6月10日  大知昭名人と一緒に磯で体育座りして〜







日本で最も有名なチヌ釣り師と言えば・・・    大知昭名人じゃないかと思います。

実力においても実績においても知名度においても、群を抜いていらっしゃると思います。



6月10日(日)、本日はそんな、私にとってはまさに神様とも言える存在の大知昭名人と一緒に磯の上で体育座りをして〜・・・







2人で、うぐいすのモノマネ合戦をやってきました!







日本広しといえども、昭名人のうぐいすのモノマネを聞いたことのある人は、なかなか居ないのではないかと思います。

ちなみに名人のうぐいすは、「ごー   ごげぎょ」  ってなってました。

チヌ釣りでは遥か彼方、私にとっては遠く足元にも及ばない、それこそ月とすっぽんぽん位の差があると思うのですが、
申し訳ありません。ウグイスのモノマネに関しては、私の方が上手なのではないかと・・・



それはさておき、どうしてこんなドジでのろまな亀みたいな、バカでうんこで鼻クソのような私が、このような雲の上の、それこそ
神様みたいな存在の方と一緒に磯で体育座りをしてうぐいすのモノマネ合戦ができているのかと言いますと・・・



本日は広島県大竹市に拠点を置く、「チームアクア」の、その中でも今年活躍をされた方がチヌ釣りの腕を競う、
年に一度の一大イベント、「アクアチャンピオンシップトーナメント」という名の釣り大会が開催されました訳で・・・



もちろん、釣りの大会中でも探検やら昼寝やらを得意とする私が参加できるはずもなく・・・

そしたらどうして広島まで行ってきたのかと申しますと・・・


広島の遠投釣法について、10号のカゴ浮子をブン投げりゃーええんじゃね? みたいな勘違いをしていると思われる私が・・・

チヌ釣りが本当に上手な方々の・・・    本物の広島の遠投釣法を見学させていただこうかと思ってしまったわけで・・・


撒き餌作りから荷物運び、ご希望とあれば肩たたきからうぐいすのモノマネまで、何でもさせていただきますので見学にお伺いさせて
いただいてもよろしいかとお尋ねしたところ、事務局のSさんから快くOKをいただけたわけであります。


いつも通り、お迎えは関門ちぬ倶楽部のゆりちゃん。 ちなみにゆりちゃんは選手として参加されます。
ほんで、宇部の梅ちゃんは正人名人の車で広島へ。梅ちゃんも正人名人も選手として参加です。

ちなみに、「波止のファンタジスタ」である江田氏も選手として出れたようなんですが・・・

地区の道普請(住んでる地区の道路や溝そうじみたいなもの)があるからとのことで、泣く泣く辞退。


当日も散々電話がかかってきて、「えーなー、えーなー、道普請なんて行くんじゃなかった・・・」とか言ってましたが、
まぁ、ほんと、歳とって結婚して子供ができたらねー、子供の学校の用事とか飲み会、職場の飲み会、同期社員やお世話に
なった先輩の送別会とかでもあろうもんなら、途中じゃ帰れませんもんね〜。 
同じ地区の人との円満な関係作りなんかもあって、色んなしがらみがあったりしたら、どうしても自分の時間に制限がかかって
しまいますもんな〜。

これはもう、しゃーないです。  江田君、また行きましょう。 


さて当日、2時に待ち合わせではありましたが、2時を過ぎてもゆりちゃんが来ません・・・
前日土曜日は昼過ぎまで娘の運動会。3時からは資格の支部の総会。6時から飲み会(無論ノンアルコール)そして恐らく
ノン睡眠ってことは聞いてたんで、恐る恐る電話かけてみると、「今家出たとこです。 遅れます。 すいません。」とのこと。 
良かった良かった。 とりあえず起きてた。

そんで私、「ええよええよ〜。無問題無問題。 なんくるないさ〜。 ゆっくり安全運転で来てください。」と伝えます。

おいら本日釣りしないし。


ってかね、先週、自分でやらかしてるしね。
やっぱねー、みんな好きで寝坊したり、好きで遅刻したりしてるんじゃないんですよね〜。
みんな誰も何にも言わないけど、誰もが何かを背負って生きていると思うんですわ。

