10月11日  グレペアマッチ in 徳山湾



10月11日(日)、本日は賞金10万円を巡って骨肉の戦いが繰り広げられる、グレペアマッチ in 徳山湾の
開催される日である。

この大会、私にはどうしても優勝して賞金をもらわなければならない理由があった。
それは先週の7日、本来ならばダイワのグレマスターズの予選が開催される予定であったのだが
台風が近付いてきていたために延期となり、やることがなくなってしまい思わず行ってしまったパチンコ屋。
そこで、しこたまふんだくられた大事なお小遣いの、損失補填をしなければならないから。
闘志は・・・ 燃えている。


さてこの大会のルールは、ペアを組んだ2人のグレの釣果の中から5枚を選んで検量し重量を競う。
昨年の経験から、凄く釣りのお上手な方達が集まる大会であることは重々承知であるが、グレだけに、
なんとかマグレで40cmを5枚もそろえれば、優勝間違いなしであろう。
また私が仮にボーズでも、ペアを組む相方がデカバン5枚を揃えてくれてれば問題ないのである。


そして本日私とペアを組むのは、相方にするには少々、いや、大いに心もとない我らが会長中野さん。
なんでも今日は秘策があるとかで、聞けば昨年の大遠投米糠撒き餌を進化させ、今年は撒き餌の中に
パン粉を追加したそうな。 秘策も何も、ただ単にオキアミとパン粉と米糠だけの撒き餌なのでは?と、
その撒き餌を見せてもらえば、その成分のほとんどは米糠のような・・・。

随分と安くあげられたこの撒き餌に、早くも大きな不安を隠しきれない私であるが、彼曰く、考えに
考え抜いた末の撒き餌の配合との事で、私には大船に乗った気分でいてくれとのこと。
万が一の時のために一応V9も持ってきているようではあるが、どうも私の気分的には、大船どころか
泥船に乗るよりも不安でならない。


そうこうしているうちに車は、大会会場である晴海埠頭臨海公園に到着。

昨年同様、我々以外の選手の方々は皆さん釣りがお上手そう。
雑誌で何度も名前を見たことのある名手の方や、ジャパンカップで毎年のように予選を通過されておられる方、
前の広島の大会で優勝された方や、各メーカーのフィールドテスターやフィールドスタッフの方々も。

普段は私らなんかがいくら手を伸ばしても絶対に届かない所におられる方々ばかりであるが、今日は
きっと大丈夫なはず。なぜなら今日は、会長とっておきの秘策、大遠投米糠パン粉釣法があるから。
だよね? 会長?


AM4時に受付を済ませ、例によって私よりは少しだけくじ運の良い会長が釣り座のくじを引く。
彼の引き当てた数字は35番と85番。2人が別々の船で近場の磯と沖の磯に分かれて釣る訳であるが、
私は長時間渡船に揺られるのが面倒くさいので近場を選択。彼もそれを了承し、いざ乗船。

「せと志お」で先に沖に旅立った会長を、
「南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏」と勝利のおまじないをかけつつ見送り、
私は「第5せと志お」にて出港。

順に選手を磯に降ろして行き、私が降りた磯は、平べった〜くて、とっても足場の低い場所。
聞けば、「沖のイカダ」と呼ばれてるとこらしい。

で、本日私と同礁して頂くのは地元の周南の方。
色んな大会に参加されているトーナメントマニアの方のようで、釣りもすごくお上手そう。
本日の釣り座は、船付の釣り座の高い場所と、そこから少し降りた低い場所の2ケ所。

本来であればジャンケンで釣り座を選択するのであるが、どこをどう釣れば良いか見当もつかない私は、
別にどっちで釣っても結果はあまり変わりそうにないので、「先に好きな釣り座を選んで下さって構いませんよ!」
と、お声をおかけするが、逆に、「私も別にどっちでも良いので、先に選んでください」とのことでしたので、
有り難く先に釣り座を選ばせて頂く。

そこで私が先に選んだのは、釣り座の低い方。
理由は干満の激しい瀬戸内で、本日は満潮に向けて釣りをするため、先に低い方を選んでおいたら
潮が満ちてきた時に波を被らなくていいかなと思ったから。それだけこの「沖のイカダ」は足場が低い。

