1月16日  真鯛70cm!



え〜っと、ついに真鯛の70cmが釣れました!!! 
本日は、涙無しには語れない、幻の大真鯛に辿りつくまでの感動の物語です。

1月16日、今日は釣友のN君と二人、相も変わらず前日から遠路遥々釣り場に向かって車を走らせ
釣り座を確保し、例によって焚き火。

空は満天の星空が広がっているが、それ即ち翌朝は放射冷却で冷え込みが強いことを示唆しており、
また寒さで目が覚めるんやろなーと思いながら、持参した鍋焼きうどんを肴に、寝酒の焼酎をビールで割る。

N君と2人で釣行するときはほとんど(ってゆーか、これまで全部)彼が車を出してくれるおかげで、私は彼が
迎えに来てくれるまでの間に一杯飲んでおくことが出来る。(いやぁ、いつもすんませんなぁ。)

んで、ほろ酔い気分で現地に着いて、焚き火をしながら寝酒を飲んだら、すぐにぐっすりと眠りにつけるって訳ですな。
でも最近は大概途中で放射冷却に邪魔され、寒さで予定よりもかなり早く目が覚めてるんですが・・・。

で、案の定さっき床に就いたばかりにも関わらず放射冷却による冷え込みで、やっぱりそっこー目が覚める。
消えかけている焚き火に再び薪を入れ、暖を取る。

こうなるともう二度寝は無理なんで、カップラーメンでも食べようとクールバックに手を伸ばすと、見事に霜が
降りてます。 寝袋もぐっしょりと濡れていて、今にも凍りつきそう。

さっき鍋焼きうどんを食べたばかりやけど、あまりに寒いんで惰性でカップラーメンを食べ、体を中から温めます。
ヒートテックやら防寒着やらをしこたま着込み、カイロをペタペタに貼っているにも関わらずのこの冷え込み。

この時期に敢えて危険な冬の雪山に上る登山家の方々の気が知れないなぁとも思ったりするんですが、
もっとも登山家の皆様方から見たら、同じくこの時期の荒れた日本海に、わざわざ寝袋持参で釣りに行って、
荒波に足元洗われながら、下手すりゃバカ波に体ごと持っていかれてもおかしくない危険を冒しながら釣りを
している私らの気持ちも、到底理解できないんでしょうが。  

まぁ、趣味は人それぞれ。 みんな違ってみんな良い。 そんな感じですかな。

どちらにしろお互い、男のロマンを追い続けるといった目標は同じですが、いつ天候が急変するやも知れない
自然が相手というのも共通点。 最終的に、お互い命までは獲られないように気をつけましょう。


で、そうこうしているうちに夜が明けて釣り開始。
週の半ばからの寒波の影響で、水温低下によるクロの食い渋りを心配してはいたのですが、案の定ツケ餌は
姿を変えずに残ってきます。
それでも棚変え仕掛け変え、色んな層を探りながら攻め続けていると・・・


午前8時頃だったでしょうか。 その時は突然やって来ました。
長い長い格闘の末に、タモに収まったのは、70cmの大真鯛。 遂に見事にやりました!   釣友のN君がですけど・・・

いやぁ、凄かったです。もの凄いファイトでした。 私は隣で見てただけですけど。
本当に大興奮の、壮絶なバトルでした。 私は見てただけですけど。

「あぁ、うらやましーなー。 70cmって贅沢言わんから、せめて40cm位の真鯛が俺にも来ねーかなー・・・」


なんて思いながら、残って帰ってくる付け餌を、我慢して我慢して遠くまで流してると・・・
遂に私にも訪れました!
 
強烈な、それこそ全身を雷で打たれたような電撃的な真鯛の体感ショック!
そのアタリ方と言ったらもう、「バチバチーッ」どころじゃなかったです。

「ドードドドドドドー!  ヴァーバババババババー!」 みたいな感じです。(逆にわかりにくいですかね?)
とにかくもう、かつて経験したことの無い、すさまじいアタリ方でした。

隣にいるN君曰く、竿の曲がりからして間違いなく70cmは超えてるとの事。

今やり取りしてる獲物は間違いなく70cm超えの真鯛、憧れの大真鯛に間違いは無いようなんですけど・・・ 

   
バラしました・・・。   物の見事にバラしました。   てへっ


かつて、かの有名な中野のおいさんは、同じく大真鯛をバラした時、そのアタリを暴力的なアタリと表現していました。
私にはイマイチ分かり辛い表現だったのですが、実際に体験してみるとまさにその通り暴力的、海の暴力団と
言った感じでした。


