12月27日  角島


12月27日(土)、今年最後の釣り。
今年一年の集大成、グーグーダンスの総仕上げってことで会長と二人、
山口県の有名観光スポットである角島へと車を走らせた。

本当は24日に不甲斐ない釣果に終わった蓋井島で、リベンジ&釣り納めをした
かったところなのであるが、残念ながら前日までの時化のウネリが残っており、
朝の4時便は船が出ない模様。9時出発の半夜便で行っても良かったのであるが、
15時までにはどうしても家に帰らないといけない用事があったために、会長の
勧めで角島へ。

聞けば干潮時に海を歩いて渡る必要があるが、クロや青物も釣れて楽しい所が
あるよ!ってことでやってきた。4時に私ん家で待ち合わせをし、角島の釣り場へは
5時半に到着。

本日、干潮は4時半で満潮は10時半位。(アバウト)
移動に要する時間が約1時間半として、15時までには家に帰らないといけないので、
私としては13時過ぎには釣り場を出発したい。

前にここで釣りをしたことのある会長いわく、満潮から3時間も潮が引けば帰れる
から、13時過ぎの納竿で大丈夫ってことだったので、暫く磯際をテクテク歩いて、
最後に一部、海に入って渡らないといけない場所に到着し足が止まる。

なんか、干潮から1時間ちょっとしか経っていない今ですら渡るのギリギリな気が
するのは気のせい?新月の大潮の本日、辺りはまだまだ真っ暗で何も見えないし、
ほんまに大丈夫なんかいな?


私「たいじよー、これ、波来たらやばくね? 渡っても大丈夫?」

会長「大丈夫大丈夫、全然問題ないよ。俺も前に渡ったんじゃけー。」

私「そうか?」

会長の言葉を信じ、彼を磯際に残したまま私が先発隊で海を渡る。
重たい背負子担いでヘッドランプだけを頼りにザブザブと海の中を歩く。
一応波を見ながら渡ってたつもりなんだけど、やっぱり来ました。

「ザップーン!」

それほど強烈ではなかったですが、完全に膝上まで水に浸かり、
磯ブーツの中に冷たい海水が大量に入ってきました。


「た、体感ショック!」

24日には蓋井島にて上礁する磯を間違えて体感ショックを味わい、まだ3日しか
経っていないというのに、今日もまた体感ショック。
「ひぃ〜」とか言いながら、慌てて会長の所まで戻って報告。

私「たいじよー、全然大丈夫じゃなくて思いっきり濡れたんじゃが・・・」

会長「んー、やっぱりか。実は俺も前来た時に濡れた。常連さんは、上手に
   濡れずに渡ってるんじゃがのー。 おかしーのー。」

私「おかしーのーってあんた・・・。 ってか、6時の今、干潮から1時間半で
  これなら、もしも今から仮にあそこの釣り場に渡っても絶対に13時過ぎには
  帰れんじゃろ?さては、ハナから13時半に納竿するつもりは無かったな?
  俺が用事があるから13時半には帰らんにゃいけんって言ってた事無視して、
  絶対潮が引く夕方まで釣りを続けるつもりやったろ?」

会長「んっ? ううん。そんなことないよ。全然そんなこと無い。僕、知ーらない。」

白々しくシラを切るこの男、絶対私のこと騙そうとしてたはず。 
間違いなく確信犯じゃ・・・。

私「ええい、戻れ戻れ。釣り場変更じゃ!」

ってことで、近くのテトラへ釣り場を変更。嘘つき星人の彼曰く、前に来た時には
ここでもクロが釣れたらしい。
テトラ先端に陣取り暫く竿を出すが、やっぱり今日もダメっぽい。

毎投餌が無くなる位に餌取りが足元から沖までびっしりと沸いてはいるが、肝心の
釣果はといえばごくごく稀にスズメダイやフグやスーパーミクロな木っ端グロが、
申し訳程度に竿を曲げてくれる位。

魚が釣れないのはいつものことなので全然問題ないのだが、朝一に水が入ってきた
ブーツがどうにも冷たくて仕方ない。

途中、ブーツを乾かす為に脱いでテトラに干して裸足で釣りをしてたんだけど、
当然足は寒くて仕方ない。んで再びブーツを履いて釣りをするも、もちろん
乾いてるはずも無く感覚が無くなる程に足が冷たい。

魚は釣れないわ足は冷たいわで、10時を過ぎた頃には早くも家に帰りたい
モードになってくる。惰性で適当に釣ってみたり、ボーっと海を眺めてみたりするが、
既にやる気はナッシンgoo!