で、ふと広い「沖のイカダ」の少し先を見てみると、昨年この大会で同礁させていただいた、鬼掛フィールド
スタッフの、光市のMさんのお姿が。
去年のこの大会の後に四国で開催された有名なグレ釣り大会で入賞されたこと、某釣り雑誌で拝見させて
いただきました。相変わらずの鬼の手返しで、もう釣りを始めておられます。
「いやぁ、やっぱり本物は違うなぁ」とか思いながら、のそのそと仕掛をセット。

で、まずはとりあえず撒き餌を足元にパラパラと撒いてみて、海の様子を確認。
今日の餌取りはスズメダイにベラに木っ端グロにアジってところか?
餌取りの動きをぼちぼちと観察していたら、早速同礁の方の竿が曲がる。上がってきたのは巨大な鯵。
余裕でお刺身になるビッグサイズ!

私が、「めちゃめちゃデカい鯵っすね〜! 私、クロよりそっちのが良いですわ〜!」とお声をかけると、
「要る?要るならキープしとくよ!」ってことでしたので、「是が非にでもキープの方向で!」とお願いする。
いやぁ、あざ〜っす!

で、肝心のクロなんですが、まぁ、釣れないことはないです。釣れないことは無いんですが、サイズが
イマイチです。
浮子を沈めて全層を探ってみたり、棒浮で小さなアタリを取ろうと試みたり、手前を釣ってみたり
遠投してみたりと、色々やってはみるんですが、釣れるのはちっちゃいのばっかり。

結局釣り座の交代の時間までのキープは、なんとか足の裏が2枚と手の平強が数枚程度。
「後半に期待!」と気合を入れ直すも、後半に入ってからは餌取りの姿さえまばらとなり、生のオキアミ
ですら余裕で針に残って戻ってくる始末。

撒き餌を浮子に被せまくっても全然餌がなくならない。
流して流して、撒き餌を追い打ちして追い打ちしても、たま〜に食ってくるのはベラか鯵。
まぁ、鯵は鯵で嬉しいんだけど。

で、ちらりと向こうで釣りをされてらっしゃる、超トーナメンターなMさんを横目で見ると、
なんだかあっちでは竿が曲がりっぱなし。
一体何が違うんでしょう。  まぁ、腕なんでしょうけど。


更にはそうこうしているうちに、私の朝の予想通り、潮が満ちるに連れ、同礁の方の釣り座がどんどん
狭くなってきてます。一発フェリーが近くを通れば、荷物がさらわれるくらいにまで潮が満ちています。
こちらの高い釣り座も狭いんですが、クールバッグなんかを重ねたりすれば、何とか二人で釣りが
できそうですので、荷物を全部引き上げ、こちらの高い所で一緒に釣りをすることに。
しかし、その後も状況は全く変わらず、足元に撒く餌取り用の撒き餌に群がる魚の数もちらほら程度。
結局は大した釣果も無く終了の時間を迎える。 「会長よ、後は任せた!」

帰港後、「せと志お」に乗って後から帰港してきた会長の結果はどうだったかと迎えに行ってみれば、
私と目が合うなり案の定首を横に振り、「全然ダメじゃー!」との第一声!  
まぁ、大体予想はついてたんだけど。

で、自分の釣果は差し置いて、「はぁ? バカやないん。何しよるん?」と問うたらば、

会長「いや〜、2回ほどガツーンと来る強烈なアタリはあったんよ。で、合わせたらめちゃめちゃ引いて、
   めちゃめちゃ走った。あれは、間違いなく30オーバーの良型グレやったと思うよ。」

私「で、その良型グレは?」

会長「両方バラした。瀬に持っていかれて、ライン切られた。」

私「はぁ?? 何しよるんかっちゃ!」

会長「いやね、聞いてくれっちゃ。これにはちゃんと理由があるんよ。実はね、俺もリールを左ハンドルに
   矯正しようと思ってね、今日からリールのハンドルを左にして練習してたわけ。そしたらいきなり
   2回のガツーンやろ? 慣れてない左巻きで、思わず竿とリールの操作を誤ったわ。
   でね、やっぱり慣れない左ハンドルは止めようと思ってね、現場で一円玉使って30分位かけて
   ハンドルを右に戻したわけ。そしたら時合いを過ぎたんかねぇ。 それ以降全然喰わんくなったわ。
   で、結果はこの通りじゃ。」

差し出す彼のライブウェルの中では、数匹の木っ端グロが申し訳なさそうにチョロチョロと泳いでいた。


私「って、いやいや中野さん、大事な大事な大会で、変な練習なんかしないで頂けますか?
  しかも、右ハンドルに戻すのにも無駄な時間を30分もかけて時合いを逃して・・・。
  一人での大会ならともかく、今日はペアマッチなんですから。  私にも迷惑がかかるんですから。
  そのガツーンタイムにしっかり釣りをしてれば、入賞できてたかもじゃないですか?


