多摩川の自然のニュース:2016年1月〜3月

新しい日付順に配列してあります。水色は多摩川水系桃色は他の川等緑は会議等です。
画像は重いので質を落としてあります。古い画像は半年ぐらいで削除します。
この記事の筆者はすべて柴田隆行です。

2016年4月〜6月
2015年10月〜12月
2015年7月〜9月

3月24日 中央線鉄橋から立日橋までの多摩川右岸
 花粉症の季節だし、河原植物調査にはまだ早いので、いまは短時間でぶらぶら川辺を歩くだけ。今日は幸い小雨日和で花粉が舞わないと期待し、近場を歩いた。ここ数日の暖かさと打って変わり手袋が欲しいほど空気が冷たい。姫オドリコソウが満開。
 立日橋の改修工事は良いとしても工事区域を広く取っているので水辺に行くには藪を踏んで行かざるを得ない。ここまで広くヤードを取る必要があるのだろうか。事前に通知を受けていたが、現地で見るとちょっと驚く。
 カイツブリ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、イカルチドリ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ツグミ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

3月15日 睦橋下流多摩川右岸・秋川合流点
 先日睦橋上流右岸に行ったので、今回はその下流へ。橋の直下流から右岸寄りの旧流路に増水時に水を誘導する工事を先年行い、昨年9月の増水で水が入ったが全体の土砂の構造は大きな変化がなかったと先日の会議で報告された。実感では、一時期かなり干上がった池とその周辺の水量はかなり増えているように見える。
 ここも夏では絶対に立ち入れないツルヨシ大群落とニセアカシア林を突破し、造成地を抜けさらに藪へ。池に拒まれ引き返す途中で左に折れて少し歩き易い箇所を抜けると、はっきりとした踏み跡に出た。たいていはホームレス・ホームに向かう道だが、たどると先ほどの造成地に出た。予想通りここはふだんラジコン飛行場として利用されているのだろう。秋川合流点のラジコン飛行場に通じる道だからだが、こちらは最近使われていないようだ。新空港へ引っ越したのかもしれない。ニセアカシア林の中にラジコン飛行機が1機墜落していた。エンジンは回収されたらしく、ついてなかった。ならばゴミも回収すべきだろう。
 朝は霧氷で真っ白だった丹沢山塊も日が差して解けたようで黒くなった。花粉の量も増えそうなので早々に引き上げた。ウグイスの囀り以外特筆すべき事柄はなかった。

3月8日 宿河原堰右岸
 多摩川自然生態系保持空間検討分科会がせせらぎ館で開かれたついでに多摩川の様子を観察。5月中旬の陽気で暑いせいか、カモ類も少ない。数年前に植えられた河津桜?は花が散り、土手のソメイヨシノはまだ。
 上記会合では、睦橋右岸周辺、昭和用水堰右岸下流、多摩大橋周辺、浅川合流点右岸上流でここ数年行われている河川工事のモニタリング結果が報告された。効果が見られる所と見られない所、昨年9月の増水の影響、ニセアカシアやシナダレスズメガヤの除去作業経過、今後の課題など。特筆する点はない。あえて言えば、河川環境は点や面では把握しきれないので、施行区域に限らずその周辺一帯を調査区域とすべきだろう。
 カイツブリ、カンムリカイツブリ、カワウ、ダイサギ、アオサギ、オオバン、コガモ、ヒドリガモ、ウミネコ、ツバメ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

3月4日 睦橋上流多摩川右岸
 睦橋から下流を見下ろして、多摩川の水流幅があまりに狭いので驚く。礫の下に伏流しているのだろうか。
 五日市線鉄橋下流右岸は昨年9月の増水で礫河原が大きく広がった。カワラニガナなど植物はほとんど流失したが。睦橋との中間辺りでカワラニガナ約200株の群落が残っているが、夏には丈の大きな草に埋もれそうだ。
 夏には絶対に通り抜けられないと思われるツルヨシ等の密生地帯を突破し、小さな湿地帯へ。種子が残るヒメガマとタコノアシがある。
 釣り堀脇の池にはコガモの群で賑やか。ウグイスが下手ながら盛んに囀りの練習をしちる。コゲラのドラミングの音が響く。オオイヌノフグリが満開で春を感じる。
 カワウ、ダイサギ、オオバン、コガモ、コゲラ、セグロセキレイ、ツグミ、ウグイス、スズメ、ハシブトガラス、ガビチョウ。

