11月07日 ヒラマサ釣り そして・・・・
11月7日(日)、今日は会長と中村君と私の3人で、背負子担いで野宿をぶちかまして、久しぶりに山陰へ、
ヒラマサ釣りにやって来ました。
さて、ぼちぼち本格化してきた響灘日本海方面の秋磯、そりゃーもう、釣れる魚も多種多彩。
「クロに青物それから真鯛、みんな違ってみんな良い。」
今日も前日入りで釣り座を確保し、焚き火で暖を取りながらお楽しみの鍋焼きうどんで寝酒を一杯。
あぁ、何とも言えぬ至福の時。 満天の星空は、 「よっ、久しぶり!」とばかりに私達を迎えてくれているかのよう。
天気予報によると明日7日、放射冷却はなく最低気温も10度位らしく、ヒートテックに防寒着着てたら大して寒くも
無かったんで、寝袋を持って来ちゃーいたが使わずに就寝。
ほろ酔い気分で見上げる星空は、まるで私のハートのように純粋で澄み切っていました。
で、翌朝。目覚ましは5時半にセットしてたのですが、案の定天気予報とは裏腹に、強力な放射冷却による寒さによって
目が覚めます。荷物は朝露で水浸し。さすがにまだ凍ってはいませんでしたが、
「放射冷却は無いって嘘ばっかりやーん」と、天気予報に突っ込みを入れながら、すでに目を覚まして焚き火に
あたっていた会長の所へ向かう。最低気温も、絶対10度を下回ってるなーとか思いながら、この寒さの中二度寝は無理。
そっこーでお湯を沸かして、カップヌードルで体を中から温める。
で、会長さんに寝れたかどうか聞いてみたら、なんとほとんど寝れなくて、睡眠時間は10分程度だそう。
なんか、家のベッドじゃないと落ち着いて寝れないとかで、私も悪天候には弱いおぼっちゃま育ちのヘタレンジャー
だが、君は私レベルのおぼっちゃまを通り越して、御坊茶摩だな。 どもだちんこ!
で、そーこーしているうちに中村氏もごそごそと起き出してきて、3人揃って釣り開始。
私と会長さんは、朝一は尾長の一発狙いだが、中村氏は尾長や真鯛の誘惑に負けないためにも、ヒラマサ一本勝負
ってことで、他のタックルは一切持ってきていないらしい。いやぁ、男だねぇ・・・。
私も朝一は尾長狙いで釣り始めたものの、結局尾長は出ず、足の裏の口太1枚。とりあえず会長さんのスカリに
キープしてもらう。
その後はサビキをシャクシャクして泳がせ釣りのための鯵をキープ。浮いてくれば、タモで掬える技術を習得した私が
掬ってやろうかと目論んでいたのだが、鯵の姿は既に疎らで、サビキで何投に一回か豆鯵がようやく釣れる程度。
数匹ほど生かしバッカンの中にキープして、本命のヒラマサ狙い。会長はんも狙いをヒラマサに変えた模様。
しかし・・・、 アタリがない。
少し離れた中村君の釣り座では、ダツやアオリイカが鯵にちょかいを出してくるようであるが、私らんところは、
流した鯵が姿を変えずに、丸っきり原型で残って帰ってくる。
そうこうしているうちに、中村君、60cm位のスズキさんをゲット!その後も70cm位のを釣り上げ、とりあえずは
お土産確保。 そんな中、私にも、な〜んとなくアタリが来た。
浮子は海面に沈んだままだが、どうもラインが走らない。
パラッ。パラッ。と、な〜んとなくラインが出て行く。一応念のためにガッツリと合わせてみると、沖で水柱。
60cm位の鈴木君です。
で、数発のエラ洗いのあと、痛恨の針はずれ。というか、チモトクリンクリン。
初めて使うハリス10号。 チモトはペンチで締めないといけなかったんでしょうな。
太ハリスを使うときには注意が必要だなと、良い勉強になりました。
で、とりあえずその後も何回かチャンスはあるでしょ。と楽観的に考えていたのですが、これが見事にそれっきり
魚信は止まり、会長はんもすっかり青物狙いに飽きてしまい、中途半端にクロ狙い。
しかも、その狙いのクロも釣れないもんだから、遂には釣りを放棄。
前日にほとんど寝れてないのと、魚が釣れない苛立ちから、「魚釣りなんてもうやめた。」と、本気の釣り引退宣言。
普段、冗談で言うことはあっても、今の彼の表情はかなりの本気モード。 本気モードの引退宣言。
私も、「俺ら、こんなの日常茶飯事やん。ボーズなんてしょっちゅうやん。そんな寂しいこと言うなって。」と、