そりゃー、誰だって釣りで朝が早い日の前日は、早く準備して寝たいと思うんです。

ただ、前の日は仕事で深夜まで残業しなくちゃならないかもしれないし、
仮に休みでも、翌日1日不在にするんだから、前の日には家族サービスもしておかなければなりません。
嫁の愚痴ひとつから始まり、喧嘩になることだってあるかもしれない。 そしたらそのフォローもしなくちゃならない。本当はみんな、
ガッツリ準備して、ガッツリ寝て釣りに行きたいのは山々。 けど、次の日に家を空けて家族に迷惑をかけるんだから、
そのフォローはきちんとしておかなきゃならない。


仲間内でも徹夜で釣りに来た人、大会に出た人、何人もいます。
でも、車の運転とか荷物運びとか、み〜んなフォローをしてくれますし、逆にフォローもしてあげます。

家族のこと、仕事のことで妥協はできないから、疲れた体に鞭打って、睡眠時間を削る。
そして次の日グロッキーで、釣り場に着いたは良いけど、磯に立つのは危険。

たかが釣り、釣りで食ってない以上、たかが趣味の釣りです。遊びといっていいかもしれない。
でも、遊びにもルールがある。しかも自然を相手にする遊びだからこそ、そのルールは遵守しなければならないと思っています。

だから前回のキザクラ、私は自ら身の危険を感じ、途中で釣りを放棄しました。
これ以上は危険、釣りを続けてケガして搬送とかになってしまったら大会がパーになり、他の参加者の方に迷惑をかけてしまうと
判断したから。  自然が相手の遊び、その辺は全て自己責任、自分の判断で全てを決めなければなりません。

外から見る分にはその人は元気に見えても、実は睡眠不足や風邪による体調不良で釣りどころじゃない。ってこと、多々あると
思うんです。  だから、そこはあくまで自分で判断をしなくてはなりません。 誰も判断してくれません。  


山口には、地磯から60cmオーバーの尾長やら、メーター級の真鯛が釣れる場所があります。
しかも大物は、時化てる時ほど釣れるんです。   あえてそこの場所の名前は書きません。
場所を隠すためではなく、何人、何十人もの人が、そこでアホみたいなバカ波にさらわれて命を落としているからです。


渡船なら船長が安全、危険の判断をしてくれるかもしれません。 落水しても船で助けに来てくれるかもしれません。
ただ、テクテク歩く地磯釣行では、その判断は全て自分でやらなければなりません。 あくまでも自己責任です。

せっかく撒き餌を作って準備して釣りに行った。 けど海は大きく時化てた。が、餌を捨てるのがもったいないからと無理な釣りをして
命を落とすくらいなら、私は釣りをせずに帰ります。  自ら釣りを放棄します。  それは体調が悪い時も同じ。

前日、どんな事情であれ、寝れなかった。 けれど、一応釣り場には着いた。 
しばらく釣りはしたものの、途中からは睡眠不足でフラフラ。  そこで釣りを続行して怪我をして大会の関係者他選手の方々に迷惑を
かける位なら、私は自らの釣りを放棄します。


要は結局何が言いたかったのかと言いますと、怪我なく一日釣り(昼寝や探検も含む)を楽しんで、無事に家に帰りつくことができたなら
それでいいんじゃないかって。  釣りに対する考え方は人それぞれだと思いますが、私はそんな考え。

しかし、私はその考えを人には押し付けません。 それぞれの人で考え方は違うでしょうから。
でも、それはそれで別に良いんじゃないですかね?  十人いれば釣りに対する姿勢や考え方、釣り方なんかも十人十色。
みんな違ってみんな良いって考えてます。       
ただ、ゴミのポイ捨てとか、釣りした後の釣り座の清掃とか、その辺に関してはそれ以前の話ですが。




