうなモノも散見された。974は玉が少ない。まだスタジオで現役だからなのか、オーディオマニアが持っているからか。
数日在庫を漁っていたら、まぁまぁなのが見付かったのでショップに連絡を取る。ネットに画像が載っていない店はちょっと不安だったので画像を送るように依頼した。974と 972-2の在庫があるので両方商談ということにした。そして画像は直ぐに送られてきた。
ショップから送られてきた在庫972-2と974の画像から

ショップに画像を送るように依頼したら直ぐに送ってきたのだが、なんだか
土間かタタキで撮ったようなのが届いた。こういう配置で撮ってくるのは
珍しいかも。左が 972-2で右が 974、見た目には殆んど区別が付かない。
中古機材の画像を頼んでこんなのが送られてくるとガックリ来る。これじゃ状態がでんでん分からないだろ。もちろん、他にも画像はあったので大体の状態は確認できた。もう買う気ではいたが、安いモノではないので直接出向いて見せてもらうことにした。お店では稼動状態にしてくれていて、全く自由に操作させてくれる。親切というより相手にしてくれない感じだ。その方がこっちは気が楽で、取り説を読んでいろいろ設定をいじってみた。
設定はかなり難しい感じだったが、日本語取り説が付属していたのでなんとかなるだろう。ということで、当日中に購入決定である。荷動きの良い機材ではないので、予想通り結構マケてくれた。まぁ、こんなモノ買うヤツはそんなに居ないし、買いそうな御仁は既に持っているだろうから。
ということで、週末には納品される予定である。結局、972-2との違いは入出力端子の豊富さ以外は良く分からなかった。フツーに新しい方を選んだだけである。
投稿日付: 2009年 4月21日
タイトル: PCM 44.1k/16bit => DSD アップコンバートの評価
Verdi Encoreの外部DSD変換を使い始めてからオーディオを聴くのがとても楽しみである。平日は毎日帰宅してから夜11:00頃まで、曲単位でとっかえひっかえしながら聴きまくる。こんなシーンでは、やはりPCオーディオの圧倒的な利便性にはかなわない。
RME Digifaceから Verdi Encore でDSD変換され、IEEE1394ケーブルで Elgarに送られる。DDコンバートというのは、なんだか胡散臭いような処理に思えるのだが、Elgarから出てくるアナログ信号は確実に質感がアップしている。もちろん、ソースによっては少々誇張した表現だったり歪み感が現れるケースもあるが、大抵のソースでは立体感が増して低音が締まる。残響が伸びて深みも増す。
ただし、これはオリジナルPCMとDSD変換の音を交互に比較したワケではない。Verdi Encoreは外部入力信号を無条件でDSD変換する。一方、Digidfaceの同軸出力は改造BNC1系統に限られており、他にはTOS光でも取り出すことは出来るが比較対象としてこれはダメだろう。つまり、PCMとDSD変換を聴き比べるには、都度ケーブルを接続し直すしか方法がないのだ。面倒なので、これはやってない。
出来れば、このDSD変換の効果をオリジナルPCMと比較したいものだが、その為には別の機材が必要になってくる。ウーム、やはりアレしかないか。大体において、Verdi EncoreをDSDアップサンプリングだけに使うというのは、あまりに失礼ではないか。
投稿日付: 2009年 4月19日
タイトル: プロ用マスタークロックジェネレーター dCS992-2 の謎 (追憶編)
忘れた頃にやってくる知らせは、大抵ロクなことがない。
修理が余りに長引いて、一旦返金扱いを受けていた某ショップから連絡がきた。ようやく
dCS 992-2が修理から戻ってきたというのだ。しかし、その時は携帯の繋がりが悪く切れてしまった。直ぐに電話があるかと待っていたら、数日連絡がないので不審に思いこちらから掛けてみた。そしたら、どうも様子がおかしい。
992-2は修理から返ってはきたのだが、結果として、
「修理はしたのですが、外部クロック同期は不可でした」
というのだ。ハァ?なんでですか?
どうも要領を得ないので、修理委託先のメカニックと電話で話をさせてもらった。もちろん、こういうことは異例であろうが、修理内容も検査状況も納得がいかなかったので特別に頼んだのだ。話しをしたところ、問題のあった部分は直したのだが、外部10MHzで同期させても出力WordClockが変化しないらしいということが分かった。
ウーム、よく分からない。他に不具合があったかどうか分からないが、992-2単体としては精度は申し分ない状態だという。しかし、外部同期機能は不良という結論であった。後は、本国dCS社でボード交換する以外に方法はないが、費用が販売価格並みに掛かってしまうので諦めたということである。
こちらは、返金を受けている以上、これ以上は要求できない。まぁ、諦めるしかないだろう。ショップの方は、当該機については、機能制限を告知した上で「現状渡し」で売る積りだと言う。もちろん、たもそが買うのであれば優先するという。ふーん、そう言われても、外部同期しないマスタークロックなんぞ要らんので、これは断る積りである。
どうも、後味悪目な結末となってしまったようだ。
投稿日付: 2009年 4月11日
タイトル: dCS Verdi Encore SACDトランスポート (外部DSD変換編)
さて、予想以上のCDのDSDアップコンバートの効果を受けて、次なる試行は外部ソースのDSD変換である。
この機能は非常にユニークである。なぜなら、dCSの民生機のラインナップには、独立したDDコンバータ Percellが用意されており、DSDアップコンバートのファンクションは既出なのである。初期の
Verdiには搭載されていなかったこの機能の追加は、どういった目的があったのだろう?
Percellが商業的に成功しなかったからか、それとも最終型の Verdiを沢山売りたかったからか、どちらにしても DSDアップコンバートには自信があったのだろう。
Verdi Encoreのリアパネルには、AESとRCAの2系統のデジタルInputを備えている。通常のDisk
モードから外部ソースに切り換えるのは結構メンドウで、MENUモードに入ってから
Sourceファンクションを選んで、Disk=>AES=>RCA と切り換えなければならない。なんと6回もボタンを押さないと変更出来ないのだ。これはウザい。(>_<)
しかも、一旦Diskモードから離れてしまうと、EJECTボタンが無効になってしまいCDを取り出すことが出来なくなってしまうぞ!これは設計ミスじゃないのか?そして、厳粛にも外部ソースに設定すると、クロック同期が外れてしまうのだ。うーむ、確かに上流で同期していれば、DDコンバータ部ではクロックはスレーブで良いとは思うのだが、律儀なのかこだわりなのか良く分からないところだ。
ソースを外部に切り換えた Verdi Encore

入力切換えは、MENUに入ってソースを変更する。AESとRCAの2系統が
選択できる。画面はRCAに設定したところ。外部ソースに切り換えると
自動的にクロック同期は切り離されるのかWCLKランプは消えてしまう。
今回は、PCオーディオのDSD変換を試すことにした。RME Digifaceの同軸OutはBNCコネクタに改造済みなので、特製のオヤイデ BNC=RCAケーブルで接続する。あー、そうかRCAのままの方が良いこともあるんだ。配線長の都合から、Digifaceも天板に登ってもらって、クロックケーブルも接続する。うーむ、煩雑だ。
そして、レイアウトしたのがこんな様子。
仮設のVerdi EncoreとDigifaceを繋ぐためのレイアウト

外部DSD変換を試すために Digifaceを移設したところ。Verdi EncoreのデジタルInputは、
RCAとAESだけなので、BNC改造した DigifaceとはRCA=BNCコネクタを付けた特製の
デジタルケーブルで接続した。クロックケーブルも2本取り廻しているので配線がキタナイ。
こんな感じでケーブルが徘徊している。長めのクロックケーブルは害あってメリット無しだが、仮設なので我慢しよう。その代わり、PCオーディオのWAVEソースがDSDアップコンバートできるのだ。
さっそく、いろいろ聴いてみる。
オッ!この感じ、低域の残響強調形で締りが良い、中高音は解像度が増している。かなり
CDソースのDSDコンバートの雰囲気が出ている。ただし、立体感や分離は、CDソースの方が何段か上のように感じる。また、PCオーディオなので、色んなソースを試してみたが、古めのアナログマスターから安易にデジタル化したようなソースでは、不自然な響きや歪みを感じるものもあった。最近のレコーディングのCDなら、明らかにDSDコンバートで質感が増すようだが、DSDも万能ではないようだ。
もうちょっと、色んなソースを試してみよう。
投稿日付: 2009年 4月 8日
タイトル: dCS Verdi Encore SACDトランスポート (仮設試聴編)
中古で購入してきた機材は動作チェックが肝要である。もしも不具合があったら迅速な連絡が必要になるからだ。残念ながら、たもそは中古CDプレーヤー系と相性が悪い。過去に、Wadia16、ESOTERIC P-70とみな不具合があり修理している。
メーカーの修理担当に伺うと、そもそも光学ピックアップは、1000〜2000時間程度が寿命であり、使えば修理が必要になるのは当たり前だそうだ。1枚/日のペースでも
6年程度で故障する計算になる。中古CDPは不具合があって当たり前と考えた方が良さそうである。
さて、開梱した dCS Verdi Encoreをたもそのシステムにインストールするに当たって、いろいろ検討したが、取り敢えずは仮設するということで、ラックの天板に設置することにした。P-70と置き換えるにしても配線が複雑なので、動作確認の上、入れ換えを決断してからで十分だろうということである。
但し、Verdi Encoreを天板に設置すると、Elgarやマスタークロックとの配線が少々長くなってしまう。この点は、不利になるが、P-70と比較出来るメリットもあるので、この方法を選んだ。
ラック天板に仮設された Verdi Encore