2月21日 九品仏〜玉川浄水場跡〜六郷用水〜多摩川左岸→二子橋
 大井町線尾山台が我が故郷で、とくに小中学校時代は、多摩川で泳ぐほか九品仏や等々力渓谷のあいだの区間は宇佐神社、狐塚古墳、武蔵工業大学までの一帯をほぼ網羅的に遊び場にしていた。それから半世紀以上経った現在、世の中は予想を遙かに越える勢いで変わった。
 と、思っていたが、大井町線九品仏駅の改札口を出て左手すぐに九品仏の参道が続くその光景は半世紀前とほとんど変わっていない。境内は庭園などだいぶきれいになったが、その静けさと全体の落ち着いた佇まいは昔のまま保たれておりむしろ驚きである。お寺の裏にあったサギソウの自生地は残念ながら跡形もないが、本堂の脇にわずかにその花壇が作られていた。ワカケホンセイインコがキイキイと鳴き飛び回っている光景も半世紀前と変わらない。
 九品仏商店街を南に抜けると環状8号線、横断歩道を渡ると玉川浄水場にぶつかるが、1975年頃カシン・ベック病の疑いで取水を止めて、いまは敷地の半分以上が都の住宅と広場になっている。
 さて、そこから田園調布双葉学園周辺の急坂をアップダウンしつつ建ち並ぶお屋敷を眺めつつ、宇佐神社へ。神社本殿裏の山ハ八幡塚古墳跡で、かつてはここから環状8号線まで雑木林が続き小川も流れていた。いまでもカタクリがわずかに残っているらしい。近くには竹林がいまでも残っており、タチツボスミれやキランソウ、クサイチゴなどが咲き始めていた。
 そこから少し下ると六郷用水がある。江戸時代に小泉次太夫が造った農業用水であり、用水と多摩川のあいだは遊水地と水田と温室(教科書に「温室村」として紹介されていた)が広がっていた。しかし、この用水を私たちはどぶ川≠ニ読んでいた。生活排水が流れ込んでいたからだ。学校の帰りにこの用水を飛び越す遊びが流行ったが、飛び越せないで片足を水につけることもしばしばあった、そんなときは悪童からさんざんに馬鹿にされた。飛び越せなかったからではなく、どぶ川に足を入れたので汚い≠ニ思われたからだ。この玉堤小学校の私は第一期生で、小学校低学年は尾山台小学校に通っていた。子どもが多く授業は二部制だったので、分校を造ってその問題を解消したのだ。畑や遊水地を潰してできた学校なので校庭はすぐに雑草が多い茂った。
 この玉堤小学校の前に現在大きな道路ができている。等々力駅付近にある目黒通りの終点から延びてきた道路で、すでに多摩川を渡る橋の建設計画がまとめられつつある。
 ここから二子橋まではさしておもしろくもない運河状の水路と人工公園や災害時避難用道路などばかりの高水敷が続くだけだ。この一帯は昭和30年頃より本堤坊脇に桜がずらっと植えられているが、水辺にもネズミモチ等の常緑樹がずらっと並んでおり、中上流域で堤坊付近の大木を治水上の理由で伐採しているのに、これはなんなんだ?と河川行政の一貫性のなさに呆れる。最後は、新たに堤内地にできた大きな公園を見て、二子玉川駅に出た。
 カワウ、コサギ、アオサギ、オオバン、マガモ、カルガモ、コガモ、オカヨシガモ、セグロセキレイ、ツグミ、ホオジロ、スズメ、ムクドリ、ハシボソガラス。

2月15日 多摩大橋から中央線鉄橋までの多摩川右岸
 多摩大橋上流の大規模な河川工事はまだまだ続いている。下流部は、かなり下流で重機が1台動いているだけ。
 谷地川沿いに釣り人が歩く踏み跡を辿る。草が枯れたこの時期しか通れない径。谷地川と人工せせらぎ水路が合流する地点の水量はかなり多い。中央線鉄橋が近づく頃から雨が降り出した。
 カワウ、ダイサギ、トビ、キジバト、セグロセキレイ、ツグミ、シジュウカラ、カシラダカ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

2月12日 万年橋から調布橋までの多摩川右岸
 久しぶりに当地に来たが、堤内地つまり沿川の住宅地の変化が激しく、それに比べて河原の様子はさほど変化がない。万年橋上流の流路がやや直線的になり、橋下右岸の礫河原が大きくなった。左岸の河岸断崖に生えていたケヤキの大木が数本伐採された。柳淵橋下流左岸は河原がなく、大きな中州が広がっている。左岸の住宅地に接する河岸断崖で大規模な防護壁工事が行われている。この費用は誰が払うのだろうか。
 鮎美橋周辺は変化なし。調布橋上流も大した変化なし。
 青梅の商店街は猫町と化していた。
 カワウ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ、トビ、キジバト、セグロセキレイ、ツグミ、シジュウカラ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラス。

