12月25日 磯上のメリークリスマス
12月24日クリスマスイブ。
今宵、子供達はプレゼントに目を輝かせ、恋人達はお互いの絆を深め合う特別な日。
世界中で奇跡が起こる聖なる夜。
そんな、そろそろ夜空をサンタのおじさんが飛び始めるであろう頃合いの午後10時半。
プレゼントをたくさん持ったサンタクロースの代わりに、釣り道具をたくさん持ったカクちゃんが我が家に到着。
25日の天気が珍しく穏やか予報のため、無理矢理休みを合わせた私とカクちゃん。
いやね、別に結婚もしてこんな歳にもなってくると、私にとってはクリスマスも普段と何ら変わらない
普通の一日なんですわ。なんか嫁はケンチキとかシャンパンとか買ってきてそれらしいことやってますが、
私にとっては目の前のチキンとかシャンパンよりも、全然解けていないオキアミブロックの方が問題です。
朝から解凍しておいたオキアミが思ったよりも解けてなく、バッカンにオキアミを入れてドライヤーを当てて
無理矢理解凍作業。 背中からはグサグサと、突き刺さるような冷たい視線を感じますが、
「すまんが嫁よ。私にとってはクリスマスとやら言うイベントよりも、シーズンインしたこの時期の穏やかな
日本海の方に、遥かに魅力を感じてしまうのでござるよ。」
一応寝静まった子供達の枕元にこっそりとプレゼントを置いて父親らしいことをしたパパサンタは、そのまま
防寒着を着込んで車に乗り込み、いざ、目的の釣り場へレッツらゴーゴーであります。
実はカクちゃんと釣りに行くのは、6月19日の青海島以来、実に半年振り。
いやね、その間も色々と釣りのお誘いをしようとは思ってたんですが、ついこの前におめでたいことのあったカクちゃん、
なかなか釣りのお誘いの声もかけにくくて、伸び伸びになってしまって本日に至っているわけであります。
そんな、ちょっと前におめでたいことがあった後でのカクちゃんが、初めて迎えるクリスマス。
そんなカクちゃんにイブからの瀬泊まり釣行のお誘いをかけるなよってゆーお叱りの声も聞こえてきそうですが、
ご本人さんが大丈夫とおっしゃられてるので、まぁ、大丈夫なんでしょう。
ってことで、久しぶりにカクちゃんと2人でのクリスマス釣行であります。
で、道中、食糧買い出しに寄ったコンビニで3組程のカップルがシャンパンやらお洒落なカクテルなんかを買い込んでます。
「若いっていいねぇー。これからどこ行くの? ヒューヒュー」 なんて事を思いながら(この発想が既に完全におっさんやな・・・)、
こちらも寝酒の買出し。明日の釣りに備えて、いつもの度数25度の宝焼酎をあんまり飲みすぎてもあれなんで、
ちょっと強めの酎ハイと、例の何処でも熱燗ができる「燗番娘」ってゆー日本酒を買い、現地に着いてカクちゃんと乾杯。
クリスマスイブ、これが夜景が綺麗な海の見えるレストランで、たくみお姉さんとフランス料理のフルコースを囲んでの
乾杯なら最高なんですが、残念ながら側に居るのはカクちゃん。暗闇の中、うっすらと海は見えますが夜景どころか
明かりはヘッドランプのみです。
食事もフランス料理とは程遠く、我々の前に並んでるのはスルメとホタテの貝柱に、ビーフジャーキー。
いわゆるおつまみ系ですな。 あぁ、素晴らしきかな人生。 メリークリスマス!
で、そこそこ体があったまった後は満を持して寝袋にて就寝。辺りは人工的な明かりが全く無い真っ暗闇。
こうして横になって見上げる満天の星空だけは、日本中のどこから見る夜景にも負けてないと思います。
なんか、本当にこの美しい夜空を、トナカイが引くソリに乗ったサンタクロースさんが飛んでいてもおかしくないような
錯覚にさえ陥ります。
「あぁ、もしもこの世にサンタのおじいさんがいらっしゃるのなら・・・。
この世のどこかで、もしも本当にサンタクロースのおじいさんがみんなの願いを叶えて下さっているのならば・・・
前に私がパチンコで負けた、なけなしの7万円が戻ってきますように・・・」
そんなお願いをしながら、目覚ましを5時半にセットし、就寝。
しかし、午前4時。 あまりの寒さで思わず目が覚めます。
放射冷却の影響でしょうか。 地面からの底冷えで、寝袋に入ってても横になってたら体中から体温が
奪われていきます。一応私の寝袋、−15度まで耐えられる寒冷地仕様にはなっているんですが、
にも関らずめっちゃ寒いです。
枕元にも、当然プレゼントの7万円は無く、代わりにフナムシが昨晩のスルメをかじっています。
同じ頃、カクちゃんもあまりの寒さに目を覚ましました。
寝る時はそんなに寒くなく、別に焚き火はしていなかったんですが、さすがにこの朝の冷え込みには耐え切れず、
慌てて火を起こします。 今度来る時には、朝食にコンビニの鍋焼きうどんを持参しないといけないなと思いながら、
ついでに、燗番娘は高いんで日本酒を持参して、熱燗を作ろう。 そんなことを考えながら、夜明けを待ち、
日の出と共に釣り開始。
そろそろ水温も下がってきて、クロの活性も上がってきてるだろうなぁと思いながらキャストをして3投目、
いきなり30cm強のクロがヒット!
