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イート……
作:高居空
やあ、目が覚めたかい。すまないね、君を突然気絶させて連れ去るような真似をして。
私が誰かって? いや、どうせ言っても分からないよ。なにせ間違いなく初対面だからね。たまたまそこに君以外誰もいなかったもんだから、これ幸いと改造スタンガンで気絶させてここに運び込んだのさ。
いやあ、しかし助かったよ。バレンタインの贈答品を作ってたんだが、ちょうど材料が足りなくなってしまってね。私の発明した機械は、型に材料を突っ込むだけで勝手に贈答品を生成してくれる優れものなんだが、材料を入れすぎたのを調整する機能はあっても、さすがに足らないものをどうこうすることはできないからね。
どういうことか? なに、すぐに分かるさ。ほら、もう完成だ。
どうだい、見事なチョコレート色だろう♪ ああ、君はあと数時間は体を動かせないんだったね。これは失敬。じゃあ、失敬ついでにこのリボンで色々と飾り付けをだね……。よっ、よっと……。
うん、我ながら完璧な出来映えだ♪ さて、あとは箱詰めして、向こうに届けるだけだが……。
そうだ君、折り入って私からお願いがあるんだが、頼まれてくれるかい?
なあに、難しい話じゃないさ。誰かが君の入った箱を開けたら、相手にこう言って欲しいんだ。
『お願い♪ ワタシを食べて♪』……ってね♪
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