11月29日  大荒れ



私「今日は・・・、 
  最初からこうなることはわかっちょったんじゃ・・・。
  じゃから俺は今日はやめちょこうってあれ程言ったのに・・・。 
  みてみーや、あんたが言う事を聞かんけーこのザマじゃーや。」

会長「知らんっちゃ。俺は後から地磯にしようって言ったーや。それなのにタコが言う事を聞かんけー。」

私「知らんっちゃ。もう船に予約入れた後やったんじゃけー。
  俺が最初に中止にしようって言った時に、あんたが絶対行くって言わんかったら、こんなことには
  ならんじゃったんじゃけー。」

会長「知らんっちゃ。俺は地磯にしようって言ったーや。」

私「知らんっちゃ・・・」




前日金曜日、翌29日土曜日の天候があまり良くないことを天気予報で知る。
日本海響灘は、波の高さ2m後4mってことで、まず船は出ないだろう。
ならば瀬戸内海かと徳山の予報を見るが、なかなかどうして徳山湾も結構な荒れ模様。
とりあえず会長に連絡を入れる。

私「中野さんよーい、明日は徳山、昼12時には風速5m、15時には6mの強風が吹くらしいよ。
  多分10時半位から風が強く吹き始めて、釣りにならんと思うよ。
  波の高さも1m後1、5mで荒れそうやし、下手すりゃ雨まで降る予報やし、明日の釣りは中止にせん?」

と、私は至って正しい判断を下したと思うのだが・・・


会長「はぁっ? 何言ってんの? バカやないん? なんでそんなテンションの下がること言ってるわけ?
    あー、なんか失望するわー。 どうせ先週結構釣れたもんで、今週は別に行かんでもええかなって
    思っちょるんやろ?」

私「わかる?おっしゃる通り。今週は別に行かんでもええ。
  しかも明日、風速5mよ? 更に下手すりゃ雨降るんよ? この時期の雨よ?冷たいよ?
  釣りどころじゃなくなるっちゃ。 絶対罰ゲームになるやん。
  それがわかってるのに、どうしてそんなに行きたがる訳?」

会長「3時間毎の天気の推移表見た? 全然雨は降らない予報っちゃ。行くったら行くっちゃ。
   船の予約も入れろっちゃ!
   万が一降っても、前に永田と3人で雨宿りした、秘密基地のある磯なら大丈夫っちゃ!」

私「んー、しょーがないのー。 一応船長には連絡入れてみるが、船が出ないって言われたらあきらめろよ!」

ってことで早速船長に連絡を入れてみると、私の思惑とは裏腹に残念ながら船は問題なく出港する模様。 
んー、さすがは瀬戸内海。


「船が出るならしょうがないから行くか。んなら、今日のうちに嫁を実家に連れて行っとくから、明日は
 現地集合ってことでヨロシク!」ってことで仕事が終わって嫁や子供と共に嫁実家に向かい、
 そのまま明日の釣りの準備をしてくつろいでたら、会長より連絡が入る。

会長「おっさんよー、やっぱり明日、雨が降るみたい・・・。 とりあえず、中止か地磯にせん?」

私「はぁっ??? バカやないん? 俺があれだけやめようって言ったのに強引に強行命令を出し、
 人に船の予約までさせといて、何をいまさらテンション下がってる訳?   
 あんたがどうしても行くって言うけー、俺もう撒き餌も作ったっちゃ。」

会長「それならせめて地磯にせん? 雨振ったらすぐ帰れるし・・・。」

私「昼は人に無理矢理船の予約入れさせちょって、夜になったらあんたの気分でキャンセルしろってか? 
  アホかっちゃ!  装備は沖磯用で、地磯釣行用の背負子は持って来てないっちゃ。今更無理。
  カッパ持って来いっちゃ。カッパ。」


行きたくないって言ってるのに強引に誘うからこっちも渋々テンション上げたってのに、いきなり訳のわからんことを
言い始めた中野のおっさん。 今更どうしようもないため、予定通り決行。

一応途中で雨が降ったらいけないため、前に会長がカモメを釣り上げた、雨が降ったら避難ができる
磯へと上げてもらい、暫くは快適な時間を過ごす。


今年のシマノジャパンカップ磯は、会長が勝手に師匠と思い込んでいるKIZAKURAテスターの柴原啓二さん
優勝された。で、それを知った会長は、
「さすがは俺の師匠の柴原さんじゃー。ぶちかっこええわ。俺も真似して口ひげ生やそうかのー。」と言っていたが
まぁ、別に好きにしたら良いと思う。


で、私もなんとなく今日はそんな柴原さんにあやかって、「K's Evo L-0シブ」を使用して広い層を探る。

仕掛とタナを聞いてきた会長に、「K's Evo の0シブを使って、タナは全遊動で広く探る予定」と伝えると、
「全遊動って言うなっちゃ。キザクラ浮きの使い手は、全層釣法って言えっちゃ!」と怒られるが、
別にそんなんどーでもええがな。とか思う。