そんでゆりちゃん、前日に寝てないから、帰りは私が運転しました。
私の家から更に遠い、下関まで帰らなくちゃならないですしね。 
だもんでゆりちゃんたら、帰りの車中では気を使って、「今日は交通費、ええですよ!」と、おっしゃられます。高速代やらガソリン代やら、
要らないとおっしゃられます。 いやいや、でもそこはお互い様。私だって寝坊するし、誰もが1度や2度は必ずやってるはず。
だから何も言いません。  「やっちまったね〜・・・  昨日は豊前田?(博多で言えば中洲みたいなもん)」  位の冗談で終わります。

私は何にも言いませんし、何も思いません。  思うとしたら、「時間的にやべーかな〜・・・」位。でもそんな時は自分で出発したら
良いだけの話。    みんな何かを抱えて生きているんです。 何かを我慢して、何かを犠牲にして生きているんです。

だからみんなおんなじ。  お互い様ですから。     仲間ですから。     って感じですかな。



さて、ゆりちゃんの遅刻から話が大きく脱線してしまいましたが、こっからが本題。
待ち合わせの時間の20分遅れくらいだったかなぁ。ゆりちゃん到着。   とりあえず、おいらは今回大会には参加しないんで、荷物は
クールバッグ一つ。


聞けばゆりちゃん、今日は撒き餌も作ってないそうで、向こうに行ってから練るそう。 時間厳しいね〜・・・    とか思ってたら、
そっからは本日、ゆりちゃんがスーパーサイア人に変身。 
黄金のオーラを身にまといながら法定速度を遵守しております。

そしてスーパーサイヤ人のゆりちゃん、触れて良いものか悪いものか、変身の際に髪型までもが変わっちゃってます。
パーマと言えばパーマかもしれないし、寝癖と言えば寝癖かもしれない・・・。
私が酒飲んで風呂入って、髪の毛乾かないままに床で息絶えてしまった日の翌朝には、ゆりちゃんみたいなクルクルパーマになってます。  
ほんとそっくりです。 なので、あえて髪型のことは触れないでおこうと思います・・・。

で、道中はゆりちゃんの低燃費が売りの新車のプリウスが、あっという間に高燃費車に早変わり \(◎o◎)/!   
                                                           (どっかで聞いたフレーズだ・・・)

「すげーねゆりちゃん、俺今、小宇宙(こすも)を感じとるわ・・・」って話しかけると、「いやぁ、ジャパンカップ徳山ん時のタコさんには
かないませんよ。」とのことですが・・・     

多分、運転している当人よりも、助手席に同乗している時の方がスピード感を実感できるんやろね。  
とにかく、「マッハ GOGOGO〜♪」 って感じでしたわ。


ほんで、過去最速のタイムで大竹の、プロショップアクアに到着! 


で、ですね〜、本日の大会は18名の精鋭の方で争われます。  ちなみに昭さんは役員として色々と動かれるようです。
そして、急遽参加者の方に欠場が出て、九州から来られていらっしゃったマルキューフィールドスタッフのSさんが選手として参戦。



   
                          

参加者一覧。   OH・・・    錚々たる顔ぶれ・・・
(なんですが、あえてぼかしてます。  念のため、一応・・・  ね。)


 

1回戦は18名の中から2人で全後半戦、50分ハーフの10尾の総重量戦。
2回戦と決勝は3人で、50分ずつを3回交代で。

1回戦の18人が2回戦で3組9人になり、決勝戦は1組3人になります。  ほんで、決勝はみんなで観戦です。

ちなみにそれぞれ一人10枚の総重量です。


ちなみにおいらは、お手伝いでこの表と検量セットを持って、勝ち残った人を書いていく係。
一番最初に磯に上がって、勝ち残った人を各磯回収時に、順番に対決表に記入していく役目です。


ほんで1回戦の見学は、Yさんと九州のSさん。 「 長浦のカベ 」ってとこで観戦兼タイムキーパーです。
ノートにメモを取りながら、時系列で2人がどんな潮の時にどんな撒き餌ワークをして、どんなツケ餌使って、どうやってチヌを
釣っていくのかをメモする作戦です。





それで〜・・・




2人の釣りを〜・・・




じーっと眺めていたら〜・・・







沖の方から全選手を各磯に下ろし終えた大知渡船、大知丸の姿が見えてきて〜・・・





そんで〜・・・    ホースヘッドには〜・・・     かの有名な皆さんご存知の〜・・・       大知昭大先生でございます!




