多摩川の自然のニュース:2017年4月〜6月

新しい日付順に配列してあります。水色は多摩川水系桃色は他の川等緑は会議等です。
画像は重いので質を落としてあります。古い画像は半年ぐらいで削除します。
この記事の筆者はすべて柴田隆行です。

2016年10月〜12月
2017年1月〜3月

6月20日 小石川後楽園
 昨年暮れは声帯炎症で3ヶ月間声が出なかったが、今度は左目眼底出血で字が読めなくなり(右目は10年以上前から遠望しかできない)、眼球注射をして治療中。ということで多摩川も半月以上遠ざかってしまい記事がないので、所用で出かけた小石川後楽園の紹介。
 東京ドームのすぐ横にあり、大きな池と園の周囲を囲む濃い樹木林で都会のオアシスそのものだが、時にジェットコースターに乗った人たちの悲鳴が響き渡りなんとも不思議な雰囲気。ここは徳川頼房が1629年(嘉永6)に中屋敷として造ったもので、二代藩主光圀が庭園として改造した。円月橋や通天橋、西湖の堤、小廬山、大泉水、花菖蒲や睡蓮の花が見られる池等々がある。入口横に涵徳亭という集会所があり(ここで講演をした)、ここの昼食は安価でしかも料理がしっかりと作られており、お薦め。


6月18日 玉川上水駅から一橋学園駅までの玉川上水緑道
 土木遺産を巡る今年度の定例自然観察会。今月は玉川上水脇の緑道を歩いた。玉川上水は、羽村取水堰から発し「拝島」駅北を経て「玉川上水」駅横を通り、小金井公園、井の頭公園等を経て「三鷹台」駅付近まで続いている。もちろん建造されたときは新宿まで続いていたが。さてそこで1日約5時間弱の日程でそれなりにまとまった観察が可能な区域として考えたのが、西武拝島線・多摩モノレール「玉川上水」駅から西武多摩湖線「一橋学園」駅までの区間。まあ今日は大した距離ではない、と思ったのが間違い、予想以上に長距離行だった。もちろん自然観察をしなければそこそこの時間で歩ける距離ではあるが。
 さて、「玉川上水」駅を出るとすぐ眼の前に上水が――というのは昔話で、多摩モノレールができてからそれとの連絡通路のため西武線の北側に移った。跨線橋を渡るとしかしロータリーがありすぐ眼の前に上水が流れている。
 上水両側に高木となった緑地帯がずっと続いており、その中の路を下流に向かって進むとすぐに大きな施設があり、多摩川の水はここからすべて貯水池に送られ、施設の先にある岩場から出て上水を流れているのは下水処理水。看板に書かれた「清流復活」は嘘で、実際は若干臭う「玉川下水」にほかならない。でもまあ、この水流のおかげで木々がすくすくと育っている。コナラ、クヌギ、イヌシデなどはいかにも武蔵野の雑木林の雰囲気を醸し出しているが、灌木のように植わっているアセビやアジサイ、ムラサキシキブなどは植えたものだろう。深く掘られた水路の水際に生えるヤツデなどは野鳥が種子を運んだものと思われる。コゲラ、アオゲラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ムクドリ、ハシブトガラスなどの声が聴かれる。上水溜まりにニゴイや緋鯉、カルガモなど。途中、市の足湯場があったり、オープンガーデンがあったり、市の保存林、学園等々が周辺に続き、全体の緑地帯の雰囲気を増している。
 森田さんという人が開いているオープンガーデンは20年ぐらい前にも訪ねたことがあるが、人家の庭ではなく畑をお花畑にしたため私的ガーデンとしては大規模で、和洋フラワー、野草、園芸種、野菜、オブジェ、蜜蜂飼育箱、作業小屋、休憩所、等々さまざまなものがあり、世話をしている婦人によるカモミール茶の提供(有料)もある。ミニ写真集によると以前は蕎麦定食も提供していたらしい。
 ここでたっぷりガーデンを楽しんだあと、ムラサキシキブ、ノカンゾウ、ホタルブクロなどの花や、フタリシズカやゴンズイの実などを見ながら、最後はあといくつ橋があるかと数えながら、「一橋学園」駅へ向かった。一橋大学はとうの昔に国立の本校に統合されてなくなったこともあってか、商店街の半分以上でシャッターが降りたままという状態で驚いた。


