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お悩み相談室inバレンタイン
作:高居空


  それでは次、ラジオお悩み相談室のコーナーでーす。今日も、リスナーさんのお悩みをわたしが魔法の言葉でキュキュン解決っていうことで、まず最初のお悩みはっと……はい、ラジオネーム匿名望(のぞむ)さん、かな? えっと〜、“僕はこれまでバレンタインデーで、家族以外にチョコをもらったことがありません。学校では、毎年いつもどれだけチョコをもらえたかとか聞いてくるクラスメートがいて、「うん、そこそこ」とごまかしてますが、すごく惨めな気持ちになります、もう家族のチョコはたくさんです。誰でも良いからチョコがほしいです。どうしたらチョコをもらえるんでしょうか”っと。おおう、これはなかなか深刻なお悩みですねえ……。
  う〜ん、正直、望さんがどんな人なのかわからないんで、これだ! っていうようなアドバイスは難しいんですけど、そうですねえ、まずは何故もらえないのかを知るために、チョコを渡す側の立場になって考えてみるっていうのはどうでしょう? 渡す側の気持ちになれば、自分が普段どういうことに気をつければ良いかとか、色々気付くこともあるんじゃないですかね。どうせなら、実際にチョコを作っちゃうのも良いかもしれませんよ。ほら、思い浮かべてみてください。相手のことを思ってチョコを作っている自分の姿を。
  どうです? 想像しているうちに何だか期待で胸が膨らんできたんじゃないですか? それってとってもとっても大事なことですよ。やっぱり無いよりある方が良いですからねえ。インパクトが違いますよ、インパクトが。
  さあ、そろそろ望さんの目も希望できらきら輝き始めたんじゃないですか〜? 良いですよ〜。キラキラ輝く笑顔は、誰でも可愛く見えますから♪
  そう! 今思いついちゃったんですが、もう一つ、解決策として、いっそのことチョコをもらわない立場になっちゃうっていうのはどうでしょう? チョコをもらえなくて惨めな気持ちになるっていうのなら、そもそもチョコをもらう側じゃなくチョコをあげる側になっちゃえば良いんです。どうです? 良いアイデアでしょう? 今の望さんならきっとできると思いますよ〜。ぜひぜひ検討してみてくださーい。
  は〜い、それじゃ望さんのお悩み相談はこの辺にして、次の相談にいきましょうか〜。え〜と、ラジオネーム……



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