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プールで……
作:高居空
ああ、きもちよかった……。
ボクはプールの中でだれにも聞こえないような声でそうつぶやいた。
今日は夏休みの学校のプールが使える日。みんなといっしょにプールで遊んでいたボクだったけど、そこで急にトイレにいきたくなっちゃったんだ。
だけど、プールでおよげる時間は決まっているのに、それをぬけてトイレにいくのはなんだかもったいない。それに、トイレにいくってみんなにバレたら、それはすっごくかっこわるい気がする。
だから、ボクはプールの中でみんなにバレないようにしちゃったんだ。
おちんちんのあたりのう〜んという感じがなくなって、ほわあとした気分になるボク。
だけどそのとき、どこからかとてもこわそうな男の人の声がボクの耳にとびこんできた。
“コラ! プールで小便をするとは何事か!”
ひっ!
その声におもわずちぢこまるボク。しまった、だれだか知らないけど、おしっこしたのばれちゃってた!?
“ふん、そんな悪い子の金玉など、無くなってしまえ!”
えっ?
その声が耳にはいるやいなや、ボクのこかんからおちんちんのかんかくがなくなる。
“だが、それでは小便ができなくなってしまうな。それ、代わりの物をくれてやろう”
?
なんだかこかんがムズッとしたけど、おちんちんがもどったかんしょくはない。
“ふむ。しかしそれだとその水着はおかしいな。それ、ふさわしい物へと変えてやろう!”
その声があいずだったかのように、とつぜんボクの水着の布がぐぐっと広がっていく。前の布がボクのむねまでかくすようにのびると、タンクトップのような2本のラインがかたにあらわれて布を体にピッチリとはりつける。それはまるで、女の子の着てる水着のようだった。
「!」
そのことにビックリしたボクは。思わずおまたからちょっぴりちびってしまっていた。
“コラ! 懲りずにまたしてもプールで小便をするとは何事か!”
ふたたび男の人のおこった声がひびく。
“こうなったら、少しは小便を我慢できるように、お前の体を大人に変えてやるしかないな!”
その声が聞こえるやいなや、ボクの体がぐんぐんと大きくなっていく!
だけど次のしゅんかん、ボクはつよいいたみにおそわれてそれどころじゃなくなっていた。
み、水着が体にくいこんで……!
“おっと、そうだな。水着も体のサイズに合わせてやらねばな”
その声に合わせて、体をおそっていた水着のしめつけがすうっと消えていく。
いたみからかいほうされて、思わずふうっとひとつ息をはくボク。
そうしてしせんを下におろしたボクの目にさいしょにとびこんできたのは、おおきな二つのおっぱいだった。
ママのそれよりもずっとずっとおっきなおっぱい。それがボクのむねについている。
どういうこと? そう思ったとき、またあの男の人の声が聞こえてくる。
“ふむ、しかし大人の体にスクール水着というのは道徳上よろしくないな。それ、その水着も体にふさわしい物に変えてやろう!”
その声がひびくとともに、ボクの水着がふたたびかわりはじめる。
さっきはどんどんと大きくなっていった布が、こんどはぐんぐん小さくなっていく。上と下とにまん中から2つに分かれた布は、上はおっぱいのさきがかくれるくらいの大きさまで小さくなり、下はパンツよりも小さな布きれになって、こかんにぴっちりとはりついてくる。
「キャッ!」
なんだかはずかしくなったボクは、どこかのCMでみたお姉さんのような声をあげて、おっぱいをかくすようにうででかかえこんでいた。
そんなボクの耳にひびくあの声。
“ふむ、それと大人になったのならば、やはりきちんと働かなくてはな。それ、その体を十分に活かせる職業に就けてやろう”
その言葉が聞こえると同時に、ボクの頭の中に何かが入ってくる。
ボクは…………グラビアモデル…………?
“しかし、ただ単に職に名を連ねているというだけではまともには働けんな。それ、その職業に必要なスキルと知識も授けてやろう”
続けて頭に色々な物が詰め込まれていく。
“だが、いくらスキルと知識があっても、本人が嫌々やっていたのではすぐに離職しかねんな。それ、最後にその職業を楽しめるように、心も変えてやろう!”
瞬間、雷に打たれたかのような衝撃がボクの体を走る。
反射的に目をつむったボクがまぶたを開いたとき、最初に目に映ったのは、プールサイドでぽかんと口を開けている今日のプール担当の若い男の先生だった。
その先生の水着の股間の部分に目をやり、ごくりと生唾を飲み込むボク。
次の瞬間、ボクは先生に向かって、大きなおっぱいを見せつけるような挑発的なポーズを取りながら笑いかけていた。
「ねえ、センセ♪ そんなところでぼーっとしてないで、早くベンチに置いたそのスマホでボ……アタシのことを撮って♪ なんならプールの中に入ってきて接写してもいいわよ♪」
そう言ってウインクするアタシ。
「で・も・ね、興奮しすぎてプールの中で“おもらし”、しちゃダメよ♪」
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