多摩川の自然のニュース:2017年7月〜9月

新しい日付順に配列してあります。水色は多摩川水系桃色は他の川等緑は会議等です。
画像は重いので質を落としてあります。古い画像は半年ぐらいで削除します。
この記事の筆者はすべて柴田隆行です。

2017年1月〜3月
2017年1月〜6月
2017年10月〜12月

9月19日 五日市線鉄橋下流右岸
 今春多摩川カワラノギク・プロジェクトが播種したカワラノギクの種子の発芽が見られないと7月16日の調査で書いたが、明治大学農学部のOさんから9月5日に調査し実生30株を確認したとの報告を受け、確認に行った。クズがかなり繁茂し手で葉をかき分けないと見つけにくいが、地図を頼りにOさんが確認した実生のほかに23株新たに見つけた。ともかくも実生が見つかって良かった。それにしても7月16日に眼をさらのようにしてマークされた石の周りを探したが見つからなかったのは、猛暑で意識朦朧としたためか、発芽が遅れたためか……。謎だ。
 例年通りお彼岸を前に彼岸花があちこちで咲いている。


9月2日 万願寺地先の多摩川右岸 鳴く虫を聞く会 〔会員からのお便り〕
 2日の鳴く虫の会は、雨も降らず暑すぎず、虫たちも早い時間から鳴き出していました。ここ数年雨に祟られ?ていましたが、今年はスズムシもカンタンもマツムシ、コオロギ等が美しい声で鳴いていました。いつになくマツムシがチンチロリン!とやや高く鳴いていました。ずーっと聴いていたいくらいでした。カワラナデシコのピンクの花が印象的でした。土手にはツリガネニンジン、ワレモコワウ、ツルボが咲いていました。久しぶりにゆっくり虫たちの演奏を楽しめた夜でした。


8月29日 友田地先の多摩川右岸
 まだまだ猛暑。夏は藪が茂るので去年の経験からして目的地に下流からは近づけないと予想し、上流の友田の公園から川に出た。
 カワウ除けの釣り人案山子が立っていた。近くで見て初めて知ったが案山子は女性で豊かな胸があった。
 礫河原の入口も藪で釣り人の踏み跡を頼りに藪を抜ける。礫河原にも草がかなり生えているが、カワラニガナがたくさん花を咲かせている。この2年ほど増水がないので礫河原に草や苔が生えて下流部はカワラニガナが減っている。猛暑と日照りで草が枯れかけている。
 窪地を越えて藪をかき分けてカワラノギク自生地に着く。あまり元気のないロゼットが一群に16株、もう一群に48株生き残っていた。コセンダングサやヘクソカズラ、ススキなどが覆っているので手でむしる程度に除草した。藪の中は無風で汗がだらだらと流れ目に入って浸みる。
 下流からは藪で道が不明だが上流からは抜けられると思い藪をかきわけたが、小径まであと30mぐらいがどうしても突破できず、藪をかき分け引き換えした。熱中症寸前のように頭がボーとする。ようやく吉野街道に出てスーパーマーケットに飛び込んでしばし涼む。
 汗びっしょりかいたので帰宅してポロシャツを脱いだら、腰の辺りがまっ黒に汚れていた。これで電車に乗ったりデパートで買い物をしたりしたのだ。驚愕。


8月25日 万年橋上流から鮎美橋までの多摩川
 水辺に行けば川風が期待できると思いきや無風。しかも礫河原はクズやブタクサやオギ、ツルヨシなどに覆われ藪をかき分けてようやくカワラニガナの生える礫河原に着く。1年以上大水が出ていないのでここもかなり草に覆われている。
 藪に戻る気がしないので上流端まで行き水神のある崖の道を登って住宅地に出る。
 万年橋から河原を見下ろしても礫が見えない。先日までの雷雨の影響か水量はかなり多い。それでも柳淵橋付近では若者たちが泳いだり水遊びをしたりしている。それにしても釣り人がやたらと多い。
 周囲の林はミンミンゼミの大合唱。代わりに野鳥はダイサギを1羽見たぐらいだった。


8月23日 柚木(大栗川中流)
 自宅から南に行くと丘陵を越え遣水に出る。西に向かうと小比企丘陵、北に向かうと八王子市街と多摩川拝島橋、北東に向かうと浅川と多摩川万願寺、そこで今日は自転車で南東に向かう。.
 中山地区を過ぎ三面張りの大栗川の側道を下り柚木へ。帝京大学や中央大学が北側丘陵上に建ち並び、南には多摩川ニュータウンのビルが聳える。
 似たような光景が延々と続くので引き返し旧道を走ると15mほどの高い棒の先に榊が飾られた門があり、細道を山中へ登り詰めると予想外に立派な神社があった。盆踊り台や舞台もある。急坂を下りるのは怖いので細い裏道を抜けると大きな団地に抜ける。
 そこから野猿峠を越えて帰宅。60年以上前にハイキングで来たことのある野猿峠付近は多摩丘陵自然公園に指定されているので、自然が豊かに残っている。いまはヤブ蚊の襲撃が恐ろしいので冬に来よう。


