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ゲームブック
「真夏の即売会」
作:高居空
※この作品は、昔懐かしのゲームブック形式となっています。センテンスの最後まで行ったら、文末の分岐に示された番号又は指示された番号の振られたセンテンスへと移動して下さい。
「うへ〜、それにしてもこの暑さ、何とかなりませんかねえ、先輩?」
ほとんどサウナ状態となった館内で、君の隣に座る後輩の良太がぐったりした様子で愚痴をこぼす。
君は今、夏の大規模同人誌即売会イベントに参加している。成人男性向け創作ジャンルで活動している君は、今回運良く十万人単位で客が訪れるという超ビッグイベントのサークル参加の権利を得、売り子として連れてきた良太と共に自作の同人誌を販売していた。
会場内はこのイベントの一つの顔とも言える成人男性向けジャンルの配置日とあって、ほとんど成人男性の客で埋め尽くされている。そんなただでさえ暑苦しいところに史上まれに見る猛暑が重なり、会場のホールはさながら地獄絵図の様相を呈していた。
天井へと目をやると、そこには白い靄のようなものが立ちこめている。信じがたい事だが、ホール内の人間から発せられる熱と蒸発した汗により天井に一種の雲が形成されているのだ。通路では押しくらまんじゅう状態の群衆を強引にスタッフがかき分け、熱中症で倒れた参加者を救護室へと搬送していく。倒れた参加者は開場後しばらくは車椅子で搬送されていたが、数が足りないのか今では台車で運ばれていた。倒れてない客も全身汗だくだ。
スペースで座っている分客よりも幾分ましである君も、この暑さでこれまでに何回も意識が飛びかかっている。今のところなんとか踏みとどまっているものの、気を抜いたらいつ倒れてもおかしくない状況だ。
「はぁ〜、いっそのこと、あの天井の雲から雨でも降ってくれないっすかねえ。もしくは上半身裸になってもOKになるとか」
そんな良太のぼやきが耳に入った瞬間、君の身に天啓が下った。何故だかは分からないが、君が望めば良太の言っている事が現実になるような気がするのだ。君は……
・天井の雲から雨が降ってくる事を望む……1へ
・上半身裸になってもOKになる事を望む……2へ
・何も望まない……3へ
1
君が雨が降る事を望むと、突如天井の雲から信じられないくらいの豪雨が降り注ぐ。だが、同時にその雨は館内に不快な臭いを撒き散らしていた。君は今更ながら天井に出来た雲の元になったのが会場内にいる人間達の汗だったことに気が付く。
ところで、君が販売している同人誌、その媒体は何だっただろうか?
・紙媒体…………4へ
・デジタル媒体……5へ
2
君が上半身裸になってもOKになる事を望んだ次の瞬間、目の前の光景が一転する。会場内の男達、そのほとんどが一瞬にして上半身裸になっていたのだ。隣に座る良太もいつの間にか裸になっている。だが、中にはファッションに気を遣っているのかそれとも裸になるのはみっともないと思っているのか、服を着たままの者も少数ながら存在している。
ところで、今更ながらだが、君の性別は?
・男性……6へ
・女性……7へ
・分からない……8へ
3
何を考えているんだ! 君は自分の意識が混濁しかかっている事にすんでの所で気が付き、頬を叩いて気合いを入れ直す。
まだまだ閉会まで先は長い。君はペットボトルで水分を補給すると、目の前の通路を行き来する客に対して呼び込みを再開した。
(END1 いつもの即売会)
4
「あー!!」
突然隣に座る良太が大きな声を上げる。
その理由はすぐに判った。君達の机に並べてある同人誌、それらが雨に打たれグシャグシャになってしまっていたのだ。しかも、雨水を吸い込んだそれらからは汗特有のモワッとする臭いが発せられている。
君の即売会は終わった。
(END2 雨に打たれて)
5
「あー!!」
突然隣に座る良太が大きな声を上げる。
君はなぜ良太がそんな素っ頓狂な声を上げたのかすぐには理解できなかった。君の同人誌は水に濡れても問題ないCD形式のデジタル媒体で販売されている。雨に濡れたところでさほど影響はないはずだが……
しかし、机へと視線を向けた君は、デモ用に設置しておいた新品のタブレットの画面が死んでいる事に気付く。
おそらく、タブレットの修理費用は今日の売上よりも高くつくだろう。
(END3 高い代償)
6
君は上半身裸となっている周囲の者達を眺めながら思案する。
今現在、君はまだ服を着たままである。これを脱いでしまって良いものだろうか?