1月31日 睦橋から水菅橋までの多摩川左岸
 福生南公園地先の河原の礫は、数年前の河川改修で人為的に撒いて造ったものだが、昨年の増水で冠水しかなりシルトがかぶった様子がいまだによくわかる。カワラニガナはその下流部に残っているが、今後シルト層にさらに土が溜まって丈の高い草が繁茂してカワラニガナは衰退すると思われる。もっともそのシルト層を洗い流すぐらいの増水があれば話は別だが。
 南公園下流端から排水路に沿って河原に出ようと思ったが藪が立ちふさがり、薄めの藪を突っ切って土手に戻る。昭和用水堰上流に池があり、ヒメガマの穂が立ち、鴨がたくさん休んでいる。堰から下流の高水敷にカワラサイコの群落が残る一帯があるが、シナダレスズメガヤがかなり広がっている。小径に入ると土丹が露出している水辺に出るが、少し下流で排水に阻まれて、いったん堤防へ上がらなければならない。水菅橋付近に雪が残る。大学生8人ほどが重そうなザックを背負って堤坊上を疲れた足どりで歩いている。河口から源流まで歩き通そうという雰囲気だった。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、アオサギ、オオバン、カルガモ、トビ、セグロセキレイ、ツグミ、スズメ、ハシブトガラス。

1月25日 多摩大橋から日野用水堰までの多摩川右岸
 多摩大橋周辺の河川改修に関しては計画段階から知っているが、現場で見ると想像を遙かに越えて広い河川敷をダンプが走り回っている光景だけが目に入る。掘った土砂をたくさん山に積み上げ、積み上げた土砂を崩して別の場所に運ぶなどして、河原植物再生かと期待された低水域もいまはダンプの下敷き。
 わが家周辺同様八王子はまだ日陰に雪がたくさん残っている。
 カイツブリ、カワウ、ダイサギ、アオサギ、オオバン、コガモ、キジバト、ヒバリ、セグロセキレイ、モズ、ツグミ、ホオジロ、スズメ、ハシブトガラス。

1月22日 万願寺地先の多摩川右岸
 昨年暮れに京浜河川事務所に依頼した、在来植生保護調査区間の堤坊法面の除草がきれいにされているのを確認(最後の写真)。これで春の順調な芽生えが期待できる。
 穏やかな日和だがラジコン飛行場は休み(写真2枚目)。超望遠レンズのカメラを構えた人が2名。雪がちらほら残る河川敷でシナダレスズメガヤばかりが目立つ。カワラヨモギの多摩川最大の群落地だが、ゴルファーよりもシナダレスズメガヤの繁茂が最大の脅威だ。
 池ではカルガモが休み、木の上でアオサギがジッと水面を見つめている。
 ダイサギ、アオサギ、カルガモ、セグロセキレイ、ツグミ、ガビチョウ。

1月20日 多摩川橋から是政橋までの多摩川左岸
 八王子はまだ雪がたくさん残っているが、府中市の多摩川河川敷の雪はかなりとけた。強風が吹き荒れ目の粘膜が乾いて痛い。堤坊上はとくに風が強く歩くのも大変だ。白銀の奥多摩連山がくっきりと見え、富士山は真っ白の雲で覆われている。
 高水敷には緊急避難用道路が造られ、低水護岸には5つ水制が設けられている。水制の合間の水が溜まる所で鴨が餌を採っている。瀬ではユリカモメが何度も水に飛び込みながら餌を探している。カワウやダイサギはいつものように平然と立っている。稲城大橋の補強工事のための瀬替え工事が完了している。瀬替えの計画線上に多摩川唯一のカワラハハコがあったが昨年の増水で流出したため保護策要請をキャンセルした。だが、カワラニガナがあった辺り一帯にロープを張って守ってくれている。稲城大橋をくぐりさらに上流に行くと、しばらくして広大なせせらぎ公園に着く。河川敷に池を複数設置してもう30年ほど経つが、未だに壊れず設置当初のまま残っているのは珍しい。その上流の芝地にはカワラサイコの群落があるが、いまは地べたに張り付いて寒さを凌いでいる。公園周囲に造られた散歩道は、簡易舗装の表土が剥がれてでこぼこになり非常に歩き難い。自然に出来る踏み跡ではこういうことはなく、歩けば歩くほど歩きやすい道になる。人工物は老朽化して不便になるだけだ。
 カワウ、ダイサギ、オオバン、コガモ、ヒドリガモ、イソシギ、ユリカモメ、ヒバリ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、ツグミ、ホオジロ、ムクドリ、ハシブトガラス。