5月21日 六郷土手から海老取川までの多摩川左岸
 定例自然観察会。30度を越える夏日のうえに河川敷ゴルフ場とその駐車場への車の出入り等で不快指数がいっそう高まる。堤防上も人出が多くひっきりなしに飛び交う高速自転車が危ない。
 京急六郷鉄橋下に数年ぶりに開花したというミゾコウジュ群落を見る。西日が当たるがほどよい湿地になっていて生育できているとか。周囲にはキショウブやアカバナユウゲショウ、ヤセウツボなどが生えていた。六郷橋下のHL住宅付近にイタチハギが独得の果穂をつけていた。
 グラウンド脇を延々と通り、2月に寄った野鳥観察小屋へ。潮が引いて今日は鳥がいない。オオヨシキリが木の上で盛んに囀っている。ウラギクが守られ元気に育っている。アシ原のある一帯をようやく抜けて干潟の出ている所に来ると、コアジサシがボラの稚魚を狙って盛んにダイビングしているのが見られる。水辺ではキアシシギと思しきシギが餌をついばんでいる。潮のタイミングが悪いせいか期待したシギ・チドリやカニダンスがほとんど見られなかったのが残念。
 堤防のり面には、ハルジオンやブタナなどのほか、赤花のマンテマやヒルザキツキミソウ、イモカタバミなども満開で彩りを加えていた。
 今日の目当ての一つ、1930年建造の六郷水門を見る。京浜河川事務所のHPにある解説によると、この水門の設計者はドイツ神智学者ルドルフ・シュタイナーではないかとの説があるとか。そうだとしたら興味深い。
 本羽田公園にある花が咲いたクスノキの大木の下で昼食後、関東大震災後に造られたというレンガ堤をたどって海老取川まで歩く。このレンガ堤も土木遺産として登録されている。住宅の壁に利用されたり選挙ポスターが張られたり、大師橋から下流はかなり連続して残されており、所々陸閘跡や堤防を乗り越えるための階段が残っていたりして、十分見学に値するコースだった。
 最後に、今秋からの改修工事が計画されている海老取川合流点付近の堤防を確認。天空橋駅で解散した。
 カワウ、ダイサギ、カルガモ、キアシシギ、コアジサシ。ツバメ、オオヨシキリ、スズメ、ムクドリ、オナガ、ハシブトガラス。


5月16日 万願寺地先の多摩川右岸
 車窓から多摩川を眺めるとニセアカシアが満開――だったが、数日の違いで花はほぼ枯れ落ちていた。代わりに、ハナウドやノイバラが満開。
 池はアオコで全面覆われている。岸辺にキショウブが咲いている。在来植物保護のための除草調整区域の堤防のり面ではレンリソウが咲いていた。15株。アマドコロは120株ほどあり開花は10株ほど。ミヤコグサ、ツルマンネングサ、ヤセウズラ、等々。
 林の向こうの高水敷が一面茶色に見える。時間がないので近くに行って確認できないが、チガヤなどの麦秋にしてはすさまじい。
 コジュケイ、キジバト、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、シジュウカラ、ホオジロ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ガビチョウ。


