11月22日  結構釣れる



11月22日(土)、岡山から義理の弟がやってくる。
秋の蓋井島は、「チヌやクロはもちろんのこと、真鯛や青物なども入れ混じり、
それはもうウハウハのお祭り騒ぎになるみたいよ!」と私が吹いていたせいで、この日を心待ちにしている
らしい。

けれども、ウハウハとか大口叩いておきながら今更言うのもあれだが、響灘一帯、まだまだ水温が下がって
いないせいか、いい日と悪い日で、釣果にはどうもムラがあるようで、
「やっぱりあんまり期待せずに来た方がええよ!」と連絡を入れなおす。


しかしそれ以前に、数日前からにらめっこしている週末の天気予報が、どうも芳しくない。
11月19日には1968年11月9日に次ぐ山口県で観測史上2番目に早い、初雪がちらついた。

襲来した寒波の影響で海も相当な荒れ模様で、前予報では22日も相当荒れるとのことであったのだが、
まぁ、日本海響灘が荒れても山口には穏やか〜な瀬戸内海もあるし、最悪の場合その辺の地磯にでも
行きゃーええかって感じで楽天的に考えつつ迎えた前日金曜日、22日(土)の予報は見事に釣り日和!
波の高さは、2m後1.5mってことでかなり良い感じ。
私の日頃の行いが良いからであろうが、ここにきて天気は回復に転じた。

会長と永田はそれぞれ用事があるので行けないということであったのだが、
それとなく名誉顧問のカクちゃんに連絡を入れると、同じく天気予報で明日の予報を知っていた彼は、
「俺も行こうかなぁ・・・」と、心が揺れているご様子。

すかさず、「行こうや行こうや。オキアミと地アミなら、常時冷蔵庫に凍らせてあるから、解凍すれば良いだけ!
       V9もパン粉も好きなだけ準備できまっせ!なんやったらV9SPにメガミックスグレもあるよ!」

と、穂先で軽〜く誘いをかけたら見事に一発で食いついてきて、晴れて3人での釣行となる。

当初は4時便での出港を考えていた我々であるが、どうもここ最近の荒れた天気の影響がまだあるようで、
朝はウネリがかなり残っており、4時の船は出ない模様。
半夜便の出港する午前9時には波も落ち着いているだろうということで、初めての半夜便での釣行となる。

そして9時、背中に朝日を浴びながら、のんびりと出港。
沖に出ると、波は落ち着くはずの予報であったのだが、まだまだこの近辺では波が高い。
蓋井島は、ベタ凪よりも少々荒れてた方が釣果はいいとは聞いてるが・・・。などと考えているうちに、
船は最初の釣り場である「水島」へと到着。
響灘にポツンと浮かぶ小さな磯なのであるが、案の定結構な高さまで波が這い上がってきている。

普段は広々と釣れる磯なんだろうけど、今日は見た感じ、船付場以外での釣りは厳しそう。
まぁ、波がこれから収まってくれば、結構快適に釣れるのかもしれないんだけど・・・。
ってことで、ここは3人の方が降りて行かれた。

赤岩、角ケ崎、泉水と次々に釣り人を下ろして行き、とうとう船の中は我々3人に。
んでもって最後に我々が向かった先は、なんと 「威〜勢〜!」

初めて6月に蓋井島に来て以来、2度目の上礁となる。

私と義弟が2人並んで、カクちゃんが一人離れた所に釣り座を構える。
仕掛けを作り、足元に撒き餌をドカドカ入れながらの第一投、
ベールを明けたまま右手中指でラインを押さえ、更にドカドカと撒き餌を撒いていたら、指先からパラパラッと
ラインが出て行く感触。 「んっ?」 とか思いながら再度指先でラインを止めると、グーッと穂先が押さえ込まれる。

左手に杓を持ったまま片手で合わせを入れると、これが結構な重量感。
竿を溜めてる間に杓を杓立に戻し、やり取り開始。幸先の良い、30cm強のクロがタモに収まった。

私がライブウェルに水を汲んでいる間、義弟も2投目にて同サイズを釣り上げ、初めてのクロの引きを堪能する。
その後も入れ食いとまではいかないものの、コンスタントに釣れてくれるので結構楽しい。

そしてまた、義弟の竿が大きく曲がった。

竿の曲がりからしてかなり大物の予感。
暫くの瀬際での闘いの末、義弟が獲物をごぼう抜き。
何の魚が釣れたのだろうと、空を舞い、一直線に義弟の方へ向かっている魚に目をやると、どこかで
見たことのある黄金色の魚体。 背びれのトゲが憎らしい、蓋井島を代表する毒魚であるバリが
今まさに弟の手に吸い込まれていこうとしていた。

「危ない、それ、バリじゃ!」 慌てて私が叫ぶ。

バリの存在と、その魚が毒魚であることは知っていたものの、初めてその姿を目にした義弟。
私の声に気付き、手で掴む直前でクルッと体を反転させ、バリの攻撃を交わす。

素晴らしい身のこなしに、会長なら間違いなく顔面直撃やったな。などと密かに思う。

ってことで義弟も、日本海響灘を代表する外道、引きは強烈で思わず 「大物だ!」 と人を惑わせる、
バリの存在を確認。 これで義弟もバリバリバリュー!(意味不明)


後半には私と義弟が35cmのクロをダブルヒットさせ、一つのタモで2匹を同時に掬う場面も。

結果は、型こそ出なかったものの、30cm〜35cmまでのクロをそこそこの数釣ることができ、私も義弟も大満足!
一人離れて釣っていたカクちゃんもぼちぼち釣れたみたいですが、秋の蓋井はまだまだこんなもんじゃないと
やや不完全燃焼気味。でもまぁとりあえずカクちゃん、この度は色んな意味でサンキューでした!





朝日を瀬に受けながらの出港。

9時出港の半夜釣行も、のんびりできて
いいもんだ。

いいもんなんだけど、
帰りが遅くなるんだよなぁ・・・

その後やっぱり勃発したし・・・。
あ、なんか洞窟発見!
型こそ出ないものの、結構釣れて、
きっと義弟も満足したことであろう。

しかし君が山口に来る時って、大概釣果に
恵まれてるねー。