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気功武闘伝紋章G
作:高居空


「俺の右手が光って疼く!」
  手の平を顔へと向け、力を込めた右手から光があふれ、広げた指がわなわなと震えだす。
  その甲に師匠から授かった“紋章”が浮かび上がるのを感じた俺は、力とともに全身の気をその紋章へと集中させる。
「お前を逝かせと蠢き叫ぶ!!」
  発光は急激な気の高まりとともに全身へと広がり、身に着けた黒地に胸に日の丸を模した赤丸が施された全身タイツも金色の輝きを放ちはじめる。
  それを見た対戦相手の全身タイツ男の顔には、明らかに狼狽の色が浮かんでいたが、俺は心を鬼にし、右手に集まった力と気、そして紋章からあふれ出す魔力を一つに練り上げる。
  俺にはやらなくてはならない使命がある。そのためには、全世界から集まった全身タイツを纏ったファイター達により繰り広げられる、地球をリングとしたこの一大武闘会を勝ち上がらなくてはならないのだ。
  この戦いを勝ち抜く。その思いは向こうも同じだろう。この武闘会に参加するファイターの中には、俺と同じく何らかの思いを背負って戦いに望んでいる者もいる。そうした者は、例えこの試合のように予選グループ総当たりのリーグ戦の中の一試合、それもリーグ戦序盤で星を落としてもまだ取り返しのつくような試合で敗色濃厚になったとしても、捨て試合にして余計なダメージを回避するといったようなことはせずに、最後まで勝利をもぎとろうとする。俺の目の前に立つ男もそのタイプに違いない。俺との力量の差はこれまでの攻防から分かっているはず。さらにこちらの大技の構えに動揺の色を隠せないところから見ても、ほぼ勝ち目はないことは悟ってはいるだろうが、それでもファイティングポーズは崩さない。
  いいだろう。向かってくるならこちらも余計な罪悪感を感じずにこの技を放てるというものだ!
「ひいいっさつ! インモラル! フィンガアァァァァァッ!!」
  叫びとともに数メートル以上離れていた相手との距離を最初の一蹴りだけで一気に詰めた俺は、想像を超えたであろう動きに目を見開く相手の顔面を右手でアイアンクローの要領で鷲掴みにする。
  そのまま5本の指の先から気と魔力を一気に相手の体内に注ぎ込んだ俺は、トドメとばかりに紋章の力を開放する。一際まばゆい光を放つ甲の紋章。
「カーズ……エンド!!」
  次の瞬間、対戦相手の体は轟音とともに爆煙に包まれた。
  煙で視界が遮られる中、指を放すとどさりと足下に何かがが落ちた音がする。
  やがて煙が晴れると、そこには地面に仰向けに倒れ伏し、肩で息をする対戦相手の姿があった。
  いや、正確には、それが俺の対戦相手であったとは、俺以外の誰も気付かないに違いない。なぜなら、地面に横たわるその姿は先程まで対峙していた奴とは似ても似つかぬものになっていたからだ。
  その身長は一回り以上縮み、体にぴっちりと張り付く全身タイツにより浮き彫りになっていた鍛え上げられた筋肉もすっかり削げ落ちている。さらにその股間にあった男の象徴はあとかたもなく消え去っていた。顔は、元の面影などまったくない、15、6歳くらいの誰が見ても美少女という感想をもらすであろう顔立ちへと変貌している。
  そう、俺の対戦相手は少女と化していた。それもただの少女ではない。体格の浮き出る全身タイツの胸には、その年頃の少女には不釣り合いなほどに大きく膨らんだ二つの果実があり、それとは逆に腰はくびれ、淫靡な体のラインを露わにしている。彼女は、まだあどけなさの残る顔に似つかぬ、成熟した女の肉体を持った美少女へと生まれ変わったのだ。平らになった股間部分のタイツは、どこか湿り気を帯びているようにもみえる。
  そう、これが、俺が修行の果てに師匠から右手の紋章とともに授かった奥義、“必殺インモラルフィンガー”の力だ。
  この技は、俺の気と紋章から放たれる魔力を相手の体内に流し込んで炸裂させることにより、相手を存在そのものから淫魔さながらの淫靡な肉体を持った美少女へと作り替えたうえで、強制的に絶頂させることができる。気と魔力が炸裂したときの爆音に紛れ分からなかったが、少女へと変貌した瞬間、この技を喰らった者は、嬌声とともに初めての『女の快感』に全身を震わせることになるのだ。
「はぁ……はぁ……あ……ん……」
  女の『イク』という感覚を知り、その余韻に大きな胸を上下させて息を乱している少女。
  だが、俺はまだ気を緩めてはいなかった。