まずは動作確認のため、オーディオラックの天板上に仮設した。足は付いていない
ため、25mm厚の円柱型ステンレスのインシュレータに載せている。サイズが大きい
ので4点支持とした。よく見れば分かるが、ボードからは少しだけ浮いている。
上の画像は、オーディオラックの天板部に設置したところ。配線するケーブルは、電源ケーブルの他に、マスタークロックからクロックケーブル、DAC向けにデジタルケーブルである。Elgarとの接続は、まずは通常CD用にAESバランスケーブルで繋いだ。これは、P-70と Elgar間と同じである。クロックケーブルは長さの都合上、5C-2Vのカナレ製である。
まずは、外部クロック無しでCDをプレイしてみた。Elgarにはクロックを繋いだままだったのだが、上流機器が同期していないと自動的にスレーブに切り換わるようだ。トラポ以外はシステムの変更なしで聴いてみたところ、エソ P-70とはずいぶん違う音色である。
うーむ、デジタル読み込み段階(トランスポート)が変わっただけで、こんなに音が変わってしまうものなのか。バランスは明らかに高域寄りとなり、そのままでは低音が不足する感じである。もちろん、マルチアンプなので調整は可能だろう。高域側に重心が移るとともに解像度は上がっているようだ。チャンデバを少しいじればバランスは改善するだろう。
次に、クロックケーブルを繋いだ。クロック同期は自動識別なので、フロントパネルの
WLCKランプの点灯で確認できる。DACの方も一応、MENUで Syncになっていることを確認した。何度か試したが、Verdi Encoreは 44.1KHzしか受け付けないようだ。(取り説通りなのだが) そして、Elgarも 44.1KHzで同期させないとエラーになってしまうことが分かった。相変わらず
dCSは作法に厳しいのだ。
クロック同期の上、DACをマスターにしてプレイしてみた。フンフン、これだ、これでなくっちゃいけない。バランスは変わらず高域寄りだが、低音の締りが良くなり一段と解像度が増す。クロック同期の良いところが再現されている。ただ、P-70を圧倒するかというと、そうでもない。P-70は内蔵アップコーバータでサンプリングを 88.2KHzに上げて聴いていたからかもしれないが、音色(バランス)の変化の印象の方が大きくて、質感のアップは僅かに感じる程度であった。
うむうむ、そもそもトラポで変わるといっても、そんなに変わってはおかしいものだ。しかし、これでは終わらない。まだまだ、Verdi Encoreのパフォーマンスは30%くらいしか引き出していないのである。次は、いよいよDSDコンバートに挑戦してみよう。
IEEE1394でDSD信号を受けるElgar Plus 1394

IEEE1394で接続すると、Elgarのフロントパネルには【Encore】の文字が現れる。
IEEE1394ケーブルも先人によっていろいろ試されているようだが、まずは純正品を使ってみた。付属の1394ケーブルはわりと長めであったので、離れた
Elgarには十分届いた。SACDを試したいところだが、たもそはまだ1枚も持っていないので、通常CDを
DSDコンバートしてみる。聴きなれたCDの方が、DSD変換の効果を体感し易いハズだ。
ここからが本番である。
試聴は 宇田多ヒカル 「ULTRA BLUE」である。「HEART STATION」よりもこちらが好きだ。設置して2日経過しているので機材も暖まってきているだろう。民生機の
Verdi Encoreは、CDを入れれば勝手に DSDアップコンバートをしてしまう、切換えとかは無いのだ。後は、1394ケーブルを
Elgar繋ぐだけでよい。なんだかちょっと簡単すぎていじり所が少ない気がする。
CD再生なので 1曲目から聴く。PCトラポは常時シャッフルプレイなので、順番通りだと新鮮な感じだ。しかし、音出ししてみて
ガツーン! ときた。なんだこりは?
音数、定位、解像感、コントラスト、残響の全てが良い方向に変えられている。そして、気になっていたバランスは、やはりやや上寄りなのだが、低域の残響が大きくなっているので低音の不足感はなくなった。特にベースが気持ちよく伸びる。3曲目「BLUE」のベースの力強さが溢れている。「良いシステムは、良いソースをより良く再生できる」・・・そのセオリー通りである。
CDのDSDコンバートにこれだけの潜在能力があるとは驚きである。宇田多はオーディオマニアの為にSACDを出さないのだろうか?
さて、このDSDアップコンバートが良いとなると、期待できるのが外部ソースのDSD変換機能である。
投稿日付: 2009年 4月 5日
タイトル: dCS Verdi Encore SACDトランスポート (開梱編)
昨晩、ほとんどが高速で 50Kmばかり飛ばしてきた。こういうシーンでは、高速道路ETC割引きの恩恵は絶大で、あれだけ高速ばかり走って片道
900円とはありがたい。こういう高額機材を業者配送に頼むのはなるべく避けたいところなので、自分で引き取りに行くのがベストである。今回は安心して購入できた。
引き取る段になって、CDドライブメカのロックでは少々難儀した。Verdi Encore のドライブメカのロックは、なんと!ガラス天板を取り外して、そこに4本の別のネジを止めて固定するという方式なのだ。しかも、ロックするとガラス天板は取り付けられない??
こいうのは初めてである。裸のガラス天板をアルミトランクに押し込むのはどうもイヤだったので、これは別で持ち帰ることにした。
ということで、無事に持ち帰ることができた。(^^
![]() 持ち帰ったのは深夜であったので、開梱は本日となった。既にVeronaで 見慣れた巨大なアルミトランクは、Verdiのサイズに合わせて一段高い。 尤も、これも国内正規価格を高くする為のギミックの一つのようだ。 |
![]() トランクから取り出した状態だとこうなる。ガラス天板は取り外されており、 手前に見える4本の青いヘクスボルトがCDドライブメカの固定機構である。 こんな所にボルトを打ったら、天板が取付けられないのは分かっている と思うのだが? |
大きな純正アルミトランクを開けて取り出したところが上の画像の状態である。ガラス製天板とクッション用のゴムシートは取り外されている。中央付近の青いヘクスボルトを抜くとCDドライブメカのロックが外れる機構だが、こりゃちょっと不便杉であろう。恐らく、従来のソニー製メカデッキからフィリップス製に置き換わる際に、このような状況が生まれたと推測される。
まぁ、そう頻繁に輸送するのではないからよいが、ガラス天板固定のボルトの塗装がちょっと剥げてしまっているのは悲しい。ロックを解除してガラス天板を取り付けたところで、記念撮影をしておいた。
![]() これが本来の Verdi Encoreの姿である。同シリーズ機である、Purcellや Veronaと同じデザインの筐体だが、こちらはトランスポートなので二階建て になっている。前から見ると旧世代の Verdiとは区別が付きにくい。 |
![]() こちらはリアパネルで、確か最終型だけカラーパネルになっていたはず。 INとOUTで色分けするのは非常に分かり易い。 |
![]() リアパネルの端子周りをアップした。Verdi Encoreのクライマックスという べきところだ。トランスポートにしては、やたらと端子が多い。たもそ的には 一番左端のDigital Inputsの辺りが気になる。 |
フロントパネルは見慣れた雰囲気だが、リアパネルは色合いが賑やかでちょっと違う雰囲気である。この頃から
民生dCSのリアパネルはカラー化されたのだ。Verdi Encoreはトランスポートなので、デジタル Outが沢山あるのは当たり前なのだが、左端にある
デジタル Input は一体?
WADIA16のような一体型CDPで内蔵DACを単独で使えるように、デジタル Inputを備える機種もあるが、Verdi Encoreはトランスポートなので普通は考え難いのだが、なんと、CDフォーマットをDSDフォーマットに変換するDD変換機能を再生するCDだけではなく、外部データに対しても使えるようなのだ。「ようなのだ」という曖昧な表現は、ソフトウエアのバージョンによって、このファンクションは有効なものと無効なものがあるらしいので、使ってみないと分からないのだ。
その辺り、激しく興味深いのであるが、おいおい調べてみよう。
投稿日付: 2009年 4月 3日
タイトル: 久し振りのオーディオ機材の導入 (予告編)
イカンことである。
dCS 992-2の購入代金が一旦返金されたことでちょっと気が大きくなっていたようだ。
でも仕方がない、かねてよりいずれは欲しいと考えていた機材が出てきたのだ。コイツはなかなか入手困難で、たまに中古ショップには出るのは出るのだが、大抵瞬間蒸発で売れてしまう機材なのである。恐らく、探している人が結構多いのだろう。それは、dCS Elgar 1394を保有している者には必然的に手に入れることになるアイテム、SACDトランスポート
dCS Verdi Encore である。
CDでは規格が統一されてくれたお陰で、殆んどのCDトランスポートは、どのDAコンバータでも接続出来る。こんな当たり前のことが
SACDではままならない。セパレート型のSACDは、どれも同じメーカー同士でないと接続出来ない。なんでこんなに不便なことになってしまったのか?これもSACDの普及が遅い事由の一つでもあるだろう。
DSD対応のDAコンバータである dCS Elgar 1394の能力を100%発揮させるには、dCS Verdi Encoreが不可欠なのだ。たもそは、必ずしも SACDへの移行を目指してはいなかった。なぜなら、SACDではPCトランスポートが出来ないからである。ユーザーを無視した過剰なコピープロテクションは必然的に普及を妨げる。
しかし、DSDの技術的優位性やハイサンプリングには興味がある、どんな音なのだろうか。それには、SACDプレーヤーかSACDトラポを導入することになるが、DACとして
dCS Elgar 1394を使っている以上、選択肢は一つしかない、dCS Verdi Encoreである。しかもコイツは、只の SACDトラポではない。DSDをフルに活用出来るファンクションを備えているのだ。
ということで、ESOTERIC D-70導入の頃から狙っていた機材であった。今までも何度か入手のチャンスはあったのだが、いつも直ぐに売れてしまい取り逃がしてきたのである。今回は、出物を見付けて直ちに交渉に入り約定に漕ぎ着けた。(^。^)v
モノは、大場商事扱いの最終型 Verdi Encoreであり、輸送用アルミトランク付きであった。もちろん、これがベストである。幸い、売主は近郊に住在であったことから、明日引取りに伺う予定である。
手元如意というのは実に困りものである。
投稿日付: 2009年 3月27日
タイトル: プロ用マスタークロックジェネレーター dCS992-2 の謎 (邂逅編)
なんだか、随分と日が経ってしまった。
今からおよそ2ヶ月ほど前、たもその dCS992-2は修理のために購入元へと送られて行った。それから1ヶ月経っても修理は完了せずで、こちらも何度か催促したのだが、どうも修理が進まない。状況としては、本国の指示待ちということらしいのだが、結局のところ放置されているらしかった。
購入元のお店の方もいろいろ手を尽くしてくれたようなのだが、更に1ヶ月経過しても修理は完了しなかった。途中からは、正規店(現在はヒビノインターサウンド)での修理はあきらめて、外部委託先に変更するとのことだったのだが、いかんせん2ヶ月というのは長過ぎた。こちらは大金を払っているのに
2ヶ月も使えないというのは納得がいかないので、購入代金については一旦返金して頂くことにした。
購入をキャンセルする積りはないのだが、初期不良としての修理が上がらないということは、購入契約が履行されていない状態なので、取り敢えず購入前の状態に戻したわけだ。流石に購入元もこの点は了解して快く返金したことは特記しておく。
たもそとしては、とても残念だ。
修理から帰ってきたら、G-03Xともども新規導入のスペアナ(E4402B)を使って、いろいろと実験しようと楽しみにしていたのに待ちぼうけである。マスタークロックを被計測対象とする場合、通常聴くための1台が必要なので、このままでは計測実験が出来ないのだ。
暫らくは、dCS992-2の修理完了を待つ積りだが、その先はどうするか・・・。
投稿日付: 2009年 2月19日
タイトル: Agilent ESA-E E4402B スペクトラムアナライザー (キタよ編)
予告編に続いて、新兵器の本編を始めたい。
届いた新兵器というのは、スペアナ(スペクトラムアナライザー)であった。一部の方は予想されたかもしれない。標準周波数(タイムベース)を計測するのには、やはりタイム
インターバル カウンター(周波数カウンター) だけでは何か足りないのだ。何が足りないのかは、たもそにも分からない。スペアナを使ったことが無いのだから仕方がない。
机上でいろいろスペアナの有効性、必要性について調べてきたのだが、やっぱ、「いじってみないと本当に必要なのかどうか分からん」 という結論に至り、一度導入してみれば分かるという方向に導かれたのだ。過去にも何度か導入を検討したのだが、効用が判然とせず、又、どのクラスのスペアナであれば使えるのか?という疑問も解けずに見送ってきた。しかし、今回はもう使ってみてダメなら放出という覚悟で導入することにした。
およそ、計測器というヤツはピンキリである。それは、オーディオ機器も同じだが、オーディオは安いモノでも聴くことは出来るし、機能的な不足も通常は殆んど無い。しかし、計測器は必要な機能、スペックを満たしたクラスのものでないと、全く役に立たないゴミになってしまう。ココが問題だ。価格的にも桁単位で上がっていくから全然キリがない。
従って、事前調査が極めて肝心である。多くの情報はネットに散在しているので、その断片を集めることで、ある程度の見当は付いていくが、スペック、機能は上を見上げればキリがない。今まで購入に踏切らなかったのは、やはり、予算内ではロクなスペックの機種は買えないし、元のスペックは高くても古いために動作不安や表示ブラウン管の劣化が懸念される。そして、古いのはそもそも計測精度があてにならない。
事前調査というのは、売っている個々の機体を丹念にスペックを調べて、機能や性能が満たしているか、劣化の可能性はないか、割高でないか、など調べていくのだが、特に価格が分かりにくい。元の定価の情報は乏しく、付属しているOP(オプション)が一つ違えば数十万円の価格差ということもあるので、売りに出ている機体の元の価格も現状の価値の判断も難しいのだ。
たもその使用目的からいくと、十分な雑音レベル、S/N、分解能が求められるので、カタログスペックで見比べるとかなり上位機種、或いは新しい世代のモデルでないと要求を満たさないので、予算内では買えないような感じだった。しかし、丹念に検索しているとわりと新しいモデルが安く出ているのを見つけた。スペックを調べると、なんと現行品ではないか!更に調べると、たもその要求スペックを十分満たした上に、更にアップグレードすることで機能を追加できるらしいのだ。現行品なら修理や追加OPも全く問題ない。コレは逝くでしょう。(^^
しかし、注文したと思った直後に、その機体は売れてしまったという!なんという悲劇か?
店に文句を言っても仕方がないが、いろいろ交渉していくと同等機を探してくれるという。ハッキリ言って、非情に値切ってキメたところなので、そこまでしてくれるとは思わなかったが、とっても親切なお店だったのだ。そして、1週間経ったところで連絡があり、ほぼ同等な機能で、製造年は更に新しく、校正済み品で入荷するという。うーん、ルネッサンース!u_(^^)_u
そうして、届いたのが、Agilent ESA-E E4402B スペクトラムアナライザー (STD B75) である。
(リンク先の参考価格はOPを含まない素の価格である)
Agilent ESA-E E4402B スペアナ

