多摩川の自然のニュース:2017年1月〜3月

新しい日付順に配列してあります。水色は多摩川水系桃色は他の川等緑は会議等です。
画像は重いので質を落としてあります。古い画像は半年ぐらいで削除します。
この記事の筆者はすべて柴田隆行です。

2016年10月〜12月
2016年7月〜9月

3月19日 宿河原堰から狛江調布市境までの多摩川左岸
 定例自然観察会。暖かな春日で花粉が多く目がかゆい。小田急線和泉多摩川駅から多摩川へ徒歩5分。広い河川敷を十数人のサッカー少年と20人ぐらいの野球少年が占領し、一般市民は少し下流の自由広場で遊ぶ。ヤナギの緑が濃くなった。
 川面は相変わらずオオバンばかりだが、よく見ると、カンムリカイツブリが2羽、カイツブリが数羽、キンクロハジロが数羽いる。宿河原堰の流下点付近はコガモ、オナガガモ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、セグロカモメ、ユリカモメ、セグロセキレイなど。上空をトビが舞う。ハヤブサもいたらしい。水道橋付近にカルガモも。
 高水敷を歩いていると、いつも誰か餌付けをしているのか、ドバトの集団がすぐ近くに集まる。なんとハシボソガラスまで1m以内に近づき気味が悪い。
 堤防のり面にはヒメウズ、ツクシ、ハルノノゲシ、ナヨクサフジ、カラスノエンドウ、オドリコソウ、ヒメオドリコソウなどの花が目立つ。西河原公園ではコブシの花が咲き、桜の蕾がかなりふくらんでいる。
 午後は西河原公民館学習室にて総会を開く。(議題は後記)
 

3月19日 多摩川の自然を守る会総会議事録
A.2016年度活動報告
1.定例自然観察会実施 年間テーマ「多摩川の四季を楽しむ。20年後のいま」
2.機関紙『川のしんぶん』と『緑と清流』発行
3.多摩川堤防のり面植生調査
4.多摩川河川環境調査
5.カワラノギク・プロジェクト参加
6.国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所と河川管理に関する不定期協議
7.河川工事情報を関係者に配信
B.2016年度会計報告
C.2017年度活動方針案(原則2016年度と同じ)
D.人事案(再任)
E.その他
出席者が語るこの一年ないしいま思うこと一言コーナーで出た意見(の一部)。
  「休日に多摩川へどういう人たちが何をしに来るかを見るのも楽しみの一つ」
  「参加して、開放感と変わらぬ安定感を覚える」
  「六郷干潟を回復すると称しながらアイアシを移植するというナンセンスな計画があるようで、本質的に何もわかってないと絶望的気分」
  「最近小段をなくす治水方法が各地でとられるようになり在来植生は激減ししかも人が転落する危険度が高まっている」
  「元河川局長を務めた竹村公太郎氏のダム理論はおもしろく、氏が直接関わった宮ヶ瀬ダムを見てみたい」
  「京浜河川事務所がやっている河川工事は窮極のご都合主義でまったく出鱈目。治水と言いながら危険度を上げている」
  「多摩川に入る下水処理水の調査結果をまとめている」
  「体調不順だがまだまだ多摩川に関わりたい」
 等々。

2017年度自然観察会 年間テーマ「多摩川土木遺産探訪」
 京浜河川事務所が紹介する「多摩川リバーミュージアム」の1つに土木遺産があり23ヶ所指定されている。http://www.ktr.mlit.go.jp/keihin/keihin00475.htmlそこを訪ねながら、人と多摩川との関わりを考え、あわせていまの多摩川の自然を観察します。集合・解散地等は別掲「年間計画」をご参照下さい。
 4/18  まいまいず井戸・羽村取水堰・玉川兄弟像・玉川上水陣屋跡・羽用水
 5/21  六郷水門・羽田旧レンガ堤
 6/18  玉川上水(一橋学園付近)
 7/29/03 合宿(大菩薩日川渓谷)
 9/2  鳴く虫(万願寺)
 10/15 日野用水・日野用水堰・昭和用水堰
 11/19 二ヶ領用水円筒分水・二ヶ領用水・多摩川旧堤防と陸閘
 12/17 府中用水・四谷本宿堰
 1/21  昭和用水堰
 2/18  大丸用水堰・大丸用水・二ヶ領上河原堰
 3/18  二ヶ領宿河原堰・多摩川決壊の碑・万葉歌碑・(総会)

