11月07日  尾長!



11月07日(土)、本日は私と中野のおいさん、それに釣友のN君と、3人でのテクテク釣行。
何せ釣り場が遠い上にテクテクと歩かないといけないため、午後11時に私ん家に集合し、一路釣り場へ。

で、いつものように真っ暗闇をヘッドランプで照らしながら、背負子かついでテクテクと山道を上り下り。

狙いの釣り座を確保し、暫く休憩。

辺りがうっすらと明るくなり始めてから釣り開始。
本日も何が釣れるかわからない日本海の磯釣り、めっちゃ楽しみにやってきたわけであるが、
そんな私にも、本日気になっていることが一つ。

それは、2週間前の嫁とのバトルボーナスで思わず壁を殴ってしまった右手小指の付け根が、
未だに痛いこと。 さすがに腫れは引いて前よりも痛みは治まったんだが、ひょっとしたらヒビ位は
入っていたのかもしれない。でもまぁ、今更病院行ったところで病院代ももったいないんで、今は自然に
治るのを待ちたいと思う。  なすがままに。 「レット イット ビー」


今、「侍戦隊シンケンジャー」などのテレビ番組を見て、将来はヒーローを夢見て修行に励んでいるちびっ子諸君、
テレビの中で彼らは悪者を殴ったり蹴ったりしているが、あれはあくまでテレビの中での出来事なんで、絶対
真似しちゃダメだ。

特に壁なんかは予想以上に硬くて強いんで、軽い気持ちで殴ったら後々大変な思いをすることになるぞ。
今回おじさんは、身をもってそれを体験した。 ちびっこ諸君、日本の家は、想像以上に頑丈だ。


でもまぁ、先週も一応何とか乗り切れたんで、今日も一日、何とか頑張りたいと思う。
で、本日の釣り、私と会長はクロ狙い。 N君はヒラマサ狙いで少し離れた場所での釣り。

会長は、前に磯真鯛の48cmを釣ったという場所に釣り座を構え、私は海に向かって彼の右側に。

早速足元にパラパラと撒き餌を撒くと、今日の餌取りは小グロにスズメダイにちっちゃい馬ヅラ。
心配していた大量の鯵は、今のところ姿を見せていない。

で、ファーストヒットは私。前日の天気予報とは違い、横から吹きつけてくる強い風に対応するため、
改造した環付き浮子、キザクラの黒魂トランプ00仕様(環をつける前の浮力は0シブ)で、浮子を
サスペンドラインで沈めながら釣っていると、いきなりラインにバチバチーっと指が弾かれる、体感ショック!

よそ見しながらパン食ってたんで、ちょっと焦った。

上がってきたのは33cmの本命のクロ。 今日は良い一日になりそうか?

しかし、そんな思惑とは裏腹に、右に流れたかと思えば止まったり、今度は左に流れたかと思ったら
止まったりと、その繰り返しのフラフラする潮の流れに、イマイチ釣果は伸びません。

時間はそろそろ午前10時、あれ以来、魚はバリしか釣れてません。
会長も状況は同じで、釣れるのはバリのみ。
引きが強いから面白いっちゃー面白いんですが、あまりうれしくありません。

あまりに退屈な時間が続くんで、こっそり会長のライブウェルにバリ入れて、会長が刺されたのを見計らって、
「ドッキリ、大成功!」とかのサプライズをやっても面白いんでしょうが、今回はあまりにも会長とライブウェルの
距離が近く、すぐに犯人が私とばれそうなんで、今日のところは勘弁しておいてやります。 
サプライズドッキリは、また折を見て。

そんなことを考えながら、ボーっと仕掛を沈めてたら、竿先がなんとなくもたれた様な気がしたんで、
試しに合わせを入れてみたらやっぱりそれは久しぶりのクロのアタリで、足の裏サイズをゲット。
ようやく2枚目です。 ん〜、しかし渋い。

でもまぁ、会長はまだバリしか釣れてないので、会長よりはましか。と、思ってみたりします。


で、そんな会長さんは、ただでさえ風に影響されやすいフロートラインを使い、さらに浮子も海面に浮かせて
釣ってます。 ラインは強風で大きく膨らんで仕掛が入りにくい上に、恐らくツケ餌も先行してないでしょう。

12時過ぎ、竿引きのバチバチで私が40弱のヤズを追加した所で、会長に、
「今日は風が強くて、フロートラインは風に取られやすいから、糸を張り気味で浮子を丸ごと沈めて、
 全遊動で釣ってみたら?」と提案。