家に届いて取り敢えず動作チェックするために置いたところ。本体は使用感も乏しく
極上の中古品といった趣き。表示パネルはLCDで6.5インチある。各種のキー類も
触っていないくらいキレイである。こんな状態の良い中古品が出回るのだろうか?
家に届いたのは見たこともないデカいダンボール箱だったが、中から出てきた
Agilent E4402B STD がまたデカい。オシロと比べても二倍以上のボリュームである。重量も20kg弱はあり、ちょっとデカ杉か。表示がブラウン管ではないので、これでも軽量化されているハズだが。
上の画像は、取り敢えず動作確認の為に通電しているところ。画面に出ているのは
GPSDOの10MHz標準周波数のスペクトラムを表示させてる。基本的な操作はそれほど難しいものではなかった。
![]() これはリアパネルの一部分である。左下のラベルに注意。極めて新しい 機体であることが伺える大事な部分である。 |
![]() 大き過ぎてどこに置いたらよいのか途方に暮れたが、何とかラックに設置 した図。使い方はなかなか難しいようで、まだ何かの計測結果を求める 段階ではない。 |
![]() モニター部のアップ。当然だがココが最も大事なところである。コストが高い ブラウン管の時代は既に終わっていて、解像度の高いLCDの方がメンテや 寿命の点で圧倒的に有利なのだろう。当然カラーなのだが、意外と地味な 配色になっている。 |
本体裏面には [Nov, 06] の表記があり、かなり新しい機体であることがうかがえる。フロントパネルのボタン類は操作によるヘタリなど皆無で、そもそも触っていないようなキレイさである。リモートで使ったりする場合は、殆んど触らないらしいが程度極上に見える。
少しずついじって、操作方法を覚えていきたいが、なにしろコイツで何が測れるのかもまだ良く分からないので、実戦投入はしばらく先になりそうだ。
投稿日付: 2009年 2月17日
タイトル: 新兵器導入 (予告編)
このところ、更新が途絶えているのにはワケがある。連載が続いていた「プロ用マスタークロック dCS992-2 の謎」の続編は暫らく書けないのだ。理由はご想像通りというところで、たもそとしては待ちの姿勢である。
一方、クロックに関する研究、検証への意欲は更に亢進しており、更なる新兵器の導入が決断された。
これは、かねてより欲していたブツであるが、なかなか踏切れないでいた物件である。何しろ難しい、でんでん分からないことだらけであるにも関わらず欲しい。しかし、かなり高い。もしかしたらでんでん使い物にならないかもしれない。正直、危険物である。
dCS992-2 の謎の一件以来、その欲しさが亢進していまい、四六時中研究し始めるともうダメである。手に入れるまでどうせ研究を続けるのであるから、買った方が楽なのだ。そして、これまた安物は絶対にダメである。高ければ高いほど良いのだからどうしようもない。新品なら
プリウスくらい余裕で買えるほどなのだ。危険過ぎる。
手に入れるまでが、また一苦労であった。全てが一点物の世界だから取り逃すと再会する機会は稀である。一度は空振りしたのだが、どうにか注文できたようである。それも素晴らしい特価で。不況も悪くないかもしれない・・・
何が新兵器か不明のまま続く・・・
投稿日付: 2009年 2月 1日
タイトル: プロ用マスタークロックジェネレーター dCS992-2 の謎 (開腹編)
何度か目に 英dCS社から届いたメールには驚くべきコメントが記載されていた。
以下、本文のみ原文、一部伏せ文字xx
Control board 0xxxx DOES have this feature and so there must be a
hardware fault.
If you would like to lock the unit in Bipolar mode, you can do this by
short-circuiting Rxxx on the Control Board (close to connector Cxxx)
with a wire link. The component layout is attached.
If this is not acceptable, the unit will have to be repaired properly,
probably in the UK.
たもそによる解読
オマエの基板は、外部同期波形設定のファンクションが有効だ。しかし、そのボードは壊れているクサイ。
もし、Bipolarモードでの同期をしたいのなら、基板上のコレコレを直せ。その為のレイアウト図面は送る。
もし、無理なら修理のためにイギリスに送り返せ。
添付として、992-2の基板レイアウト図面PDFが付いていた。つまり、「壊れてるみたいだから、オマエ自分で修理してみろ」
なのか?それでいいのか?大らかな欧米人気質なのか、やっぱり何か勘違いしているような気もする。ユーザーに自分で修理を推奨するというのもあまり聞かない話だ。
しかし、シリアルナンバーとルビジウムクロックの出力電圧と 992-2の同期必要最低電圧(閾値)の情報だけで、どうして故障箇所が特定出来てしまうのだろう??向こう側で何か新たな情報があったのだろうか?修理が必要となると、たもそのこの
992-2は中古初期不良ということになる。外部マスタークロックの同期不良が故障と認定されるかどうか、うーん微妙なところだ。
ということで、dCS社サポートマネージャの指摘する箇所をチェックしてみることにした。もちろん基板修復は、たもそには恐らく無理だろう。でも、ピンポイントで指摘できる程の何か不具合があるのというなら見てみたいのだ。
![]() 特殊なネジでガードされたボンネットを取り外すとメイン基板が現れる。 意外と中身は詰まっていて、G-03Xなどとは様子が異なる。基板は大きな メインボードの左半分はドーターボードが乗った2階建て構造。入出力端子 との間はツイストした配線やフラットケーブルが使われている。比較的 コンベンショナルな造りである。 |
![]() 更に踏み込んでドーターボードを取り外す。画像は天地が逆転しているので 今度は右半分がドーターボードが乗っていた箇所になる。2つ並んだ大きめ のFPGAがCPU部か。水晶はどこだろう? |
てことで、さっそく 992-2のボンネットの取り外しに掛かる。意外にもネジ類はミリ系であった。そうか、欧州圏はメートル法か、と感心する。難関は五角の変なトルクスで工具が無くて難儀したが取り外しはできた。ボンネットを取ったら直ぐに基板が出てきた。記念撮影をして、サポートの指摘箇所を捜索すると、なんと!ドーターボードの下ではないか。
おいおい、しょうがねぇなぁ、いずれショップに戻す予定なので、あんまりいじりたくないのだが、ここまで来たら仕方がない。コネクタ類をドンドン外してドーターボードを引き抜いた。そして、問題の箇所は直ぐに見付かった。やや!コリハ?
問題の箇所はあまりにも問題だったので画像掲載は控えておく。しかし、素人目にも明らかにおかしい状態であった。チップ部品が片側だけランドに付いていて、もう一方はランドの無い方に飛び出ていたのだ。これは正常ではないと思われる。この指摘箇所は念入りに撮影した。
そして、トドメの一発として、この指摘箇所画像をまたもや dCS社に送ってみたのだ。
「お前らの指摘した基板上の箇所はこんな姿になっておる、どーよ?」と書いて。
メールを出したのは週末だったので流石に即答はなかったが、dCS社は、たもそのこのメールを待っていたかのように、月曜日の夕刻には返事が届いた。そして、またもやサプライズなコメントが・・
以下、本文のみ原文より抜粋、一部伏せ文字xx
Someone has carried out unauthorised modifications on this unit after it
was shipped from dCS. The soldering is very messy and unprofessional.
Rxxx has been deliberately disconnected - this will set the Ref Input
permanently to Bipolar mode.
Rxxx has been changed from 100 ohms to 330 ohms for some reason,
possible to loop the reference through other units. This will mess up
the loading and will stop the unit locking to an RF source.
たもそによる解読
誰かが改造を施している。しかもハンダがヘタクソだ。これじゃ外部入力が切り換わらないだろ。
この抵抗は何かワケがあって交換されている。何か別の機材と繋ぐ為か?
以下、難解なのでスルー
メールには続いて、正常な状態に戻す為の部品交換が指図されていた。これ、たもそがやるの??
ということで、メデタクこの dCS992-2は、dCS本社から基板不正改造が原因の故障を宣告された!!のだ。
えっ?なに、故障が分かって何がメデタイのかって?
そりゃ、ルビジウムクロックの相性問題の疑惑が晴れたからですよ。当たり前じゃないですか!
故障が分かっても解決はしないので、もうちょっと続く・・・・
投稿日付: 2009年 1月31日
タイトル: プロ用マスタークロックジェネレーター dCS992-2 の謎 (模擬編)
いろいろな 10MHzを出力できるファンクションジェネレータが手に入ったので、dCS 992-2がルビジウムクロックと同期しない原因を更に解析してみよう。
同期しない原因として、今のところ可能性があるのは次の3つである。
1. ルビジウムクロックの波形の微妙な相性問題。
2. 外部同期波形設定のファンクションが無効になっている。(TTLのまま)
3. 992-2が故障している。
たもそとしては、2.TTL固定を疑っている。理由は、1.相性問題と 2.故障については、反証らしきものがあるからだ。そして、現状で同期しない条件として、「TTLモードなのでクロック電圧が一定以下だと正弦波は同期しない」 という仮説を立ててみた。そして、もし相性問題でなければ、同期に必要な最低電圧というものが存在するはずである。これは、FGを使えば検証できる。
ファンクション・ジェネレータ HP/Agilent 33120A