「 長浦のカベ 」 の釣り座から、ちょっと離れた所に船を着けて、歩いてこちらに来られました。
九州のSさんが、どうやってチヌを釣るのかの見学だそうです。

それで私は、そのSさんを見学されておられる、昭さんを見学。
前日はこの場所で二桁釣られたそうです。    いやはやいやはや。



しっかしですね〜、先週同様、今日の阿多々も渋かった〜・・・。
前後半を通して、ヒットはYさんの1回のみ。 その1回も瀬に張り付かれての無念のバラシ。






聞けばYさんも、昨日はほとんど寝ておられないそう。 後ろの松の木を釣ってみたり、傍から見ていても今日は本調子じゃないなとは
思っていましたが。

そして、結果は0対0。  Yさんも本日危険を感じ、自ら釣りを途中で止められました。

そして、じゃんけんするまでもなく勝ちをSさんに譲られました。 

「今日はこんな体調で大会に来て、無様な釣りを見せてすいませんでした。」と、昭さんやSさんや私に謝ってこられるYさん。  
いえいえ、な〜んもなんもです。ほんと、全然問題ないです。 っていいますか、釣り方を遠投に変えられ、掛けられた貴重なチヌとの
やりとり、瀬に潜られはしましたが、あの切り替えの早さとチヌを掛けた後の雄姿、しっかりこの目に焼き付けております。
今度本調子の時に、是非一緒に上がってチヌ釣り教えてくださいね♪


 

釣り方を遠投に変えられた一発目に、チヌがヒット! 

のYさんの勇姿!




ほんで、選手を回収しながら各磯の釣果及び、勝ち抜けの選手の確認を行う私。

ってかねー、ほんと、今日の阿多々は渋い渋い。 これが宮島方面なら釣果も上がるようですが、前々日に降った雨等の影響をモロに受ける
阿多々島、先週おいらがボーズ喰らったのも雨の影響を受けたせいで、そりゃ仕方ねーわなとさりげなく自分を正当化。

しかし、ほんと今日は一日を通して全体的に魚出なかったです。




そんで2回戦。

ゆりちゃんは1回戦、釣果なしのじゃんけんで勝ち上がり、梅ちゃんは同じく両者釣果なしのジャンケンでの負け。


ちなみにどっかで見たことのある内浦の松の木の下で、
どっかで見たことのあるクルクルパーマの人を発見!
ジャンケン勝ちで2回戦進出です!





2回戦、1回戦で負けた人はそのまま残って釣りをしても良いそうなんですが、梅ちゃんも見学に回りました。 梅ちゃん、その辺さすがよのー。
梅ちゃんは2回戦1組目のゆりちゃんの試合。

ほんでおいらはどこの試合を見るかな〜と思ってたんですが、3組目、御年74歳のK名人が勝ち上がっておられますので、その試合を見学させて
いただきます。

釣り場は阿多々の0番ってゆー広い磯。ゆりちゃんの釣りも見たかったんですけどね、ゆりちゃんは家近いし、いつでも見れるかな〜って感じで。

ちなみにですね、世界のチヌ神様もここで降りられました。    おいら普段は全然何にも持ってないけど、今日は何か持っとるぞ!


それでですね〜、この2回戦のKさん、Nさん、Fさんの試合なんですけど、ほんと凄かったです。
まずはKさん、74歳とは思えないパワーで遠投。しかも撒き餌も完璧にドンピシャです。


大会が終わった後の総括で、昭さんが今日はKさんに決勝に上がってほしかったとおっしゃられてました。
理由は、74歳になってもこれだけの釣りが出来るんだぞというところを、全員観戦の決勝戦でみんなに見せてあげたかったとのこと。

60歳を超えられ、今度は昭さんがKさんを目指し、行く行くは親子三代でジャパンカップの決勝をやってみたいなぁとおっしゃられてました。
いやぁ、楽しみにしております。   70歳になっても80歳になっても常に日本を代表するチヌ釣り名人でいてください!