普段はあまり人の忠告を聞かない会長も、今日は何故か、「そうやなぁ。色々やってみるかぁ。」と、
K'S EVOの00号に浮子を交換し、沈め釣りを始めました。

すると、潮は相変わらずはっきりと流れないながらも、彼にもポツポツとクロが釣れ出します。
同時に、彼が掛けるバリの数も午前中より多くなりましたが。

中野さん、恐らく全部で10匹以上のバリを掛けているんじゃないでしょうか。

「うわぁー、バリかぁ・・・」   「か〜っ、またバリじゃ〜!」 と、それなりに楽しんではいるようですが。


 
それでもお互い何枚ずつかのクロをキープし、そろそろ納竿を考えていた夕マヅメ、会長の極翔1.5号が、
大きく弧を描きました。

「あぁ、またなんかそれっぽい。」と、数匹連続でバリの猛攻を受けている会長が「またバリか・・・」の雰囲気を
かもし出しています。


「やけど今回のバリは引くな〜。デカバリじゃ!」などと独り言を言いながら、何分かのやり取りの末、ようやく
海の中で金色?の魚体をちらりと見たそうです。

「か〜、やっぱりまたバリじゃ〜!」と、やり取りも一気に適当になる会長。

「でも引くわ〜、うほほ〜い!」と、納竿間近の魚の引きを味わいながらも、どこか「別に切れても良いや!」って
感じでやり取りしているのが、横にいても見て取れます。

で、暫くそのバリで遊んでいる会長を背に、納竿間際の最後の仕掛作りで道糸とハリスを直結していた私、
突然会長が大きな声で叫びます!


「タコ! 違う。バリじゃない。クロじゃクロ。 茶褐色のクロじゃ! お、こりゃー尾長じゃ尾長! しかもデカい!
 ぬぉぉぉー! タコー、 早くタモ持って助けに来てくれ〜!」と、いきなり態度が急変する会長。

さっきまで、「こうなったらもっと糸出して弱らせてやる。こいつめ、こいつめ!」と、ふざけてやりとりしてたのが
嘘のような豹変振りです。

しかし、こちとら道糸とハリスを直結中。 今は一番手が離せない大事なところ。

「ちょっと待っちょけっちゃ!」と、さっさと直結を済ませ、タモ持って会長の元へと駆けつける。


浮いてきて、チラリと見えた魚は確かに少し茶色がかった、いつもの青白いクロとは少し色の違うクロ。
パッと見、軽く40cmは超えとりますがな。

さ〜ぁて、浮いてきた。「次に海面に浮かせたら一発で掬っちゃるけー!」と思ってた矢先、まさかの痛恨の
ラインブレイク。ハリスはチモトから切られてました。

想像するに針は、尾長の歯がハリスと当たるか当たらないかのぎりぎりの所に掛かっていたのでは
ないでしょうか。会長が適当に遊んでいるうちに、ハリスが尾長の歯に当たったり当たらなかったりで、
結局はノコギリみたいにギーコギーコなって、最後に耐え切れなくなって切れちゃった、みたいな。
最初から真面目にやり取りして、チラッと見えた魚影でバリって決め付けずにもっと慎重に素早く対応してれば・・・。

しかも彼、このバラシを「タコが早くタモ持って助けに来てくれんけー・・・」と、私のせいにしようとしています。

自分に非は無い、自分は絶対悪くないという責任転嫁。  彼の最も得意とする必殺技です。


「いやいや、その前に中野はん、あんたいっつも面倒臭がって自分のタモは作らずに、人のタモばっかり
使ってるから、いざってゆー時に自分の周りにタモが無いんよ。タモは常に自分のを組んで、いつでも
使えるように横に置いときんさい。でないとこっちまでもが迷惑やから。」と、逆に説教してやりましたわ。



そう言えば昔、こんなことがありました。。
かれこれ5,6年前、私らが、海での釣りを本格的に始めたばかりの頃の事です。
場所は野波瀬の釣り筏、短竿でのかかり釣りで、チヌのダゴチンをしていた時のこと。
合間に会長は鯵の泳がせ釣りでヒラメを狙っていたのですが、これにまさかのヒラメがヒット!

慌ててタモ持って駆けつけると、海の中にはまさに座布団のような巨大ヒラメ!
「掬っちゃるけー、はよーリール巻け!」ってゆー私の忠告を無視し、持っている竿を他の筏の人にも
見えるように高々と天に掲げ、「みなさ〜ん、私、今、大物ヒラメ掛けてますよ〜」的なアピールをやっている
おバカな会長はん。

2分経っても3分経っても彼は魚を上げようとはせず、変なポーズ取りながら他の筏へのアピールをやめない。

「上げる気無いなら、俺、向こうに戻って釣りしていい?。」って問うと、「ええよ〜」と答えた会長。
私は、会長がヒラメ掛けてる筏の反対の面で釣り再会。

程なくして、私の短竿に変な違和感が。  何かが私の仕掛に絡まった模様。
それ即ち、今まさに私の反対側でヒラメとやりとりしている会長の仕掛けであり、針に掛かった巨大ヒラメが
筏の下を潜って、反対で釣ってた私の仕掛とお祭り忍者をした瞬間。

そしてその事に気付いた会長が 「タコ、早く仕掛を回収して!」と叫ぶも時既に遅く、次の瞬間、彼の竿から
巨大魚のテンションが消える。  ライン同士が絡まっての、痛恨のラインブレイク!