8月22日 等々力大橋架橋工事自然環境調査中間報告会
 都第二建設事務所が計画している等々力大橋(仮称)のための自然環境調査の中間報告を八王子合同庁舎で受けた。A3 判で厚さ10p以上の大部な報告書に、第三京浜橋から丸子橋までの自然環境調査で植物から昆虫、両生類等々細かく調べられている。図面に確認されたトンボや鳥類その他びっしり書き込まれているが、逆に言えば図面に書き込める程度しかいないとも言える。関戸橋や日野橋の架け替え工事のための調査報告書も作成されているが、数が多すぎてこれと同様のものは作れないだろう。イタチやウズラ、チョウゲンボウ、ハヤブサ、オオタカ等々注目種も意外と多く確認されているが、橋脚工事による直接的影響は小さいと思われる。東京都はここ数十年で是政橋、永田橋、万年橋、関戸橋、日野橋の架け替え工事、稲城大橋や府中四谷橋、石田大橋等の新設工事等々を手がけており、濁水防止技術などかなり経験が積まれている様子が窺える。後は、下請け、孫請け、曾孫請けの現場業者に環境への諸配慮が貫徹されることを願うばかりだ。

8月22日 大和田橋から落合橋までの浅川左岸
 都合同庁舎まで自転車で行った(自宅から15分)ので、ついでに浅川を視察。甲州街道に出て大和田橋から堤防上遊歩道に入り、八高線鉄橋手前で行き止まり。住宅街を経て長沼橋から新しい堤防上を遡り中央線鉄橋まで。ここで行き止まり。左に浅川、右に川北用水があり(写真2〜4枚目)、水量豊富な用水ではカルガモが数羽安らいでいる。折り返して下流へ落合橋まで往復。途中、堤防のり面に大きなアキカラマツが1株あり花をたくさん咲かせていた。


8月21日 小比企(湯殿川源流)
 遣水はわが家の南に位置するが、西に向かうと小比企丘陵に着く。自転車で15分ほど、八王子みなみ野の町を過ぎると都道219号線が突然終点となり、その先に高尾山や城山方面が見える。
 右折すると、片倉城址から続く丘陵に繋がり、稜線はいま防災公園になっている。ニイニイゼミやミンミンゼミが鳴きいまごろようやく夏らしい晴天となった。片倉城址公園の池ではコウホネの蕾がふくらんでいた。

8月20日 遣水(大栗川水源地帯)
 わが家から自転車で10分坂を登ると道了堂という明治期に絹の道≠フ峠として栄えたお堂跡がある。そこから南斜面を下ると遣水地区に出る。絹商人の遺跡があちこちに残る。
 娘がまだ小さかった35年以上前はしばしば散歩に行った。案山子の立つ田や牧場が数軒あった。30年ぶりだから今では住宅地に変わっているだろうとの予想は大きくはずれ、なんと昔とほとんど変わっていない。オミナエシやツリガネニンジンが咲く民家がありヒメガマの生える湿地が昔のままの姿で残っている。
 昔と比べて大きく変わったのは、当時いなかったクマゼミが道了堂付近でウシャウシャと数匹鳴き叫び、ガビチョウが林の中で騒ぎ立てていることぐらいだった。交通が不便だというだけでこんなにも都会化から外れてしまうものかと驚いた。


8月13日 拝島橋右岸から左岸〜昭島ワンド〜多摩大橋左岸から右岸〜日野用水堰右岸
 勤務休暇と天候との兼ね合いが悪く出そびれていたが、ようやく雨なし予報が出たので、「自転車で川へ」の第二弾。自宅から拝島橋まで16号バイパス側道をまっすぐ進み35分で到着。
 拝島橋右岸にあるカワラヨモギとカワラサイコの小群落は健在。上流に向かって作業道路の右に約20株、左に約100株のカワラヨモギがある。カワラヨモギは全国的には稀少でないが、多摩川では日野万願寺地先とここの2箇所にしかない。
 橋の上から多摩川上流方向を見ると、右岸から浸み出た水が小川のようにかなりの量で徒渉できそうもない。左岸高水敷脇のワンドは釣り堀状態。左岸堤防上を下流へ。途中昭島ワンドと日野用水堰に寄る。コガマかヒメガマがたくさん穂を出している。
 次いで八高線鉄橋下流へ。カワラニガナ1株開花。野球場の脇を経て多摩大橋を右岸へ渡る。ここから日野用水堰までの堤防は天端舗装工事で5月から通行禁止で9月30日まで続く。そもそも舗装が不要な所。迂回路は相当遠回りになるので通行禁止は困ると河川管理者に事前に訴えたが、高水敷は通れるということで川の観察等には支障がないのでそれで了承する。が、見てみると堤防上だけでなく高水敷も通行禁止柵があり、話が違う。尤も堤防上の柵はまったく通れないが高水敷の柵は簡単にまたげるので実害はないが。
 仕方なく市街地を経て日野用水堰へ。ここは舗装したばかりで通行禁止。ロープ1本なので通れるが。
 日野用水堰にダイサギとコサギとアオサギが各1羽ずつ集い、比較観察に便利。
 帰りは約25分で帰宅。多摩川で最も交通不便な地区へわが家から自転車で片道30分で行けるとは知らなかった。


