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…………作者からのお願い…………
  この作品は、「ジャングル三千キロの奥地に幻の原住民族ポロリ族の秘密の儀式を見た!!」の続編となっております。
  前作を読まずにこの作品を読まれますと、意味不明な点が多々出てくると思われます。
  未読の方はご面倒でも前作を一読した上で、本作をご覧になられるようお願いします。
……………………………………………


ドキッ!ポロリだらけの水上決戦!!
作:高居空



「あああああああああっ!」
  俺は全身を襲う焼けるような激痛に祭壇の上でのたうち回っていた。
  原住民達に無理矢理飲まされた聖水という名の猛毒が身体の中で暴れまわり、俺を別のモノへと変えていく。
「はぁぁぁぁぁぁ!!」
  甲高くなっていく悲鳴。俺の着ていた衣服がどろりと溶け、張りつめていた大きな胸が解放される。レモン色のビキニに包まれた自らのいやらしいふくらみに、俺の中では嫌悪感を感じるどころか誇らしげな気持ちさえ沸きあがりはじめる。
  今俺は、原住民ポロリ族の儀式によってエロティックな少女へとその存在を変えられつつあった……。



  俺は元々、彼らポロリ族の幻の儀式を追うためにジャングルへとやってきた探検隊のメンバーだった。お茶の間でも知られた名物隊長の指揮の下、俺達はジャングルの中を進んでいたのだが、途中で俺ともう一人の隊員は本体を離れて別行動を取ることになった。隊員の一人が毒蛇に噛まれ、治療のために出発地点の村まで護送する必要が出てきたのだ。
  その任務を隊長は自ら頼むと言って俺に託してきた。俺と隊長とは探検隊の活躍が初めてテレビで放映された頃から苦楽を共にしてきた仲だ。今では俺は班長の一人として、隊長を支える柱の一つになっている。今回負傷者を無事に村まで送り届けるという地味ながらも経験と技能を問われる任務を俺に任せたのも、それだけ俺のことを信頼しているという証だといえるだろう。
  だがしかし、任された俺の心は複雑だった。確かに隊長に認めてもらえるのは光栄だが、それより前に俺は探検家だ。未知なる神秘のためならどんな苦労も厭わない。それが、神秘がすぐそこに待っているというのに上からの命令で冒険から外されるというこの屈辱。この気持ちはいつでも自分の思うとおりに探検を進められる隊長には一生理解できないものだろう。
  しかし俺はどす黒い感情を胸の奥に秘めながらも、俺の斑の中で一番優秀な部下を選抜すると、先へと進む隊長達と握手を交わしてから村への帰路についたのだった。
  その後、何事もなく村へと帰還した俺達は、毒蛇に噛まれた隊員の世話をしながら隊長達の帰りを待つこととなった。
  幸い、負傷した隊員の具合はどうということもないものだった。本人が医療担当だったこともあって、応急手当の段階から適切な処置を施していたのが功を奏したのだろう。村に帰って3日目には隊員は平気で外を歩き回れるくらいにまで回復していた。
  その事自体は喜ばしいことなのだが、お陰で俺達はやることがなくなってしまった。目の前にある未知なる神秘。それなのにこうしてぼんやりと村で隊長達の帰りを待っているというのは、俺にとってはどんな拷問よりも苦痛をもたらすものだった。
  我慢ができなくなった俺は、ついに負傷した隊員の病室で隊長の後を追って森の中に踏み込む考えを明らかにした。意外にも、部下も隊員も俺のやろうとしていることを止めようとはしなかった。どうやら彼らの中にも冒険家魂が宿っていたらしい。その後一晩かけて話し合った俺達は、隊員の完全回復までに隊長達が帰還しない場合は、隊長達の後を追ってジャングルへと向かうということで意見が一致したのだった。
  その後、負傷した隊員は身体を完全に治すことに専念し、俺達はその間に、この村だけでなく近隣の村々まで出向いてポロリ族の情報を集めて回った。村人達の話はほとんどが俺達が知っているものと変わらなかったが、一つだけ有益な情報があった。ポロリ族は儀式で何か得体の知れない猛毒を使うというのだ。その事を教えてくれた村外れに住む老人はポロリ族には関わらない方が良いと何度も繰り返しながらも、俺達が引く気がないことを知ると、部屋の奥から黒光りする小さな丸薬を取り出してきた。これを飲めば数日の間はポロリ族の毒を少しだけ和らげることができるらしい。俺達はありがたくその薬を頂くことにした。
  そして数日後、完全に体力の回復した隊員と俺達は、ジャングルの奥へと再び足を踏みいれたのだった。




