三連団子
その日、とある筏に釣りに行き、大方の予想通り、何も釣れていなかったときの
話である。
中野会長が、さびきをやり始め、仕掛けを投入した後、団子をぼんぼん
投げ始めた。何がやりたいのか、おおよその見当はついたが、念のため何をして
るのか聞いてみる。
返ってきた答えは予想通り、あわよくばさびきで、チヌが釣れないかなとのこと。
冗談で、「そんならさびきの針一本一本に団子つければ?」とからかって
やったら、返ってきた答えは予想に反して、
「それ、グッドアイデアやね!」である。
おもむろにさびき仕掛けの針一本一本に、ダゴチン用の団子をつけはじめる、
中野会長30歳。
連なる団子を見ながら、「3つが限界かな?」とかなんとか言いながら、団子の
端を持って、仕掛けを持ち上げる中野会長。
真ん中の団子が、筏の上にぼとんと筏の上に落ちる。
「やっぱり無理なのかなぁ」と首をかしげる中野会長。
そんな感じの釣法である。