画像は再掲になる。ファンクションジェネレータを使って10MHz正弦波を出力。
画像はFGを 周波数: 10MHz、波形: 正弦波に設定したところである。更に電圧を任意に変更できるのだ。予め、オシロを使って、ルビジウムクロックとFGの波形を出して振幅が同じになるようにFG側の電圧を調整したところ、約
1.8Vp-pであった。これを 992-2の外部同期に接続したらどうなるか?
慎重に設定して、992-2にFGの10MHzを入力したところ、同期しなかった。ウムウム、それでよし。相性問題の疑いは一つ晴れたことになる。そして続いて、FGの電圧を約5.0Vp-pに上げてから、再度接続してみたところ・・・・
[b 88.2KHz] オォッ、よしキタ、同期するやんか。これで、相性問題の疑いは限りなく晴れたと言える。
次に、一旦、1.8Vp-pに戻したFGを接続した状態(同期待ち)で、クルクルダイヤルを用いて徐々に電圧を上げていったのだ。そーしたら、約
2.0Vp-p辺りで [b 88.2KHz] に切り換わったのだ!よしキタ
何度かやり直したが、同じ結果である。ルビジウムクロックと同じ電圧では 992-2は同期しないが、少し電圧を上げてやれば同期するのだ。期待通りだが非常に感動的な結果である。(・∀・)イイ!
これで、原因として相性問題はほぼなくなった。そこで、改めて英dCS社に、この件を報告して何か対策はないかどうか尋ねてみたのだ、もちろん英語で
やはり、dCS社の対応は早い、というか、このサポートマネージャーという人物はとても真面目なのだと思う。翌日には返事が届いていて、そこにはまた驚くような回答が示されていたのである。
盛り上げて続く・・
投稿日付: 2009年 1月29日
タイトル: HP/Agilent 33120A Function Waveform Generator
確かあったハズだ。周波数と波形と電圧をいろいろ変更して出力するヤツ、なんだっけ?ジェネレータか?そだそだ、ファンクション・ジェネレータとかいう機材があったハズだ。探せ、探せ、探して、即買いだ! なんだなんだ、いっぱい種類があってどれが良いのか分かんね??
22GHzは要らないし、100KHzが最低じゃダメだ。丁度良いのはないのか?
思い立ったら速攻あるのみ、こちらは重大な問題を解決せにゃならんのだ。しかし、種類が多い、用途が分からん。タイムベース入力はないとダメだ。あーだ、こーだで、ようやく見つかった。Agilent 33120A である。実はもう一機種選定したのだが、状態の良い物が見付からないので諦めた。
![]() 突然登場、ファンクション・ジェネレータって、「任意波形発生器」と訳される らしい、ダサいな。フロントパネルは他のHP/Agilentの計測器と似た顔つき だが、ボタン類は少なめな感じ。 |
![]() こちらはリアパネル。これも他の計測器と似たようなものだ。そして、幾つか あるBNC端子を良く見てみると・・・ |
![]() リアパネルBNC端子部アップ。おぉ、コレコレ、10MHz Ext Ref Inだ。 やっぱし、これがなきゃねぇ。そして opt.001付きだ。 |
兎に角、一台手に入れたファンクション・ジェネレータ (FG)は、やはり、名門 HP/Agilent社の 33120Aである。上限周波数が 15MHzと低いことから、そんなに値段は高くはない。GHzクラスとかなると相当なお値段のようだが、たもそには無縁のようなので、取り敢えず必要な周波数と波形が出るという条件で選んだのだ。
え?これで何をするのかって?
まぁ、それはお楽しみですよ。まずは、軽くいじってみませう。σ(^^)λ
![]() まずは 10MHz 正弦波を出してみた。Hzの右に波形マークが表示される。 設定周波数の分解能が今一なのだが、まぁ仕方がない。 |
![]() そんで、これは88.2MHzの矩形波だ。つまり、WordClock相当ですな。 |
操作は直感的で難しくはないものの、小型化のためにパネルのボタン数が少なく、兼用キーが多いので、あまり使い易いとは言えない。やっぱ、テンキーぐらいは独立させて欲しいものだ。右上のクルクルはロータリーエンコーダーになっているのだが、微調整の時以外はあまり用はなさそうである。メモリは内蔵されているので設定したクロックを保存することができる。これはなかなか便利だ。
それで、コイツで何が出来るのかというと、上の出力例の2つの画像をご覧頂きたい。要するに、好きな周波数、好きな波形、好きな電圧を設定した波形を出す機械なのである。上限は15MHzまで出せる。この辺の帯域は、オーディオ用ではないかと思われる。このような機材が存在することは知ってたのだが、たもそに用があるとは思いもよらなかった。えにしとしか言いようがない。
ちょっとの操作で、10MHzの正弦波とか、88.2KHzの矩形波なんぞ簡単に出来てしまう。そして、出力電圧も波形を出しながら連続的に変化させられるのだ。今のたもそにうってつけの機材ではないか。
よーし、やってやる。
で、まだまだ続く。
投稿日付: 2009年 1月28日
タイトル: プロ用マスタークロックジェネレーター dCS992-2 の謎 (長考編)
dCS 992-2を自作ルビジウムクロックに同期させることは失敗している。外部同期波形設定の隠しMENUは、まず間違いなく解決策だと思っていたのだが、これは効果が無かった。無念である。このままでは、たとえショップに不具合として申し出ても、単なる相性問題として片付けられてしまうだろう。実際、相性問題の可能性も十分あるし・・・。
そこで、もう一度整理して考えてみた。今のところ可能性があるのは次の3つである。
1. ルビジウムクロックの波形の微妙な相性問題。
2. 外部同期波形設定のファンクションが無効になっている。(TTLのまま)
3. 992-2が故障している。
GPSでロックする以上、3.故障 の可能性は低いと言わざるを得ない。また、Veronaなどの動作実績から 1.相性 の可能性もかなり低い。すると、やっぱり 2.TTL固定 か? それなら傍証がある。「TTL」モードでも「Bopol」モードでも、GPSはロックするが、ルビジウムはロックしない、つまり、「Bipol」モードが無効な可能性は十分あるのだ。
更に同期しない条件を考えてみた。
ルビジウムは電圧が低いからロックしないのか?それとも別の原因なのか? これは切り分けたいところである。うーん、電圧を変更できれば実証できるのだが・・・・。何か方法が?
をっ!ピカッと閃きが・・・ キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
アレを使えば良いのでは?
更に続く・・・
投稿日付: 2009年 1月27日
タイトル: プロ用マスタークロックジェネレーター dCS992-2 の謎 (英dCS社編)
解決の糸口に近づきつつあるような淡い期待を携えて、dCS社に問合せのメールを発射した。尋ねたのは、992-2のファームウエアの最終バージョンとPCリモート・ソフトウエアの件である。まぁ、あまりアテにはせずに軽い気持ちで出してみたのだが、これが速攻で返信が届いていたにはビックリした。
返事によると、992-2の最終ファームは v2.02だが、たもそのボードでは v2.01が最終ということであった。「この2つには違いがないよ」、という慰めの文言も添えてあった。そして、リモートソフトも当たり前のように添付されてきた。とてもフレンドリなサポートだと感じた。そこで続いて、たもその
992-2で起こっている症状を伝えて助言を求めたところ、これまた数時間後には返事が届いた。イギリスって良いトコかもしれない。(^^
dCS社のサポートマネージャの助言によると、992-2 v2.01には外部同期の波形設定機能は入っているという。しかもそれは、マニュアルには記載がないということまで教えてくれた。なるほど、これはすごい情報だ。これで解決に激しく近づいた気がする。
そこでさっそく、PCリモートソフトを使ってみた。
(リモートソフトは設定を細かくいじれるが、いじり過ぎになり易いのでフツーの人にはお勧めしない)
![]() リモートソフトを起動したところ。初めて起動するとエラーが出て焦るが、二度目はちゃんと起動した。左上はソフトが 認識した dCS機器のリスト。右上が基本設定ウィンドウ。下が出力端子別設定ウィンドウ。AGENの意味が分からないと どう使うのか全然理解出来ない。[Offset]とか[Configure]とかがキモのボタンであろう。[Configure]を押すと下の画面が 出る。PCからMaster/Slaveの切換えが出来るのだ。スゲー (・∀・)イイ! |
|
![]() 外部Syncの[Bandwidth]設定タブがこちら。うーむ、何段階 にも分かれて選べるのだ。こんなの、たもそくらいしか興味 がないだろう。 |
![]() こちらは[Sync波形]設定タブ。本体のMENUでは隠しモード だが、リモートソフトではちゃんと切換えタブが用意されて いるのだ。 |
992-2はPCリモート経由でなければ変更出来ないファンクションが沢山ある。また、リモートを使えば、あのウザイMENUボタンの操作から逃れられるのだ。PCオーディオなら尚更、リモートは大変便利である。あまり詳しくは説明しないが、たもそが気に入った機能の一つがウィンドウ画像左下の「Slave Bandwidth」タブである。外部マスターを常用する者には非常に興味深いファンクションだ。それから、もう一つ、今回の不具合のカギとなりそうなのが、画像右下の「Wordclock In」タブである。ちなみに、このタブ名は間違っている。
この「Wordclock In」タブで切り替えられる、「TTL」と「Bi-polar」とは?これは、つまり外部マスターで入力されるクロックの波形を指定するのである。「TTL」というのは、トランジスタレベルの略語で、0Vと5Vで振幅する矩形波を意味する。「Bipolar」は両極だから、つまりAC交流信号である。たもそが使っているルビジウムクロックやGPSDOの10MHzクロックは正弦波であるから、ここでは「Bipolar」を選ぶのだ。
調べてみると、たもその 992-2は「TTL」に設定されていたのだ。うーん、そうかなるほど、これなら今までの挙動は納得できるぞ!
喜び勇んで、さっそく設定を「Bipolar」に変更して、念の為、再起動させてもう一度設定が有効か確認してから、ルビジウムクロックで同期させてみたのだ。
しかし・・・・、 しかし・・・・、 ・・・・、同期しない。(;;
なんでやねん?
終われないので続く・・
投稿日付: 2009年 1月26日
タイトル: プロ用マスタークロックジェネレーター dCS992-2 の謎 (比較編)
前回は、たもその dCS992-2の動作が少々おかしいことをご報告した。外部Sync機能は GPSDOとは問題なく確立するので完全に故障しているとはいい難いが、今一な状態である。モヤモヤなのだ。
いろいろ原因を調べている中で、以前持っていた dCS Veronaのことを思い出した。VeronaはGPSと同期させなかったけれど、ルビジウムクロックとはずーっと同期させてきたのだ。同世代のモデルであることを考えても、Veronaで出来たことが 992-2では不可能というのは解せない。そこで思い出しながら、二機種の機能や仕様を比べてみたのだ。
取り説などを参考にするとこんな感じだ。
| dCS992-2 | dCS Verona | |
| 内蔵水晶発振器 | TCXO 2個 | TCXO 2個 |
| 内蔵水晶のソフト校正 | OFFSET機能あり | なし |
| サンプリング周波数 | 32/48/96KHzと44.1/88.2KHz | 44.1KHz と 48KHzのみ |
| 出力クロック系の混成 | 44.1K系と48K系の混在可 | 一方のみ |
| 外部Sync機能 | あり(自動、手動切換え) | あり(自動切換え) |
| 外部SyncのPLL帯域 | リモートで調整可能 | FineとWide切換え |
| 外部Syncの波形切換え | なし(自動) | TTLとBipolarで切換え |
| スタンバイ機能 | なし | あり(フロントスイッチ) |
992-2の最大の特徴は、出力クロック系の混在が可能という機能である。これはあまり他では見られない。ベースとなるTCXOは、44.1KHz系と48KHz系と各1個を搭載している。(一般的な謳い文句である、ドリフト特性を考慮して組合わせた2個のTCXOの連携云々・・というのは間違い)
そこから、4つのクロック系 AGEN1〜AGEN4が独立しており、44.1KHzでも48KHzでも自由に設定可能になっている。最終的なクロック出力端子は 9系統(バランス 3、BNC 6)もあり、各AGENxとの組合せることができる。
と、言ってもややこしくて分からないので、まぁ、かなり自由にサンプリング周波数を設定出来ると覚えておけばOK。
それから、外部Sync関係では、手動切換えのオプションがあるのがウレシイ。スイッチ一つで、外部マスターと内部TCXOを切り替えられるのだ。他にも細かい設定が可能だが、それにはPCリモートの活用が前提となるので別の機会にご紹介しよう。
ところで、Veronaの方が良い点もある。一つはスタンバイ機能で、もう一つは外部syncの波形切換えである。どちらも、992-2には無い。
ん?待てよ! TTLとBipolarか、なんだか臭うぞ!
臭ったまま、続く・・・。
投稿日付: 2009年 1月25日
タイトル: プロ用マスタークロックジェネレーター dCS992-2 の謎 (困惑編)
さて、予告編に続いてようやく dCS992-2について語りたい。
このプロ用マスタークロック 992-2はどうもナゾが多いのだ。構造、機能とも極めて複雑で、その全てを理解出来ている人は顧客には存在しないのではないかと思えるほどだ。992-2の民生版が Veronaと思っていたら、それはとんでもない勘違いである。Veronaは 992-2のエンジン(発振部)を使っているが、機能はほんの一部しか搭載していないようなのだ。
特に問題なのが、TimeLoadが製作した日本語取り説である。それは、本国版(英語)マニュアルのごく一部しか翻訳されておらず、基本的な機能とその操作方法にしか触れていない。出力するWordClockの設定についても、メモリに登録されたメーカーデフォルトの組合せと、TimeLoadが登録した幾つかのパターンから選ぶように説明されている。詳細な設定を行なうには英語版の取り説が必要で、肝心のPCを使ったリモート機能は日本語版には説明がないばかりか、リモートに必要なソフトウエアは標準付属品にはなっていなかったようなのである。
ま、それもそのハズだ。恐らく、機能が複雑過ぎて説明し切れず、一般的なユーザーには殆んど不要な記述となる可能性が高い。もしも誤った設定を行なってしまうと復旧させる手間が大変で、サポートが混乱することが想像される。その不利益を考慮して限定的な日本語版取り説が作られたのであろう。
たもそも英語版マニュアルを手にして読んだが、まだまだ理解途上である。今後、有用と思われる機能や操作方法については、その一部をこの絵日記で紹介してみようと思う。なお、これらの操作を行なって不利益が生じても、一切救助は行なわない積りなのでご注意願いたい。
dCS992-2とルビジウムクロック