  それから後に起こったことは正直思い出したくない。森に入って幾日も経たないうちに俺達はポロリ族の襲撃から命からがら逃げてきたという現地ガイドと再会し、彼の案内により隊長達が捕らえられているという秘密の祭場へと忍び込んだ。
  だが、そこで俺達を待っていたのは、俺達を取り囲むポロリ族の戦士達と現地ガイドの裏切りだった。
  たちまち捕らえられた俺達は、大河に面した祭壇の上で実はポロリ族の司祭だった現地ガイドによって彼らの言う聖水を無理やり飲まされたのだった。





「は・・・・・・あ・・・・・・」
  身体から痛みが去り、呼吸が落ち着いてくる。
  身体に流れる汗を感じながら、おれ・・・・・アタシはゆっくりと身体を起こした。
「あっ・・・・・・」
  たったそれだけのことで胸の二つのふくらみが大きく揺れる。
  若く、それでいてグラマラスな身体をアタシは惜しげもなくさらけ出していた。胸と下腹部の部分を小さな生地が申し訳程度に包んでいる。
  アタシはレモン色のビキニに身を包んだ巨乳少女に生まれ変わらされていた。
「ああ・・・・・・はんちょう・・・・・・」
  アタシの部下だったミカン色のビキニを身につけた美少女が切なげな声を上げる。その隣では黄緑色のビキニ少女が茫然自失といった感じでぺたんと座り込んでいた。
『ポロリ! ポロリ! ポロリ! ポロリ! ポロリ! ポロリ!』
  祭壇の下ではポロリ族の男達が飛び跳ねながら奇声を発している。その目がアタシ達の体・・・・・・特に胸へと向けられていることに気付いたアタシは反射的に両腕で大きなそれを包み隠した。
  やだ、気持ち悪い。アタシの胸は見られて恥ずかしくなるような形も大きさもしてないけど、アタシはあくまでオトコだ。そんなアタシが男のオカズになるなんて考えたくもない!
「オヤオヤ、ドウヤラ、カンゼンナ、ポロリニハ、ナラナカッタ、ヨウデスネ。セイスイノ、コウカガ、イマイチ、デシタカ」
  司祭が片言の日本語でやれやれといった声をあげる。
「それってどういうこと? アタシ達をこんなにしておいて、それでも不完全だったっていうの?」
  壇上を睨みつけながら問いつめるアタシに、司祭は妖しげな笑みを浮かべながら答える。
「エエ、ミズギヲ、ハガサレテモ、イナイノニ、ムネヲ、カクスヨウデハ、カンゼンナ、ポロリトハ、イエマセン。ドウヤラ、セイスイノ、チカラヲ、オサエル、ナニカガ、アッタ、ヨウデスネ」
  それってもしかして村の老人から貰った薬のオカゲ……?
「フフフ、ホントウナラ、アナタタチモ、カノジョタチノ、ヨウニ、ナルハズ、ダッタノデスヨ」
「!?」
  その声とともに祭壇の下で乱打される太鼓の音にアタシ達は一斉に振り返る。
  いつの間にかポロリ族の男達は左右二つに分かれ、祭壇へと続く一本の道を作りだしていた。その先に現われるアタシ達と同じ格好をした美少女達。
  見るからに爆乳といった胸を誇らしげに見せつけている金色ビキニの少女を先頭に、水色、ピンク、緑色、様々な色のビキニ少女達が左右に腰を振りながら歩いてくる。ポロリ族の男達の視線に、彼女達は嫌がるどころかむしろ積極的にポーズを取って自分のエロティックな体をアピールしていた。体を揺らし、胸を弾ませながら進んでくる少女の群れを、アタシ達はただ呆然と眺めることしかできかった。
「もしかして…………隊長…………?」
  アタシの呟きを聞いたのか、司祭の笑みが一際深くなる。