しかしまぁ、悲しいかな相手は天下の中野さん。 正論は通じない。 彼は、己のみが信じる我が道を、
ただひたすらに歩むのみ。  ひとつ残念なのは、その彼の歩んでる道の先は、大概間違った方向に
続いているってこと。 もっとこう、なんと言うか、頭を使って欲しいと思う。


そして気になる2人の検量結果はと言うと・・・    なんと驚愕の1530グラム!

2人がかりで臨んでも、今年の私のジャパンカップ予選の時よりも500グラムも少ない。
いや、今年どころか、グレ釣りの右も左も分からなかった(今も全然分かってないが)
去年のジャパンカップの1600グラムよりも少ないといった、目も当てられない結果に。 

2人がかりでこの結果である。まさかのこの貧果には、さすがのおいさんもびっくらこいた。
恐らく順位は、この大会の参加46組中、46番目位なのではないかと思う。多分間違いない。
いやぁ、情けない。


でもまぁ、終わってしまったことは仕方ないので、こうなれば気持ちを切り替えて、参加者全員に商品が当る、
最後のお楽しみ抽選会に望みを託すも、当ったのは、「何かの緊急時に持ってると便利ですよ〜!」ってゆー
小物が色々詰まったその名も、「エマージェンシーボトルセット!」と、「ヤンボーマーボー」の携帯ストラップ
セット。

恐らくこの抽選会で、一番多く準備された商品である。  ま、まぁ、緊急時には大切に使わせて頂きます・・・。
ちなみに中野のおいさんの方は、粗品のタオルの詰め合わせと釣研のステッカーのセット。
こちらも量産型ザクのようなもので、エマージェンシーセットの次位に大量に準備されてあったもの。
まぁ、どっちもどっちってとこだ。

昨年のバスタオルに続き、今年はエマージェンシーボトルセット。
来年こそは、是非とも釣具を当てたいと思う。


釣りの後、特に大会の後っていうのは、色々と反省することが多い。
あの時ああすれば良かったとか、この時はこうしてれば良かったとか・・・。

特に今回の大会に関しては、中野のおっさんに、もっとちゃんとした撒き餌を作って来いとか、
大事な大会で初めての左巻きの練習なんかするなとか、色々アドバイスしてやることが出来てれば・・・
いやでも、まさか私の知らないところで勝手にハンドルを左に変えてるなんてなぁ。
味方にまでフェイントをかけてくるとは・・・。

ってことで私も釣ってない事は棚に上げておくとして、今回は彼のせいでパチの損失補填が
できませんでした。しかし、この大会、1つだけ「こりゃいいや!」って思った事があります。
それは、環付き浮子のお手軽さ。
今までラインを切って、チンタラチンタラ交換をしていた浮子の交換が早い早い。
予想以上に仕掛けのカラミも少なかったし、暫くはこれでやっていこうと思います。

前に浮力調整に失敗して、沈みが早くなりすぎてしまった浮子達を再び改良して、25日のサンラインカップ
では、参加者100名中、90位以内入賞を狙おうと思います。

最後に、一緒に釣りをさせて頂いた同礁者の方、たくさんの鯵、本当にありがとうございました。
この大会での、一番の収穫でした。この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。
そして、もしまた大会等で一緒に釣りをすることがあれば、次回もまた鯵は、是非ともキープの方向で
お願いします。




納竿直前。

沖のイカダ、最初の釣り座は完全に
水没しちゃっております。
表彰式
最後の望みを託して挑んだお楽しみ抽選会、
全員に何かしらの商品が当たるこの抽選会、
私は、緊急時のための7つ道具が入っている
エマージェンシーボトルと、ヤンボーマーボーの
携帯ストラップセットでした。
この抽選会で、一番数多く準備されていた
商品だと思います。


や、やったー
このストラップ、前から欲しかったんですわ〜