そんで、そのみんなに見てほしかったと昭さんがおっしゃるKさんの釣りを、唯一見学したのがこの私。 (フフフフフッ)

しかしねー、ほんと凄かったっすよ。 むしろ感動すら覚えました。
みんなに見て欲しかったという昭さんの言葉の意味が、私だけ思いっきり理解できます。 (フフフフフッ)


もうね、とにかくブレない。 最初から最後まで、自分の信念を曲げられない釣り。1試合目から遠投を続けられ、2試合目も全く落ちない遠投力。
しかも、後でお聞きしたら、利き腕とは反対の左手での撒き餌遠投とコントロール性能。
こちらは太陽が出てきて暑い中、座って見学してるだけでもぐったりしてるってのに、この釣力には脱帽。 ほんとに良い釣りを見させて頂きました。

ちなみに余談ですが、Kさん、どちらかと言えばクロ専門だそう。
先日も瀬戸内のとある場所で、口太の46?47?cmというまさに瀬戸内記録とも言える魚を釣られたとのことですが・・・。   
こりゃーそのうち小野田一文字でも尾長が出だすな・・・。


ほんで試合内容ですが、3人並んで海を前にし、最初はFさん、Nさん、Kさんの並びで釣り開始。

この阿多々の0番は、めっちゃ広くて高い場所から3人の釣りを見渡せるのですが、皆さんやっぱり投げる投げる。 
しかもコマセも的確。  凄いっす。



そんで〜        2回戦のこの 「 阿多々の0番 」の高い場所の木陰で〜        隣には世界の大知昭さんです。


まぁ、なんということでしょう。  3人の釣りを見学させていただきながら、匠から色々と情報を聞くことができます。


一言一句、ありがたいお言葉は全てメモさせていただく気で、必死でメモ取りました。

こういう時の攻め方、撒き餌の打ち方他、「これだけ食わん時には、こういう攻め方はどうですか?」との質問にも、
「有りと思うよ。目線変えて、色々やってみた方がええのー。」 とかですね、色々な情報を収集です。

ほんで、とある選手が撒き餌打つ時に、名人が、 「あー、なんでもう1杯打たんかのー・・・」 って、私に聞こえるか聞こえないかの声で
ぼそっと呟かれました。  もちろん私は聞き逃しません。    終始聞き耳を立てておりますんで・・・。


そして私、即座にその呟きに反応。

「え? 今の、なんでもう1杯打たんかのー・・・  の、根拠は何なんです?」って聞いてみました。 これってかなり大事な情報だと思います。


そしたら名人から、 「かー、今のを聞いちょったか・・・   お前しわいのー 」 って言われました。

広島弁の「しわい」、ネットで検索掛けたら色んな意味が出てきたんですが、ここでの 「しわい」 は、「抜け目ない」とかそういう意味に
なってくるんじゃないかと思います。


昭名人「 エサ取りじゃーや  エサ取り。」

私「ほーほー、餌取り対策ですか・・・。」

昭名人「 バカ。 違ういや。 お前がエサ取りって言いよるんじゃ。」    


ここでの名人の 「しわい」 は、どんな些細な事にでも敏感に反応する、私への最上級の褒め言葉でしょう。 (よし。褒められた!)  
活字にすると口が悪い人みたいですが、その場の雰囲気は和気藹々です。 凄く優しくて良い人です。 もうね、ほんと神様。
大知教とかってゆー宗派があったら、間違いなく私は入信すると思います。


で、私「あーなるほど。私がエサ取りみたいに群がってくることが しわい って感じなんですね。  で、もう1杯の根拠は何なんです?」

と、さりげなく聞いてみましたが、

昭名人「バーカ。言わんいーや。 誰が手の内を明かすかいや。」


と、残念ながらこれは教えてもらえませんでした。 もうちょっとしつこく聞けば教えてもらえそうだったけど、とりあえず、
「これからは撒き餌打った後に、プラスもう1杯って気持ちで!」ってメモ。 