「エエ、ソウデスヨ。モットモ、イマノ、カノジョハ、サイコウノ、ポロリニシテ、ワレワレノ、リソウヲ、タイゲンスル、ゴールデンポロリ。ムカシノ、コトナド、ナニヒトツ、オボエテイマセンガ」
「な……!?」
  絶句するアタシに司祭は追い打ちをかけてくる。
「フフフ、ドウヤラ、アナタタチニハ、セイスイノ、コウカガ、イマイチ、ダッタノデ、キオクガ、ダイブ、ノコッテイル、ミタイデスネ。デスガ、アナタタチハ、ジブンノ、ナマエヲ、オモイダセマスカ?」
「あっ……!」
  言われてアタシは気が付いた。さっきまで覚えていたはずのアタシの名前がすっかり記憶から抜け落ちていることを。アタシがポロリ族の謎を追う探検家だったことははっきりと覚えているけど、名前だけがどうしても出てこない。
「コノ、セイスイハ、キオクヲ、ショウキョスルトキ、マズハ、コユウメイシカラ、ケシテイクノデス」
  そう言われれば隣にいる女の子達の事も、ミカン色のビキニがアタシの部下で黄緑の方がが蛇に噛まれた隊員だというのは思い出せるけど、どういった名前だったのかはまったく記憶にない。それに、アタシ達が所属していた探検隊の名前もすっかり忘れてしまっている。持ち物も全部失われているし、これじゃ他人に自分が何者だったのか証明したくても証明できない!
「フフフ、ナマエヲ、ウシナッタ、アナタタチハ、ポロリトシテ、ココデ、イキテイクシカ、ミチハ、ナイノデス」
「うるさい!!」
  勝ち誇ったような司祭の口調にカチンときたアタシは反射的に叫んでいた。確かにコイツの言う通りにするのが一番楽だとは思う。ただ、結局コイツらの思い通りに事が進むというのは我慢できなかったし、祭壇下にいる娘達みたいにオトコに体を捧げて生きるなんて事はしたくはなかった。というか、絶対ムリ!
「ホウ、マダ、サカライマスカ」
  司祭は面白い物でも見るような目でアタシの事を見ると、何かを思いついたのか首を大きく縦に振った。
「ナラバ、ワレワレト、ショウブト、イキマスカ?」
「勝負?」
  オウム返しに聞くアタシに司祭は再び妖しげな笑みを浮かべる。
「エエ、ポロリノ、デントウニ、ノットッタ、シンケンショウブデス。アナタタチガ、カッタナラ、アナタタチヲ、モドシテ、アゲマショウ。マケタナラ、イッショウ、ココデ、ポロリトシテ、イキテモライマス」
  突然の提案にアタシは考え込む。いきなり何を言い出すのだろうコイツは。そんなことをしてコイツらに何の得があるの? 確かに勝負としては、アタシ達にとってはハイリスクハイリターンなのに対し、向こうは負けてもアタシ達を元に戻すだけで何かを失う訳じゃないローリスク。でも、やろうと思えば勝負なんてしなくてもコイツらは力ずくでアタシ達を牢に放り込むなり好きにできるはず。それなのにこんな勝負を持ちかけるなんて、何か裏があるような気がする。
  でも、アタシ達にとってこれはまたとないチャンスであることもまた事実。というか、この機会を逃したら元の姿に戻ることは一生できないだろう。ここは、罠だとしても飛び込むしかないか…………。
「……その約束が守られる保証はあるの?」
  そんなアタシの念押しに、司祭は大きく天を仰う。
「フフフ、ナラバ、ワガカミニ、チカイマショウ。ワタシノ、コトバニ、ウソイツワリハナイト」
「…………」
  正直、かなりうさんくさいがここは信じるしかない。
「いいわ。どんな勝負だろうと、勝つのはアタシ達なんだから!」
  覚悟を決めたアタシは司祭に向かって仁王立ちすると人差し指を突きつけ、宣戦布告をしたのだった…………。