・売り手として最低限の節度は守るべきだ。脱がない……9へ
・暑さで倒れてしまっては元も子もない。脱ぐ……10へ
7
君は上半身裸となっている周囲の者達を眺めながら一つ溜息をつく。
いくら上半身裸でもOKとはいえ、女性が服を脱ぐわけにはいかない。館内の大多数が男という今の状況では尚更だ。11に進め
8
どうやら君は、自分の事も分からなくなってしまうくらい暑さでやられてしまったようだ。
気が付くと君は本来荷物を運ぶための台車に載せられていた。朦朧とする意識の中、スタッフの「台車が通りまーす」という声が遠くから聞こえてくる。おそらく荷物の運び先は救護室だろう。
(END4 即売会のお荷物)
9
同人誌とはいえ、物を売る以上客商売には違いない。そして、客に接するには最低限それなりの格好をしているべきだ。売り子が客に不快な思いをさせてしまっては売れる物も売れなくなってしまう。
そう考えた君は、服を脱がずに販売を続行する事にする。11に進め
10
この異常な暑さだ。変に意地を張って倒れてしまっては元も子もない。君は着ていた衣服を脱ぎ捨て上半身裸になる。11に進め
11
しばらくすると、君の隣で上半身裸になった良太が再び愚痴をこぼしはじめる。
「ふへ〜、やっぱり暑いっすよ、先輩〜。というか、何か一気に暑苦しくなったっていうか……」
良太の言う通り、会場は先程より確実に暑苦しくなっていた。半裸になった男達の上体からは滝のように汗が吹き出し、密度の高い通路では客の肌と肌とがぶつかり合って飛沫が舞う。館内の温度は変わっていないはずなのだが、むしろ体感温度は上昇したようにも感じられる。
「うう〜、やっぱり汗だくの野郎の裸なんか見ても暑さが増すだけっすよ〜。これがビキニ姿の可愛い女の子だっていうなら話は別っすけど……」
もはや妄言ともいえる良太の呟き。それに君はどう応える?
・会場の半裸の男がビキニ姿の可愛い女の子になるように望む……12へ
・もしそんな事になっても何の得にもならない。無視する……13へ
12
君が会場の半裸の男がビキニ姿の可愛い女の子になるように望むと、先程上半身裸でもOKになるように望んだ時と同じように、一瞬にして周囲の雰囲気が一変する。
君の周囲は、カラフルなビキニ水着を身につけた美少女達で溢れていた。谷間が遠目からもはっきりと分かるくらい大きく膨らんだ胸の上に珠のような汗を浮かべ、アニメイラストの描かれた大きな紙袋を片手にサークルのチェックリストを確認している美少女達。が、彼女達はまるで蜘蛛の子を散らすようにそそくさと君達のいるスペースから離れていってしまう。君は、君達の販売している同人誌が一般的な女性ならあまり興味を示さないどころか最悪嫌悪感を抱くおそれのあるジャンルであることに気が付く。
「はあ〜、売れませんねえ、せんぱ〜い」
そんな館内の様子を眺める君の耳に入ってきたのは、どこか甘ったるい感じのする女の声だった。
声の聞こえてきた方に視線を向けると、そこにはとりわけ大きな胸をした童顔の美少女がぱたぱたと手で顔を扇ぎながら椅子に腰掛けていた。そこは、さきほどまで良太が座っていた席だ!
「やだぁ、どうしたんですかせんぱい? そんなに見つめられたら良美、恥ずかしいですぅ」
そう言いながら顔を赤らめ身体をくねらせるビキニ姿の美少女。どうやら、良太は良美という少女に変わってしまったようだ。だが、その素振りからは彼女が良太であったという面影はまったく感じられない。彼女は心や記憶まで完全に『良美』という女になってしまっているらしい。
…………ところで、君は先程までどのような格好をしていた?