しかし、今になってあのもう1杯の根拠、やっぱりきちんと聞いておけば良かったなぁとかなり後悔。
今度聞いてみよ。   でも次は、仮に覚えておられてもそんな事覚えてないって言われるんだろーなー。
まぁ、気持ちプラス1杯ってことで良しとしとこー。


そんで時刻は10時20分。2回戦3試合目の開始直後のことでした。
釣果はNさんが1試合目開始30分で1枚をゲットされたのみ。 試合も小康状態が続いており、のんびりとした時間が流れておりました。
後ろではうぐいすがのどかに「ホー ホケキョ」と鳴いております。

そんな沈黙した時間を一気に破られたのが、冒頭の名人の  「ごー  ごげぎょ」 のうぐいすです。

「え? いきなり何?」と、ポカン顔した私に、 「 見てみ、 うぐいすもびっくりしよるじゃろ。  ごー ごげぎょ   ごー ごげぎょ 」

いやいや、うぐいすもびっくりかもしれませんが、もっとびっくりしてるのはこの私なんですが・・・   

なおもブレずに、うぐいすの鳴きまねを続けられる名人。    「ごー  ごげぎょ   ごー  ごげぎょ  」 



しかし、これにはきっと何か意味があるに違いないと思った私、必死にメモ。「10時20分 昭さんうぐいすのモノマネ・・・」

それを見た昭さん、「バカ、そんなことまでメモせんでえー。          ごー ごげぎょ 」

私「あっ、そうなんですか?」 と答えながらも、私は一応こっそりとメモ。

「ちなみに鳴き方は  ごー ごげぎょ」 と。        う〜ん、我ながらしわいぞ。  私。



そんで話を試合に戻します。
相変わらず、試合はNさん1枚、Kさん0、Fさん0のまま。
ただ今の釣り座は、海を前に、左からNさん、Kさん、Fさんの順番。
潮は左から右です。

名人「Kさん、ブレずにずーっと遠投しよってじゃろ?」

私「はい。」

名人「それで潮上のN君とずーっと同じ筋に仕掛け流しよるじゃろー」

私「はい。」

名人「今の時間帯、N君はKさんのために撒き餌打ちよるみたいなもんじゃけーの。Kさんはグレ師じゃけーハリスが短いけど、
    何かのきっかけでちょっとチヌが浮いたら、Kさんに来るで。 たった1枚のチヌで勝負は変わるんじゃけーのー。
    たった1枚で人生が変わるんじゃけーの。  じゃからわしはいつも言うじゃろ? 最後の1投まであきらめるなって。」


過去に、何度も最後で勝負をひっくり返してきておられる名人。言葉の重みが違います。


私「そしたら、今みたいなNさんが1枚リードの状況で、撒き餌撒いたら潮下の選手に有利になってしまうこの状況、仮に昭さんが
  Nさんの釣り座に入って釣りをするとしたら、どんな釣りをされるんですか?」      

私にしては、かなり核心に迫った質問をしてみます。



そしたら、案の定、革新的な答えが返ってきました・・・







名人「そうじゃのー。         わしじゃったら・・・            泳ぐ。」






ほほう。  なるほど。 さすがは名人のお言葉、重みが違います・・・。  速攻メモです。 こんな時には・・・ 「泳ぐ!」  っと。



で、気になる勝負の結果なんですが、1枚リードのNさんが終了8分前に2枚目を掛けられました。
ボラの大群をヒントに釣り方を変えられたとのこと。 そして、この時には私、正直勝負あったと思ってました。

しかし・・・   名人の最後まであきらめるなと言うお言葉通り、終了間際3分前、今度はFさんが掛けられました。

これでNさんとFさんとで2対1なんですが、サイズ的にはFさんの方が・・・
これは検量してみないとってことで検量の結果は・・・     わずか100gの差でNさんの勝利!