  数十分後。アタシ達は祭壇の後ろにある大河の上で、かつての仲間だった少女達と対峙していた。
  アタシはポロリ族の奴隷階級だというオトコ達が3人で作る騎馬の上にいた。頭上には花の冠が乗せられている。川岸にはつめかけたポロリ族達が『ポロリ! ポロリ!』と奇声をあげ、あたり一帯を異様なテンションで包みこんでいた。
  司祭が示したポロリ族の真剣勝負。それは日本の運動会ではおなじみの騎馬戦の事だった。3人が体を組みあせて作った騎馬の上に乗った騎手が、互いの頭にある帽子やハチマキを奪い合う競技。それらを奪われた騎手は失格となり、最終的に相手を全員失格にするか制限時間終了時に残った騎馬の多い方が勝ちとなるルールだ。今回アタシ達が取り合うのは花の冠。数はアタシ達に合わせてポロリ族側も3名で合わせてきた。騎馬のオトコ達もポロリの秘術によって使役者の命令だけを聞く生ける人形と化していて、念じるだけで私が思った通りに行動してくれる。つまり条件的は一緒ということ。後は…………。
「わたし達本当に勝てるんでしょうか、レモンさん…………」
  対岸に陣取る3騎の騎馬を見ながら、アタシの部下だったミカン……安直だけど互いを呼び合うために決めた呼び名だ……が心細そうな声をあげる。元々無口な隊員だったキミドリも口こそ開かないものの、その顔には不安げな表情がありありと浮かんでいた。
  確かに彼女達の不安も分かる。こちらがメンバーを選択する余地がないのに対し、あちらは十数名の中からメンバーを選抜してきている。アタシ達の立場は、例えるなら高校野球で人員を豊富に揃えた強豪校と戦う人数割れギリギリ廃部寸前の弱小チームみたいなもの。しかも、相手のメンバーには司祭が「最高のポロリにしてポロリ族の理想の体現者」と賞した隊長のなれの果て、金色ビキニの爆乳少女がいる。普通にぶつかり合ったならアタシ達が不利なのは明らかだ。
  それでもアタシは彼女達の士気を高めるために、わざとハイテンションな声を上げた。
「大丈夫! アタシの作戦なら絶対うまくいく!! 貴女達はしっかりアタシの後をついてくれば問題ないから!!」
「は……はい!」
  そう、作戦だ。アタシはこの戦いに無策で挑むほどバカじゃない。準備ができるまでの間、アタシは頭をフル回転させて一つの作戦を練り上げていた。正直、オンナにとってはすごく外道な作戦だけど、それだけに恐らく効果は絶大。いつも行き当たりばったりだった隊長がリーダーの向こうは多分何の作戦も考えていないだろうから、うまくはまれば一気に勝負を決められる!
「フフフ、ソレデハ、ハジメマショウカ。ポロリノハナ、スイジョウキバセンヲ!!」
  司祭の声と共に、アタシ達は一斉に動きはじめた。




「いくよ、みんな!!」
「「はい!!」」
  アタシ達は動き出すとともに一気に陣形を整えた。アタシを先頭に、ミカン、キミドリの順に縦一列の隊形をとる。そしてそのまま相手に突進! 向こうはアタシ達の動きに面食らったのか、動きを止めて棒立ちになっている。よし、最初の標的は…………あの水色ビキニ!
「いっけぇ〜!!」
  アタシは掛け声と共に全速力で突撃する。左手で自分の頭をガードしつつ右手で相手の花輪を狙い打ち!
「!!」
  だけど、水色ビキニは当然のごとく両手で頭をガードしてきた。これじゃ簡単には花輪を取ることができない。だけど、それも計算の内!
  アタシは一撃離脱の要領で、そのまま敵の左手に騎馬を抜けさせる。続けてミカンが右に抜けつつ水色ビキニを攻撃!
「キャッ!!」
  川面に黄色い声が響く。
  ミカンの攻撃は見事水色ビキニを捕らえ…………次の瞬間、水色ビキニの少女はその大きな胸を思いっきり露にしていた。
  そう、ミカンが狙っていたのは花輪ではなく、最初から胸のビキニトップだったのだ。アタシが花輪を狙い、それに対応して敵のガードが上がったところを、ミカンが水着を剥ぎ取る。まさに驚異のコンビネーション!
  反射的に両手で胸を隠した少女の花輪をキミドリが楽々とゲットする。
『ポロリ! ポロリ! ポロリ! ポロリ! ポロリ! ポロリ!』
  川岸で異様にハイテンションになったポロリ達をバックにアタシ達は一気に旋回して次のターゲットに向かう。この作戦はあくまで1対3を前提にした作戦。連携で横っ腹から攻撃されたら陣形が崩れて元も子もなくなってしまう。そのことを相手に気付かれる前に一気に叩く!!
「やぁぁぁぁぁん!」
  電光石火の早業でピンクビキニを撃破!! よし、残りはゴールデンビキニのみ!! 勢いに乗ったアタシ達は最後の標的へと突進する!
「てい!」
  アタシの攻撃がゴールデンビキニのガードを上げる。
「え〜い!」
  ミカンが黄金のビキニを剥ぎ取り、爆乳少女の胸が大気に晒される。
  勝った……アタシがそう思った次の瞬間だった。
「イヤッ……!!」
  辺りの空気を震わせたのは、花輪を取るはずだったキミドリの悲鳴だった。