1月17日 奥多摩むかし道
 定例自然観察会。今年度のテーマは「古道と開発地」。青梅街道旧道を中山集落から麓の氷川まで歩いた。むかし道は水根沢から続いているが、住宅の間を抜ける径はあまりおもしろくないので今回は省略した。
 午前中は日が差して暖かかったが、午後に曇ると冷たい風も吹いて身体が芯から冷える。渓谷の水量がいつもよりも多く感じられる。柿の実が木にたくさんついたままでヒヨドリたちの餌場になっている。猿が来て荒らすので柿の実採取ボランティアを20年前に募集していたが、いまはやっていないのだろうか。急な斜面に生え、枝が折れやすいという柿の木は素人には手が出ないと察せられる。
 紅梅と白梅が日だまりで咲き、ヤマブキが間違えて花をつけていた。
 エナガ、ヤマガラ、シジュウカラの群れが木々をめぐっている。ヒヨドリやガビチョウもいるが、全体として静かな冬の渓谷という感じだ。遅刻してフルコースを歩いて追いついた参加者によると上の方にベニマシコがいたとか。

1月12日行 日野橋周辺の多摩川
 日野橋架替工事の計画段階で自然環境調査を行う項目と時期など調査計画の概要説明を現地で受けた。この説明自体は事務所内でも良かったが、休日はなるべく多摩川に出たいという私の希望で現地での会合となった。が、都心で初雪という冷雨が霧のように降る酷寒に耐えながらの現地協議となった。橋の新築同様の詳細な環境調査が予定されており都行政の誠実さが伝わってくる。
 さて、来たついでに右岸水辺を歩く。河原植物があってもよさそうな環境で、春に再度調査に来ることにしよう。

1月12日 下奥多摩橋周辺の多摩川
 
酷寒の氷雨の日。青梅に来たついでに下奥多摩橋へ。青梅農林高校校庭前の断崖に新たな道路を造るため大きく削られ「緑地帯」が造成されている。30年以上前になるが、この斜面にキンランやササバギンランが咲いているのをしばしば見たがいつの間にか消えた。
 橋から上流に見下ろすと、カルガモの群れに混じってカワアイサがカップルが1つ水にもぐって餌を採っていた。いまは水が澄んでいるのでもぐっている最中の姿も双眼鏡で見ることができた。ほかに、カルガモの群れ。最後の写真は青梅農林高校敷地内にあったミツマタ。

月4日 羽村大橋から永田橋までの多摩川右岸
 昨年1月18日に通称「K13」というカワラノギク自生地に奇蹟的に生き残った株が1つあることがわかったが、その後すっかり忘れていた。ふと思い出して見に行った。残念ながら開花株もロゼットもなくついにこの地区のカワラノギクは絶滅した。一昨年800株近くあったカワラヨモギは昨年1月に約70株あったが、現在は瀕死の小さな株がたった1つ。これも今年中に絶滅しそうだ。現地へは猛烈な藪漕ぎ。小作堰下の中州に比べれば藪の層は薄いが、ここはノイバラが多く、K13付近はピラカンサがびっしり生えていて、童話の「いばら姫」の城そのもの。そこを突破したので古くなったジーパンが遂に破けて廃品となった。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、トビ、ツグミ、セグロセキレイ、ハシブトガラス。

1月2日 多摩大橋から立日橋までの多摩川左岸

 正月2日は毎年多摩川初歩きの日と決めており、たいていは中央線鉄橋から日野用水堰までの多摩川右岸を歩くが、この辺はすでに何度も歩いているので、今年は左岸を歩くことにした。
 多摩大橋から下流の河川改修工事現場を見下ろし、人家が堤坊際まで迫る左岸の堤防ないし小段を歩く。遠くに富士山が良く見え、陽ざしが温かい。おそらく「幸いなことに」と言うべきか、立日橋までずっと何も特筆すべきことがない。中央線鉄橋上流の高水敷にあるカワラサイコも健在。
 カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、オオバン、コガモ、トビ、セグロセキレイ、ハシブトガラス。

多摩川のカワラノギクについての出鱈目論文批判→ここ