7月29/30日 大菩薩上日川渓谷(水源合宿)
 夏の空気漂う初鹿野(はじかの)駅(残念ながら「甲斐大和」と改悪)からバスで景徳院、天目山、嵯峨塩温泉を経てさらに登って行く途中で雨雲の中へ。今年の合宿地ペンションすずらん周辺は雨。しかも夕方まで土砂降り。
 ここは昆虫少年が集まる拠点で、ライトトラップが設置されていたり薪や枯れた大木が周囲あちこちに積まれていたりと昆虫採取用の設備が揃い、附属昆虫館があるほか館内にも標本やオブジェやなにやらぎっしり詰まっている。10人以上の子どもたちがクワガタムシを狙って網を振り回しているが、あいにくの雨で残念そう。
 山菜天ぷらなど豪華な会席料理の夕食を済ませたあと小雨になったのでトラップを見に行くと中小さまざまな蛾が幕にびっしりついている。子どもたちお目当てのクワガタはミヤマクワガタのメスが数匹いただけ。降りしきる雨の中、ツバメが電線に止まり時々羽を振るわせて雨を落としている。
 朝4時起床、霧雨だが夜明けとともに雨に変わる。ホトトギス、ガビチョウ、ハシボソガラスぐらいしか聞こえない。林を抜けて林道を進むとキビタキの声。雨が強くなったので引き返し一寝入りして朝食。
 ようやく雨が上がり、車道を上日川ダムまで往復。ヤブデマリ、サワギク、ヒヨドリバナ、ヤマホタルブクロ、イケマ、ヤマブキショウマ、キツリフネ、ダイコンソウ、ヤマオダマキ、クモキリソウ、クサボタン、タマガワホトトギス、雨が止むとどこからともなくアサギマダラが数頭現れてヒヨドリバナやイケマの花の蜜を吸いに来る。ミヤマカラスアゲハやヒョウモンチョウの仲間なども。
 そんな自然を観察しながらのんびり坂道を登って行くと、上日川ダムに着く。霧が深くて周囲は見えない。巨大なロックフィルダムで、その岩場にコマクサが植えてある。
 ノスリ、アオバト、ホトトギス、カッコウ、コゲラ、ツバメ、イワツバメ、キセキレイ、ウグイス、センダイムシクイ、キビタキ、オオルリ、コガラ、ヤマガラ、ホオジロ、カワラヒワ、カケス、ハシボソガラス、ガビチョウ、ソウシチョウ(野鳥は、参加者が見聞きしたものの総計)。


7月25日 平山橋から多摩川合流点までの浅川両岸
 自転車を買って自宅から万願寺地先の多摩川へ。自転車に乗るのは20年ぶり。浅川堤防上を快適に走り片道約1時間。
 クリーンセンター前の池は浮き草で覆われているがカルガモがそれをかき分けて泳いでいた。在来植生保護のための除草調整区間で今回は除草依頼していないのでクズが全面を覆った。秋には除草してもらうが、こうなった場合の影響を今年は調べたい。
 ミンミンゼミとニイニイゼミが鳴く。
 カワウ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ、トビ、ホオジロ、ガビチョウ。


7月23日 中央線鉄橋から日野橋までの多摩川右岸
 昨日までの猛暑が収まり涼しい風が吹いているなと思ったら、予想通り小雨が降ってきた。それにしても大岳や三頭山など奥多摩の山々がやけに良く見える。
 ホトトギス、ウグイス、セッカ(下の写真2枚)が鳴き、ダイサギ、ヒヨドリ、ムクドリ、ハシブトガラスなども。ニイニイゼミが鳴いている。
 堤防のり面ではヒルガオが満開。架け替えが予定されている日野橋の少し下流にカワラサイコが20株ほどあり開花していた。シナダレスズメガヤは麦秋。
 左岸の立川市営球場では高校野球の地区大会が行われていた。