足の濡れていない、それどころか今日はホッカイロを6個も持参して、ほかほかで
釣りをしている会長の様子を探ってみると、彼はまだまだ木っ端グロを釣り足りない
ようで、もう少し粘りたいとの事。

私一人の意見で釣り足りていない会長まで巻き込んで納竿ってゆーのは少し
気が引けるのだが、寒さのあまり釣りのことがすっかり頭から外れてしまってる
私は、仕方が無いので角島観光に繰り出してみることにした。

12時過ぎには戻ってくるからと会長に告げ、一人旅に出る。


この島に最後に来たのは、6、7年も昔。まだまだ角島大橋が開通したばかりの頃で、
いやはや月日の経つのは早いもんだなぁとしみじみ。

まずは一番奥の角島灯台まで車を走らせ、そこから寄り道しながら会長の所へ
戻る計画。有名な角島灯台は、現在は補修の為中に入れず。そのためか、土曜日だと
いうのに観光客は疎ら。
前に来たときには灯台の中をクルクルと壊れそうな古い階段上って、最後はハシゴを
登って一番上まで行ったっけ。
灯台に登ってみたかったけど、仕方が無いのでイカ焼きを頬張りながら辺りを
ウロウロと散策。

そして、次に向かったのは、夏は海水浴客で賑わう大浜海水浴場。
なんか、前に来たときには無かった教会が新しく立っている。

折角なんで行って礼拝でもするかと近くまで行ってみると、教会の正体はなんと
トイレ。危うくトイレに向かって祈りを捧げるとこやった。

そしてここ大浜海水浴場は、むかーし昔に会長が、いい歳こいた大の男が一人で
わざわざ海水浴をしに来たという、痛〜い痛い思い出のある場所。

そこで身の程知らずの会長は果敢にも金融機関で働いておられるというOLさん
2人組に声をかけたそうだが、これがなんとびっくりの大成功!

に思えたのだが、一通り会長には似合わないビーチバレーなどを楽しんだ後で
満を持して連絡先を聞いたら間髪入れずに断られたのだと言う。

「俺の純粋な気持ちを弄ばれた!」と嘆いていた彼だけど、大丈夫。
会長よ、君は十分過ぎる程に不純な男だから!

さて、そんな会長の事が頭の中に出てきて、思い出したのは放ったらかしにしている
彼のこと。角島探索も始めてかれこれ一時間が経過。

「もう少し探索したいから、心配しないようにこの辺で会長に一報入れとくか。」
と一瞬思うが、しかし待てよ、朝は会長に騙されてブーツが水浸しになって寒い思いを
したし、とりあえずここは会長のことは無視して、このまま探索を続けよう。

しかし、ただこのまま無視するってのも面白くない。どうせなら私の携帯の電源を
切って、あまりにも遅いので心配になって電話してきた彼が、圏外となった私の
携帯をどう思うか。

「まさかタコの奴、俺を置いて先に一人で家に帰ってしまったのでは?」と、
彼の事をドキドキさせる、ショートドッキリでも仕掛けたいと思う。

私の持っているドコモの携帯は、電源OFF時や圏外時でも、何時何分に誰から電話が
かかってきたかを、電波が繋がった後にメールで教えてくれるという、留守番電話
サービス機能を設定している。


電源を切ってから10分後、ちょっと電源を入れてみる。
まずは12時30分、会長から一発目の電話があったことを教えてくれるメールが
ドコモから入ってくる。

まだだね。   再び電源を切る。

そしてまた10分後に電源を入れる。今度は12時39分にドコモからの着信有り
メールと共に、「もう片付けも済んで、待っとるで!」との会長からのメールも入ってくる。

いやいや、まだまだ!と、再び電源を切り、大体10分後の12時50分位に会長を
迎えに行ってやることにした。
会長の性格を熟知する私、恐らくこの10分間が一番ドキドキするはずである。
心の中で、