992-2単体での計測が完了して、次は外部マスターを接続して計測
しようとルビジウムクロックを載せてSyncさせようとしたのだが・・・
今日は問題発生から報告しよう。全てのキッカケとなった問題である。
去る 1月11日から掲載した dCS992-2の導入インプレッションでは、単体での動作検証しかレポートしていなかったと思う。当然、単体での動作チェックの次には、ルビジウムクロックやGPSDOを外部マスターとして同期させてみるのが常である。しかし、これがどうもうまく行かなかったのだ。
たもそのテストベンチ(作業台)の傍らには、常に HP Z3805A GPSDOが常時稼動していて、GPSに依拠した10MHzが供給されている。こちらを使った外部Syncは問題なくロックして精度も格段に向上した。ところが、ルビジウムクロックを使った場合は、なぜかロック確立の表示にならない。もちろん、ルビジウムクロックをチェックしてみたが問題はなかった。
ただし、出力されるWordClockは変化していて、一応、ロックしているようであったが、その精度は論外でルビジウムを繋ぐ意味がないものであった。うーむ、どうしてだろうか?ルビジウムクロックとGPSDOの出力するクロックはどちらも正弦波である。精度は多少違うかもしれないが、外部マスタークロックとしては十分以上の品位のはずだ。その違いは何かあるのか?
いろいろ調べて一応出た結論は、ルビジウム発振器のクロックとGPSDOのクロックの違いとして、出力電圧が異なることが分かった。GPSの方がかなり電圧が高かったのだ。ふむふむ、この辺が解決の糸口になるような気がする。しかし、発振器の電圧を変更させることはたもそには出来ない。
それに、そもそも Veronaや G-03X、G-25U、OCXなど殆んどのマスタークロックで問題なく同期するルビジウムクロックがどうして
992-2だけダメなのだろうか?どう考えてもルビジウム側に問題がある訳ではなさそうである。すると、992-2の故障だろうか?しかし、この機能の不具合を故障だと言っても理解を得るのは難しそうである。
で、つづく・・
投稿日付: 2009年 1月24日
タイトル: マスタークロックジェネレーター ESOTERIC G-03X の秘密 (尊敬編)
先週は dCS992-2の件でとってもバタバタしてしまった。問題は dCS社のメールサポートによって、一旦は解決したように見えたのだが、実はかなり根が深くて未だ解決できていない。極東の中古ディスコン機種ユーザーのマイナーなトラブルに真面目に回答をよこしてくる、dCS社には激しく敬服する。
しかし、メールで 「オマエ、ちょっとボード(基板)を見てみろよ!」と気安く言ってくるカスタマーサポート・マネージャーの姿勢は一体?。dCS992-2のボンネットは、特殊ロックネジが使われており、簡単には開けられないようになっているのだ。彼は、たもそを中古ショップのエンジニアと勘違いしているのかもしれない。
また、脱線してしまった。
そうそう、992-2の話はいずれ改めて投稿するとして、G-03Xの続きを語ろう。今日はオマケみたいなものだが、久し振りに G-03Xをラックから引き出した際にあることに気付いたのだ。
![]() G-03Xリアパネル画像。右の6個は WordClock出力のBNC端子、左端は外部マスターを 受けるためのBNC端子である。で、よくよく見ると・・・。 |
![]() 更に拡大した画像。ここまで大きくすると気付くだろう。そう、WordClock出力端子と10MHz 受けの端子が実は違うのだ。 |
今日のは小ネタである。画像を見ればスグにわかるのだが、G-03XのリアパネルのBNC端子は、WordClock/Outと10MHz/Inで違うパーツが使われているのだ。2枚目の拡大画像なら分かり易い。センターコンタクトの絶縁体の構造が異なるようだ。G-03Xの10MHz/Inはインピーダンス50Ωの受けになっている。つまり、ESOTERICは75Ωと50Ωをキチンと区別しているということだ。この部品は市販品ではないようなので、恐らく、G-03X、G-0Rb設計時に追加したものだろう。
エソはとても真面目な会社だと思う。
というよりも、G-03Xユーザーにどうしても 10MHz外部マスタークロックを使って欲しいと考えているようなのだ。ここに繋ぐ機材をエソは出していないのに・・・。もしや、今後出てくるのだろうか?
投稿日付: 2009年 1月20日
タイトル: マスタークロックジェネレーター ESOTERIC G-03X の秘密 (計測編)
まず、タイトルからは脱線するが重要なお知らせ。
dCS 992-2ユーザーで外部クロックを注入されている方は注意されたい。
1月17日投稿でチラっとコメントしたが、たもその dCS 992-2には問題があったのだ。かなり重大な問題で、場合によっては故障を疑わなければならなかったのだが、考えて・・
考えて・・、dCS社にメールで問合せをして遂に解決したようなのだ。多分、マニュアルには載っていないと思う。しかし、dCS社の対応は素晴らしい!詳細はその内に投稿するので、しばらくお待ち願いたい。
それでは本編に戻ろう。
続いて、G-03Xの計測編に移ろう。ここからが本番である。いつものように、平均精度(Mean)及び、短期安定性(AllanJitter)を計測したので結果を報告する。
![]() 88.2KHzのWaordClockの精度を計測。スナップショットだが、 +2mHzの誤差は 2.2x10E-8に相当する。0.02ppmは定格を 上回る高精度である。 |
![]() 1日通電したところで計測した平均精度(Mean)のプロット。 既にほぼ収束している。スケールは 1mHz/div。 |
![]() こちらは同時に計測した短期安定性(AllanJitter)である。 以前の計測時と同様の結果である。スケールは 1μHz/div。 |
通電から1日ほどのエージングで計測したところ、精度は +2.2x10E-8で 約+0.02ppmに相当する。定格精度を大幅に上回る良いクロックであった。そして、AllanJitterだが、これがまた素晴らしい。どのくらい良いのかはプロットを見て思案願いたい。
前回計測時から精度、安定性とも変わっておらず、単体での性能はピカ一だと言えるだろう。
さて、今回はこれだけでは済まない。折角、筐体を開けて内蔵OCXOを拝んだのであるから、何かやらなくてはイカン気がする。
G-03X 内蔵OCXO トリマー