・男で服を着ていた……14へ
・男で服を脱いでいた……15へ
・女で服を着ていた……16へ
・女で服を脱いでいた……8へ
13
もしそんな事になっても何の得にもならない。これでこの館にいる男の大半が女になってしまったら、ここにある成人男性向けの同人誌が売れなくなってしまうではないか。
そう考えた君は、良太の呟きを黙殺する。君の判断が正しかったことを証明するように、君のスペースには良いペースで客がやってくるようになった。閉会を待たずして、君の今日持ち込んだ同人誌は完売する。
(END5 賢明な選択)
14
君は、大胆に肌を露出した良美に、元が良太と知りつつも不随意にどぎまぎしてしまう。そんな君に話しかけてくる良美。
ところで、君の作った成人男性向け同人誌、その内容はどのような物だっただろうか。
・ノーマルな18禁物……17へ
・百合物……18へ
・TS物……19へ
15
君は、大胆に肌を露出した良美に、元が良太と知りつつも不随意にどぎまぎしてしまう。
目のやり場に困った君が視線を机へと向けた瞬間、君の視界の端に奇妙な物体が映った。
それは、肌色をした柔らかそうな二つの膨らみに見えた。
それが自分の胸に付いていることに気が付いた君は、反射的にその物体を手で揉みしだく。
同時に君の脳を直撃するこれまでに経験した事の無い感覚。
見ると、胸を触っている指も自分の物とは思えないほど細く、腕もまた白く柔らかくなってしまっている。
君もまた、良美や会場で半裸だった男と同じく、ビキニ姿の少女と化してしまっていた。
唖然とする君に、良美が話しかけてくる。
…………ところで、君の作った成人男性向け同人誌、その内容はどのような物だった?
・ノーマルな18禁物……28へ
・百合物……29へ
・TS物……30へ
16
ここで聞くが、君と良太との本当の関係はどのような物だった?
・男女の関係……20へ
・ただの先輩後輩。というより良太は正直昔からの使いっ走り……21へ
17
「はあ〜、それにしてもほんとお客さん来ませんねえ〜。せんぱい、あれだけ頑張ってたのに……」
良美はそう言いながら自分の腕を君の腕へと絡ませてくる。
「でも、今日のお手伝いのご褒美はそれでもちゃんと頂きますからね。今夜は約束通り、良美を可愛がってく・だ・さ・い・ね♪」
君の腕を自分の大きな乳房へと押しつけながら、頬を少し赤らめ上目遣いで見上げてくる良美。どうやら、君と『良美』とはそういう関係になっているらしい。
結局、本は売れなかったが、その夜、君は良美を思う存分堪能した。
(END6 人生万事塞翁が馬)
18
「はあ〜、それにしてもほんとお客さん来ませんねえ〜。せんぱい、あれだけ頑張ってたのに……」
そう言いながら良美は、机に並ぶ同人誌を手に取る。
「でも良美、せんぱいの本、すごく出来が良いと思いますよ。せんぱい、もし売れ残っちゃったら良美にこの本一冊売って下さいね。夜に美味しく頂きますから♪」
どうやら、良美はそういう性的趣向を持っているようだった。君はとりあえず、一冊売上が確保できた事を喜ぶべきだろうか?
(END7 同人誌はネコのエサ)
19
「はあ〜、それにしてもほんとお客さん来ませんねえ〜。せんぱい、あれだけ頑張ってたのに……」
良美はそう言いながら自分の腕を君の腕へと絡ませてくる。
「でも、今日のお手伝いのご褒美はそれでもちゃんと頂きますからね。今夜は約束通り、良美を可愛がってく・だ・さ・い・ね♪」
君の腕を自分の大きな乳房へと押しつけながら、頬を少し赤らめ上目遣いで見上げてくる良美。どうやら、君と『良美』とはそういう関係になっているらしい。
「それにしても、せんぱいってTS物が好きですけど、ちゃんとした女の子にも興味あるんですね。それとも、良美が特別なんですか♪」
そう言って笑みを浮かべる良美。そんな彼女に良太としての記憶がない事は明らかだ。それを幸運と思うか、残念と思うかは君次第である。
(END8 幸か不幸か?)
20
君の隣で、女の色気を振りまいている『良美』。そこには君の知る良太の姿は欠片も存在しない。
呆然とする君に、良美が話しかけてくる。
ところで、君の作った成人男性向け同人誌の内容はどのような物だっただろうか。
・ノーマルな18禁物……22へ
・百合物……23へ
・TS物……24へ
21
君の隣で、可愛らしい笑みを浮かべている良美。これがあの使いっ走りの良太だったとは到底思えない。……そういえば、自分と良美との関係は、良太の時とまったく同じなのだろうか?