「!!」
  何が起こったのか理解できないままとにかく振り返るアタシ達。
  そこで見た物は、露出する自らの胸を隠そうともせずに、左手にキミドリのビキニを、右手に花輪を握りしめた爆乳少女の姿だった。
「あらあら、何を驚いているのかしら?」
  呆然とするアタシににっこりと微笑む美少女。
「貴女達の作戦、なかなか面白かったわよ。でも、ワタシには無意味ね。貴女達やあの子達のように粗末な胸しか持たない娘とは違って、ゴールデンの主役であるワタシの胸は見られたところで恥ずかしくなるような所など一つもない完璧なバストなの。そしてこの身体をより多くの人に見て貰うことこそ、ゴールデンヒロインであるワタシの最大の喜びなんだから♪」
  自信満々にそう言いきる少女に、アタシは完全に気圧されていた。なんて自信、なんて自己陶酔、そしてとんでもない露出狂…………!
「さあ、みなさんお待ちかね、ゴールデンスターのショータイムの始まりよ♪」
『オオオオオオオオオオオッ』
  彼女の声に津波のような歓声が起きる。日本語のアピールなのにこの歓声…………これがゴールデンの力なの?
「さ、覚悟はいい♪」
  ゆっくりとアタシに迫るトップレスの爆乳少女。その圧倒的なオーラにアタシは金縛りにあったように身体を動かすことができなかった。
  いや! もうダメ!!
  覚悟を決めたその時だった。
「レモンさん、危ない!」
  アタシの前に突然ミカンが割って入ってきた! アタシを庇うように少女へと向き直ると、そのまま爆乳少女の花輪を狙う!
  だが、トップレスの少女は笑みを絶やさぬままその手をすっと伸ばした。
「えい♪」
  まるで糸が外れていたかのように、いとも簡単にビキニトップを剥ぎ取る少女。っていうか、なんて早業!?
「きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!」
  ミカンの悲鳴が川面を揺らす。
『ポロリ! ポロリ! ポロリ! ポロリ! ポロリ! ポロリ!』
  異常とも思えるポロリ族の大合唱の中、爆乳少女は戦利品のミカン色のビキニを掲げてアピールした後、両手で胸を隠してうずくまるしかないミカンの花輪を悠々と奪い取った。
「さ、後は貴女だけね♪」
  余裕の笑みを浮かべながらアタシに向き直る少女。
  だが、ミカンが時間を稼いでくれた間にアタシは金縛り状態から脱することに成功していた。充分に間合いを取り、相手との距離を測る。
「あら?」
  少女はそんなアタシの行動を不思議そうに見つめている。
「まだワタシに勝てるつもりなんだ?」
「うるさい!」
  アタシはそんな少女に向かって半ば自分を鼓舞するように大きな声で叫んだ。確かに彼女とアタシとでは技量に雲泥の差があるのは事実だ。何せあの姿になる前から毒蛇やら毒サソリやらを素手で掴んできた隊長だ。その指技の速さ、巧みさがいささかも衰えていないことはさっきのミカンへのビキニ剥ぎで充分に思い知らされた。アレに狙われたらまず絶対に避けることも、防ぐこともできないだろう。
  だけど同時に、アタシはさっきのビキニ剥ぎの中で一つの勝機を見いだしていた。脳裏にポロリ族の司祭の言葉が蘇る。彼女は最高のポロリにしてポロリ族の理想の体現者。それなら…………後は自分に対する覚悟だけ!
「さあ、何を見せてくれるのかしら?」
  余裕を見せる爆乳少女にアタシは指を突きつける。
「なら、アタシの意地と覚悟、その目にしっかりと焼き付けなさい!!」
  そう宣言したアタシは、少女に向かい一直線に突進した…………。