サイズはそれ程でもないんですけど、合わせに乗った瞬間の重量感はなんとも言えませんな。
釣りやってて、一番好きな瞬間です。 いやぁ、やっぱ良いですなぁ。魚釣りは。
その後、カクちゃんにもクロがアタり出し、楽しい時間を過ごします。
途中、立ってられないくらいの強い風に見舞われましたが、円錐浮子を浮子ごと沈めながら釣ってみたり、
釣友N君の作ってくれた風にも強い大遠投棒浮子を使って対応したりしてみます。
で、ポツリポツリと数を拾っていき、型は出ませんでしたが、28cm〜35cmを十数匹確保することに成功しました。
途中、バチバチーっと指先からラインが弾かれ、合わせと共に復活したクォーターマスターが満月のように
しなる巨大な獲物を掛けたんですが、溜めきったところでチモト切れ。恐らく尾長だと思うんですが、40cmは超えてたんじゃ
ないかなぁ。 まぁ、グレ針4号を使ってたんで、飲まれても仕方ないっちゃー仕方ないんですけど。
で、対するカクちゃん。
こちらは推定尾長によるチモト切れ1回と、推定40cmオーバー口太のバラシが2回。
「いやぁ、久々の釣りやから勘が・・・」とか言いながらも、やっぱり良型の尾長をキープしているあたりはさすがクロ釣り師。
彼も10枚程度確保したところで、「家に帰って捌くのが面倒くさいから」との理由で、針を伊勢尼のデカ針に変え、
真鯛でもヒラマサでも、とりあえずどんな獲物でも大物が掛かれ釣法に変更。
何処をどう釣ったらいいのかもわからず適当に釣ってる私を尻目に、「さっきから向こう側が気になる」と
持ち前の釣り師の勘で釣り座を変更。直後に大きく曲がるカクちゃんの竿。
「こりゃーデカい! 多分真鯛じゃ!」とか言いながら、楽しそうにやり取りしてるカクちゃん。
いやいや、カクちゃん、あなたが持つ野生の勘は、全然衰えていないと思いますわよ。
そんなカクちゃんの勇姿を携帯カメラで撮影してた私の目の前に現れた獲物は実はヒラマサ。
優に70cmは超えとりそうですな。
思わず、「電気ショッカーを投入!」と叫びたくなります。 当然そんなもの無いですけど。
で、何分かの格闘の末のタモ入れ直前、「うあぁ〜」のカクちゃんの叫び声と共に天に向かって真っ直ぐに跳ね上がる竿先。
足元まで寄せた後の痛恨のラインブレイク。カクちゃん、ハリスを長めに取っていた分、ちょっとタモ入れで手間取った
みたいです。 2,5号の道糸とハリスは直結部分でやられてました。 悔しそうに天を仰いでるカクちゃんに、
「まぁ、そのうちまた釣れるいね。」と励ましの声をかける私ですが、私が携帯で変なことやらずに
ちゃんとタモ入れのサポートに回っていれば獲れてたかもしれないってことは、私の胸のうちだけにそっと秘めておこうと
思います。
その後は残念ながら、時折彼のデカ針にクロやバリは掛かるものの、真鯛や青物がかかることはありませんでした。
そして最後、私にクリスマスらしい奇跡のドラマが起こりました。
雨も降り始め、そろそろ帰ろうかと相談していた丁度その時、私のスプールからバチバチーッとラインが走りました。
普通に30cmは超えていそうです。
しかし、問題はクロのサイズじゃないんです。タモ入れなんです。
カクちゃんのタモ入れを手伝わなかったタモの呪いでしょうか。私のタモのタモ枠が何故か接続部分のボルトを残したまま、
タモの柄から外れてしまいました。どんな感じかと言いますと、要は枠の丸い部分とネットが丸ごと外れてしまった感じです。
これも確か7〜8千円した「SHOEI」の大事なタモ枠です。一瞬にして海の中へと消えて行きました。
「た、体感ショーック!」
何でそんなとこからタモ枠が破れるのか全然意味がわかりませんが、ある意味私にもクリスマスの奇跡が
起こりました。
おかげ様で、なんとか今日も体感ショックを味わうことができました。
クリスマスだけに、「OH MY GOD」ってやつです。
なんか、去年も同じようなこと言ってたような・・・。
追伸、え〜っと、サンタさんへ。 「やっぱりプレゼントは7万円じゃなくて、謙虚にチタン製のタモ枠でも良いです。」
本日のクリスマスディナー! | |
カクちゃんとクリスマスの乾杯! | |
朝、あまりの寒さで目が覚めたんで、 火を起こしました。 今度行くときは、鍋焼きうどんか何かで 朝食を取りたいと思います。 |
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タモ枠をタモの柄にねじ込むボルトだけを残して 他は全部海に沈んで行きました。 クリスマスに起こった奇跡です。 |
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今日の釣果です。 型は出ませんでしたが結構釣れました。 |