「あれっ?ひょっとしてタコ、俺を置いて先に帰った?いやいや、まさかね・・・。
 さすがのタコも、まさか角島に俺を一人置いてけぼりにはせんやろ・・・。
 でも携帯も繋がらんし、まさか・・・。いやいや、まさかまさか。 まさか・・・ね?」

と、色んな思いが交錯し、少しだけ不安が芽生える辺りが私の狙いどころ。
あくまでも目的はショートドッキリなので、あんまり彼を待たせすぎると、私がただの
いじめっ子になってしまう。


で、丁度会長が本気で焦り始める頃合を見計らって、彼のいる釣り場へと到着。
釣り場に着くと、道具を片付け終えた会長がクーラーボックスの上に座って待っていた。

私「お待た〜♪ 今戻ったよ!」

会長「遅いっちゃ! しかも何回電話しても携帯繋がらんし、どうせ俺を置いて
   一人で帰ったように見せかけて、俺をビビらせようとでも思ったんじゃろうが?」

私「んっ? ううん。そんなことないよ。全然そんなこと無い。 僕、知ーらない。」

会長「嘘つけっちゃ!どうせ携帯もわざと電源切っちょったんじゃろうが?」

私「あ、やっぱりバレた? でもちょっとだけ焦ったやろ?」

会長「さすがのタコも、俺を一人で角島に置き去りにはせんじゃろうとは思ったが、
   10%位は焦った。」

そうか。よしよし。その辺が狙い。   「 ドッキリ、 大 成 功 !」


しかし本音を言うと、去年の4月に会長に、下関の彦島においてけぼりにされたから
そのお返しに置いてけぼりにしても良かったんやけど、あの時私は自分の車が
あった訳で、今ここに会長を放置して帰ると彼は完全に帰る手段が無くなって
しまう訳で、さすがにそれはちょっと可愛そうかなと思ってやめておいてやった。 
自分で言うのもなんだが、私ってすごく優しい男だな。

そしてその後は会長と共に、角島の色んな漁港や狙い目となりそうな釣り場を
一通り探索して帰途に着く。


灯台で食ったイカ焼きも美味かったし、海も景色も綺麗やった。 満足満足。
角島さいこー! おかげ様で、今日もぐっすり眠れそうですわ。


えっ?今日は何しに角島に来たのかですって?

そんなもん、もちろん観光に決まってますがな。  






角島大橋。
開通して観光客がどっと島に押し寄せ、
ポイ捨てされたゴミがシャレにならんとか。


ゴミはきちんと持ち帰りましょう。
補修工事中で中には入れませんでした。
この灯台の中も味わい深いですよ〜♪
前にテレビで放送された、「HERO」ってドラマの中で、
キムタクが釣りしてた場所にも行ってみた。
で、その近辺の海。
これが海だもんな〜。

いやぁ、角島ええとこじゃ。
会長がわざわざ一人で海水浴に来たという
伝説の海水浴場、大浜。

ここもめっちゃ海が綺麗でしたわ。
ちょっと作りの雑な教会だなと思ってたら、
映画「四日間の奇跡」のために建てられた、
セットの一部のようです。

中は海水浴客のためのトイレのようですが、
今はオフシーズンのためか入り口のシャッターが
閉まっており、入れませんでした。

ちなみに正面のドアはダミーで使えず、右の方に
入り口があります。
尾山漁港を探索。
たくさんの釣り人が竿を出しておられました。
尾山漁港も、信じられない透明度。
水深は10m位あるそうなんですが、
スケスケでしたわ。
偏光グラスをつけなくても海中を泳いでいる魚が見え、
ちょっと楽しくなります。

来年は絶対にここで紀州釣りをして、チヌがどう団子に
反応するのかを見てみたいと思います。
牛です。 特に意味はありません。
191号線から、今日行こうと思っていた蓋井島を撮影。

のっぴきならない理由から、当分行けなくなりそうだから、
最後に行っておきたかったなぁ・・・。