3月16日 関戸橋から程久保川合流点までの多摩川右岸
 半月ぶりの多摩川。3月1日からドイツに出張したが、ドイツも比較的暖かかった。
 関戸橋架け替え工事の進展具合と、中州にあったカワラノギクの種子を右岸の高水敷に都が播種した現場の確認、また、府中四谷橋周辺の現況等を調べに、杉花粉が猛烈に飛び交う春うららの日に多摩川へ出かけた。花粉防止のため重装備で出たが暑くて脱いで結局初夏の恰好になった。
 さて、仮橋の橋脚建設が進み、瀬替えの中州はかつての面影もない。右岸側を流れる支脈は水量が減って長靴でなくても渡れるが、中州に入っても何もないので堤防から見渡すのみ。カワラノギクを播種した石に番号が振られているが、イタズラ書きもされていて、芽生えても踏まれたりするのではないかと思われる。実験地に生えているカワラサイコは踏まれても平気だが。水面に浮く野鳥はここでもオオバンとコガモばかり。程久保川にはカルガモとキセキレイ。浅川との合流点先の中州に大きな茂みがあるが、そこからウグイスの囀り。一生懸命囀ってはいるが、節が乱れている。程久保川の人工ワンドは入口に土砂が溜まり、水量がほとんどない。こういう構造物はどこでも後のフォローがないことが問題だ。


2月24日 稲田堤から小田急線鉄橋までの多摩川右岸
 先日稲田堤まで歩いたので今日はその続き。冷たい強風ゆえウインドヤッケの風防ごとかぶり荒波立てる多摩川の縁を歩く。どこもオオバンばかり。少し離れてヨシガモ10羽とヒドリガモが数羽。
 上河原堰の下流に広がる低水敷は水辺の礫河原、樹木が立ち並ぶ一体、深い草原、そして高水敷と層をなしているが、草原の一部に小さな礫が少々露出している所がある。そこを見つけて進むと予想通りカワラサイコが53株集まっている所があった。晩春に来ればカワラニガナも見つかるかもしれない。菜の花があちこちで咲いている。夏はたぶん藪で立ち入れない。
 途中で良く踏まれた小道に出たので、そこをたどって水辺へ。調布五本松近くだが、そこもオオバンばかり。
 そこから下流はずっと笹藪と私立学校の運動場、ボーイスカウト基地、不法耕作地などが続き、なかなか堤防に出る道がないなと思っているころにはもう多摩水道橋が目の前にあった。河川敷で紅梅と桜が咲いていた。左岸の狛江五本松上流で工事が行われている。事前情報はなかった気がする。
 カワウ、オオバン、カルガモ、ヒドリガモ、ヨシガモ、トビ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、モズ、アオジ、ムクドリ、ハシブトガラス。


2月20日 六郷橋と大師橋上流の多摩川左岸
 京浜河川事務所主催の第13回多摩川流域委員会機能区間区分検討分科会が開かれ、筆舌尽くしがたい暴風吹き荒れるなか六郷橋から下流方面を視察。さらに大師橋上流左岸、昨日歩いたのと同じ所を視察。その後、干潟館で会議。
 六郷橋から下流方向を視察した目的は、のちの会議で提示された説明によると、現在右岸の護岸工事で新たに河川敷を設けており、その分川幅が狭くなるため、左岸側の一部(六郷橋上下流一帯)を掘削することになり、その機会を利用して自然再生を図れないかと考えているためと知る。大師橋上流の本羽田地区は当分工事はしないが、ヒヌマイトトンボやキイロホソゴミムシなど干潟の貴重な生物が確認されるものの不法耕作その他で絶滅危惧状態であることが確認された。その他の件は省略する。


2月19日 六郷土手から大師橋までの多摩川左岸
 定例自然観察会。午前はときに冷たい風があったが、快晴の日中は暖かく、遠望の富士山が大きく見えた。堤防脇にある北野天神境内の紅梅を見てから土手に出ると一面グラウンドばかりで川はいったいどこにあるやら。野球場の合間を抜けて水辺へ。一面オギとアシに覆われ、ところどころにHLや廃棄物の山が。
 ようやく水辺に出たところは、地元の人たちが「造成」した野鳥観察場で、ウラギクなども育てているらしい。餌付けされているのでオナガガモやスズメが全然逃げない。少し離れてオオバンとセイタカシギ。さらに下流にあるコンクリート護岸と水衝ブロックがあるところでもユリカモメがすぐそばまで寄ってくる。コガモやヒドリガモ、カルガモ等々。
 河港水門の船泊にカンムリカイツブリが1羽。潜ると次にどこから出てくるかわからない。30秒弱もぐったままで神出鬼没。改修した堤防のり面は一面ホトケノザが咲く。
 「不法耕作禁止」の看板と通行止めの鉄パイプ柵があちこちに設置されている。その脇を抜けてオギとアシの原に入ると、中に大きなゴルフ練習場と畑がある。波消しの反りがある堤防に着くと大師橋はもうすぐだ。
 カンムリカイツブリ、カワウ、オオバン、マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ホシハジロ*、キンクロハジロ、セイタカシギ、ユリカモメ。トビ、ミサゴ*、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、シジュウカラ、アオジ*、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。(*は他の参加者が確認)