本気の励まし。しかし、そんな私の励ましをよそに、「だって眠たいし、魚が釣れんのじゃーや!」と半ば半泣き。
君は小学生か?とか思ってる私の側で岩に寄りかかって、はぶてて睡眠モードに入る。
まさかの、予想外の会長の引退宣言に戸惑いながらも、とりあえずはそんな会長を携帯でパチリ。
「これが会長さんの、釣り場での最後の写真になるかもしれんのー・・・。」とか考える。
で、そんな会長はとりあえず放っておいて、私は鯵を投げ続ける。
しかし、私の執念もむなしく、本日青物の回遊は無し。
そりゃー、魚が居なけりゃ釣れませんわのー。 しゃーないしゃーない。
で、今日もボーズかと竿を起き竿にしたまま道具を片付けていると、ドラマは最後にやってきました。
置きっぱなしにしていた置き竿から、いきなりラインがバチバチーッ!と強烈な音を立てて・・・!となれば
それなりにかっこ良かったんですが、音はゴロゴロゴロー。
思わず足場の悪い釣り座で、道具一式をしまいこんだ1万円近くもしたダイワのトーナメントバッカン40cm+
その中に入れていたプロバイザーバッカン35cm+更にその中に入れていた水汲みバケツ、トーナメント杓立て、
スカリ、スコップ、餌箱等々の推定2万円相当を、思わず自ら蹴っ飛ばして、海にダイビングさせてしまいました。
慌ててタモを伸ばすも潮の流れは想像以上に速く、タモの先が僅かにバッカンにかすったのが精一杯。
推定2万円は、ぐんぐん沖へと遠ざかって行きます。
速攻で今しまいこんだばかりのダイブマスターを取り出し、メタルジグを結んでフルキャスト。
隣では、半泣き状態で一生懸命キャストを繰り返す私を笑いながら、流れていく2万円の最後の姿を写真に
撮ってくれている中村氏。 そんなことする暇があったら一緒にメタルジグ投げて!
そして、私の祈りが天に通じたのか、遥か沖で、キャストしたメタルジグにトーナメントバッカンが見事にヒット!
バラさないように慎重に寄せながら、瀬際での最後の突っ込み(サラシに揉まれている状態ともいう。)を
見事に交わし、捕獲完了。 いやぁ、今日一番の大仕事でした。
半分あきらめていた推定2万円、魚が釣れるよりも遥かに嬉しかったですわ。
帰り道、再び重たい背負子を担いで、来た道を戻る。ボーズ喰らった会長の足取りはとっても重かったですが、
私は軽快なステップと共に、何ともいえない充実感に満ち溢れていました。
それはきっと、無くしかけていた2万円を回収することができたからに他ならないからでしょう。
「足が折れそな山超えて、落ちたら死にそな崖下り、今日も行く行く今日も行く、ボーズ喰ろても今日も行く。」
なんか、とっても良い感じの詩が思い浮かびました。今度、なんかの新聞のコンクールにでも応募してみましょう。
ちなみに、半べそ状態で堂々と釣りを止めると宣言してた会長は、私が釣った足の裏のクロをあげたら、機嫌が
直ったみたいです。
どうせ釣りをやめるなら、彼の持っている全ての竿やらリールやらを全部貰おうと思ってたのに・・・
ん〜、残念。 励ますんじゃなかった。
再び焚き火の季節がやってきました。 極寒の磯上でのビバーク。 強烈な放射冷却による爽やかな目覚め。 あぁ、快感。 |
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重た〜い背負子担いで山越えです。 これもまた、いとをかし。 |
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そんな中で食する鍋焼きうどんと寝酒。 透き通った冬の夜空、綺麗ですよ。 まるで私の心の中みたい。 |
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いじけて、ふて寝の会長。 ボーズなんかさぁ、俺達には日常ちゃめしごとじゃん。 元気出せって。 |
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中村君が盗撮してくれた、流れていく2万円相当。 心境としては、 「シェーン」 って感じでした。 |