初め、私の指がラインで弾かれて、「ヴァーチヴァチヴァチー」と物凄い音を発しているのを隣で聞いてたN君は、

「あ〜あ、ま〜たこのおいさんは仕掛投入とかに失敗して、リールから変な音出しよら〜」って思ったそうです。

しかし何気なく横を見ると、そこにはクォーターマスターを根元からひん曲げて必死に激震に耐えている私の姿が。

「あっ、それ、絶対真鯛っすよ!めっちゃデカいっす! ドラグ気をつけて下さい!」とアドバイスを受け、
なんとかベールを起こすまでで精一杯。

真鯛の最初の強烈な走りに、レバーブレーキで糸を送り出していた直後、訳もわからんままに竿先からテンションが
なくなりました。  ハリスは、見事にチモトからやられてました。
ザラザラはなかったので、完全にチモトです。

食い渋りの為、つい先程2号から一気に落としたハリスは1.5号。 針は細軸、クロマルチの4号。
幻の大真鯛と、勝負する体制に入る間もなく瞬殺されました。 
相撲に例えるならば、「ハッケヨーイ ノコッタ!」の、「ハッケ」位の所でブン投げられた感じです。 朝青龍に。


で、「どんな仕掛でやってたんっすか?」というN君に対し、「1.5号ハリスに、針はクロマルチの4号」と応えると、
「今の魚は、その仕掛けじゃー獲れませんわ!」と彼。

これまで、色んな大物を相手に様々な経験を積み、数々の修羅場をくぐり抜けてきたN君。  
私この度、そのありがた〜いお言葉の意味を、身を持って痛感させられましたです。 はい。
 
対真鯛戦、軸の細い針では、曲げられたり折られたり潰されたりは当たり前との事。
ちなみに彼が釣り上げた時の仕掛は、ハリスが2号に針は太軸のONIGAKE沈め探りグレの8号だったとの事。
それでも、「針がジコクに掛かっていたから取れたけど、飲まれていたらわからなかったです。
まぁ、何事も経験ですよ。誰もが通るこの大バラシが、次の戦いに生きてくるんです。」と、淡々と語るN君。

数え切れないほどの様々な経験を積み重ねてきた彼の重みのある言葉に私は、秘孔を突いて村人を救う、
トキの姿が重なりました。 「さぁ行こう。ラオウの元へ!」って感じです。(意味不明)


まっ、そんな訳だからさー、所詮1.5号のハリスでは、例え針がジゴクに掛かっていたとしても獲れるわきゃー
ないですわな。

いやぁ、まさか真鯛があれほど強烈な生き物だとは・・・。 参った参った。 
今回は完全に長渕剛ですわ。違った。 完敗ですわ。

でもまぁN君の言う通り、釣り人の誰もが通ってくるこの大バラシと言う名のイバラ道、このバラシの経験できたからこそ、
次回はあーしよう、こーしようと、対策が練れるもんだと思います。  
そう自分に言い聞かせ、自身を慰めたいと思います。

で、その後の釣りですが、N君に再び真鯛がアタッてくるも、1、7号ハリスの、こちらは瀬ズレによるバラシが一回と、
チヌの47cmにヤズ。

チヌのお尻が赤くなっているのは、こっち方面ではそろそろノッコミの準備が始まっていることを教えてくれて
いるのでしょうか。


で、肝心の私の釣果ですか?  

えっと、ちっちゃなベラが2匹ですけど・・・     何か?



寒い磯の上で火を起こし、
食する鍋焼きうどんの美味い事美味い事。

これを食べながら飲む酒、これもまた格別。
あぁ、人生って素晴らしい。
寝酒につまみに朝食のカップヌードル。
朝目覚めてからのこのカップヌードルも、最高に美味い。
放射冷却で、あまりの寒さに目が覚めました。
バッカンが凍っております。
朝の一幕です。

さすがに冬の冷え込みは厳しいです。
こちらが、本家本元、70cm真鯛を釣り上げた釣友N君。
過去に1号竿、2号の道糸ハリスで90cmを釣り上げたという
実績を持つ、本物の釣り師です。
こちらは、そんなN君の釣った真鯛を、さも自分で釣ったかのように
かっこいい写真を撮る、偽者の釣り師です。
N君からの頂き物、チヌの47cmとヤズです。
チヌはお尻が赤くなっており、ノッコミのはしりの
様相を呈しています。




70cmの真鯛とやりとりしているN君の動画   
結局編集は失敗。映像をカットすると音がハウリングするんで7分にも及ぶ長編大作ですが、根気良く見てください。
見所は4分半過ぎたあたりからなんで、せっかちな人は前半をカットして見てください。



 


こちらは真鯛の神経絞めの動画です。
真鯛に限らず、チヌや青物なんかも神経絞めにすれば、新鮮な魚を魚をより新鮮に持ち帰れます。
ちなみに私がやると、棒が上手く脊髄に入りません。これからの課題です。