7月16日 睦橋から多摩橋までの多摩川右岸と永田橋までの多摩川左岸
 五日市線鉄橋下流のカワラノギクの播種地の状況を先日見に行ったが場所がわからなかったので、地図を再確認してリベンジ。鉄橋に比較的近いところでマーク付きの石を見つけた。周囲を隈無く探したが、カワラノギクの実生は見つからなかった。プロジェクトとして取り組んでいるので、「ダメもと」とは言え、次に活かすために、なぜ発芽しなかったかの検証が必要だと思う。
 近くでニイニイゼミが鳴いた。鉄橋脇はニワウルシの若木が繁茂している。ハグロトンボが一斉に飛び立つ。ソクズが満開。堤防のり面除草済み。
 平井川に沿って上流へ、多摩橋に出て左岸へ渡り永田橋まで。死にそうな猛暑にも拘わらず市営プールはがら空き状態。うらやましい。櫟と欅の大木が並ぶ河川敷の公園は涼風が吹いている。
 ウグイス、ホトトギス、ハシブトガラス。


7月11日 睦橋から五日市線鉄橋までの多摩川右岸
 今年3月下旬にカワラノギク・プロジェクトが五日市線鉄橋下流でカワラノギクの播種を行ったが、その後の経過を見に行った。私は播種に参加しなかったのでその場所を探すことが先決。カワラノギクが生える環境はだいたいわかるので、礫にマークがついているとか石が不自然に並んでいるとかカワラノギクの実生が出ているとかを探してあっちふらふらこっちふらふらと炎天下に礫河原を歩き回ったが、ついにわからなかった。
 帰宅後播種予定地を調べたら、この季節から見たら想定外の草地だった。後日また行かなければならない。
 カワラニガナは十数株見られた。ネムノキの花がまだ咲き残っている。カワラサイコも満開。ヤブカンゾウやソクズの花。藪の中ではハグロトンボが飛んでいる。
 アオサギ、チドリsp、トビ、ツバメ、ウグイス。



7月10日 京王線鉄橋下流右岸と中州
 関戸橋架替工事に伴う中州の一部使用と瀬替えによる掘削で生育場所を奪われたカワラノギク(播種された後に自然分布したもの)やカワラニガナ、カワラケツメイ等の河原植物を保護するため施工者の東京都はそれなりの策を講じているが、その一つとして明治大学農学部教授の指導によりカワラノギクの播種が右岸高水敷で行われた。その生育状況を見に行った。
 カワラサイコは満開の花をつけた株がたくさん繁茂し移植保護成功と言える。カワラニガナは大きな株が3つ。これは花期が長いので環境が良ければ1株でも広がる可能性がある。カワラノギクは大きく成長しつつあるものが18株あった。保護事業とは別に、この近くに一昨年からずっと同じ箇所にカワラケツメイが4株あるが、残念ながら広がらない。
 さて、先日の台風による増水で右岸に水が寄せて礫河原が広がった低水域を横断、水量の少ない所を探して中州に入った。カワラノギクが生き残っていないか、新たに河原植物が芽を出していないか、などと期待したが、カワラノギクはなかった。カワラニガナは2株あり、これから周囲に広がると期待できる。そんな調査をしている所に、藪をかき分けて関戸橋架替工事を担当している都の職員が近づいて来た。同じように河原植物がないか見に来たという。猛暑の中お疲れさま。中州調査後にまた右岸の保護区を通ったら、この職員がカワラノギクに水をやっていた。役職とは言え、それなりに愛着を持って育ててくれているようで嬉しい。
 ツバメ、セグロセキレイ、セッカ、オオヨシキリ、ガビチョウ。


7月2日 永田地区A工区
 カワラノギク・プロジェクト2017年夏の除草。市民110名、京浜河川事務所職員8名、福生市職員3名、研究者2名。とくに京浜河川事務所でかつて河川環境課長を務めた人2名、京浜の現役課長2名、その他事務所異動となった人なども含めて一堂集合。これがわかっていればS元事務所長も参加したのではないかと思われる。Sさんは他県の事務所への異動後もカワラノギクのことをずっと気にかけてくれていたので。
 〔追記。このSさんが今年5月15日に亡くなられた、とのお知らせが届いた。無念というしかない。謹んでSさんのご冥福をお祈りします。〕
 さて、蒸し暑い気候のなか、A工区上流部の礫河原再生を行った。ロゼットが十数株あるところの付近を除草し根を掘り出した。冬に種子がこぼれてこの除草地で来春発芽するのが期待されている。
 ウグイス、セッカに加えてホトトギスの叫び声。ほかに、トビ、ホオジロ、ヒヨドリ、ガビチョウ。
 堤防のり面にはノジトラノオ、ナンテンハギ、ノカンゾウ、ノアザミ、ウツボグサ、ヒロハカワラサイコなどの花、真っ赤なナワシロイチゴの実、ニワウルシの花と実、などなど。