で、当初は、この時期やし瀬戸内やし、まぁ入れ食い状態の中からどうやって型を出すかを考えるはずの
予定だったんだけど、予想に反してクロは食わない。
スズメダイや小アジは確認できるけど、肝心なクロの姿が見えない。
それならチヌでも釣れないかなと仕掛を重くし、深目を探る。
けれどもちろんアタリはない。

またいつものパターンやのーと会長と話をしていると、カクちゃんから連絡が入る。


カクちゃん「どう? 釣れてる?」

私「うん。バッチリ! 丸出駄目男。 
  クロの気配すらない。今、探るタナを深くして、あわよくばチヌ釣法を発動したとこやけど、
  多分ダメ。そんな予感がぷんぷん。」

カクちゃん「それは悲惨やね。でもクロの気配もないって、この時期の瀬戸内海でもそういうことがあるんやねぇ。
       まぁ、タナや仕掛を変えて、色々試してみれば?」

ってことで、カクちゃんから熱いエールをもらい釣り続行。

そして、すぐ横で一部始終を聞いていた会長が話しかけてきた。


会長「瀬戸内海でもそういうことがあるんやねぇって・・・、俺らにかかれば、瀬戸内海だろうが釣堀だろうが、
   どこでだってこういうことは朝飯前よのう!」

私「お、おう! もちろん。」    会長がなんか頼もしい・・・。


その後ももちろんチヌやクロの気配は無く、無駄に時間だけが過ぎていく。

そして時計の針が10時半を回った頃には、私の予想通りに本当に風が強くなり始めた。
沖では白波が立ち始め、体感的には風速5m位。
それでもなんとか竿を出していたんだけど、正午前には遂に立ってられないくらい風が強くなり、油断していると
フッ飛ばされそうになる。 体感的には10m以上の強風。
さすがにこれはやばいと感じ、船の迎えの時間まで2時間以上も残っているが、ここで無念の途中棄権。
会長と二人、9月21日にも逃げ込んだ秘密基地へと緊急避難し、冒頭の会話となったわけである。

暫くどちらが悪いか罪のなすりあいをするが、結局結論は出ず終い。  でもやっぱり会長が悪いと思う。


そして二人、ボーっと虚ろな目で荒れた海を見る。
岩で砕けた波が、飛沫となって先程まで釣り座を構えていた磯の上に降り注いでいる。
避難場所があって良かった。


そして、会長がおもむろに口を開く。

会長「あのままさぁ、磯の上に道具を出しっぱなしにしたままで、岩陰に隠れた俺とタコの姿が見えんかったら、
   船長焦るかねー?
   で、船長が焦ったのを確認した後で、岩陰からひょこっと顔を出して、  ばぁー! びっくりした? 
   って言ったら、船長怒るかねー?  どう思う?」

私「んー、どう思うと聞かれても・・・    あんたの発想はいつも小学生みたいで、アホやなぁとしか思わん。」


その後は、少し風が収まった隙を見て道具を片付け、一つにまとめる。

迎えが来る10分前、なんとなーく風向きが変わり、餌木位ならふれそうに思った私は、なんとなーく仕掛を
作り餌木をキャスト。

普段なら残り10分とか、絶対ボーっとしてるはずなんだけど、今日はなんとなく未練があったのか、
何となくひらめきを感じたのかわかんないけど、とりあえずキャスト。
糸は大きく風で膨らみながら飛んでいく。

やっぱ無理か。とは思いながらも、「これで来たらギャグじゃね?」とか言いつつシャクってたら、
何となーくグーっと重くなる。 で、ギャグは現実のものとなり、最後の最後でまさかのエイリアンが釣れました。
会長よ、そこに海がある限り、最後まであきらめちゃならねー。


で、帰って風速を確認したら、正午の時点で、予報の5mよりも強い9mの風が吹いてました。
海の上、それも西の風をモロに受ける今日の磯で、そりゃー釣りになどなりません。
最初から風裏の磯に上がらせてもらってればよかったんですが、少し雨が降る予報だったんで、
雨除けのある磯を選びました。結果論ですが、結局1日雨は降らず、別の磯に上がってればまだ少しは
マシだったかなと思います。


帰りの船から磯を見ると、半夜で何人かが風裏に上がっておられる。
果たして釣果はあったのであろうか・・・。







さぁ〜て、今日も一日がんばりますかね〜!
とか思ってたら荒れ始めた。
強風で沖にはたくさんの白波が立ち、
磯の上では立ってられない状態に・・・
磯の上まで飛んでくる飛沫に耐えられなくなり、
岩陰で得意の寝に入った会長
前に大雨が降って避難した秘密のアジトが
今日は風避けに。
適当に振ったエギにグッドサイズの
エイリアンがヒット!

めっちゃ美味かったし、義理の両親は今まで持って帰った
どんな魚よりも大喜びだし、インチキ釣り師は廃業して、
エギンガーになろうかしら・・・
1ケ月も広島で研修を受けることとなった永田名人。
残念ながら、暫く釣りはお休み。

本日は、昔広島カープで活躍された長内選手が
経営しておられるという居酒屋へGOGO!

ほろ酔い気分でツーショットの写真を撮らせていただいたようで
かなりご満悦!
でもちょっと羨ましいなぁ。