そう考えたとき、良美が君に話しかけてくる。
ところで、君の作った成人男性向け同人誌、その内容はどのような物だっただろうか。
・ノーマルな18禁物……25へ
・百合物……26へ
・TS物……27へ
22
「はあ〜、それにしてもほんとお客さん来ませんねえ〜。せんぱい、あれだけ頑張ってたのに……」
どうやら良美は、君が呆然としていたのは本が売れないからだと思ったらしい。言いながら机に並ぶ同人誌を手に取る良美。
「せんぱいの本、すごくエッチだと思いますよ。もっと男の人が来てくれれば売れるのは間違いないのに……。それにしてもせんぱい、こんなエッチな知識、どうやって仕入れたんですか? 実はそういう趣向の男の人とお付き合いしているとかですか?」
頬を赤らめながら尋ねてくる、君に知識を仕込んだ張本人。君は言葉を失った。
(END9 狂わされた関係)
23
「はあ〜、それにしてもほんとお客さん来ませんねえ〜。せんぱい、あれだけ頑張ってたのに……」
どうやら良美は、君が呆然としていたのは本が売れないからだと思ったらしい。だが、何故か良美は次に君の腕へと自分の腕を絡ませてくる。
「でも、今日のお手伝いのご褒美はそれでもちゃんと頂きますからね。今夜は約束通り、良美を可愛がってく・だ・さ・い・ね♪」
君の腕を自分の大きな乳房へと押しつけると同時に自分の腕で君の胸に触れながら、頬を少し赤らめ上目遣いで見上げてくる良美。どうやら、君と『良美』とはそういう関係になっているようだ。
君もそういう同人誌を出すだけあって、そのような関係に嫌悪感があるわけではない。彼女に自分への好意が残っていた事についても喜ばしく感じる。しかし、本当にこれで良いのだろうか?
そんな事を考えながらも、その夜、君は良美を存分に可愛がり楽しんだのだった。
(END10 狂わされた関係、新たな関係)
24
「はあ〜、それにしてもほんとお客さん来ませんねえ〜。せんぱい、あれだけ頑張ってたのに……」
どうやら良美は、君が呆然としていたのは本が売れないからだと思ったらしい。言いながら机に並ぶ同人誌を手に取る良美。
「それにしてもせんぱいの本、ちょっとマニアックですよね。こういうことが現実におこればそれは面白いとは思いますけど……。そういえば、こういうお話って、女の子になっちゃう人が男の人の意識や記憶を持ってて色々されちゃうっていうのがミソなんですか?」
そう真剣に尋ねてくる良美を前に、君は絶句するしかなかった。
(END11 せめて記憶だけでも……)
25
「はあ〜、それにしてもほんとお客さん来ませんねえ〜。せんぱい、あれだけ頑張ってたのに……」
どうやら良美は、君が考え事をしていたのを本が売れないのを悩んでいるととったらしい。言いながら机に並ぶ同人誌を手に取る良美。
「せんぱいの本、すごくエッチだと思いますよ。もっと男の人が来てくれれば売れるのは間違いないのに……。それにしてもせんぱい、こんなエッチな知識よく知ってますね。今付き合ってる方ってそういう趣向の方なんですか? 良美もそういう事、ちょっとされてみたいかも……」
頬を赤らめながら最後小声でそう呟く良美に、君は苦笑することしかできなかった。
(END12 する側からされる側へ)
26
「はあ〜、それにしてもほんとお客さん来ませんねえ〜。せんぱい、あれだけ頑張ってたのに……」
どうやら良美は、君が考え事をしていたのを本が売れないのを悩んでいるととったらしい。だが、何故か良美は次に君の腕へと自分の腕を絡ませてくる。
「でも、今日のお手伝いのご褒美はそれでもちゃんと頂きますからね。今夜は約束通り、良美を可愛がってく・だ・さ・い・ね♪」
君の腕を自分の大きな乳房へと押しつけると同時に自分の腕で君の胸に触れながら、頬を少し赤らめ上目遣いで見上げてくる良美。どうやら、君と『良美』とはそういう関係になっているようだ。
君もそういう同人誌を出すだけあって、そのような関係に嫌悪感があるわけではない。芽生える悪戯心。ここは存分に楽しませて貰おう。ただし、良太の時のように誰か飼い主かをしっかりしつけた上で、だ。
その夜、君は良美を存分に調教し、自分のペットとする事に成功した。
(END13 ペット調教)
27
「はあ〜、それにしてもほんとお客さん来ませんねえ〜。せんぱい、あれだけ頑張ってたのに……」
どうやら良美は、君が考え事をしていたのを本が売れないのを悩んでいるととったらしい。言いながら机に並ぶ同人誌を手に取る良美。
「それにしてもせんぱいの本、ちょっとマニアックですよね。やっぱりこういうのって万人受けはしないんじゃ……。ほんとに女の子になっちゃった男の人が売り子とかやってれば、体験談って事で売れるかもしれませんけど」