既にお気づきの方もおられるかと思われるが、OCXO上部
には穴が開いている。穴があったらグリグリしたくなるのが
人情である。回りにくいように封印されているようだが・・。
画像は、G-03Xの内蔵OCXO部の拡大図である。実寸より大きくなってしまった。(^^;;
その上部に開いた穴はやっぱりアレであろう。そう、調整トリマのようなのだ。穴があったらグリグリするのがクロックマニアの性である。
簡易校正を掛けた内臓OCXOの精度

計測プローブを基板表面の部品に当てながら、トリマーを
微調整するという曲芸をこなして達成した 1x10E-9クラスの
精度である。瞬間芸でも水晶で0.001ppmは立派なものだ。
これは難航した。片手でプローブをチップ部品に当てて周波数を計測しながら、片手で調整トリマを微調整するのだからややこしいことこの上ない。何度も失敗してチビリチビリといじってここまで追い込んだというのがこの状態。瞬間芸でも
1x10E-9というのは立派なものだ。
これで、出力される WordClockがどのくらい改善するかに興味はあるが、実はそれは忘れてしまったのだ。ま、また次回にでもやってみよう。
投稿日付: 2009年 1月18日
タイトル: マスタークロックジェネレーター ESOTERIC G-03X の秘密 (OCXO編)
今日は G-03Xの一つのナゾに迫る。内蔵OCXO を計測したのだ。
G-03X 内蔵OCXO

画像は再掲で、G-03Xメイン基板の水晶発振器群エリアのアップ画像である。
右下の大きめのケースがオーブン内蔵水晶発振器OCXOである。
実は、G-03Xが発売された当時のダイナのサイト (長いですが興味のある方はドーゾw) で、この内蔵OCXOが10MHz 0.1ppmであることは分かっていた。ダイナの記事では、10MHzのOCXOを
2系統ある水晶とPLLで同期させて高精度のWordClockを得るという構造だという。そりゃ、まるまる「内蔵外部マスター方式」じゃないの?そうだったのか??
たもそは、実は少々懐疑的ではある。ダイナの店長は、恐らくメーカーから貰った情報を流しているだけなので、それが正しいのだろうとは思うのだが、ちょっと引っ掛かるのだ。
横道に反れたが、話を計測に戻そう。基盤に実装されている水晶発振器を単体で計測するのはなかなか難しい。一旦、基板を取り外して、水晶の接続ピンに同軸をハンダ付けして引き出せれば、いろいろ計測できるのだが、I/F端子が基板直付けなので分解はかなり困難のようだ。そこで、オシロのプローブを基板表面の実装部品に当てて波形を観測することにした。
G-03X OCXOのクロック波形

初公開!G-03X 内蔵OCXOのクロック波形だよ。
アース側はクリップで固定して、プローブを慎重にチップ部品に当てると・ ・
・ をっ!出た出た! アレ? でもなんだか汚いような?
これが紛れもなく、G-03X 内蔵OCXOのクロックである。波形がキレイでないのは測るポイントの問題かもしれない。出力は結構低目で
10MHzの矩形波のようだ。うーむ、こんなのでいいんだ。
この OCXOには、他にも面白いことがあった。
だから、つづく。
投稿日付: 2009年 1月17日
タイトル: マスタークロックジェネレーター ESOTERIC G-03X の秘密 (内部編)
さて、新入りの dCS992-2の計測が終わって G-03Xの入れ替えも完了した。これで聴ける環境が整い、次なる目的である ESOTERIC G-03Xの調査に進めるのだ。(^^
折角のお休みのところ、申し訳ないのだが再び G-03Xに登場して頂こう。
なお、当初は撮影をしていなかった内部画像の撮影と、精度計測をやり直すという予定だったのだが、新しい発見!があり、とても一回ではレポートできないことが分かったので、数回に渡って連載することになると思う。G-03Xオーナーや関心のある潜在ユーザーの方は期待して頂きたい。
たもそとしても、992-2で幾つか解決しなければならない問題にぶつかっている上に、G-03Xで発見もしてしまったので、非常に気分がハイである。
休暇中に試験を受けることになった G-03X