  シンと水辺が静まりかえる。
  交差した2騎の騎影。その勝負の行方がどうなったのか観客達が息を呑んで見守っているのを感じる。
  アタシと少女は、それぞれが奪った獲物を天高く掲げた。
  アタシが奪ったのは爆乳少女の花の冠。そして、爆乳少女が掲げたのは…………アタシのレモン色のビキニだった。
『オオオオオオオオオオオオオオオオッ!!』
  何ともいえないどよめきと歓声が大地と大河を揺らす。
  そんな中、アタシは自分の読みが正しかったことにほっと胸をなで下ろしていた。
  あの爆乳少女の事を司祭はポロリ族の理想の体現者だと表現した。なら、ポロリの理想とは何なのか。アタシはそれを、胸が水着からこぼれ落ちるその瞬間にあると踏んでいた。
  その事に気が付いたのはミカンの水着剥ぎの時だ。少女がミカンの水着を剥ぎ取ったときのポロリ族の沸きっぷりは尋常ではなかった。それに、少女の方もあれだけの指のテクがあるなら胸の水着なんて狙わなくても簡単に花輪を取れたはずなのに、あえてそれをしなかった。何故か。それは水着剥ぎこそがポロリ族が真に望んでいるものであり、その体現者である少女は勝利条件である花輪の奪取よりも水着剥ぎの方を優先しなければならなかったからだ。
  そうと分かれば後は覚悟の問題だった。彼女の指技は防げない。アタシはいやらしいオトコ達の前に自分の乳房をさらけ出すことになるだろう。なら、防がないし、騒がない。胸が露出しようがそれでオトコ達が興奮しようが、なりふり構わず爆乳少女の花輪を奪い取ることだけに集中する。彼女はアタシの花輪よりも先に水着の方を狙わざるをえない。その間にアタシは彼女の花輪を全力で奪い取る!
  その覚悟が今、アタシの勝利という形でここに結実していた。





「フウ、コノショウブ、アナタタチノ、カチデスネ」
  祭壇の上の司祭が首を左右に振りながら肩をすくめる。
「ええ、だからちゃんと約束は果たしてもらうわよ!」
  アタシは勝利の証である花輪を祭壇に向かって見せつけながら司祭の言葉を待った。
「エエ、ヤクソクハ、マモリマスヨ」
  大きくため息をつきながら答える司祭。良かった、これで戻れるんだ…………。
「アナタタチハ、ワタシタチノ、ルートデ、キチント、ニホンニ、モドシマショウ」
  そうそう、懐かしい日本に…………って、ええっ!?
「何よそれ!!」
  思わず叫ぶアタシに、司祭はしてやったりといった表情を浮かべる。
「オヤオヤ、ワタシハ、アナタタチヲ、ニホンニ、モドストイウ、イミデ、モドスト、イッタノデスガ、ナニカ、カンチガイ、サレテマシタカ? ニホンゴト、イウノハ、ムズカシイ、デスネ」
  ズ、ズルイ!! 確かにあの時はアタシ達を戻すとしか聞いてなかったけど…………。
「フフフ、ニホンニ、モドッテモ、コセキナドノ、シンパイハ、ムヨウデス。コセキモ、シゴトモ、コチラデ、ヨウイ、シテオキマス。フフフ、アナタタチハ、ニホンデ、グラビアアイドルニ、ナルノデスヨ」
  って何よソレ!? というかポロリ族ってアタシの国にそんな影響力持ってるの!?
  胸を隠すのも忘れてただ呆然と立ちつくすしかないアタシに、司祭はニンマリと悪魔のような笑みを浮かべた。
「ソレデハ、コンドノ、アイドルスイエイタイカイデノ、ミナサンノ、ポロリ、タノシミニ、シテイマスヨ。フフフフフフ…………」


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