5月9日 御嶽山〜大楢峠〜鳩ノ巣
 国分寺市民が集う「多摩川を歩く会」例会に参加、御嶽山から大楢峠を経て鳩ノ巣駅まで檜林内のなかなだらかな長い下り道を降りた。
 平日なので御岳ビジターセンターから先は誰とも会わず、ツツドリやアオバトの声を聞きつつ静かな山行だった。が、青梅線は行きも帰りも遠足の中学生で満員、ケーブル下までのバスは臨時が出ないので超満員というのは想定外だった。
 檜林内と言っても、エンレイソウ、ニリンソウ、ミヤマミミナグサ、ウワバミソウ、ヤマネコノメ、クサイチゴ、ムラサキケマン、キケマン、ホウチャクソウ、フタバアオイ、等々、思い出すだけでも数知れない野草が見られた。
 大楢峠のコナラの大木が倒れたことは昨年教えられて知ったが、美事に折れ横たわっており痛々しい光景。
 越沢バットレス入口付近、むかし山中に民家が数軒隠れるように建っていたところ、いま驚き呆れる大きな林道が岩壁を削って造られてある。間伐による森林環境維持のためというが、これだけ強引に山を削る必要があるのか疑問だ。
 寸庭との分岐から旧道が残っていてようやく心を落ちつかせることができた。鳩ノ巣渓谷では大きなフジの木が満開で、橋の上から見下ろすと紫の絨毯のようだ。駅前の店で生ビールで喉を潤すと、電車到着まであと5分とのこと、学生の一気飲みさながらに飲み干してホームへ。


5月7日 八王子市片倉
 自宅の近くでアオスジアゲハが花の蜜を吸っていた。むかし見たものより色が鮮やかで、外来種かと思った。


5月4日 国営昭和記念公園
 駅の改札を出てすぐから延々長蛇の列。明日は子どもの日で中学生以下無料だからもっと大勢来るだろう。恒例のチューリップ、ポピー、ボタン等々のほか、トチノキやミズキの花が満開。ヒマラヤスギの実が落ちた跡がロウソク建てのようでおもしろい。


5月3日 打越弁財天例祭(八王子市)
 自宅近くの打越弁財天で毎年5月3日にお祭りがあり、10年ぶりに見に行った。かつては雑木林内に小さな祠があるだけだったが、10数年前に社が出来、池や庭園等立派な寺社として復活した。かつて小さな祠を除くと白蛇が描かれた絵馬が奉納されていたが、いま本殿に安置されているのは観音様のようだ。獅子舞や演芸、売店等あり、地味ながら立派な祭礼として続いている。雑木林ではフジやミズキ、ウワミズザクラなどが咲き、ガビチョウが大声で歌っていた。


5月1日 日野橋左岸から日野橋下流の中州
 今日も夏日、だが11時頃から寒風とともに小雨、雷鳴。
 日野橋架替工事計画段階での都による自然環境調査で中州にカワラニガナが100株ほどあると記されている。この中州に礫河原が出来て久しいが立川総合公園前に深く幅の広い水路があり容易に立ち入れなかった。今回20数年ぶりに踏み込んだ。国立市境にある緑川排水路脇から頑丈なコンクリート排水樋管からHLの通路を借りて中州の手前に出た所で一本水路があり、一箇所だけ干上がった所を見つけて突破。草むらをかき分けると次は大きな池がある。これを左に回り込んでようやく礫河原に出る。
 関戸橋付近同様ここもクサフジとセイヨウカラシナだらけ。真紅の芥子の花も点在する。残念ながらカワラニガナは見つけられなかった。帰る際、来た道を見失ってちょっと苦労した。捕虫網を持った人がいた。
 立川市陸上競技場前の河川敷に大きな堤防が造られ、天端の舗装道路を次から次とサイクリングロード車が走ってきて危ない。
 ダイサギ、カルガモ、イカルチドリ、キジバト、ツバメ、イワツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、セッカ、シジュウカラ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。


4月30日 京王線鉄橋から大栗川合流点までの多摩川右岸
 夏日となり半袖で歩く。中州に生えていた河原植物保護事業の一環として一時的に植えられている京王線鉄橋脇の畑≠ナカワラノギクかもしれない実生が20株ほど出ている。カワラサイコは環境が合っているので35株元気に育っている。水辺はアブラナ科植物満開で真っ黄色。関戸橋架け替え工事は一段落という感じだが、橋の下流を見るとまだまだ広範囲に重機が動き回っている気配がある(今日は休日なので作業休み)。
 橋直下の一角にあるカワラサイコ群落は健在で32株。そこから下流の交通公園手前に2013年6月時点で約1200株あったカワラサイコはいま22+63+136+23=244株で5分の1以下と激減した。時期が若干異なるので6月にはもう少し増えるかもしれない。カジカガエルの声。
 アオサギ、カルガモ、キジ、カワセミ、ツバメ、イワツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、セッカ、ホオジロ、ムクドリ、ガビチョウ。