折角の休みなのにテストを受ける羽目になった G-03X。テストベンチは単なる作業台だ。
さて、今回は懸案の一つ、G-03X内部探検である。発売当初に確かダイナの記事で内部画像は公開されたていたと思うが、改めて筐体を開けて内部を覗いてみようというワケである。興味のある方も居ると思われるので、いつもよりデカイ画像でアップする点をご了承願いたい。
![]() 天板は差し込み構造で取り外す。フロント及びサイドは二重の筐体になっている。内部は この通りスカスカである。左側が電源周り、右側がメイン基板で発振器、I/F関係も同じ基板 に乗っている。表示及び操作関係のフロントパネルへの配線が一般的なフラットケーブルを 用いずにやや太目のバラ配線を使っているのが特徴。 |
![]() こちらはメイン基板。水晶発振器は3基搭載されている。中央のFPGAがCPUの役目か。 上に並んでいるのがI/FのBNC端子群で基板直付け。左の6個がWordClock出力で右端は 外部クロック入力用。この外部クロックのために割かれた基板面積に ESOTERICの先見性 を感じずにはいられない。そして異例の3つの水晶発振器である。 |
![]() こちらは電源基板。普通のレギュレータ回路だと思われる。トランスとの接続にコネクタが 多用されているのは、もしやトランスを交換し易くするためか?メイン基板への給電は やはりフラットケーブルではない。3系統電源に見えるが、整流ダイオードは10本しかない のでどうなっているのだろう? |
![]() 一番のキモ、水晶発振器群。左の2つは44.1KHz系と48.0KHz系で切り換えて使うためだと 思われる。そして、右にあるデカイのがOCXO。うーむ、興味がもりもり湧いてくる構造だ。 何よりも気になるのが外部クロックと並んで走る基板上の配線である。 |
画像にコメントを付けているので、そちらを参照して頂けるとよいが、改めて気付いた点を幾つか挙げてみたい。
筐体内の空間は G-25Uと似たようなもので、マスタークロックの機能を考えれば、このくらいの実装で十分足りるのは分かる。この筐体は、同ブランドのCDT、DAC等と並べた時のことを考えてデザインを統一しただけのことだろう。安っぽくないように作るというのも大事なことだ。
続いて、メイン基板上で目立つのが3つの水晶発振器である。その内の2つは、刻印から 44.1KHz系と48KHz系を独立させているというこが分かる。これは、他所でもよくやっていることで驚きには値しない。しかし、一番右端に実装されているのは何か?
これが、G-03Xの精度を司る OCXOなのだ。
発振器に詳しい方なら見れば分かるのかもしれないが、この OCXOと別の2つのサンプリング周波数に関わる水晶発振器はどのように連携しているのだろうか?
直ぐに思いつくのは、つまりこれは、内蔵された外部マスタークロックという位置付けになるというものである。前世代モデルである G-0がどのような構造になっていたか分かると良いのだが、少なくとも贅沢な設計であろうことは推測できるのである。
いずれにしても、この OCXO自身を計測してみる必要がありそうだ。
最後に、メイン基板のレイアウトで気になるのが外部マスター周りである。メーカーにとっては、この端子はALT(例外的)な端子で、設計上も優先されなくても良いハズである。ここに繋ぐ機材はエソは出していないのだから。しかし、基板を見る限り、この端子はかなり気配りを受けているように感じる。
贅沢に取ったグランドエリアの中央を恐らく信号線と思われるラインがPLGAに向かって引かれている。更に、途中から、恐らく内蔵OCXOの信号線と思われるラインと並列にPLGAに注入されているようだ。基板上での扱いは、内蔵クロックと同じ待遇を受けていると見られる。たもそとしては、エソに畏敬を禁じ得ない。
なぜなら、エソは G-03Xと同時に最上位機種たる G-0Rbを発売したのである。G-03Xに何かを加えて G-0Rbに迫られたら困るのではないか? ソコのところ、迫られないようにデチューンするのがフツーのような気がするのだ。
つづく
投稿日付: 2009年 1月16日
タイトル: マスタークロックジェネレーター dCS992-2 試聴編
さて、もう少しいろいろ計測してみたいこともある dCS992-2であるが、中古購入であることから不具合の確認をするためにもシステムにインストールして試聴することにした。
マスタークロックを ESOTERIC G-03Xと入れ替えるワケだが、たもそのオーディオラックは、例によって造り付けになっているので、機材の交換はなかなか難儀である。とても面倒臭かったのだが、連休の最終日になってようやくこれを実行した。
ESOTERIC G-03X リアパネル

ラックから取り出したついでにリアパネルを撮影。クロックケーブルはオヤイデ
FTVS-510
を使った自作ケーブル、外部クロックケーブルはフジクラ RG-55Uを使った自作ケーブル。
太くて硬いオヤイデ FTVS-510ベースの短尺ケーブルが3本も繋がった G-03Xをラックから引き出す。上下空間がないため予めケーブルを引き抜けないのだ。(^^;; ついでに、リアパネルを記念ショットしたので掲載しておく。ラックに入れてからずーっと通電したままだったので久し振りの休息を与えられた。
続いて、dCS992-2のインストール。こちらは1Uラックサイズなので高さ方向の余裕が十分あるので楽だ。標準ではショボイ足が付いていたのでSUS製の円柱型インシュレータで支持する。この辺は、あまりこだわらない。992-2はあまり重くないので天板にも何か乗せた方が良さそうだ。クロックケーブルは、G-03Xの時と同じ物を使用する。接続端子は事前調査に従って、BNC[1]、[2]、[3]を使用した。
dCS992-2をラックにインストール

dCS Elgar 1394と並んで設置すると良い雰囲気だ。ブラックボディーに変わったので
全体的には引き締まった印象。Elgarの上に Digifaceは少々頂けないのだが、クロック
ケーブル引き廻しの都合上、この辺に設置する必要があるため止むを得ない処置。
無事にラックにインストールしたところで記念撮影。クロックケーブルを配線する都合上、至近距離にDACやCDTが設置されている。画面には写っていないが
992-2の上の天板上には 10MHz外部クロック関連機材が置かれている。元通りに接続して一晩エージングを掛けてから試聴してみた。
初めは外部マスター無しの単体の 992-2クロックで聴いてみた。
Jazzは Eddie Higginsを聴く。
フンフン、結構イイじゃないの。センター定位も悪くない上、立体感のある音に聴こえる。低域の響きは
G-03X(w/Rb)に比べると軽いが、奥行きの見える音だ。G-03Xにルビジウムを入れた音に比べると、硬さが感じられずユルイ部分はやはりあるが、これが自然な演出なのかもしれない。解像度やシャープさを優先しない向きにはハマる音ではないだろうか?
聴き続けると、だんだん気に入ってきてしまいそうである。
続いて、ボーカル物で宇多田ヒカルへ。
あぁ、こっちは解像度の低下が感じられる。低域の締りも不足するようだ。これは
G-03X(w/Rb)の方が良いようだ。彼女の録音は、CDの持つDレンジを目一杯使っており、ローカットもしていないようなので限界が感じ取り易いようだ。
その後も、いろいろなソフトを聴いているが全体的な満足度はかなり高い。外部マスター無しでは
G-03Xよりも上かもしれない。んーでも待てよ、価格プラセボ効果と機器入替えプラセボ効果を割り引かねばならないのであった・・・・。
投稿日付: 2009年 1月15日
タイトル: マスタークロックジェネレーター dCS992-2 計測編(続き)
さて、精度や安定性を一通り計測したところで、最後にWordClock波形を観測することにする。
普段はあまりオーディオ機材の設定などをいじり回さないのだが、この dCS992-2というヤツは、ある程度いじってやらないと目的とする状態に設定できないので、取り説と格闘しながら幾つか追加の設定を行なった。ファクトリー設定の
[Store E] をベースに、全ての出力を88.2KHzに変更した。デフォルトでは、幾つかのサンプリングが組み合わせてあるのだが、こちらは
88.2KHzしか必要ないので余分な動作をさせないように統一したのだ。
次に、12chもあるWordClock出力のBNC端子の内、どれを使うかの選定である。取り説によれば、BNC[1]と[7]、[2]と[8]
という風に縦並びはパラで出力するようだ。つまり、内部は BNC[1]から[6]まで6系統に分かれているのだ。特にBNC[1]/[7]は基本になる出力らしい。パラによる劣化を考慮すると、[1]から[6]を使えば良いようだが、果たしてこの6つの系統のクロックは同質なのだろうか?
ということで、各chをオシロであたってみることにした。
![]() BNC[1]のクロック波形。画像には写らない僅かなヒゲは認め られたものの、概ね良好な矩形波である。しかし、よく見ると 何だかチョッとヘンだぞ!ゲジゲジしているような? |
![]() そこで、時間軸を一段拡大して見る。この画像サイズだと 少々分かり難いかもしれないが、矩形波自身が小刻みに 振幅しているようだ。つまり変調されている? |
![]() こちらはBNC[6]のクロック波形。アリャリャ、これはダメです なぁ・・・。ちなみにBNC[5]も同じであった。正常だったのは、 BNC[1]〜[4]まで、並列出力の[7]〜[10]も問題なし。 |
dCS 992-2 WordClock出力端子配列

BNC[1]とか[2]とか言われても何のことか分からない人のためにリアパネル拡大図
画像はBNC端子から出力されたWordClockをそのままオシロに繋いで観測している。1番目画像は
BNC[1]の波形で、まずまずの矩形波と思ったら、どうもおかしい。ゲジゲジしているように見える。そこで、1段拡大してみたのが2番目画像である。ムムッ、やっぱりゲジゲジしているぞ。一般的に言えば変調が掛かっているというのだろうか?他ならぬ、賢者
dCSのやることだから手抜きとは考えられないが、まさか、これがディザなのか??
正体は不明である。
3番目は BNC[6]のクロック波形である。これがアカンのである。BNC[5]も同様な波形であった。まぁ、クロックを送る機材が9台以上になることなど、まず考えられないのだが。
計測が一通り終わったので、次はシステムに組み込んで試聴してみよう。もっと、いろいろ計測してみたいのだが、不具合があれば返品しなければならないので、試聴は必須なのである。
ということで、まだ続きます。
投稿日付: 2009年 1月12日
タイトル: マスタークロックジェネレーター dCS992-2 計測編
さて、届いてさっそくベンチ(作業台)に設置して通電した。直ぐに計測したいところだが、水晶発振器は取り敢えずエージングである。
dCS992-2 マスタークロック

