四尺玉　上から見るか横から見るかルートＢ

四尺玉　上から見るか横から見るか
（ルートＢ）

　やっぱりここは「横から眺める」だな。花火を見るだけでも良いが、それにプラスアルファがあればなお良いことは明らかだ。
　俺達の返答を聞いた女は一つ頷くと、水晶玉を両手でなで回すように動かしながら語りかけてくる。
「それでは、心理テストはこれで終了です。今から結果をお伝えしますね。まず最初の質問ですが、これは皆さんがどのくらいの大きさの玉を望んでいるのかというのを明らかにするための質問です。お二人とも最大級の玉を選択されてましたから、特大の玉がお好きなんでしょう」
　？　何を言ってるんだ？
　女のその意味不明な解説に、頭に疑問符が飛び交う俺。
「そして２つめの質問ですが、これは玉の位置がどこにあるのが良いかを示しています。“低空”なら股間、“高空”ならさらに上ということです」
　股間？　その上？
　相変わらず女は訳の分からない説明を続ける。おい、これでどんな結果が出るっていうんだ？
　正直不安が否めない俺の前で、女は両の手のひらを水晶玉へとかざす。
「そして最後の質問は、皆さんが玉を見下ろすのが好きか、横から見るのが好きかというのを示しています。さて、これらの回答結果から見える、皆さんの本来あるべき姿とは……」
「うっ！？」
　次の瞬間、俺の隣で宮永が苦しげな声を漏らす。その声にとっさに宮永の方に視線を向けた俺は、そこで信じられない物を見た。
　前屈みになった宮永の髪が、まるで別の生き物のようにうねりながら伸びていき、腰までかかる長い黒髪へと姿を変えていく。着ている服が白いブラウスへと変わり、ズボンの二つの筒が飴細工のようにくっついて一つの筒となると、そのまま膝丈までせりあがって、その素材と色を変えベージュ色のスカートとなる。だが、それ以上に俺の目を釘付けにしたのは、むくむくと膨らんでいく宮永の胸だった。
　大きく成長したその胸は、清楚な服に包まれてもなお、周囲に強烈な色気を振りまいていた。
「ああっ！？　お、オレが、女に！？」
　宮永はそんな自分の胸が信じられないといった感じで、女のトーンで戸惑いの声をあげながら両手でその胸を鷲掴みにする。
「アン♪」
　次の瞬間、口から女の嬌声を漏らす宮永。
「ああ……こんな物が、オ、オレの胸に……。でも……手のひらに収まらないくらい大きくて、柔らかい……。これが……女の…………私の、胸…………♪」
　そう言いながら宮永はゆっくりと柔らかいタッチで自分の胸を愛撫していく。
　その姿に、俺の股間は不随意にいきり立っていた。
「お、お前……」
「！！　キャッ！？」
　思わず零した声に、俺が隣にいることをようやく思い出したのか、黄色い悲鳴を上げる宮永。
「ちっ、違うの！！」
　何が違うというのか、顔を真っ赤にしながら宮永は両手をブンブン振って自分の行為を誤魔化そうとする。そのオーバーアクションな動きに合わせてプルプルと弾むたわわに実った二つの果実。
　たまらず生唾をごくりと飲み込む俺の耳に、占い師風の女が囁きかけてくる。
「ふふっ、興奮するでしょ？　だって貴方は“彼女”の胸を横から眺めるのが大好きなんだから♪　さあ、我慢なんかしてないで、眺めるだけじゃなくて体で味わってらっしゃいな♪」
　その声に、俺の理性は完全に吹っ飛んだ。
「キャッ！？　な、なにするの！？　あ、ダメ！　あ、ああっ！？」
　 “彼女”へと襲いかかった俺は、そのまま床へと押し倒すと、欲望と本能のままにシャツをはだけさせブラをはぎ取り、その胸を貪るのだった……。
（ルートＢ　ＥＮＤ）

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