そんなの現実にはありえませんけどねと付け加える良美に、君は苦笑いを浮かべるしかなかった。
(END14 無自覚は罪)
28
「はあ〜、それにしてもほんとお客さん来ませんねえ〜。せんぱい、あれだけ頑張ってたのに……」
どうやら良美は、君が唖然としていたのは本が売れないからだと思ったらしい。言いながら机に並ぶ同人誌を手に取る良美。
「せんぱいの本、すごくエッチだと思いますよ。もっと男の人が来てくれれば売れるのは間違いないのに……。それにしてもせんぱい、こんなエッチな知識よく知ってますね。今付き合ってる方ってそういう趣向の方なんですか?」
付き合っている? その言葉を聞いたとたん、君の頭の中にはある男性の姿が浮かび上がる。
「そういえば彼氏さん、今日はお仕事で手伝えないってことでしたけど、イベントが終わった後で会う約束とかしてるんですか? もしそうなら良美、今日は終わった後別行動させてもらいますけど……」
そんな約束などない! そう口にしようとした君だったが、先程イメージした男性とこの後大事な待ち合わせをしていた事を思い出す。
イベント終了後良美と別れた君は、一旦家に戻ってシャワーを浴びた後、念入りに化粧をして待ち合わせ場所へと向かう。そこに待っていたのは君の好みにジャストフィットした男性だ。
その夜、君は自分の作った同人誌のヒロインさながらに男性に可愛がられる。
(END15 歪んだ現実)
29
「はあ〜、それにしてもほんとお客さん来ませんねえ〜。せんぱい、あれだけ頑張ってたのに……」
どうやら良美は、君が唖然としていたのは本が売れないからだと思ったらしい。だが、何故か良美は次に君の腕へと自分の腕を絡ませてくる。
「でも、今日のお手伝いのご褒美はそれでもちゃんと頂きますからね。今夜は約束通り、良美と一緒に楽しみましょう♪」
君の腕を自分の大きな乳房へと押しつけると同時に自分の腕で君の胸に触れながら、頬を少し赤らめ上目遣いで見上げてくる良美。どうやら、君と『良美』はそういう関係になっているようだ。
君もそういう同人誌を出すだけあって、そのような関係には理解がある。が、それはあくまで男として鑑賞する立場としてである。自分が女になって、女になった良太と楽しむ? その倒錯的な現実に、君の目に映る世界はぐるぐると回り始める。
「だいじょうぶです。今日もいつもどおり、良美がしっかりリードしますから♪」
半ば意識が混濁した君の耳に良美の声が響く。
その夜、意識が朦朧としたまま良美になすがままにされた君は、そこで新たな快楽を教え込まれる。
(END16 そして、ネコになる)
30
「はあ〜、それにしてもほんとお客さん来ませんねえ〜。せんぱい、あれだけ頑張ってたのに……」
どうやら良美は、君が唖然としていたのは本が売れないからだと思ったらしい。言いながら机に並ぶ同人誌を手に取る良美。
「それにしてもせんぱいの本、ちょっとマニアックですよね。やっぱりこういうのって万人受けはしないんじゃ……。ほんとに女の子になっちゃった男の人が原作者で売り子もしてますから、少しは売れるとは思いますけど……」
その言葉にはっと我に返る君。良美は自分が男だった事は覚えていないが、君の事は男だったと認識している!?
そんな君の腕に自分の腕を絡ませてくる良美。
「でも、今日のお手伝いの対価はそれでもちゃんと頂きますからね。これまでのレクチャーの総仕上げという意味でも、今夜は良美が女の子になったばかりのせんぱいに、女の子の気持ち良い事、お・し・え・て・あ・げ・ちゃ・い・ます♪」
君の腕を自分の大きな乳房へと押しつけると同時に自分の腕で君の胸に触れ、頬を少し赤らめながら色っぽい笑みを浮かべる良美。どうやら、良美は君に女とはどういうものかをレクチャーしてくれる頼りになる後輩という事になっているようだ。だが、今の言葉は……
不随意に顔が熱くなっていくのを自覚する君の耳に、良美が息を吹きかけるように囁きかけてくる。
「だいじょうぶです。今夜は良美がしっかりリードしますから♪」
君の理性はその一言で弾け飛ぶ。元々成人男性向けのTS物に興味があった君に、彼女……それも、記憶がないとはいえ元男性であったTS美少女……の誘いを断れるだけの意志の強さはない。自身に起こっている非現実的な事象を捨て置き、君は良美に全てを委ねることにする。
その夜、君は良美に導かれ『女』になった。
(END17 TS者の業)
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