計測のためテストベンチに乗せられた 992-2。天板に乗っているのは日本語取り説。
今回購入した 992-2はもちろん国内正規品で TimeLoad扱いである。取り説は日本語版と本国版ver2.xxと992用が付属していた。ファームのバージョンは
v2.01なので、多分初期バージョンなのだろう、2001年頃の製品らしい。フロントパネルにはサンプリング周波数を表示する7セグLEDがあるのだが、ちょっと目立つので目障りだ。これは消すことも出来るが、暫らくはいろいろ操作するので点けておくことにする。
通電から1日放置したところで計測に入った。
![]() 1日通電して内蔵TCXOの精度を計測。誤差が大きいので プロットは採っていない。一例で示すと、-140mHzというのは 約-1.5x10E-6で 1.5ppmの誤差。残念だが定格には届かない |
![]() こちらは短期安定性(Allan Jitter)のプロット。およそ90μHz と読み取れる。88.2KHzに対する偏差はσ=1x10E-9に相当。 誤差に比べればかなり良い。 |
まずは、内蔵TCXO(2個搭載している)の計測である。いつものことだが、オーディオ機器のメーカースペックはクロック精度に関してはあてにならない。今回の
dCS992-2も残念ながら定格には収まらなかった。メーカー出荷時 +/-0.1ppm、定格 +/-1.0ppmというのはたかだか
1x10E-6の精度なのだが、水晶発振器は経年ドリフトが避けられないため徐々に乖離してしまうようだ。
続いて、短期安定性(Allan Jitter)を計測、こちらはプロットチャートに描いた。計測周波数が低いので勘違いしないように願いたい。画面は
50μHz/divのスケールだが安定したジッターを計測した。読み取りでおよそ σ=90μHzというのは
1x10E-9に相当する。誤差に比べればかなり良い結果である。
次に、例の [Offset] ファンクションを使ったソフト校正に挑戦してみた。
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| MenuモードでOffsetを選びSetするとパラメータ設定モードに 入る。 |
周波数カウンターを使って規定値に近づくように補正を掛け ていく。1ノッチで0.05ppm動くが今回は +1.10ppm補正した。 |
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| 補正後の計測値。+0.78mHzという誤差は +1x10E-8の精度 に相当する。0.01ppmクラスに格上げか。 |
Offsetで補正を掛けてからAllanJitterを再計測。安定性に 変化はなさそうだ。 |
ソフト校正は高精度のユニバーサルカウンターがあれば難しくない。出力ワードクロックを計測しながら補正を掛けていくだけである。dCS992-2の[Offset]機能は、わりとじわっと掛かるようで徐々に計測周波数が変わっていく。目標の88.200Hzに合わせていくと
+1.10ppm補正した辺りで落ち着いた。
これで、誤差は +0.78mHzなので +1x10E-8相当ということになる。もちろん、放っておくと又ドリフトするのでこの精度を維持できるワケではない。この辺りは普通のTCXOの限界だろう。校正後にAllan
Jitterを再計測してみたが、安定性に変化はなかったようだ。この精度を持続出来るのだったら、相当素晴らしいマスタークロックと言えるのだが。
さらに続く・・・
投稿日付: 2009年 1月11日
タイトル: マスタークロックジェネレーター dCS992-2 導入編
このところ、外部クロックに関連する計測機器やら電源部品などの話ばかりで、肝心のオーディオ機器の話はトンとご無沙汰であった。世界同時不況だから仕方がないのだが、タマにはオーディオ絵日記らしく新しい機材の記事も載せたいところである。
それで、本日は久し振りにオーディオ機材の新入庫である。(^^v
大分前から在庫されていたような気がする dCS992-2があった。無論、リストに掲載されてからずーっとヲッチを続けてきたのだが、どうやら売れる気配はない。この辺の機材は買う人が限定されるので、中古品が安くなったからといってサクサク売れるワケではないようだ。クロックいじるようなマニアは新品で大人買いが当たり前だからか?
たもそは専ら中古漁り派である。新しいから良いワケでもないし、同じ金額なら中古でランクを上げた方がお得だと思っている。だから、買いたい機種が出てきても焦らずに適価を待つのである。つか、そんなに予算はないというのが理由なのだが。マスタークロックのような機材は相場が上下し易いので買い場は結構難しい。今回は値切ったらまずまずの値段が出てきたので
992-2の購入に至った。
dCS社はプロ用機材の製造を止めてしまったのか、本国のHPから情報が消えている。日本でもヘビームーンは取扱いをしなくなったようだ。その辺が相場軟調の要因かもしれないが、まぁ、安く手に入るのなら
dCS992-2は使ってみたい機材である。
![]() 992-2フロントパネル。この世代のdCSプロ機はデザインが共通である。古臭い赤色LEDの 7セグ表示は時代遅れだが渋い。操作ボタンが幾つかあるだけのシンプルなデザイン。 |
![]() こちらは992-2リアパネル。左からAESクロック出力、BNCクロック出力、外部クロック入力 と並ぶ。もちろん外部入力(ExternalSync)があるのが重要。 |
プロ機は中古選びに気を使う。やはりスタジオで酷使された機体は内部のヘタリもさることながら、外観が痛んでいるものが多いからである。今回は、掲載画像で見る限り個人ユーザー落ちだったようだ。ラックマウントハンドルはキレイで、全体的に使用感も乏しいまずまずの状態であった。付属品も取り説類完備に予備ヒューズまで付いていたので前オーナーは大事に使ってきたと想像できる。
今回、dCS992-2を導入したのには幾つか理由があって、まず、以前保有していた dCS Veronaと比べてみたかったということ、クロック精度などスペック的には同等のようだが機能的にどう違うのか?それから、現在、使っている
ESOTERIC G-03Xと比べてみること。そして最後に、これが実は最大の目的なのだが、G-03Xをもう一度計測したいということである。
G-03Xはメインシステムに組み込まれているので、計測のためにベンチに出してしまうとクロックが使えなくなってしまう。つまり、G-03Xの代わりとなるマスタークロックを探していたのだ。代車の方が高額品というのもおかしな話なのだが、世の中巡り会わせというのがあるものでこれも運命である。
dCS992-2 操作パネル

992-2操作パネルボタン部。Menuモードに入って2つのボタンでパラメータを変更する方式
は民生用dCS機と同じ。それ以外に付いているボタンはあまり使う機会がなさそうである。
届いて、さっそく試聴はしない、まずは計測である。(^^;;
しかし、中古品なので動作確認兼ねてファンクションを一通り操作してみる。全てMenuボタンから入って、モードを選んでパラメータをいじる方式なのだが、相変わらず使いにくい。Menuはグルグル廻るのだが一方通行で戻れないし、ちょっとの時間で勝手にMenuモードから抜け出して元に戻ってしまうのだ。んー、イライラするマシンだのぅ・・・。
必要な設定は、BNC出力を88.2KHzに設定すること。マニュアルでは、ファクトリー設定の中から
[Store E] というのを選べば、基本クロックが88.2KHzに設定されて、たもその用途に合いそうだ。もっと細かく設定するにはPCからリモートで操作出来るようだが、その為のソフトや情報は付いていなかった。
他には、外部クロックを使う時に、自動設定と手動切換えが選べるようになっている。[AutoSync] で On/Off を切り替えるのだ。これはとても良い機能である、Veronaには付いていなかった。外部クロックを設定するボタンには、[Master/Slave] の他に [Learn Mode] といのがある。気になるところだが、今のところよく分からない。
それから、気付いたのだが、[Offset] といモードがあって、どうやらここで内部発振器を微調整出来るようなのだ。おぉ!何だか凄そうだぞ!調整単位は 0.05PPMとなっている。これも後で是非試してみよう。
ということで、簡単に動作チェックした後は、ワードクロック出力を確認して初期エージングに入ってもらった。水晶発振器は数日エージングするのが良いようなので、それから計測してみよう。
つづく
投稿日付: 2009年 1月 2日
タイトル: ルビジウムとGPSDOの比較環境
とは言え、やはりクロックへの探求はまだまだ終着しておらず。当面は外部マスタークロック検証がメインテーマになりそうだ。(^^;;
たもそのオーディオシステム(2009年初頭現在)

年末のレイアウト変更で天板を外部マスタークロック専用とした。
久し振りに、システム全景をアップしてみた。PCトラポ(RME Digiface)とエソP-70をソースとした3wayマルチアンプシステム。マスタークロック G-03Xから RME Digiface、P-70、dCS Elgarに WordClockを送る。メイン機材は半年以上変更していない。取り替えオーディオを標榜してきたたもそではあるが流石に落ち着いてきたのかもしれない。
最近の関心事は外部クロックで、メインの自作ルビジウム発振器に加えて GPSレシーバーによる外部クロックを試しているところだ。システム全景では最上段に並んだ二機のうち、左側がルビジウム発振器で右側がGPSDO
HP Z3801Aである。ところで、そこまで心配してくれる方は稀有だと思われるが、GPSDOの本来の目的である計測器のタイムベースとしての機能は大丈夫なのか?という点である。
これについては、当然、HP Z3801Aはオーディオ専用に使っている。タイムベース用には HP Z3805Aという機種が使われているのだ。すると、更にスルドイ方は、ヲイ!GPSアンテナを2本も建てているのかよ?
と突っ込んでくるかもしれない。そうそう、本当はそうしたいのだが、引き込みの都合上、当面は追加アンテナは難しい。それで、こんな機材を使っている。
Symmetricom Active SmartSplitter 58537

Symmetricom社はHPからGPS関連事業を買収したので、
オリジナルRefはHP58537ではないかと推測する。
GPSアンテナで受信した電波はActive Splitterという分配器で分岐することが出来る。そもそも、GPSレシーバーの動作チェックを行なう為に、二分配型の
HP 58512A L1 Distribution Amplifierというのは使っていたのだが、タイムベースとオーディオ用と被計測機器用と3つ必要になったことから、この四分配型に変更したのだ。
分岐による受信信号の減衰は、内部のプリアンプで増幅することで必要なゲインを維持している。GPS信号は無論、デジタル信号なのでアンプによる増幅で劣化はしないが伝送経路による遅延の影響はあるだろう。
このような機材を入れることで、計測用タイムベースとオーディオ用外部マスタークロックの2台のGPSDOを常時運用しているのだ。
えぇ? 呆れる? んー、まぁそうだろうなぁ・・・
投稿日付: 2009年 1月 1日
タイトル: あけ・おめ!
なすくん(本名ナッツ) 9歳

あけましておめでとうございます。
今年も「たもそのPCオーディオ絵日記」をよろしくお願い致します。
さて、正月休みは特に旅行などには出掛けない。犬を二頭も飼っていては泊り掛けの外出はそうそう出来ないのだ。まぁ、家族全員で「家が一番落ち着く」と言っているくらいだから、でぶ症でちょうど良いのかもしれない。
昨年を振り返るには、2008年オーディオ絵日記を読み返すのが早いが、1年の大半をクロックとともに過ごしてきたようだ。んー、今年はもうちょっと機材やらソフトにも力を入れていこうと思う。オーディオを掘り下げていくと、結局、「部屋」と「ソース」が殆んどであることに気付く。そして、その二つだけは簡単には改善出来ない。
部屋は経済余地しだいというところではあるが、全てオーディオ優先ということも無理がある。そして、ソースに到っては、聴き手に為す術はほとんどなくて、せいぜい良質録音盤を探すくらいである。機材やらクロックやらいじっていくと、録音(マスタリングを含む)の格差がドンドン大きく感じられるようになってくるので、聴くに耐え得るソースはだんだん限定されていくようになってしまう。これが実に困りモノである。
ご覧頂きありがとうございます。
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2008年の絵日記を読む
こちらはたもその PC オーディオ 絵日記です。
当HPの他のコンテンツに合わせて時系列は下から上に流れるように配置しました。