今日はチヌの活性が悪く、ここも厳しい戦いでしたが、ちょっとしたきっかけでチヌが浮いてきていたら、Kさんが勝っても
おかしくない戦いでした。しかも、ラスト8分前にNさんがボラをヒントに2枚目を釣っておられなければFさんが・・・

6月にも関わらず、真夏のような炎天下の中、皆さんが集中力を切らさずに戦っておられました。
本当に凄い試合を見せてもらいました。 この試合、一生忘れません。       

あと、昭名人の別の意味での凄いモノマネも・・・        一生忘れません。      「ごー  ごげぎょ・・・」



そして最後の決勝戦は、先ほど100gの差で勝利されたNさん、次のダイワのチヌの全国大会に出場予定のKさん、更には
この大会の事務局でありマルキューのフィールドスタッフ、更には来年のシマノジャパンカップ黒鯛の決勝にも出場される
Sさんです。  しかしまぁ、なんとハイレベルな戦いでしょう・・・。


SさんとNさんとKさんの決勝進出3選手ががっちり握手
カメラマンの腕が悪いせいで、Kさんが見えません・・・

右端で僅かにカメラに写りこんでいらっしゃるのが
チヌ神様です。




そしてですねー、決勝戦の釣り場は 「ヒナダン」ってゆー、これまた広い磯。

2回戦同様、こちらも50分×3試合の、計2時間30分の戦い。
この決勝戦もまた、白熱しておりました。


決勝戦1試合目でKさんが1枚釣ってからは海は沈黙の状態へ。
ボラはウロウロしていますが、なかなかチヌは顔を覗かせません。

それでもみなさん、投げる投げる。 必死で投げ続けます。

そして、試合も3試合目、オーラスの最後の最後、「ラスト3分で〜す!」 のタイムキーパーの方の掛け声。


私はその時、KさんとNさんを観戦しておられる名人を観察しておりました。


名人「残り3分、ここでそのまま仕掛けを流すか、もう1回投げ直すかも勝負の駆け引きよ。」

私「ほーほー。」

Nさんのポイントはボラがぐるぐる回って、めっちゃ雰囲気あります・・・


そして、残り3分でもう1回投げるの方の選択肢を選ばれたNさん。


名人「最後で余っとる撒き餌をドカ撒きするじゃろー。 今のあのボラの状態じゃけー、最後にポロッとあるかもしれんでー。」

私「これで掛けたらドラマですね〜・・・」   みたいなことを言ってたら・・・



ほんとに最後の1投でドラマを起こされたNさん。

観戦者一同大興奮でNさんの釣り座へ。
そりゃーもう、みんな大歓声でしたわ・・・

やり取り中に終了の笛が鳴りましたが、
掛けた魚は3分以内に取り込めばOK!




ほんで、無事に取り込み完了!

いやぁ、Nさんには、2回戦でもそうなんですが、
この決勝戦でもすげーもん見せていただいたっす。

ちなみに、この感動を写真と一緒にホームページに
載せさせてもらっても良いですかと聞くと、
快くOKしていただきました。

いやー、ほんと、感動しました!




結果、NさんのチヌはKさんのチヌには及ばず、Nさん準優勝だったのですが、このチヌでNさんは名人戦への
切符を手にされました。

ほんと、最後の1投まであきらめないという気持ちと精神力。
まずは私、その辺から鍛え直さなきゃいけないと思いました。
今回のこの大会の全体を通して、まだまだおいらの実力なんてうんこみたいなもんだとわかりました。
やっぱ練習しなきゃだなぁ〜。

ほんと、1から自分の見つめ直しです。  気持ち入れ替えてがんばろっと。
今日一日、色んな選手の方に、色んな素晴らしいものを見させてもらいました。
広島風の本物の遠投釣法が、少しだけわかった気がします。

本日、最後には事務局のSさんから、「今日は手伝っていただき、ありがとうございました。」とのお礼を頂きましたが〜・・・

いやいやなんもなんもでございます。



ってかむしろ〜、 恐らくほとんどの人が気付いていないんじゃないかと思うんですが〜・・・

実は本日〜・・・     一番の役得だったのは〜・・・・




「この私ですから〜   切腹!」     
← あ、切腹ってわかんないです?だいぶ昔、ギター侍ってゆー人が
                                    やってたギャグなんですけどね。     「 ごー  ごげぎょ・・・ 」