未だに私の脳裏に焼きついて離れない光景は、さっきまで高々と天に突き上げていた竿を手に、
何が起こったのか理解できず呆然と立ち尽くしたまま、今にも泣き出してしまいそうな会長の顔と、
どんな大物を掛けたのかと、他の筏から私達の筏を注目していた人達全員の、
「あ〜あ、あんなに派手なやり取りして、結局バラシてやんの・・・」的な痛〜い視線。

あれだけ派手に天高く竿を突き上げて大物ヒットのアピールをしていた会長、一緒にいた私の方が
恥ずかしかったですわ。
 
あの時も変なことせずに素直にリールを巻いてれば、間違いなく大物ヒラメと巡り合えてただろうに・・・
うちの会長さん、時々こんな意味のわからん行動をするんですわ。しかもその時もバラシの原因を
私になすりつけようとしてましたし。  「タコが向こうで釣りを再開したせいで・・・」とか。

「いやいや、でもね、向こうに戻って釣りしていい?」って言った俺に、「ええよ〜」って言ったのは他ならぬ
あんたやからね。訳もわからず糸出しまくって筏の反対側までヒラメを泳がせて、私の仕掛けにお祭りさせた
張本人は、一体とぢら様ですか?  逆に仕掛を絡まされた、私の方が迷惑なんですが・・・
本当にこのおっさんときたら、自分の失敗をいつも人のせいにしようとする。


今回も、チラッと見えた魚体が金色っぽかっただけでバリと判断し、遊びながら適当にやり取りして、
結局バラし、更にそのバラシの責任を私になすりつけようとは不届千万。
「もっと確かな目で、掛けた魚を見極めなさい! そして、掛けた魚はすぐに釣り上げんさい!」と、
幻の巨大尾長をバラし、痛めてるであろう会長の心に、更に塩を塗り込んでやる優しい私。  
いやぁ、ええザマええザマ。  がっはっは。


「い、いや、だって・・・  その前が4連続バリやったやん? その後まさかいきなり尾長が来るとは・・・」

とは氏の言葉であるが、

「中野はん、いつ何時も、海を相手に油断してちゃーいけません。特にここは、何がアタッて来るかわからない、
大物潜む日本海なんですから。」  と、いつも油断しまくりの私が言っても、あまり説得力は無いんですがね。


かくして、会長の40cm超え尾長は幻となった。

でもまぁ、あれよ。
釣り人の誰もが経験する大バラシ、バラシがあるからこそ次は獲ってやろう!って、また海に足が向くもんさ。
これが、いつもいつも大物が入れ食いやったら、逆に面白くないんじゃない? 
いや、それはそれで面白いか・・・。

でもまぁ、逃がしてしもーたもんはしょうがない。また今度リベンジに来りゃーええやん。
やけど、そこでもまた変な事して結局大バラシを演じるんやろうけどね。 プププッ

ってな感じで、本日の私らの釣りはそんな感じでしたわ。



一方、私らとは少し離れた釣り座で終日青物狙ってた釣友のN君、5号竿をブンブン振り回しながら、
80オーバーのスズキ2本や、65cmのヒラマサなんかを釣り上げた模様。

「N君、凄いやん!」と声をかけると、「いや、全然ダメです。7号ハリスを何度も飛ばされました。
80超えのヒラマサも、姿を確認した後に最後に根に潜られて糸切られたり、中には何も出来ずに踏ん張るだけで
精一杯の獲物もいました。あれはメーターオーバーやったと思います。今日は最悪です。全然ダメでした。」と、
何故か落ち込んでおられるご様子。

「い、いやいや、私らなんかから見たら、十分過ぎるほどの釣果だと思うんですが・・・」


ってことで、私以外の二人は、獲れてないながらも何かしらの見せ場があったようです。
見せ場が無かったのは私だけです。

いや、敢えて唯一ひとつだけ見せ場があったとするならば、それは納竿間際、磯で滑ってこけて右手をつき、
ただでさえ痛めている右手の小指に更なるダメージを追加してしまった事位。
折角治りかけてたのに、また一から療養のやり直しのような・・・

でもまぁ、また来ます。



図々しくも私のタモ使ってタモ入れしてる会長。

自分のタモさえ作ってれば、タモが
あっちに行ったりこっちに行ったりして
肝心なときに足元に無くて尾長が取れなかったって
事態もなかったかもしれないのに。

これからは、きちんと自分のタモを作ってください!

で、そんな会長の釣り上げたバリ。
引きは強いんで、楽しいのは楽しいんだけどねぇ・・・
ええ〜と、わかりにくいですが、
私の本日の釣果のヤズとクロが数匹です。
で、こっちは80オーバーの鈴木君が2本です。
私の釣果と言いたいところですが、
残念ながら、釣友N君の釣り上げた獲物です。

しかし、防寒着を上まで上げて
黒い帽子に偏光グラスかけてたら、
ウォーズマンか、金が無くてこれから銀行にでも
行く人みたいやな・・・