  この技で心が折れた者、また女の快楽に溺れた者は、その衣装を自らの『女』を強調する、肌を大胆に露出させた覆う面積が極端に少ない布地へと変え、武闘会に付随して開催されるキャットファイト……ファイトとは名ばかりの、美女同士による脱衣・ポロリありのお色気格闘ショーだ……に参加するキャットファイターへと生まれ変わる。その存在そのものが最初からキャットファイターだったこととされ……その場合、俺は“原因不明の対戦相手不在”という形で不戦勝となるわけだが……、昼はファイトの中でさらけ出す肢体で観客の男達の視線を釘付けにし、夜は男の欲望をカラダで受け止めることに至高の快楽を感じる、淫らなメスへと心身共になり果てるのだ。
  しかし、目の前の少女は明らかに“女”ではあるが、その装束は少女らしい明るい色彩へと変わったものの、キャットファイト用の脱衣の危険性の高いセパレート水着ではなく、今だ全身タイツのままだった。つまり、彼女はまだこの武闘会のファイターであり、戦う意志があるということだ。
  それを証明するかのように、彼女はやがて頭を振りながら地に手をつき上半身を起きあがらせると、ゆっくりとふらつきながらも立ち上がってくる。
「まだよ、まだ……。まだ、アタシは戦える……!」
  美少女ファイターへと存在を変えられ、おそらく無自覚のまま女言葉を漏らしながらも、果敢にファイティングポーズをとる少女。
  その闘志に俺は内心敬意を表するが、勝負は勝負だ。俺には負けられない訳がある。勝利を掴む。そのためならば、たとえその手段が他人から見てどんな外道な手であったとしても、俺はそれを使うことを決してためらいはしない……!
  決意とともに、俺は少女に向かって先程と同じように右手の甲をかざし指を広げ、力を集中させる。気の高まりに応じて、再び甲へと紋章が浮かび上がるのを感じる。
「ひゃ! ああっ!?」
  だが、先程とは異なり、俺の右手への紋章の出現と同時に、目の前の少女の体、その臍の下の辺りのタイツに俺の甲とまったく同じ形をした紋章が浮かび上がり、俺の紋章と呼応して光を放ち始める。
  そう、これこそが、“必殺インモラルフィンガー”のもう一つの力だった。
  “必殺インモラルフィンガー”で女へと変えられた者の体には、変化時に俺の紋章と同じ形をした印が刻み込まれる。普段は肌の色と同化し目に見えることはないが、彼女達の前で紋章の力を発動すると、彼女達の印もそれに呼応して励起し、光を放ち始めるのだ。
  そして俺は、右手の紋章から発する魔力を離れていても彼女達の体へと直接流し込めるようになる。例えるならば、彼女達の体の印は、特定の電波受信機のようなものだ。そしてその電波受信機に魔力を送ることで、俺は彼女達の体へと一つの命令を発することができる。その命令とは、彼女達を『女』へと変えたときに与えた感覚を再現すること。つまりは強制的な性的絶頂だ。
  これにより、俺は行為に及ぶどころか指一つ触れなくとも、いつでも女に変えた相手をイカせることができるのだ。
  顔を上気させ、もじもじし始める美少女ファイターの前で、広げた右手の指をグッと握りしめる俺。
「あ! やっ、アッ、アアあああああああああぁぁぁぁっ!!」
  次の瞬間、美少女ファイターは上体をビクンとエビ反らせ、言葉にならない嬌声を発した後に、その場にバタンと倒れ込んだ。
  初めて女の絶頂を体感した後に間をおかずして連続絶頂した衝撃で彼女が完全に失神したのを確認した俺は、一つ大きく息を吐く。
  それに合わせるように宙に浮かんだビジョンには俺の名と「WINNER」の文字が映し出された。
  耳に飛び込んでくる歓声。だが、俺はこの勝利に喜びを覚えることはなかった。そう、俺の本当の戦いはまだ先にある。この武闘会を勝ち上がるのは、あくまでその戦いのステージに立つための手段であって、目的ではないのだ。格闘技を学んだのも、この紋章を受け継いだのも、全ては俺の宿願を果たすため。そう、俺は必ずあいつを…………。
  俺は敗者に背を向けると、紋章の刻まれた右手を強く握りしめ、そのまま振り返らずに次の戦いの舞台へと向かうのだった……。





「というような感じで、次の新作アニメは今流行りの『淫紋』をちょっとひねった、男が淫紋を使って戦うバトル物で行こうと思うんですが、いかがでしょう?」
「…………あまりにパクリが非道いので却下」



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