4月25日 多摩大橋から日野用水堰までの多摩川右岸
 、5月から9月まで天端舗装工事のためこの区間を通しで歩けなくなるため、いまのうちに歩いておくことにした。もっとも、この辺の堤防天端は、カントウタンポポがある以外はさして注目すべきことはないので、低水敷や人工せせらぎ附近を今日も歩いたし今後もそうするだろう。
 河原植物の芽生えを見つけるにはまだ少し早いが、カワラニガナはすでに花を付けている。イカルチドリが盛んに鳴いているから礫河原ですでに営巣が始まっているにちがいない。ヒバリの声はまったく聴けない。低水敷の礫河原はおそらくあと3年ぐらいはこのままの状態を保つだろうから徐々に河原植物が広がると期待できる。
 八高線から日野用水堰までの堤防で測量士が4人測量を始めていた。堰付近で座って雑談していた近所のおじさんたちが天端通行止めについて話をしていた。一般通行人にとっては迂回路はそうとう不便になるだろう。
 カイツブリ、カワウ、オオバン、コガモ、イカルチドリ、キジ、セグロセキレイ、ウグイス、セッカ、スズメ、ムクドリ。


4月16日 羽村堰上から田村酒造までの多摩川左岸
 定例自然観察会。夏日。顔が陽に焼けている感じがもろにする。
 今年度のテーマは土木遺産。羽村駅北口すぐ近くにある「まいまいず井戸」を見てからふたたび駅を抜け商店街を通り、新奥多摩街道を渡ると下り坂になる。逆に辿れば上り坂で、むかし砂利を積んだ馬がここでへばってしまったことから馬の水飲み場が作られたその跡がある。
 水飲み場の上に稲荷神社があり、現在「さくらまつり」期間ということで山車や御輿を見ることができる。さて、奥多摩街道に出て右に都水道局事務所を過ぎると、土木遺産に数えられている「玉川上水羽村陣屋跡」「羽村水神社」「筏乗り寄進燈籠」がある。
 そこから信号を渡り「大正土手」に出ると、「はむら花と水のまつり」の一環として開かれている「チューリップまつり」を見に来た人の列が続く。土手の桜も満開でまさにお花見日和。車の数も凄く、高水敷にある運動公園が臨時駐車場と化している。模擬店なども出る賑わいだが、チューリップは全体的にはまだ五分咲きという感じ。花びらが開ききっているものもあれば蕾が硬いものもある。
 花見客の喧噪を避けて礫河原に出る。カワラノギクのロゼットがだいぶ伸びた。カワラニガナが点々と咲いている。ウグイスやホオジロの囀り、上空で鳶が輪を描く。カジカガエルが早鳴き出した。
 昼食後、羽村取水堰、玉川兄弟像などを見てから、下流へ。堤防のり面に50年ほど生えていたケヤキの大木がついに切り倒され、残された根株から新芽が出ている。さらにカニ坂公園周辺の樹木もみな伐採されて全体が寒々しい。
 砂利鉄道の軌道跡を辿って玉川上水旧流路、玉川上水などを見て、田村酒造の玄関附近へ。田村半十郎氏邸内の酒蔵の前に分水が湧き出ている。その酒蔵の横に聳える欅の大木に寄生してマツグミが実をたくさん付けている。オナガが数羽飛んでいるのはこの実を食べにきたのだろうか。
 宿橋を見てから住宅街に入ると、そこはかつての商店街で。田村家分家の旧家「ヤマジュウ」(国登録有形文化財)と田村家が開設した旧郵便局(いまキリスト教会)などが建っている。ヤマジュウ田村家住宅とお蔵は公開されている。
 カイツブリ、カワウ、アオサギ、カルガモ、コガモ、トビ、オオタカ、キジ、カワセミ、コゲラ、ツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、シジュウカラ、エナガ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、オナガ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ガビチョウ。