2月15日 浅川合流点右岸から日野橋左岸までの多摩川
 暖かい。サッカー場脇に、河川管理者も知らないというしっかりとした柵が20年以上前に造られ藪の中に没していたが、誰が整備したのか、やけにきれいな遊歩道になっている。
 下草が枯れて踏み跡がくっきり。夏になると通行不能の藪になるのが信じられない。ラジコンヘリ一機。上空では本物のヘリが次々と来て五月蠅い。
 池ではアオサギ1羽。在来植物保護堤防のり面は昨年暮れにきれいにしてもらったので今春は新芽がたくさん出そうだ。
 石田大橋下流のサッカー場に面して堤防から降りるスロープを新設するらしい。どうせ造るなら橋のすぐ近くから下流に向けて造らないと人の流れに合わず、そこから500Mほど下流にあるスロープ同様誰も使用しない税金浪費と環境破壊以外何ももたらさない。
 そこから上流日野橋まで何も変わった様子がなく良かった。
 カワウ、ダイサギ、アオサギ、セグロセキレイ、ノスリ、トビ、ホオジロ、ツグミ、ヒヨドリ。


2月8日 多摩川原橋から上河原堰までの多摩川右岸
 この辺は最近あまり歩いていないので来てみたが、この時期は特段記録すべきこともなく、とくに京王相模原線鉄橋付近から上河原堰までは水辺が港の桟橋のようだし河川敷も緊急用道路が敷設されていて野草が生える状況になく、せいぜい100羽近いオオバンを水面に眺めるだけ。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、オオバン、セグロセキレイ、ツグミ、タヒバリ。


2月5日 中央線鉄橋上流右岸から立日橋左岸までの多摩川
 午後から雨の予想通り昼過ぎから雨が降り出したが、午前中は晴れたので外出がてら多摩川へ。中央線車窓から右岸で何か工事をしているなと昨年暮れから気になっていた。来て見れば遊歩道造りだった。つまりはサイクリングロード。柳の葉がだいぶ緑色に染まった。水辺ではクレソンが青々と茂っている。この季節は特に目立った変化もない。
 国分寺でボタニカルアート展を見たついでに殿ヶ谷庭園へ。梅と蝋梅が少し、福寿草が数株、散策する人が予想以上にいたがこの時期は植物見学にはまだ早い。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カワセミ(声)、ムクドリ。



1月29日 五日市線鉄橋下流右岸
 カワラノギクPJが今春、過去に採取したカワラノギクの種子が枯死する前に一部播種してその生育を調査することとなり、候補地として五日市線鉄橋下流右岸が決まった。私見では友田のほうが良いが、現地調査した参加者の多数意見でこちらに決まった。
 かつてラジコン飛行場かゴルフ場として使われたと思われた砂地が、昨年の増水で深さ50pぐらい抉られ礫河原と化していた。その意味では以前よりもカワラノギクの播種に適しているが、周囲よりも深く抉れているのでまた増水があったら確実に水没ないし流出すると思う。そこから水際まで礫河原が広がるかそこも当然冠水地帯で植物が定着しない。良くても「駄目もと」程度だと思う。


1月25日 関戸橋上流の中洲
12月1日から体調を崩し、じつに55日ぶりの多摩川となった。まずは、関戸橋架け替え工事に伴う、橋の上流部の瀬替え工事の視察。視察と言っても、現地は立ち入り禁止なので、橋の上から視て察するだけ。でも、現地に踏み込むよりも工事全体がよくわかる。カワラノギクやカワラニガナ、カワラケツメイなど河原植物があった、中洲中央の流路跡付近をそのまま掘削して水路を造ったため、施工主の都が、カワラノギクは種子採取、他は一時避難させている。この架け替え工事全体が完成するのは10年以上先なので、その後どうなるか、私はもうこの世にいないかもしれない。